制度とお金 / 定年・再任用と任用形態
公務員の兼務・併任とは|任用・担当業務・給与と勤務時間の確認
兼務や併任は、複数の仕事や職を担う場面で使われる言葉です。ただし、正式に別の職にも任命されることと、同じ職のまま担当業務が増えることは、確認する制度が異なります。
給与が二重に出る、勤務時間が自動的に増える、別の共済へも加入する、といった結論を名称だけで出すことはできません。本人の通知と適用規程を確認します。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。
併任・兼務・兼業を最初に分ける
日常的に「兼務」と言っていても、人事発令としての兼務か、業務分担についての説明かは確認が必要です。機関によって用語の定義も異なります。
| 説明される事項 | 本人が確認する内容 |
|---|---|
| 併任など別の職への任命 | 本務の職、兼ねる職、任命権者、開始・終了 |
| 兼務の発令 | 兼ねる勤務場所や担当、発令の根拠 |
| 同一所属内の分担変更 | 担当表、決裁権限、上司、業務の優先順位 |
| 外部の仕事・兼業 | 兼業許可等の要否、活動条件、本務との区分 |
| 派遣・出向 | 身分、派遣根拠、勤務条件、復帰の扱い |
複数の公務を担当することと、私的な仕事を行う兼業は同じではありません。併任の辞令があるから、別の有償活動も自由にできるという意味にはなりません。外部の仕事は、その活動に適用される許可・届出等を別に確認します。
また、担当表に名前が二つの業務へ載っていることだけで、法律上二つの職に任命されているとは言えません。職名の呼び方と実際の分担を、辞令や規程で照合してください。
国の併任は人事院規則で認める場合に行う
人事院規則8-12第35条は、併任ができる場合を定めています。法令で認められている場合、本来の官職と勤務時間が重ならない官職へ併任する場合、期間が三月を超えない場合、その他職務遂行に著しい支障がないと認められる場合などに分かれます。
したがって、「併任はすべて三か月で終わる」と説明することはできません。三月という期間は同条の一つの号にある条件であり、すべての併任に共通する上限ではありません。本人がどの根拠で任命されているかを確認します。
同規則第36条は、特定幹部職への併任を除き、人事評価の結果その他の能力の実証などに基づいて、適任と認める者を併任する仕組みを定めています。担当する仕事が増えたという事実だけで、昇任や本人の評価結果まで確定できるものではありません。
任命権者や本務・併任の官職は、本人の人事異動通知書などで確認します。口頭で「しばらく手伝って」と言われた段階で、正式な併任発令まであったと判断しないでください。発令の有無が不明なら、人事担当と所属長へ確認します。
青森県の例では兼任・併任・兼務を区別する
青森県の職員の任免等発令事務取扱規程は、知事部局等の対象職員に関する発令事務を定めています。同規程第2条の表では、複数の用語を区別しています。
知事を任命権者とする職員が現在の身分上の職のまま別の職にも任命される「兼任」、国や他の地方公共団体の職員等が元の職のまま知事を任命権者とする職にも任命される「併任」、現在の勤務場所や担当を維持して他の勤務場所や担当も兼ねる「兼務」などです。
これは同県の規程上の用語です。他の自治体にも同じ呼び分けがあるとは限りません。また、同規程の対象となる任命権者や職員の範囲も確認する必要があります。一般の職員へ向けた一つの解説を、教育委員会や別機関の発令へ無条件に当てはめないでください。
本人の自治体では、人事発令の規程、組織規程、事務分掌、決裁の規程を順に確認します。辞令に別の所属が記載されたことと、どの案件を専決できるかも、同じ情報ではありません。権限が必要な業務は、決裁や事務処理の根拠も確かめます。
勤務時間と指揮命令を先に整理する
複数の担当がある場合は、どちらの業務をいつ行うか、報告先が誰かを確認します。一日の同じ時間帯について、両方の職場で勤務したことにしてよいという制度ではありません。
確認事項は、次のように整理できます。
- 本務と兼ねる業務それぞれの担当範囲と責任。
- 勤務場所、勤務日の割振り、移動に必要な扱い。
- 業務命令、出張、時間外勤務の命令・承認の経路。
- 休暇の申請先と双方への連絡方法。
- 複数の指示が重なるときの調整先。
- 業務システム、決裁、文書の閲覧・保存権限。
例えば、同じ日に二つの会議への出席を求められた場合は、本人だけで両方に出席扱いを付けるのではなく、担当範囲と優先順位の調整を求めます。これは確認の仮例で、特定の機関の内部手順を示すものではありません。
権限の追加や端末の貸与も、正式な申請経路で行います。別の担当を兼ねたからといって、元の所属の住民情報や非公開資料を新しい担当者へ無制限に共有できるとは限りません。利用目的と組織の情報管理のルールを守ります。
併任だけで給与が二重に出るわけではない
国の人事院規則8-12第38条とその運用は、勤務時間が重ならない部分について、兼ねる官職の給与を受けることができる趣旨を示しています。これは、二つの職名を持てば全勤務時間について二重に給与が出るという意味ではありません。
給与の支給は、適用法令、勤務時間、官職、手当の対象などを確認します。本務と併任の給与担当が異なる場合も、どの時間・職務についてどこから支給されるかを照合してください。給与明細に見慣れない項目があれば、名称の印象だけで判断せず支給根拠を尋ねます。
地方では給与条例や規則、別機関との取決めなどが根拠になります。国の規則にある説明を、そのまま本人の自治体の支給基準として使わないでください。兼務手当などの名称があるかどうかも、所属の制度によります。
共済や厚生年金の資格、掛金、標準報酬の取扱いも、給与の説明だけでは確定しません。二つの身分があるから本人の判断で二つの医療保険を使える、というものではありません。任用の種類と勤務の状況を示して、人事・給与担当と所属共済組合へ確認します。家族の資格に関係する手続きも必要に応じて別に照会してください。
期間の満了・解除と担当の引継ぎを確認する
人事院規則8-12第37条は、任命権者による併任の解除、必要な理由がなくなった場合の解除を定めています。また、期間が決まっている場合の満了、官職の廃止、離職、休職・停職、育児休業の承認など、当然終了する場合も規定しています。
この国の規定についても、本人がどの職に、どの期間併任されているかを確認します。「本務の異動があれば必ず同じ扱い」「長く続けているから解除されない」と推測しないでください。地方では、その団体の発令規程等に沿って確認します。
終了時には、担当案件、決裁・閲覧権限、貸与物、関係先への連絡を整理します。業務が終わっていない案件は、後任や所属長へ組織内で引き継ぎます。解除後も以前のアカウントで処理を続けたり、私用の保存資料を使って担当を続けたりすることは勧められません。今後の照会窓口も確認してください。
経験を説明する場合は重複期間と本人の役割を示す
職務経歴を整理するときは、兼ねた業務を別々の在籍期間として足し合わせないようにします。期間が重なることを示し、担当、関係部署、本人の判断や調整の範囲を補足します。
例えば「本務の会計事務に加え、同じ期間に庁内の業務改善担当を兼務した」という書き方は、期間の重なりを示す仮例です。本人が実際に担当した事実だけを使い、兼務の職名から管理職経験や全体の決定権限を創作しないでください。民間企業の役職に機械的に置き換える必要もありません。
外部の仕事も比較したい場合は公務員経験の整理に関する案内を参照できます。現職の役割を確認することを先に進めても構いません。
よくある質問
兼務と併任は全国共通の意味ですか?
本人の機関の規程で確認が必要です。青森県の公開例では兼任・併任・兼務を区別しています。日常的な呼び名だけで、正式な別の職への任命があるかを判断しないでください。
併任になったら給与は二つ支給されますか?
名称だけでは決まりません。国の規則にも勤務時間が重ならない部分に関する規定がありますが、全時間の二重支給を保証するものではありません。勤務と支給根拠を担当へ確認します。
兼務の業務が終われば手続きも不要ですか?
発令の解除・終了、担当案件、貸与物、権限の整理を確認します。本人が業務終了と判断したことと、正式な任用が終了したことは同じではありません。
通知・分掌・勤務の取扱いをそろえて確認する
本務と兼ねる職、期間、指示・報告の経路、給与と資格の担当を整理します。分からない項目は根拠資料を示して人事担当へ照会してください。
希望する場合は相談フォームで、経験と今後の仕事の条件を整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。応募を決める前の比較から利用できます。
文面で相談したい方はLINEの案内も確認できます。現職の継続を含め、本人が必要な順序で情報を集めてください。