自治体別 / 都道府県
宮崎県職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
宮崎県のラスパイレス指数は97.3です。47都道府県のうち、下から4番目にあたります。
ただし、この数字をどう読むかで判断が分かれます。指数は国家公務員の給料表と比べた位置であって、応募先の民間企業と比べた位置ではありません。
「低いから外に出れば上がる」という結論は、この数字からは出てきません。まず何を示している数字なのかを確認してください。
宮崎県庁の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、宮崎県の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 宮崎県 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.3 |
| 平均年齢 | 42.4歳 |
| 平均給料月額 | 312,200円 |
| 諸手当月額 | 64,617円 |
| 平均給与月額 | 376,817円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 336,309円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
指数が低い県を並べてみる
| 県 | ラスパイレス指数 | 平均給料月額 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|
| 鹿児島県 | 96.3 | 313,600円 | 43.3歳 |
| 鳥取県 | 96.6 | 319,500円 | 43.3歳 |
| 青森県 | 96.8 | 312,100円 | 42.6歳 |
| 宮崎県 | 97.3 | 312,200円 | 42.4歳 |
| 沖縄県 | 97.8 | 317,500円 | 42.0歳 |
指数が下から4番目なのに、平均給料月額では鹿児島県や鳥取県を下回りません。むしろ鳥取県319,500円のほうが7,300円高い。指数は鳥取県96.6のほうが低いにもかかわらずです。
理由は年齢構成です。鳥取県と鹿児島県の平均年齢は43.3歳で、宮崎県42.4歳より高い。給料表は勤続年数とともに上がるため、年齢構成が高いほど平均給料月額は高く出ます。
指数(補正済み)と平均給料月額(補正なし)は、別のことを示す数字です。混ぜて読むと、自分の水準の見積もりまでずれます。
九州7県の比較は佐賀県職員の転職に、地域手当の全国的な位置は愛知県職員の転職に表で整理しています。
県庁の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 県庁での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 家畜防疫・衛生の監視指導 | 品質保証、サプライチェーンリスク管理 |
| 畜産・農業の産地形成と輸出 | 事業開発、産地開発、海外展開 |
| 食品衛生・食品表示の監視指導 | 品質保証、規制対応 |
| 企業誘致・立地支援 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 環境・保安の規制と監視 | 環境管理、EHS、規制対応 |
| 防災・避難計画、危機管理 | BCP策定、リスクマネジメント、危機管理 |
| 観光の誘客・受入環境整備 | 観光事業企画、地域ブランディング |
| 県土整備の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 市町村への助言・支援 | パートナー支援、カスタマーサクセス |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「止まると全部が止まる」事態を扱った経験は、企業側に人がいない
宮崎県庁の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
家畜伝染病予防法第1条は、この法律が家畜の伝染性疾病の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とすると定めています。
短い条文ですが、実務の構造がここに表れています。予防と、まん延防止と、産業の振興を同じ法律で扱う。つまり、止めることと動かすことを同時に考えなければならない仕組みです。
この領域の実務は、次のような形をしています。
- 平時は、監視と記録と指導を続ける
- 発生すれば、時間単位で判断し、移動を止める
- 止めれば、事業者の収入が直ちに止まる
- それでも広がりを抑えるほうを優先する場面がある
- 終息後、どう再開させるかまでが仕事になる
この経験は、民間で強く必要とされています。
企業が同じ構造の問題を抱えているからです。製品の回収、工場の停止、取引先の事故、原材料の汚染。止める判断が遅れれば被害が広がり、早すぎれば損失が出る。そして判断の根拠を、あとから説明できなければなりません。
求人票では、品質保証、サプライチェーンリスク管理、リスクマネジメント、危機管理といった名前で書かれています。食品、医薬、化学の分野では、この経験を持つ人を継続的に探しています。
書くときのこつは、事案の名前を出さないことです。どういう情報が入った時点で、何を基準に、どこまでの範囲を止める判断をしたか。そして影響を受ける相手にどう説明したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
宮崎で、どの経験が値になるか
1. 防疫と衛生の監視を続けてきた経験
平時の監視、記録、立入、指導。「何も起きていない状態を保つ仕事」は、成果が見えにくい一方で、止まったときのコストを知っている人にしか回せません。品質保証の職務は、まさにこの性質を持っています。
2. 畜産・農業のブランドと輸出
全国的に知られた産地を持つ県です。産地形成、品質管理、販路開拓、輸出。輸出は許認可と衛生条件の塊なので、制度を知っていること自体が実務能力にあたります。相手国の条件を扱った経験があれば、必ず書いてください。
3. 自然エネルギーと農地の調整
日照条件のよい地域では、太陽光と農地利用の調整が実務になります。土地をめぐる複数の制度が重なる場面を扱った経験は、再エネ開発や用地開発の職務に接続します。
4. 災害を前提にした計画づくり
台風、豪雨、火山、地震。リスクを織り込んで意思決定した経験は、民間ではBCPやリスクマネジメントとして読まれます。想定と、実際に動かして分かったことをセットで書いてください。
5. 市町村を相手にしてきた経験
規模も体制もばらばらな市町村を相手に、温度差をどう埋めたか。「連絡調整」ではなく、複数顧客を持つアカウント業務の経験として書けば、そのまま職務能力になります。
県内の求人だけを見ると、選択肢を自分で狭めてしまう
宮崎県で職種を絞って求人を探すと、県内の件数は限られます。ここで諦めてしまう方が多いのですが、探し方を変えると結果が変わります。
近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。とくに自治体を顧客にする企業は、担当エリアに出向くことが仕事なので、本社への出社頻度が低い場合があります。担当エリアが九州全域という求人であれば、住む場所は必ずしも本社の近くである必要がありません。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、県庁の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
「止める判断」を書く
どの情報が入った時点で、何を基準に、どこまでを止めたか。止めることで誰が損をするかを分かったうえで下した判断は、民間でそのまま評価されます。事案の名前は出さなくて構いません。
異動歴を「立ち上げの回数」に変える
異なる制度領域を短期間で立ち上げてきた経験は、民間ではキャッチアップの速さとして読まれます。編年式で並べ、それぞれの配属で最初の数か月に何を習得したかを1行添えてください。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。県庁でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、獣医師、食品衛生監視員、環境計量士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
検査と記録の実務は、そのまま職務になる
どこから見るか、何を先に確認するか、記録をどう残すか、指摘をどう書くか。この一連の実務は、監査を受ける側の企業にとって外から採用しにくい経験です。書くときは件数と、指摘が争いになったときの決着のさせ方で書いてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。「行政なので利益はありません」と答えると、そこで話が終わります。事業の優先順位を付けた、単価の根拠を詰めた、複数案を比べた。同じ思考をしていたことを、民間の言葉で説明できるかが見られています。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
県内の企業の多くは、県庁と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。都道府県は年度開始前30日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 宮崎県の一般行政職はラスパイレス指数97.3、平均給与月額376,817円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数は全国で下から4番目ですが、平均給料月額では鳥取県や鹿児島県を下回りません。年齢構成の違いです
- 指数(補正済み)と平均給料月額(補正なし)は別のことを示す数字です。混ぜて読まないでください
- 諸手当64,617円は総額の17.2%と薄い。動く部分が小さいので、去年の源泉徴収票が物差しになります
- 「止まると全部が止まる」事態を扱った経験は、企業側に人がいません(家畜伝染病予防法1条)。品質保証、サプライチェーンリスク管理という求人名で出ています
- 経験が効く方向は、防疫と衛生の監視/畜産・農業の輸出/自然エネルギーと農地の調整/災害を前提にした計画/市町村支援の5つです
よくある質問
ラスパイレス指数が全国で下から4番目ですが、転職すれば上がりますか
この数字からは判断できません。指数は国家公務員の給料表と比べた位置であって、応募先の民間企業と比べた位置ではありません。しかも宮崎県の平均給料月額312,200円は、指数がもっと低い鳥取県319,500円を下回ります。指数と平均給料月額は別のことを示す数字です。比べる材料は、自分の源泉徴収票の支払金額と、求人票の想定年収です。
何も起きなければ実績が残らない仕事でした。どう書けばよいですか
企業側は正反対に評価します。品質保証や安全管理は「何も起きない状態を保つ」ことが仕事だからです。採用で困っているのは、止める判断を実際に下したことがある人がいないという点です。手順書は書けても、止めれば誰がどれだけ損をするかを背負って判断した経験を持つ人は少ない。事案の名前ではなく、判断の基準と説明のしかたを書いてください。
県内に希望する職種の求人が見当たりません
勤務地から探すのをやめてください。担当エリアが九州全域という求人であれば、本社の近くに住む必要はありません。リモート可や週数日出社の求人も増えています。まず職種で絞り、そのあとに出社頻度と担当エリアを確認する。この順序に変えるだけで、見える求人が変わります。掲載中の求人を見てみることもできます。