制度とお金 / 退職の手続き
最終出勤日と退職日の違い
最終出勤日は最後に実際の勤務をする日、退職日は職員としての身分を終える日です。最後の出勤後に休暇や勤務を要しない日が続く場合は、二つの日付が一致しないことがあります。
退職前の休暇、保険の資格、次の職場の入社日は、最終出勤日だけでは判断できません。 正式な退職日を確認し、実際に勤務する最後の日と、引継ぎ・返却・アカウント終了の予定を別々に整理してください。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。一般的な確認手順を説明します。休暇・承認・給与の扱いは所属、保険・年金の資格は共済組合や年金事務所、次の入社条件は新しい勤務先へ確認してください。
五つの日付を一つにしない
「最後の日」と話すと、出勤する日なのか、退職日なのか、端末を返す日なのかが相手に伝わりにくくなります。予定表では名称をそろえて書き分けます。在宅勤務等がある場合は、最後に庁舎へ行く日と、実際に勤務する最後の日も異なることがあります。
| 日付 | 意味 | 確認する相手 |
|---|---|---|
| 退職希望日 | 本人が希望する、調整段階の日 | 所属の人事担当 |
| 正式な退職日 | 承認等により確定する身分の終了日 | 人事担当・任命権者の通知 |
| 最終出勤・勤務日 | 最後に勤務する日、最後に登庁する日 | 上司・勤務管理担当 |
| 資格喪失・取得日 | 医療保険や年金等の資格が切り替わる日 | 旧新の担当・保険者 |
| 次の勤務開始日 | 新しい職場で勤務を始める日 | 次の勤務先 |
端末の返却日やメールの利用終了日も加えると、本人が必要な書類をいつまでに取得するかを決めやすくなります。日付の見込みと確定は別の欄にし、承認されたものだけを確定として扱ってください。
休暇を取っていても退職前は在職している
国の勤務時間・休暇等に関する法律第16条は、年次休暇、病気休暇、特別休暇等を区分しています。地方の職員は所属の条例・規則を確認します。休暇を使うことと辞職は別の手続きです。
年次休暇の残日数があっても、その日数を退職希望日から単純に引けば最終出勤日が確定するわけではありません。勤務日、週休日、休日、時間単位の取得、申請や時期の調整等を本人の勤務条件で確認します。病気休暇や育児休業を、残っている年次休暇と同じ使い方で計算しないことも必要です。
最終出勤後、退職日までの間に承認された休暇を取る場合も、在職中の身分が続きます。地方公務員法第38条の営利企業への従事等の制限など、本人に適用される服務の規定を確認してください。非常勤の区分等による違いもあるため、すべての職員へ一律の許可条件を示すものではありません。
次の会社から研修、試用的な勤務、報酬を伴う作業等の提案があった場合は、単に出勤が終わったから自由に始められるとは考えず、旧所属と次の勤務先へ確認します。入社前の案内を読むことと、実際に仕事を引き受けることも分けて説明してください。
辞職の承認と休暇の承認は別に確認する
国の一般職では、人事院規則八―一二第51条が、書面による辞職の申出と任命権者の承認を定めています。地方は所属の規程と提出経路で確認します。退職願を出した日や、休暇の申請が認められた日が、そのまま正式な退職日の確定を意味するとは限りません。
上司と最終出勤の予定を話した場合も、人事側の退職処理と整合しているかを確認してください。年度末、月末、休日を含む場合でも、最終登庁日を退職日へ自動的に置き換えないようにします。
予定を変更する必要が出たら、休暇の期間、引継ぎ、辞職の希望日、次の入社日のどれを変更するのかを明示します。いずれか一つの変更で、ほかの日付も自動的に変わるとは考えません。決まった内容を関係担当へ共有し、古い予定のまま返却や資格処理が進まないようにします。
他の働き方も比較するなら、公務員経験を活かせる求人で勤務開始時期や職務条件を調べられます。応募時には確定した退職日と調整中の希望を分けて伝えてください。
保険の資格は出勤日ではなく退職日等から見る
地方公務員等共済組合法第39条は、退職したときは原則として翌日から組合員資格を喪失すると定めています。最後の出勤から退職まで間があっても、出勤していないことだけを理由にその期間の資格が消えるわけではありません。
仮に、月の中頃を最終勤務日とし、承認された休暇等を挟んで月末に正式に退職する予定なら、最終勤務日の翌日を資格喪失日と書かないようにします。退職日と次の資格取得日を、それぞれ旧共済と新しい加入先に確認してください。これは日付の区別の例で、本人の休暇取得や加入資格を保証するものではありません。
医療保険の切替えでは、本人と被扶養者の次の資格も確認します。マイナンバーカードは返却するものではなく、保険証利用登録と新しい加入の手続きも別です。切替えに近い受診では、現在の資格をどう確認するかを保険者・医療機関へ尋ねてください。
年金保険料や共済掛金の計算も、最終勤務日から日割りしてすべて終わるとは限りません。日本年金機構は、厚生年金保険料を月単位で計算すること等を案内しています。同じ月に退職・就職する場合なども、本人の資格日で確認します。制度上の計算と給与から控除される月がずれる場合があるため、最終給与の明細だけで判定しないでください。
休暇を含む退職日候補の比較は退職日の決め方でも整理しています。月末・年度末がすべての人に有利と結論付けず、給与、保険、年金、税と生活の予定を分けます。
引継ぎと返却は実際に作業できる日へ置く
正式な退職日が休日や非出勤日でも、窓口や受取担当がその日に対応できるとは限りません。引継ぎの確認、備品の返却、書類の提出は、担当が対応できる日程で準備します。予定表へは、誰が受け取るかまで記載してください。
| 作業 | 確認しておく内容 |
|---|---|
| 引継ぎ | 完了した案件、未決定事項、次の期限、資料の組織内保存先 |
| 職員証・入館証・鍵 | 返却日、受付担当、その後に入庁が必要な場合の方法 |
| パソコン・携帯端末 | データ保存と移管、管理者の確認、返却物の範囲 |
| メール・システム | 利用終了時期、必要な業務記録の引継ぎ、本人資料の取得 |
| 本人書類 | 退職後の送付先、再交付先、受取時期 |
大東市職員服務規程には職員証の返還や事務引継ぎ等の定めがあります。他の自治体でも、自分の適用規程と情報管理の案内を確認します。休日だから翌営業日に返す、休暇に入るから前倒しで全部返すと、本人だけで決めないようにします。
端末を返した後も在職期間があるなら、必要な届出や所属からの連絡をどう受けるかを確認します。一方、退職後も以前のアカウントを使えるからといって、ログインして業務を処理し続ける前提にはしません。アクセス権と身分、業務を行う権限は管理者に確認してください。
休暇前の資料整理と退職後の連絡を分ける
最終出勤までに引継ぎを行う場合は、書類を置くだけでなく、受取担当が必要な記録へ到達できるかを確認します。後任が決まっていない場合は上司へ引継ぎ先と保存場所を相談し、本人の私的な連絡先だけに頼る状態を避けます。
地方公務員法第34条の守秘義務は退職後も続きます。問い合わせに備えるため業務資料を個人のメール等へ移す方法は取りません。本人に交付される給与・税・資格等の資料は、正式な取得方法と保管先を分けて準備してください。
挨拶や送別の予定は、引継ぎ・返却とは別の調整です。最終出勤だから大勢へ挨拶するのが義務、退職日だから必ず登庁するという全国共通のルールを置く必要はありません。所属の案内、相手の業務、本人の希望を踏まえて範囲を相談します。
今後の希望を整理するなら相談フォームからも相談できます。休暇や退職日が調整中であれば、未確定のまま伝えてください。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。
よくある質問
最後に出勤した翌日から退職した扱いになりますか
正式な退職日が別にある場合は、その日までの在職を確認します。最後の出勤後に休暇等を挟む場合もあります。任命権者の承認等による日付と、実際の勤務終了日を分けてください。
休暇の残りをすべて使える前提で最終日を決められますか
本人の勤務日程、申請、所属の規程等で確認します。残日数だけで自動的に確定するものではありません。辞職の承認と休暇の手続きを分け、勤務管理担当と人事担当の双方に確認してください。
最終出勤日に端末を返せば、その後は何もする必要がありませんか
返却と在職中の届出、退職後の書類受取等は別です。必要な連絡方法と提出物を確認します。端末を返したことだけで、資格や税の手続きまで完了したとは考えないようにしてください。
日程と働き方の希望を短く整理するなら、LINEで相談内容を送ることもできます。退職日が決まっていない情報収集の段階でも構いません。