部署別 / 情報政策課・DX推進
情報政策課・DX推進の面接|聞かれることと、答え方の型
情報政策課・DX推進からの面接で、いちばん最初に来る関門があります。
「開発のご経験はありますか」
ここで止まってしまう方が多い質問です。ただ、聞き方には意図があります。技術職の求人なら足切りですが、情報システム部門や業務改革の求人では、どこまでを自分でやってきたかの確認であることが少なくありません。
この記事では、実際に出てくる質問を並べ、それぞれをどう答えるかを整理します。
言い換えは情報政策課・DX推進の経験は民間で何と呼ばれるか、行き先は情報政策課・DX推進からの転職先、書類は職務経歴書に分けて書いています。
「必要な措置」の中身は、自分たちで決めています
答え方の前に、この部署の性格を確認します。そのまま答えの組み立て方になります。
番号法第12条は、個人番号利用事務実施者及び個人番号関係事務実施者は、個人番号の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人番号の適切な管理のために必要な措置を講じなければならないと定めています。
短い条文ですが、注目してほしいのは「必要な措置」としか書かれていないことです。
何をすればよいかは書いてありません。どういう措置が必要かは、自分たちで決めます。
これが情報政策課の仕事の性格です。法令は「守れ」と言いますが、具体的に何をするかは、業務の実態を見て自分たちで設計します。
面接で問われるのも、まさにここです。「何が決まっていたか」ではなく「何を自分たちで決めたか」を答えてください。
質問1:「開発のご経験はありますか」
最初に来ます。
避けたい答え方
「ありません」で止めることです。事実ですが、そこで話が終わります。
組み立て方
無いことを認めたうえで、あるものに寄せてください。
> コードを書く経験はありません。担当していたのは、何を作るかを決めて、事業者を選んで、作られたものを検証して、動かなかったときに直させるところです。基幹系システムの更改では、◯課から業務を聞き取って仕様書に落とし、◯社の提案を評価して選定し、移行データの突合を設計して、稼働後の不具合の切り分けまで担当しました。開発そのものは事業者が行っています。
「開発をしていない」ではなく「開発以外の全部をやっていた」と説明する。これが要点です。
そのうえで、応募先の体制を確認する質問を返せると、なお良くなります。「御社では開発は内製でしょうか、委託でしょうか」と聞けば、自分の経験が使える範囲がその場で分かります。
質問2:「なぜ転職しようと思ったのですか」
避けたい答え方
「自治体のシステムは古くて何もできない」「予算が取れない」。
いまの職場を否定する形に聞こえると、次の職場でも同じように言うと思われます。しかも、予算の制約は民間にもあります。
組み立て方
やってきたことを起点にします。
> 情報政策課で7年、基幹系システムの更改とオンライン化を担当してきました。更改を1回通したことで、要件を決める段階でどこまで詰めるかが結果を左右すると分かりました。ただ、自治体の調達は契約と予算の枠があるぶん、稼働後に手を入れる範囲が限られます。作ったあとも継続して改善できる環境で、同じ工程に関わりたいと考えています。
否定していません。やってきたことの延長線上に、次の希望を置いています。
質問3:「セキュリティの体制は、どう作っていましたか」
この経歴で強く答えられる質問です。
組み立て方
「必要な措置」を自分たちで決めた、という構造で話します。
> 番号法は「必要な措置を講じなければならない」としか書いていないので、何をするかは自分たちで決める必要がありました。方針としてはポリシーを定めたうえで、実際の運用では現場が守れる形にすることを優先しています。たとえば、規程どおりだと窓口の待ち時間が延びる手順があったので、確認の工程を減らさずに順序を変えました。全職員向けの研修は年◯回、目的外利用の可否の審査は年間◯件担当しています。
「厳しくした」ではなく「守れる形にした」という説明が効きます。統制は守られなければ意味がない、という理解があると読まれるからです。
質問4:「うまくいかなかった案件を教えてください」
高い確率で出ます。システムは必ずどこかで止まるので、止まった話を用意してください。
組み立て方
> 基幹系システムの稼働直後に、特定の条件でデータが正しく表示されない不具合が出ました。窓口が止まるので、まず業務側の回避手順を先に決めて現場に流し、同時に事業者と原因の切り分けを進めています。切り分けでは、移行したデータ側の問題か、プログラム側の問題かを分ける必要があったので、移行前後の突合結果を再確認しました。結果として移行時の変換条件の漏れと分かり、修正のうえ再移行しています。以降は、移行の検証項目に同じ条件を追加しました。
原因の切り分け → 業務の回避 → 修正 → 再発の防止。この4つが入っていると、運用を任せられる人として読まれます。
質問5:「要望をどう優先順位づけしていましたか」
情報システム部門の面接で出ます。利用部門からの要望は、どの組織でも際限なく上がってきます。
組み立て方
> 年間◯件の改修要望が各課から上がってきましたが、予算も事業者の工数も限られているので、全部は受けられません。費用、影響する業務の範囲、法令改正で期限があるかどうか、の3つで区分していました。法令改正に伴うものは最優先で、それ以外は影響範囲の広いものから順に並べています。受けなかったものについては、理由と、次年度に検討する条件を各課に返すようにしました。
受けなかったものにどう答えたかまで話せると、強くなります。断り方を持っている人は多くありません。
質問6:「うちで何ができますか」
応募先の方向によって、答えを完全に変えます。
| 応募先 | 前に出すこと |
|---|---|
| 事業会社の情報システム部門 | 要件定義、事業者の選定と管理、移行、稼働後の対応 |
| 自治体を顧客にするシステム会社 | 発注者側の視点、仕様書と検収、現場が止まる場所 |
| 業務改革・オペレーション改善 | オンライン化、残した手続と理由、業務の分類 |
| 情報セキュリティ・データガバナンス | 規程の策定と運用、目的外利用の審査、研修 |
| 公共分野のコンサルティング | 計画の策定、移行の工程管理、業務の中身の理解 |
質問7:希望する条件について
給与や勤務条件の話も出ます。ここで長く話す必要はありません。
「現在の水準を基準に考えています」と伝え、具体的な調整は選考が進んでからにするのが一般的な進め方です。
なお、退職手当や共済の扱いは在職期間で変わる部分があります。手続きの前に、必ず所属の人事担当課と共済組合で確認してください。公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
逆質問で聞いておくこと
1. 開発は内製か、委託か
いちばん重要な確認です。内製なら開発経験が前提になり、委託なら情報政策課の経験がほぼそのまま使えます。求人票からは読み取れないことが多いので、必ず聞いてください。
2. この職種はどの部門に属するか
技術部門に属するなら技術の深さが、管理部門に属するなら業務の理解が見られます。評価の軸が変わるので、入る前に知っておいたほうがよい情報です。
3. 基幹システムの更改が、いつ来るか
企業の基幹システムの入替えは、10年に一度の規模の事業です。次の更改が近いなら、情報政策課の経験がそのまま中心の仕事になります。逆に、入替えが終わったばかりなら、しばらくは運用と改修が中心になります。どちらが良い悪いではなく、入ってから任される仕事が変わるので、聞いておくと入社後のずれが減ります。「直近で基幹システムの入替えはありましたか」と聞けば自然に答えが返ってきます。
つまずきやすい点
1. 「開発経験がありません」で止める
あるものに寄せて続けてください。
2. 製品名で説明する
読み手は自治体向け製品を知りません。機能で説明してください。
3. 数字を持っていない
「大きなシステムを担当しました」では答えになりません。契約規模、業務数、関係する課の数、年間の要望件数、移行データの件数。この5つは暗記しておいてください。概数で構いません。
4. 止まった話を用意していない
質問4は高い確率で出ます。1件は必ず用意してください。
5. セキュリティの中身を話しすぎる
構成や具体的な対策は話さないでください。「規程を現場が守れる形に直した」という取り組みの形で答えてください。在職中の団体の守りに関わります。
答え方の組み立ては、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
まとめ
- 番号法第12条は「必要な措置を講じなければならない」としか書いていません。何をするかは自分たちで決めるのが、この部署の性格です
- 面接で問われるのも、「何が決まっていたか」ではなく「何を自分たちで決めたか」です
- 「開発のご経験は」には、「開発以外の全部をやっていた」と続けてください。一文足すだけで質問の向きが変わります
- セキュリティは「厳しくした」ではなく「守れる形にした」という説明が効きます
- 止まった話を1件用意してください。原因の切り分け・業務の回避・修正・再発の防止の4つが入っていると読まれます
- 逆質問では、開発が内製か委託か、この職種がどの部門に属するか、基幹システムの更改がいつ来るかを確認します
よくある質問
技術用語をどこまで使ってよいですか
相手によります。情報システム部門の面接なら通じますが、管理部門や事業会社の人事が同席する場面では、用語を使わずに説明できるほうが評価されます。「データの移行」「動作の確認」「不具合の原因を分けること」で十分に伝わります。用語を減らして説明できる人のほうが、利用部門と話せる人として読まれます。
自治体の情報政策は遅れている、と言われたらどう答えますか
事実として受け止めつつ、理由を制度で説明してください。「調達の手続が法令と規則で決まっていて、仕様を決めたあとの変更に契約と予算の手当てが要ります。そのぶん、要件を最初に詰め切る進め方になります」と言えれば、遅れの話が進め方の話に変わります。弁解にも同調にもならない答え方です。
何社くらい受けるものですか
決まった数はありません。ただ、この経歴では開発が内製か委託かで応募先の性質が大きく変わるため、1社だけで判断しないほうがよいです。委託中心の企業を2社ほど並行して見ておくと、自分の経験がどこまで通じるかの感覚がつかめます。方向ごとの違いは情報政策課・DX推進からの転職先に整理しています。