制度とお金 / 定年・再任用と任用形態
公務員の懲戒処分の種類と効力|戒告・減給・停職・免職の確認
公務員の懲戒処分は、戒告、減給、停職、免職の四種類です。ただし、給与がどう変わるか、職員の身分が残るか、手当や退職手当がどう扱われるかは、処分の種類と本人に適用される法令を分けて確認する必要があります。
国の規則をすべての自治体へ当てはめることや、処分名だけで本人の支給額を決めることはできません。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。主に一般職の制度を扱い、個別の量定や適法性を判断するものではありません。
四種類は根拠と効力を分けて確認する
国家公務員法第82条、地方公務員法第29条は、法令違反、職務上の義務違反や職務を怠ること、非行等に対する懲戒処分を定めています。どの種類にするかは個別の判断であり、名称の一覧だけで本人の結果を予測することはできません。
| 種類 | 制度上の主な意味 | 本人の確認事項 |
|---|---|---|
| 戒告 | 責任を確認し将来を戒める処分 | 正式な通知、理由、別制度への影響 |
| 減給 | 定めた期間・額の給与を減額する処分 | 対象となる給与、期間、割合・額、支給日 |
| 停職 | 身分を保持しつつ職務に従事しない処分 | 期間、給与、復帰時の扱い、資格・掛金 |
| 免職 | 職員としての身分を失わせる処分 | 発令日、資格切替、証明、退職手当の別判断 |
この表は制度を理解するための整理です。処分を受けた人の能力や経歴の価値を示す序列ではありません。本人に必要なのは、通知の内容と実際の効力を確認することです。
分限の降任・休職・免職等は、懲戒とは理由や根拠が異なります。名称の似た結果から混同しないよう、分限処分と懲戒処分の違いも確認してください。
国の戒告と減給の効力
人事院規則12-0第4条は、戒告を、責任を確認し将来を戒めるものと定めています。口頭の注意と同じものではなく、正式な懲戒処分です。ただし、戒告自体が一定額の給与を減らす減給処分である、という意味ではありません。
同規則第3条では、減給は一年以下の期間、発令の日の俸給月額の五分の一以下に相当する額を給与から減ずる仕組みです。現に受ける俸給月額との関係についても規定があります。
この割合を、手取り全体の割合、賞与を含むすべての給与の割合として使わないでください。対象となる基礎額、期間、支給時の処理は、本人の通知と給与担当の説明で確認します。同じ「減給」でも、何を基礎としているかが重要です。
また、給与上の級が下がる降格や、号俸が下がる降号は、懲戒の減給とは異なります。給与明細に差がある場合は、減給そのもの、手当、欠勤等による計算、その他の決定を項目別に確認します。一つの処分名から差額のすべてを説明しないでください。
国の停職は身分保持と給与不支給を区別して読む
人事院規則12-0第2条は、停職の期間を一日以上一年以下と定めています。国家公務員法第83条では、停職者は身分を保有しながら職務には従事せず、同法第92条による場合を除き、停職期間中は給与を受けられないとしています。
身分が残ることと、通常どおり勤務・給与支給が続くことは違います。反対に、給与がないことだけで退職済みと判断することもできません。本人は処分の開始・終了、期間中の連絡先、復帰時の確認先を整理します。
共済の資格や掛金、家族の資格なども別に確認します。給与が支払われない期間に、本人がどう掛金を納めるかは担当へ照会してください。停職を病気休職と同じ制度として、傷病に関する給付が自動的に出ると考えることも避けます。給付にはそれぞれ要件があります。
勤務しない期間の業務対応についても、本人の判断で旧アカウントを利用したり、私的に保管した資料で処理を続けたりしないでください。通知と所属の案内に従い、必要な連絡は正式な窓口へ確認します。
地方の減給期間・基礎額は条例で確認する
地方公務員法第29条第4項は、懲戒の手続と効果を、法律に特別の定めがある場合を除き条例で定めるとしています。国の減給の期間・割合を、そのまま地方の共通基準とすることはできません。
横浜市の一般職職員の懲戒条例第3条は、原則として一日以上六月以下の期間、給料と地域手当の合計額の十分の一以下を減ずる仕組みです。会計年度任用職員の区分や、企業職員等には別の取扱いも定められています。国の規則とは期間、基礎となる給与、割合が同じではありません。
同市条例第4条の停職は一日以上一年以下で、職を保有しながら職務に従事せず、その期間の給与は支給されないとしています。これも同市の例です。他の自治体では本人の条例・規則を確認します。
本人は、一般行政、教育、企業職員、単純労務、会計年度任用など、どの区分で説明を受けているかも確認してください。一つの条例の本文に原則と特例が併記されている場合は、原則の数値だけを抜き出さないことが大切です。
懲戒免職と退職手当の支給制限は別に確認
懲戒免職は職員としての身分を失う処分です。ただし「懲戒免職という名称なら、退職手当は法律上一律に全額ゼロ」と説明することはできません。
国家公務員退職手当法第12条は、懲戒免職等を受けて退職した者などについて、職務と責任、非違の内容・程度、国民の信頼への影響等を勘案し、一般の退職手当等の全部又は一部を支給しない処分を行うことができると定めています。同条第2項には、理由を付した書面による通知も定められています。
したがって、懲戒の通知と、退職手当管理機関による支給制限の判断・通知を分けて確認します。「一部が必ず支給される」という保証でもありません。地方では本人の退職手当条例や退職手当組合等の制度を確認してください。
医療保険、年金、住民税、貸付残債などの手続きも、退職手当の有無だけでは決まりません。資格喪失日、本人と家族の次の加入先、必要な証明書、精算の担当をそれぞれ確認します。個別の給付や計算は所定の窓口へ相談してください。
手当・昇給・任用への影響は個別の規則を読む
懲戒処分の効果と、処分を受けたことが別の制度に反映されることは分けて読みます。昇給、勤勉手当、昇任などに関する条件は、それぞれの給与・任用の規則により確認する必要があります。
例えば、戒告で減給そのものはなくても、他制度で全く影響がないと保証することはできません。逆に、処分歴があれば将来ずっと昇任できないといった説明も、本人の根拠を確認せずにはできません。適用期間、算定期間、判断の主体を質問として整理します。
人事院の懲戒指針は代表的な事例と標準的な処分を示していますが、個別の動機、行為、結果、職責、過去の非違行為等を総合して判断するものです。事例表を自動的な処分表として使わず、本人への理由の説明を確認します。
訓告・注意と正式な懲戒の通知を混同しない
訓告、厳重注意、口頭指導などの呼び名を、法律上の四種類の懲戒と同じものと扱わないでください。機関の規程に基づく措置や指導の名称である場合もあるため、本人の通知を確認します。
国の人事院規則12-0第5条は、文書を交付して懲戒処分を行うと定めています。地方の横浜市条例にも書面交付の規定があります。処分説明書や不服の手続きは、本人の任用区分と処分の根拠により確認します。詳細は分限処分と懲戒処分の違いを参照してください。
受領した通知は、発令日、受領日、処分の種類、期間、理由、問い合わせ先を分けて整理します。本人への説明が不明なら担当へ確認し、審査等の期限がある場合は所定の窓口へ照会します。単なる相談が正式な申立てになるとは限りません。
外部の仕事も調べたい場合は公務員経験を整理する案内を任意の情報収集に使えます。現職の制度確認を優先しても構いません。
よくある質問
戒告は口頭注意と同じですか?
戒告は法律上の懲戒処分です。訓告や口頭指導等と名称だけで混同せず、本人の正式な通知と根拠を確認します。
停職中は退職した扱いですか?
国の制度では身分を保有しつつ職務に従事しません。給与、共済資格、掛金などはそれぞれ確認が必要です。地方も本人の条例等を確認してください。
懲戒免職なら退職手当は必ず全額不支給ですか?
国の退職手当法は、事情を勘案した全部又は一部の支給制限を定めています。実際の処分と通知を別に確認します。地方は本人の退職手当制度を確認してください。
処分名と生活上の手続きを項目別に確認する
通知、期間、給与計算、資格、退職手当の判断を整理し、根拠の異なる事項を一つにまとめないことが大切です。個別の疑問は人事・給与・共済等の担当へ確認します。
希望する場合は相談フォームで、経験と今後の仕事の条件を整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。応募を決める前の比較でも利用できます。
文面で相談したい方はLINEの案内も確認できます。現職の継続を含め、本人の判断に必要な情報を集めてください。