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部署別 / 道路課

道路課から転職しやすい業界と職種

道路課からの転職では、行き先の候補が、毎日の窓口に来ています。

占用の許可を申請してくる事業者です。

電力、通信、ガス、水道、鉄道。どれも、道路を使わなければ事業が成り立ちません。

そして、その相手が、そのまま転職先の一覧になります。

この記事では、向いている5つの方向と、合いにくい方向を並べます。

言い換えは道路課の経験は民間で何と呼ばれるかに書いています。

占用の相手が、条文に並んでいます

行き先を考える前に、この仕事の射程を条文で押さえます。

道路法第32条第1項は、こう定めています。

道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。

一 電柱、電線、変圧塔、郵便差出箱、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物/二 水管、下水道管、ガス管その他これらに類する物件/三 鉄道、軌道、自動運行補助施設その他これらに類する施設/四 歩……

号は、この後も続きます。

ここが要点です。

この列挙は、「道路を使わなければ事業ができない業種」の一覧です。

電柱と電線は、電力と通信の会社。水管とガス管は、水道とガスの会社。鉄道と軌道は、鉄道の会社。

つまり、日々、許可を申請してきていた相手が、そのまま行き先の候補です。

そして、その会社の側には、必ず「道路の占用の手続をする人」がいます。

その人たちが、いちばん困っているのは、「道路管理者が何を見るか」が分からないことです。

それを、内側から知っている——これが、この経歴の値です。

見方どういう会社か
道路を使う側電力、通信、ガス、水道、鉄道
道路を直す側建設会社、舗装、維持管理の受託
道路を診る側建設コンサルタント、点検の会社
道路を支える側自治体を顧客とする企業、地理情報

向いている5つの方向

1. インフラの事業者(電力・通信・ガス・水道)の設備の管理と工事の調整

項目内容
効く経験占用の許可の基準、掘削の調整、復旧の確認、埋設の位置の把握
求められる形工事の計画と申請、道路管理者との協議、関係する事業者との調整
入りやすさ高い。許可を出す側にいた人は、外からは採れない

書くときの注意。「許可を出していた」ではなく、「何を見て、どこで止めていたか」を書いてください。申請する側がいちばん知りたいのは、そこです。

この方向に固有の制約もあります。立場が反転して、今度は自分が申請する側になります。そして、元の職場に申請に行くこともあります。行政が何を見るかを知っているのは有利ですが、「前はこちら側だった」という態度で臨むと、社内でも相手先でも浮きます。申請者としての立場を、最初から取り直してください。

2. 建設会社・道路の舗装・維持管理の受託

項目内容
効く経験発注の仕様、施工の監督、検査の視点、緊急の対応の体制
求められる形自治体からの受注、施工の管理、包括的な管理の運営
入りやすさ高い。発注者が何を見るかを知っている

書くときの注意。仕様を書いていたなら、それを前に出してください。民間の側は、「どう書けば通るか」ではなく「発注者が何を求めているか」を知りたがっています。

3. 建設コンサルタント(点検・長寿命化の計画・設計)

項目内容
効く経験点検の委託の仕様、成果の確認、長寿命化の計画、優先順位の考え方
求められる形自治体からの受託、点検の実施、計画の策定、設計
入りやすさ高い。インフラの老朽化で、業務量が増えている分野

書くときの注意。優先順位をどう付けていたかを書いてください。計画を作る仕事の中心が、まさにそこです。危険度、交通量、通学路、費用。判断の軸を持っている人は、受託の側でも判断できます。

この方向に固有の制約もあります。点検の成果は、「問題がある」と書くほど、自治体の側の仕事が増えます。だから、どう評価して書くかで、その後の予算の議論が変わります。行政にいたときは、その報告を受け取って判断する側でした。今度は、書く側に回ります。事実を曲げずに、相手が使える形で書く——ここが、受託の側のいちばん難しい部分です。

4. 自治体を顧客とする企業(包括的な管理・点検の効率化・地理情報)

項目内容
効く経験台帳の管理、通報の処理、巡回の設計、委託の運営
求められる形包括的な管理の受託、システムの導入の支援、データの整備
入りやすさ中〜高。現場と制度の両方が分かる人が少ない

書くときの注意。通報から対応までの流れを書いてください。この分野の会社が作ろうとしているのが、まさにその流れの効率化です。現場でどう回していたかを知っている人は、作る側で必要とされます。

5. 交通・物流・モビリティ(道路の使い方を知る側)

項目内容
効く経験通行止めと迂回の設定、交通量、規制の手続、警察との協議
求められる形運行の計画、特殊な車両の通行の手続、イベント時の交通の計画
入りやすさ中。求人の数は多くないが、経験の一致度は高い

書くときの注意。「規制の手続を知っている」ことを書いてください。大型の車両の通行や、工事に伴う規制では、手続の順序を知っている人が必要になります。

この方向に固有の制約もあります。求人の数が少なく、募集が出る時期も読めません。なので、この方向だけを主にすると、待つ期間が長くなります。書類を先に作っておいて、他の方向と並行して見ておくほうが現実的です。

合いにくい方向

1. 個人向けの営業

相手が事業者や行政でなくなると、この経歴の技術が使えません。

2. 短期の数字で評価される職種

何十年も使う資産を見てきた感覚とは、評価の周期が合いません。

3. 立ち上げ期の一人目

基準も前例もない環境で全部を作る役割です。この経歴は、基準と記録を積み上げることに強いため、それがない環境では時間がかかります。

4. 施工の現場の技能職

監督していたことと、自分で施工できることは別です。技能が前提の職種は、別の検討になります。

5. 研究職

研究の実績が前提です。行政の実務だけでは届きません。

役に立つ資格

この分野は、資格で入れる範囲が変わります。

資格効く方向実際のところ
1級・2級土木施工管理技士建設会社、維持管理の受託この分野の中心の資格。実務の経験で受験できる
技術士(建設部門)建設コンサルタント受託の要件になることがある。取得は重いが効果は大きい
コンクリート診断士点検、長寿命化橋梁の点検の方向では効く
舗装施工管理技術者舗装、維持管理舗装の方向では分かりやすい裏づけ
測量士補コンサル、調査境界や台帳の実務をしてきた人には近い

在職中に取れるものは、在職中に取るほうが有利です。とくに、施工管理技士は、実務の経験の年数が要件になるため、発注や監督の経験がある間に受けておくと通りやすくなります。

求人を探すときの検索語

庁内の言葉で検索すると、求人が出てきません。

探している仕事検索語
インフラの事業者設備 管理/工事 調整/渉外 用地/占用 申請
建設会社道路 維持管理/舗装 施工管理/包括 管理 委託
建設コンサル橋梁 点検/長寿命化 計画/道路 設計
自治体向け公共 コンサルタント/インフラ 点検/GIS
交通・物流交通 規制/特殊車両/運行 管理

「道路の維持管理」で検索すると、行政の求人が多く出ます。上の言葉に置き換えてください。

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

つまずきやすい点

1. インフラの事業者を、選択肢から入れない

毎日、許可を申請しに来ていた相手です。そこに行き先があります。

2. 「許可を出していた」で終える

何を見て、どこで止めていたか——申請する側がいちばん知りたい部分です。

3. 優先順位の付け方を書かない

点検や計画の受託では、その判断が仕事の中心になります。

4. 資格の要件を確かめずに応募する

施工管理技士や技術士が要件の求人があります。先に確かめてください。

5. 立場が反転することを自覚しない

今度は申請する側です。態度を取り直してください。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

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まとめ

よくある質問

事務職で、技術の資格がありません。行き先はありますか

あります。この分野の仕事は、技術と、手続と、調整に分かれています。資格が要るのは技術の部分で、手続と調整は事務の経験でそのまま通用します。とくに、インフラの事業者の占用の手続や、自治体を顧客とする企業の管理の部門では、制度と手続を知っていることが中心です。書くときは、「占用の許可、掘削の申請の審査、境界の立会い、通報の処理を担当。施工の監督は技術職が担当」と、自分の範囲を明示してください。線を引いた応募は、読まれます。

除雪の担当が中心でした。雪のない地域の会社でも通用しますか

通用します。除雪の仕事の中身は、「限られた資源で、時間の制約がある中、広い範囲に対応する」という運用です。出動の基準、路線の優先順位、委託先の体制、住民への情報の伝達。この構造は、雪に限りません。台風、大雨、事故、設備の障害。緊急時の対応は、どの業種にもあります。書くときは、「緊急時の対応の体制の設計と運用」として書いてください。雪の話は、その一例として添える形にすると、雪のない地域の会社にも伝わります。

何社くらい受けるものですか

決まった数はありません。ただ、この経歴は、方向によって書類が変わります。インフラの事業者に出すなら占用と調整、建設会社に出すなら発注と監督、コンサルに出すなら点検と優先順位。1通で全部を狙うと、どれも浅く見えます。現実的なのは、主にするほうで1通作り、説明の型が近い2方向を並行して見る形です。たとえば、建設会社と建設コンサルタントは、どちらも「発注者が何を見るか」を聞かれます。書き方は道路課の職務経歴書に整理しています。

出典

  1. 道路法 第32条(道路の占用の許可)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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