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制度とお金 / 給与・手当

再任用職員の給与の仕組み

再任用の給与を調べるとき、退職前の給料に一定の割合を掛けるだけでは確認できません。定年前再任用短時間勤務、暫定再任用、定年まで常勤を続ける場合は、制度が異なるためです。自分がどの制度を使い、どの職務と勤務時間で採用されるかを先に確認します。

地方公務員の給与は、所属の条例と規則によります。この記事では、国の制度を計算の考え方の例として示し、自治体で照会する項目を整理します。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。定年引上げの途中では生年月日や退職時期も関係するため、自分の制度区分、任期、給料と手当の見込みは人事・給与担当へ確認してください。

再任用と、常勤のまま定年まで働くことを分ける

定年引上げに伴い、一定の年齢を超えて常勤職員として引き続き勤務する道があります。国では、60歳に達した日後の最初の4月1日以後の俸給月額を、原則として7割水準とする措置が説明されています。これは、そのまま再任用職員へ採用されるという意味ではありません。

定年前再任用短時間勤務は、一定の年齢以後に定年前に退職した人を、短時間勤務の職へ採用する制度です。地方公務員法第22条の4は、条例年齢以上退職者について、従前の勤務実績等に基づく選考で採用できると定めています。任期は採用日から定年退職日相当日までです。

暫定再任用は、定年の段階的な引上げの期間に置かれた経過措置です。人事院の令和8年4月のFAQは、定年退職した職員等を、フルタイムまたは短時間で採用する制度として説明しています。定年前再任用と給与等の共通点があっても、対象者、任期、制度の目的が異なります。地方では、所属の条例等に基づく対象と期間を確認します。

働き方最初に確認すること
常勤のまま定年まで勤務自分の定年日、年齢に伴う給与措置、職務の変更
定年前再任用短時間勤務退職と選考、短時間の職、定年退職日相当日
暫定再任用のフルタイム対象資格、任期と更新、適用する給与区分
暫定再任用の短時間勤務対象資格、任期と更新、基準額と勤務時間

「60歳以降」「再任用」という呼び方だけで給与の割合を決めず、正式な任用区分を確認することが出発点です。古い再任用の資料を読む場合も、現在の制度と同じ対象かを確かめます。

短時間勤務は、職務の基準額と時間の割合から計算する

国の給与法第8条第12項は、定年前再任用短時間勤務職員の俸給月額について、該当する俸給表の専用欄にある基準俸給月額のうち、職務の級に応じた額に、勤務時間の割合を掛ける仕組みを定めています。退職前に本人が受けていた月額を、そのまま短時間に比例させる仕組みとは異なります。

人事院の案内も、職務の級ごとの基準俸給月額に、週の勤務時間をフルタイムの週38時間45分で割った割合を掛ける計算を示しています。実際の算定には、採用される職の級、基準額、勤務時間、端数の扱いを確認します。任用前の役職や勤続年数だけからは決まりません。

地方の例では、横浜市の給与条例第6条が、定年前再任用短時間勤務職員の基準給料月額に、定められた勤務時間の割合を掛ける形を定めています。これは条例の読み方の例です。自分の自治体の給料表、基準額、時間の定めを給与担当に確認し、国や他の自治体の額をそのまま使わないでください。

暫定再任用のフルタイムと短時間についても、どの表や専用欄を使い、短時間の場合はどのように時間を反映するかを確認します。フルタイムなら退職前の号給が自動的に続く、短時間なら退職前の手取りに勤務日数の比率を掛ける、といった計算は避けます。

外の仕事も比較する場合は、行政が相手の求人を見てみることができます。再任用の役割と民間の役割を、担当業務と勤務時間の両方から比べます。

退職前の手当を、すべて引き継ぐとは考えない

再任用の給与を確認するときは、給料の基準額だけでなく、支給する手当の種類と要件を別に見ます。地域、住居、通勤、単身赴任、実績に基づく手当、期末・勤勉手当などは、その制度と勤務条件ごとに確認します。

国の現行の定年前再任用短時間勤務の案内には、住居手当や寒冷地手当を含めた各種手当が記載されています。古い資料に手当が支給されないと書かれていても、制度の見直しや適用時期を確認する必要があります。一方、その案内に列挙されているだけで、本人がすべての手当の要件を満たすわけではありません。

地方の手当は条例や規則で確認します。「国と同じらしい」という説明だけでなく、自分の制度区分に適用される条文、対象要件、支給開始日を給与担当に尋ねます。以前の職場で受けていた手当が終わる場合や、新しい勤務地による支給がある場合も分けて記録します。

期末・勤勉手当についても、一般の常勤職員と同じ月数や計算になると決めつけません。支給対象、基準日、在職期間や勤務期間、勤務成績、短時間勤務の基礎額への反映を確認します。公表された標準の支給例と、本人の初年度の支給見込みは別です。

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勤務時間だけでなく、任期と割振りを確認する

地方公務員法第22条の4は、定年前再任用短時間勤務の任期を定年退職日相当日までとしています。国のFAQも、暫定再任用の1年以内の任期・更新の仕組みと区別しています。両方を同じ毎年度の更新制と考えたり、一方の任期を他方へ当てはめたりしないことが必要です。

給与の見込みを立てる際は、いつからいつまで働く条件かを一緒に確認します。年度の途中から採用される場合や、任期の終わる月には、通常月と異なる計算や賞与の取扱いを確認することがあります。通年の支給例を、そのまま初年度の見込みに使わないようにします。

週の勤務時間が同じでも、出勤する日数や一日の時間の割振りは異なる場合があります。通勤の負担や生活の予定を考えるには、週の合計時間だけでなく、勤務日と始業・終業の時刻を確認します。希望した職や時間で採用されることが確定しているかも、選考と条件提示で確かめます。

退職から再任用へ移る際の給与の最終・初回支給日、通勤手当の精算、書類の提出も確認します。前後の在籍が連続していても、給与計算や支給条件がそのまま連続するとは限りません。任用前後を別の行にした予定表を作ります。

共済、年金、退職手当は給料と分けて照会する

再任用の勤務時間や任期は、医療保険や年金の資格にも関係します。ただし、制度名だけで本人の加入先と負担を確定することはできません。予定している勤務時間、日数、期間を伝え、所属の共済組合と給与担当、必要に応じて年金事務所へ確認してください。

年金を受け取る年齢や資格に達している場合は、給与と年金の関係も確認します。一般的な制度説明だけで、本人の受給額や支給停止の有無を決めないことが大切です。給料の額面と、年金や控除を合わせた生活費の見通しは別に整理します。

人事院の案内では、国の定年前再任用短時間勤務には退職手当を支給しないとされています。前の常勤勤務を退職する際の退職手当と、再任用期間を終える際の取扱いを区別する必要があります。暫定再任用も含め、地方の自分の取扱いは退職手当条例等と担当窓口で確認します。

税についても、複数の支払者がある場合や年金を受け取る場合など、本人の状況により確認事項が異なります。給与だけの資料から申告不要と決めず、源泉徴収票等の必要書類をそろえ、税務署に確認してください。

民間の仕事と比べるときの質問をそろえる

再任用と民間の仕事を比較する場合は、制度名や給与の合計だけでなく、担当業務、勤務時間、任期、評価、休暇、支給条件を並べます。民間の再雇用や有期雇用が、公務員の再任用と同じ条件とは限りません。

比較する欄確認する質問
役割誰のどの業務を担当し、何を判断するか
勤務週の時間、出勤日、時間外の扱いはどうか
期間任期や更新、終了する条件は何か
固定的な給与基本給と手当は何を条件に支給するか
変動する給与賞与や実績手当は何で変わるか
生活との接続通勤、休暇、保険や年金をどう確認するか

今の公務の経験を民間向けに説明する場合は、役職名より実際に担った業務を整理します。予算や契約、審査、調整のうち、何を担当してどこまで判断したかを言葉にすると、応募先の役割との対応を考えやすくなります。

仕事の経験を整理する場合は、LINEで短く聞くこともできます。制度の対象や個別の給与は、人事・給与担当へ照会してください。

よくある質問

再任用の給料は、退職前の給料の7割ですか

一律にその計算とは言えません。常勤を続ける場合の年齢に伴う措置と、再任用の基準額による給与を区別します。短時間の国の例では、職務の級に応じた基準俸給月額に勤務時間の割合を掛けます。地方では所属の条例で確認します。

定年前再任用と暫定再任用は、どちらも毎年更新ですか

同じではありません。定年前再任用短時間勤務の任期は、地方公務員法第22条の4では定年退職日相当日までとされています。暫定再任用は経過措置としての任期と更新の仕組みを別に確認します。自分の対象制度と任期を人事担当へ尋ねてください。

再任用なら、以前の手当や共済がそのまま続きますか

そのままとは限りません。手当の支給要件と、勤務時間・任期による共済や年金の扱いを確認します。過去の資料だけで判断せず、該当年度の条例・規則と所属の共済組合で確かめてください。

出典

  1. 地方公務員法 第22条の4・第24条・第25条
  2. 一般職の職員の給与に関する法律 第8条第12項
  3. 人事院 定年前再任用短時間勤務制度
  4. 人事院 定年引上げ・再任用制度FAQ(令和8年4月)
  5. 人事院 定年・役職定年・再任用
  6. 横浜市一般職職員の給与に関する条例 第6条

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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