制度とお金 / 退職の手続き
年度末退職のスケジュール
年度末退職を予定する場合は、退職日から逆算するだけでなく、年度替わりに誰が業務を受け取り、いつまで職場の端末や窓口を使えるかを確認します。退職の承認、最終登庁、資料の引継ぎ、返却、退職後の保険・年金を別の日程として置くと、準備の残りを整理できます。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。一般職の自己都合の辞職を中心に、日程表の作り方を説明します。全国共通の申出期限を示すものではありません。本人の手続きは任命権者・所属人事、資格と届出は共済・年金事務所・市区町村へ確認してください。
年度末と業務の完了を同じにしない
地方自治法第208条は、普通地方公共団体の会計年度を4月1日から翌年3月31日までと定めています。ただし、会計年度が終わることと、本人の担当案件がすべて終了することは同じではありません。決算、報告、支払い、翌年度の契約、複数年度の事業など、次へ続く仕事を確認します。
年度替わりに担当者や決裁の経路が変わる場合は、誰が何を受け取るかを所属長へ尋ねます。後任が決まるまで資料作成を待つのではなく、業務一覧と未決定事項を先に整理できます。完成していない案件は、その状態を明示して引き継ぎます。
「年度末なら区切りがよい」という考えは、仕事と生活の条件を検討する材料の一つです。必ず手続きが簡単になる、全員に有利という結論にはしません。休養や入社先の予定によっては別の日も含めて検討できます。
申出の期限と早めの相談の目安を分ける
国の人事院規則八―一二第51条は、書面の辞職申出について、任命権者は特に支障がない限り承認する旨を定めています。この規定から、すべての公務員に共通する「何か月前まで」という期限は導けません。
地方公務員法第6条には任命権者が定められています。所属長へ希望を相談すること、規程に沿って正式な書面を出すこと、権限を持つ者の手続きが進むことは分けます。自治体の任免・服務規程、本人の任用区分、宛先と経由先を確認してください。
大東市職員服務規程第23条のように、対象職員について提出時期と許可を定める例もあります。これは同市の例であり、他の自治体へ同じ期限を一般化しません。人員配置等のため早めに意向を聞く運用がある場合も、正式な提出期限との違いを確認します。
四つの日付と新勤務先の資格日を並べる
日程表には、退職予定日、最終登庁日、端末・アカウントの利用終了日、新勤務先の入社日を置きます。さらに、旧共済の資格喪失日と、新勤務先の保険・厚生年金の資格取得日を確認します。休暇に入る日を、法的な退職日として扱わないようにします。
3月31日退職と4月1日入社を仮に予定しても、加入対象の勤務条件と資格取得日は新勤務先へ確認します。単に入社する予定があるだけで、本人や家族の次の資格が確定したとは考えません。入社が延期されたときの加入先も確認します。
退職日が決まる前に採用先へ日程を確約しすぎず、承認の状況と調整が残る点を伝えます。提出書類の発行時期も、退職日以後でなければ出せないものがあるかを確認してください。
準備の段階別に確認表を作る
次は作業順を示す例であり、法令上の一律期限ではありません。実際には所属の締切と本人の日付へ置き換えます。
| 段階 | 主に確認すること |
|---|---|
| 希望日の検討 | 申出規程、任命権者、入社条件、本人と家族の生活予定 |
| 正式な手続き | 書面の宛先・経由、承認の確認、最終登庁と休暇の調整 |
| 引継ぎの準備 | 年度をまたぐ案件、次の期限、判断者、資料の所在 |
| 最終登庁まで | 受取担当の確認、本人資料の交付依頼、端末等の返却 |
| 退職直後 | 新資格の開始、必要な国保・年金等の届出、未着資料の確認 |
担当者ごとに確認する日を置き、口頭で聞いたことと正式に受理されたことも分けます。未確定なら予定欄に書き、確定した日程に混ぜないようにします。
年度をまたぐ案件と異動時の受取先を決める
予算や契約の年度、支払いの時期、照会回答、議会や監査に関する予定を案件ごとに整理します。何をどこまで処理したか、次に誰が判断するか、残る資料は何かを示します。年度内に終わらないことだけを理由に本人が権限外の判断を済ませてはいけません。
所属長自身も異動する場合は、引継ぎを確認する人と翌年度の窓口を確認します。後任未定の案件は、受取担当を所属長等に指定してもらい、本人が個人の知人へ任せる形にしません。
大東市の規程第24条は、退職者の引継ぎに関する定めを置いています。本人の所属でも、様式、確認者、保存先、日程を確かめます。業務資料は組織の場所に保管し、退職後の対応のために私的な端末へ保存しないようにします。
仕事の選択肢は、行政に関わる求人の仕事内容を確認する段階から比べられます。入社の希望日と退職手続きの確定は分けて伝えてください。
休日と窓口・郵送の日程を確認する
退職日や最終登庁日が休日に近い場合は、人事、共済、金融機関、市区町村の受付日を確認します。書類の提出期限が休日だから自動で希望の日まで延びると判断せず、本人の制度と受付方法を担当へ尋ねます。
郵送は発送日と到着日を分けます。所属を経由する申請なら、組合等の最終締切より早い所属内締切が設定されることもあります。本人確認や添付資料が不足した場合の連絡先も確認してください。
大阪市職員共済組合は、任意継続について申出と初回掛金の納付を分け、3月末退職者には一部異なる手続きを案内しています。これは同組合の例です。本人の共済にも年度末の専用案内があるかを確認し、通常の説明だけで日程を決めないようにします。
最終登庁までに返却と本人資料を確認する
職員証、鍵、端末、外部媒体、貸与品を一覧にして、受取担当と返却日を決めます。退職後の保険証類については、マイナンバーカード自体の保管と資格確認書等の返納を分けて旧共済へ確認します。最後の挨拶と返却確認を同じものとして済ませないようにします。
給与明細、源泉徴収票、資格喪失証明、退職・在職証明など、必要な本人資料の交付先も確認します。職場アカウント終了後に閲覧できなくなるものがあれば、正式な取得方法と再交付窓口を尋ねます。
所得税法第226条と国税庁の案内では、年途中の退職者への給与源泉徴収票の交付は退職の日以後1か月以内です。3月末退職でも、最終登庁日当日に必ずそろうとは考えません。新勤務先への提出予定と発行予定を調整してください。
退職翌日からの本人と家族の資格を確認する
地方公務員等共済組合法第39条は、退職した組合員が原則として翌日から資格を失うと定めています。他の共済へ移る場合等には別の扱いもあるため、旧新の資格日を本人の加入先へ確認します。
空白期間がある場合、国保、任意継続、家族の扶養などの条件と期限を確認します。横浜市は職場の保険を失った場合の国保届出を資格喪失日から14日以内と案内し、日本年金機構は第1号への手続きを退職翌日から14日以内と案内しています。本人の年齢や次の加入条件、配偶者の切替えも確認します。
資格喪失証明が未着なら、発行元と申請先へ期限前に相談します。年度末のため資料が遅れるだろうと、本人で期限を後へずらさないようにします。医療の利用登録が済んだマイナンバーカードでも、新しい保険の加入手続きは別に必要です。
翌年度と年末までの確認も残す
住民税は退職時点の未徴収額と、退職した年の所得に基づく翌年度の課税を分けます。給与担当へ異動届と徴収方法、新勤務先で継続できるかを確認します。退職手当や貯金の入金日、貸付等の返済は別の予定として把握してください。
同じ年に再就職する場合の前職給与の資料、年末調整、必要に応じた翌年の申告も予定に残します。退職直後の手続きが終わった後に届く通知は、住所や氏名が正しく届出されているかを確認します。
応募の進め方と入社時期は、相談窓口で経験と希望をもとに整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。個別の退職承認や資格・税の判断は担当機関へ確認してください。
よくある質問
年度末退職は全国一律に何か月前の申出ですか
一律には決められません。本人の任用と所属規程、任命権者への書面と承認を確認します。人員配置等のための相談の目安と正式な期限も分けてください。
3月31日に退職すれば案件もすべて終了ですか
会計年度と業務の完了は別です。翌年度へ続く支払・報告・判断事項を整理し、後任が未定でも所属長が指定する受取担当へ引き継ぎます。
4月に就職予定なら保険と年金は確認不要ですか
入社日、加入対象の勤務条件、資格取得日を確認します。空白があれば本人と家族の切替えが必要となる場合があり、予定だけで手続き不要と判断しません。
在職中の情報収集は、LINEで短く相談することもできます。