制度とお金 / 退職の手続き
再任用中の退職
再任用中に退職を考えたら、最初に任用通知で制度名と任期の末日を確認します。定年前再任用短時間勤務、暫定再任用、定年引上げ後も常勤のまま勤務している場合では、退職の前提が違うためです。
任期満了で終えるのか、任期の途中で辞職を希望するのかを分けて所属へ相談してください。 共済や雇用保険、退職手当の有無も、「再任用」という呼び方だけで決めず、本人の勤務条件と適用制度で確認します。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国の制度を例として示しながら、自治体の条例・規則や本人の任用条件で確認する事項を整理します。任用や給付の個別判断は所属、共済組合、年金事務所、ハローワーク等で確認してください。
自分の制度名と任期を確かめる
地方公務員法第22条の4、国家公務員法第60条の2は、定年前再任用短時間勤務の制度を定めています。一定の年齢以後に退職した人を短時間勤務の職に任用するもので、任期は定年退職日相当日までです。すべてを毎年度の更新制だと考えないようにします。
暫定再任用は、定年引上げの経過期間に設けられた別の制度です。人事院の説明では、国の任期は一年を超えない範囲で任命権者が定め、所定の範囲で更新が可能とされています。フルタイムと短時間勤務の両方があります。定年前再任用の任期と入れ替えて理解しないでください。
また、定年引上げによって常勤職員として在職を続けている人は、年齢が六十歳を超えたというだけで再任用になったわけではありません。本人がどの制度の職員であるかを、人事異動通知書や任用条件の説明で確認します。
| 書き出す項目 | 確認する資料・担当 |
|---|---|
| 正式な任用区分 | 任用通知、人事担当の説明 |
| 任期の初日と末日 | 採用・更新時の通知 |
| フルタイムか短時間か | 勤務時間の通知、週の勤務表 |
| 次期の任用に関する手続き | 更新・意向確認の案内 |
| 医療保険と年金の加入先 | 資格情報、給与の控除、共済担当 |
| 雇用保険の加入状況 | 被保険者証等、給与・雇用保険担当 |
手元の案内が古い場合は、適用年度と対象の制度を確認します。旧再任用の資料や、別の自治体の説明だけで現在の自分の条件を確定しないことが大切です。給与制度の違いは再任用の給与でも整理しています。
任期満了と途中辞職で相談内容を変える
任期の末日まで勤務し、次の任用を希望しない場合は、所属の意向確認や更新手続きについて、回答の方法と時期を確認します。任期が満了することと、次の任用について希望を出すことは別の確認です。返却物や引継ぎが自動的に不要になるわけでもありません。
国の暫定再任用の運用通知には、任期の更新と、任期満了による退職について人事異動通知書の記載方法が示されています。地方では所属の規則と運用で確認してください。「更新の面談で話したから、別の手続きはすべて済んだ」と考えず、最後に必要な提出物を確かめます。
任期の途中で辞職を希望する場合は、希望日と任期の末日を明示して人事担当へ相談します。国の一般職では、人事院規則八―一二第51条が書面による辞職の申出と承認を定めています。地方は自分の服務規程等を確認します。全国共通の「再任用なら何日前」という期限を置かないでください。
次の仕事への入社日がある場合は、正式な退職日が確定しているか、調整中なのかを分けて伝えます。勤務しない日や最終登庁日があっても、その日が身分の終わる日とは限りません。引継ぎ、年次休暇の申請、端末返却の日程も、退職日とは別の欄に書きます。
公務で培った経験を別の仕事でも比較するなら、公務員経験を活かせる求人で職務の範囲や勤務時間を確認できます。再任用を続ける条件も並べ、担当業務と生活の両方から比べてください。
退職手当と雇用保険を分けて確認する
再任用に入る前の退職手当と、再任用を終える時の取扱いを混同しないでください。人事院の令和八年四月のFAQは、国の再任用職員として退職する際には退職手当を支給しないことを説明しています。地方では、本人に適用される退職手当条例等で支給対象かを確認します。
退職手当が支給されないという説明を受けても、給与の最終支給や手当の精算、積立や貸付の清算まで何もないという意味ではありません。給与担当には、最終月の給与、期末・勤勉手当の対象や計算、控除の残額を分けて確認します。貸付等があれば契約の担当にも照会します。
雇用保険についても、公務員だから全員非加入、再任用だから全員加入、という説明は避けます。雇用保険法第6条には、所定労働時間や雇用見込み、国・自治体等で働く人の適用除外に関する定めがあります。国のFAQは、加入要件を満たす再任用職員について雇用保険の適用を案内しています。
本人の加入は、所属の雇用保険担当に被保険者番号や加入期間を確認してください。加入している場合、次の勤務先へ出す書類や離職票の交付について相談します。給付を希望する場合の受給要件や離職理由の取扱いは、ハローワークで確認します。加入していた事実だけで、本人に特定の給付が必ず出るとは限りません。
雇用保険の基本手当と、条例等による失業者の退職手当も別制度です。自分がどちらを確認する立場なのかを所属に尋ね、退職手当がないから自動的に他の給付が出るとは考えないようにします。転職先に雇用保険の書類を求められた場合は、実際の加入状況を説明し、必要な提出物を確認してください。
共済の短期資格と年金の記録を分ける
再任用中の医療保険と年金は、フルタイムか短時間か、勤務時間や日数等の加入条件で確認します。短期組合員として共済の医療保険等に加入し、年金は別の実施機関で扱われる場合もあるため、「共済に入っている」という一言だけで両方を判断できません。
横浜市職員共済組合の案内では、一定の条件を満たす短時間再任用職員等を、医療保険等の短期組合員として説明しています。これは加入の仕組みを読む例です。自分の資格区分と、年金の実施機関・記録の照会先は所属の共済担当へ確認してください。
退職後の医療は、次の勤務先の保険、要件を満たす場合の任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者等を検討します。任意継続は申出期限や継続加入期間の条件があるため、前に常勤職を退職した時の手続きをそのまま繰り返せると思わず、今回の資格で確認します。本人の被扶養者がいる場合は、家族分も次の資格を用意してください。
年金を既に受給している人は、退職や次の就職に伴う手続き、在職中の年金との関係を担当の実施機関に尋ねます。今までの勤務記録が消えるという意味ではありません。年齢や受給状況が違う人の計算例を、自分へそのまま使わないでください。
特に、六十歳を超えている人に、退職後は全員国民年金第一号へ変更すると説明するのは適切ではありません。日本年金機構の加入案内は、国内に住む二十歳以上六十歳未満の区分変更と、六十歳以上の任意加入等を分けています。配偶者を含む年齢と資格を伝え、必要な届出を確認します。
最後の勤務と次の生活の書類を整理する
退職前には、現在の任用通知、共済の資格情報、年金の照会先、雇用保険の加入状況を一つのメモへまとめます。そのうえで、所属へ必要な証明書の発行窓口と送付時期を尋ねてください。退職証明書、資格喪失証明書、源泉徴収票、離職票は用途が異なります。
仮に、暫定再任用を任期満了で終えて翌月から別の会社に勤務する場合は、まず今回の任期の末日を確認し、会社へ入社日と必要書類を尋ねます。旧所属には保険資格の終了や雇用保険書類、給与関係書類の発行を確認します。これは準備の例であり、すべての人が同じ日に同じ書類を受け取れるという説明ではありません。
継続中の案件は、判断が必要な事項、次の期限、資料の組織内の保存場所を後任へ引き継ぎます。専門的な仕事を担っていた場合も、退職後の問い合わせ先を個人の連絡先だけにせず、所属の担当窓口を決めてください。業務資料や住民情報を私的に持ち出さないことも大切です。
相談フォームでは、これまでの担当業務と今後希望する勤務条件を分けて伝えられます。任期や入社時期が調整中なら、その状態を記載してください。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。
よくある質問
再任用は毎年度更新なので、年度末まで待つ必要がありますか
制度によって任期が異なります。定年前再任用短時間勤務と暫定再任用を区別し、任用通知で末日を確認してください。途中の辞職を希望する場合は、所属の申出・承認の手続きを相談します。
再任用を終える時も退職手当が出ますか
国のFAQでは再任用職員として退職する際には支給しないと説明されています。地方は適用条例等を確認してください。再任用前の退職手当と、今回の給与や手当の精算、貸付等の清算を分けて尋ねます。
再任用の退職時には離職票が出ますか
雇用保険に加入していた場合は、その加入状況に応じて所属へ交付を相談します。公務員という名称だけで有無を決めません。給付の対象になるかは年齢、加入期間、離職理由、就職状況等によるため、ハローワークで確認してください。
仕事の範囲や働く時間を整理する段階なら、LINEで相談内容を送ることもできます。現在の任用を続ける案と比較しながら、自分が確認したい条件をまとめられます。