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部署別 / 企画課・政策企画

企画課・政策企画の職務経歴書|書き方と、そのまま使える記述例

企画課の職務経歴書で、いちばん多い1行目はこれです。

「第◯次総合計画の策定を担当。」

事実です。ただ、読んだ側には何も残りません。計画の名前は自治体ごとのもので、書いた人が何をしたのかがどこにも現れていないからです。

この記事では、企画課・政策企画の仕事を職務経歴書にどう落とすかを、悪い例と良い例を並べて整理します。

言い換えは企画課・政策企画の経験は民間で何と呼ばれるかに、行き先の選び方は企画課・政策企画からの転職先に分けて書いています。この記事は、書類そのものの話です。

計画の本体は「役割分担」です

書き方の前に、一つ押さえます。ここを取り違えると、書類全体の方向がずれます。

地方自治法第252条の2第1項は、普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体との連携を図るため、協議により、連携して事務を処理するに当たっての基本的な方針及び役割分担を定める協約(連携協約)を締結することができると定めています。

第2項では、締結したときは告示するとともに、都道府県が締結したものは総務大臣、その他のものは都道府県知事に届け出なければならないとし、第3項では、その協議について議会の議決を経なければならないとしています。

ここに書かれているのは、こういうことです。

連携するときに決めるのは、「方針」と「役割分担」の2つ。

そして、それを文書にして、告示して、議会の議決まで通す。

口頭の合意ではなく、誰が何を担うかを文書に固定する。これが行政の連携の形です。

企画課の仕事も、実はこの構造をしています。総合計画も総合戦略も、突き詰めれば「何を目指すか」と「誰がどこを担うか」を文書に固定する作業です。

だから職務経歴書に書くべきなのは、計画の名前ではありません。誰と誰の役割をどう決めたか、決めるときに何が対立して、どう決着させたかです。

書類全体の形を決める

企画課の場合、応募先が変わっても共通する組み立てがあります。

  1. 職務要約(5〜8行)
  2. 担当業務(箇条書き。計画名の羅列にしない)
  3. 実績(3〜4件。1件あたり5〜8行)
  4. 活かせる経験・スキル(応募先に合わせて並べ替える)

読まれるのは職務要約と実績です。担当業務の箇条書きは確認のために目を通される程度なので、時間は実績に使ってください。

企画課の方に多いのが、担当した計画を全部列挙して、実績が2行で終わっている書類です。配分が逆です。

職務要約の書き方

悪い例

> ◯◯市役所に入庁後、市民課、産業振興課を経て企画課に配属。第◯次総合計画、まち・ひと・しごと創生総合戦略、◯◯ビジョンの策定に従事。現在は企画課主査として、政策の企画立案を担当している。

計画名しかありません。どこにでもある書類になります。

良い例

> 市役所に入庁後、市民課と産業振興課で計8年、企画課で6年。企画課では総合計画の策定と、策定後の進捗管理の両方を担当した。策定では全◯課から施策案を集め、重複と抜けを整理して体系に落とす工程を担当。策定後は◯課で構成する推進会議を設置し、指標◯項目について四半期ごとに実績を集める運用を作った。指標が動かなかった施策については、担当課と原因を確認したうえで、次期計画で◯件を統合・廃止している。近隣◯市町との広域連携の協議にも従事し、役割分担を文書にまとめる工程を担当した。

違いは4つです。

1. 担当した工程が書いてある(材料を集める、体系に落とす、実績を集める)2. 策定後に何を回したかが書いてある3. うまくいかなかったものをどう扱ったかが書いてある(統合・廃止)4. 役割分担を決める仕事をしたことが書いてある

企画課の書類でいちばん効くのは、2つ目と3つ目です。作った話だけの書類と、回した話がある書類では、読まれ方がまったく違います。

担当業務の書き方

箇条書きにします。計画名の羅列にしないでください。

悪い例

> ・第◯次総合計画(令和◯年度〜)の策定> ・◯◯市まち・ひと・しごと創生総合戦略(第2期)の策定> ・◯◯市公共施設等総合管理計画の進行管理> ・◯◯ビジョンの改定

計画の目録になっています。読み手は計画名を知りません。

良い例

> ・総合計画の策定(全◯課からの施策案の収集と体系化、審議会◯回の運営、パブリックコメントの実施、議会説明)> ・策定後の進捗管理(推進会議の設置と運営、指標◯項目の実績収集、年次報告の作成)> ・行政評価(事務事業◯件の点検、次期計画への反映)> ・交付金・補助制度の情報収集と庁内展開(採択◯件)> ・広域連携の協議(近隣◯市町、役割分担の文書化)> ・組織機構の見直し(◯課の再編に関する調整)> ・統計・将来人口推計の整理

計画名を工程に置き換えました。どの工程を担当したかが分かると、民間のどの職種に対応するかも分かります。

実績の書き方――ここに時間を使う

実績は3〜4件に絞ります。書く形は状況 → 論点 → 自分の判断 → 結果です。

悪い例

> 総合計画の策定に携わり、全庁的な調整を行った。

「調整」しかありません。何をしたのかが分かりません。

良い例

> 【重複していた施策を1本にまとめ、担当を決めた】> 総合計画の策定にあたり、各課から上がった施策案を整理したところ、同じ対象に対して3つの課がそれぞれ似た事業を提案している分野があった。いずれも必要性はあるが、住民から見れば窓口が3つに分かれる形になっていた。> どの課が担うかを決める権限は企画課にないため、まず3課の事業を対象者・手段・予算規模の3点で並べた資料を作り、重なっている範囲を数字で示した。そのうえで3課の担当者と課長級の会議を設定し、統合した場合にどの課が受けるかを議題にした。企画課からは案を出さず、判断材料の提示に徹している。> 結果として、1つの課に集約する形で合意し、計画には統合後の施策として記載した。翌年度の予算要求も1本化されている。

長く見えますが、10行です。ここに書かれているのは調整ではありません。重複の発見、数字での可視化、場の設計、そして自分は案を出さなかったという判断、最後に予算まで1本化されたという結果です。

「企画課からは案を出さず、判断材料の提示に徹している」の1行が効きます。権限がない立場で合意を作る方法を理解している、と読まれるからです。

実績に使える題材

企画課なら、次のような題材が使えます。

数字の出し方

企画課の書類では、規模より「動かした範囲」を使います。

使える数字使いにくい数字
関わった課の数自治体の人口・予算総額
施策・事務事業の件数計画の期間(年数)だけ
設計した指標の項目数在籍年数だけ
会議の設計・運営の回数策定した計画の本数だけ
統合・廃止した施策の件数―
交付金・補助の採択件数―
広域連携の相手方の数―

求人票の言葉に合わせて並べ替える

「活かせる経験・スキル」の欄は、応募先ごとに並べ替えます。

応募先の方向先頭に置くもの
経営企画・事業企画全部署からの材料の集約、体系化、進捗管理、指標設計
自治体向けコンサル・シンクタンク計画がどう作られどう動くか、審議会と議会の通し方
自治体と組む事業開発交付金の獲得、広域連携、役割分担の文書化
組織・業務改革組織機構の見直し、事務事業の点検、統合・廃止
データ分析・調査将来推計、指標の設計と実績収集、統計の整理

方向ごとの詳細は企画課・政策企画からの転職先に整理しています。

つまずきやすい点

1. 計画名を並べてしまう

読み手は計画名を知りません。工程に置き換えてください。

2. 「全庁的な調整」で終わる

いちばん多い失敗です。誰と誰の何が対立して、どう決着させたかまで書いてください。

3. 権限がなかったことを弱みとして書く

逆です。権限がないまま合意を作った方法こそが読まれます。「決定権はないので、判断材料の提示に徹した」は強い1行です。

4. 在籍した部署を時系列で全部書く

企画課の記述が埋もれます。応募先に関係する部署だけを厚く書き、残りは1行にしてください。

5. 主語が消える

「体系化を行った」では、課としてなのか自分なのかが分かりません。課の成果と自分の関与を分けてください。「課として実施し、自分は資料の設計と3課への説明を担当した」で十分です。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

よくある質問

計画の名前を書かないと、何をしたか伝わらないのではないですか

計画名を書いてはいけない、という話ではありません。それを実績の中心に置かないということです。「総合計画」「総合戦略」のような一般的な呼び方で十分伝わりますし、読み手が知りたいのは名前ではなくどの工程を担当したかです。名前は1回出せば足ります。

審議会やパブリックコメントの運営は、実績になりますか

なります。民間でいえば社外の関係者を入れた会議体の設計と運営にあたります。書くときは、開催回数だけでなく、誰を委員にしたか(構成をどう考えたか)、何を論点として設定したか、出た意見をどう計画に反映したかを入れてください。開催回数だけだと事務局の作業に見えます。

交付金を取った実績がない場合、不利になりますか

方向によります。自治体向けコンサルや、自治体と組む事業開発の方向では、取ってきた実績があるほうが説明しやすくなります。一方、経営企画や組織・業務改革の方向では、計画を作って回した経験のほうが直接効きます。取った実績がないことは弱みではなく、説得力の出る方向が変わるだけです。方向の選び方は企画課・政策企画からの転職先に整理しています。

出典

  1. 地方自治法 第252条の2(連携協約)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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