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島根県職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
島根県の諸手当は月額69,055円です。平均給与月額385,355円に占める割合は17.9%。大阪府の26.0%、東京都の30.6%と比べると、総額に占める手当の割合がはっきり小さい構造です。
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%。つまり総額のほぼすべてを、給料表そのものが決めているということです。
この構造は、転職の判断材料としてはむしろ扱いやすいものです。まず数字を読み解いてください。
島根県庁の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、島根県の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 島根県 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.2 |
| 平均年齢 | 42.2歳 |
| 平均給料月額 | 316,300円 |
| 諸手当月額 | 69,055円 |
| 平均給与月額 | 385,355円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 342,771円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
中国地方5県で並べると、開きの大きさが分かる
| 県 | ラスパイレス指数 | 平均給料月額 | 地域手当(実支給) | 諸手当月額 |
|---|---|---|---|---|
| 広島県 | 100.9 | 330,100円 | 約6.34% | 78,397円 |
| 岡山県 | 100.3 | 331,200円 | 約1.73% | 82,195円 |
| 山口県 | 99.3 | 325,700円 | 約0.18% | 70,668円 |
| 島根県 | 98.2 | 316,300円 | 0% | 69,055円 |
| 鳥取県 | 96.6 | 319,500円 | 0% | 69,398円 |
同じ地方のなかで、ラスパイレス指数が4.3ポイント、平均給料月額が14,900円開きます。「中国地方の相場」という一本の物差しはありません。
島根県の位置は、指数98.2で下から2番目、平均給料月額316,300円で最下位。ただし鳥取県との比較では逆転が起きています。指数は島根98.2・鳥取96.6と島根のほうが高いのに、平均給料月額は島根316,300円・鳥取319,500円と鳥取のほうが高い。鳥取県の平均年齢43.3歳が島根県の42.2歳より高いためです。
地域手当の全国的な位置は愛知県職員の転職に、諸手当の比率は大阪府職員の転職に表で整理しています。
県庁の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 県庁での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 防災計画、避難計画、危機管理 | BCP策定、リスクマネジメント、危機管理 |
| 保安・環境の許認可・監視指導 | 保安管理、環境管理、規制対応 |
| 企業誘致・立地支援 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 中山間・離島地域の振興 | 地域事業、モビリティ事業企画 |
| 農林水産の産地形成・販路開拓 | 事業開発、産地開発、商品企画 |
| 文化資源の保護と活用 | 文化事業企画、地域ブランディング |
| 観光の誘客・受入環境整備 | 観光事業企画、地域ブランディング |
| 県土整備の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 市町村への助言・支援 | パートナー支援、カスタマーサクセス |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
事業者と行政が同じ計画を突き合わせる経験は、企業側に人がいない
島根県庁の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
原子力災害対策特別措置法第7条は、原子力事業者に対して、事業所ごとに原子力事業者防災業務計画を作成し、毎年検討を加え、必要があると認めるときは修正しなければならないと定めています。同法第1条は、この法律が原子力事業者の義務等、緊急事態宣言の発出、緊急事態応急対策の実施について特別の措置を定めるものだと書いています。
ここで起きているのは、事業者の計画と行政の計画を突き合わせる作業です。
この構造は原子力に限りません。規制を受ける事業者が計画を作り、行政がそれを見て、実際に動くかどうかを確かめる。同じ形が、高圧ガス、消防、化学物質、食品衛生、医療にもあります。
そして企業側の実情はこうです。計画は作ってあるが、動く形になっていない。文書はあっても、誰がどの判断をするかが決まっていない。訓練が形式的で、実際の連絡は止まる。行政に出す書類と、社内で使う手順が別々になっている。
行政側でこれを見てきた経験は、そのまま職務になります。
- 事業者の計画のどこを見られるのか
- 何が指摘の対象になり、何が許容されるのか
- 訓練で実際に止まるのはどこか
- 関係機関が多いとき、誰から順に押さえるのか
- 制度改正のとき、既存の計画はどう扱われるのか
求人票では、リスクマネジメント、BCP策定、規制対応、保安管理といった名前で書かれています。規制する側にいた人が中途で入ってくることは、企業にとって大きな意味を持ちます。
書くときのこつは、計画の名前を並べないことです。何を想定し、誰と誰の役割をどう決め、動かしてみて何が止まり、翌年どこを直したか。この形にすると、文書作成ではなく運用の経験として読まれます。
島根で、どの経験が値になるか
1. 関係機関が多い調整を、期限のなかで通した経験
国の機関、市町村、事業者、住民、隣接県。関係する主体の数が多いほど、調整は難しくなります。書くときは機関の数と、意見が割れたときの決着のさせ方で書いてください。民間ではプロジェクトマネジメントとして読まれます。
2. 少ない人数で、広い範囲を担当してきた経験
小規模な組織では、1人が複数の制度領域を同時に担当します。これは民間では、立ち上げ期の事業に必要とされる働き方そのものです。「専門が定まっていない」ではなく、何と何を同時に回し、優先順位をどう決めたかを書いてください。
3. 離島と中山間の実務
移動条件の制約があるなかで、医療・交通・教育をどう保つか。実際に再編や統合を通した人はまだ多くありません。自治体向けコンサルティング会社や、インフラ運営を受託する企業が探しているのはこの経験です。
4. 素材産業を行政側から支えてきた経験
特殊鋼や電子部品など、規制の枠組みの中で動く産業の集積があります。これらの企業には行政対応の専任職務があります。保安管理、環境管理、規制対応。審査する側にいた経験が、そのまま求められます。
5. 文化資源と観光を両方から扱った経験
世界的に知られた文化資源を抱える県です。保護と活用は本来ぶつかるので、その折り合いを実際に付けた経験は、観光事業企画や地域ブランディングの職務に直接つながります。
県内の求人だけを見ると、選択肢を自分で狭めてしまう
島根県で職種を絞って求人を探すと、県内の件数は限られます。ここで諦めてしまう方が多いのですが、探し方を変えると結果が変わります。
近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。とくに自治体を顧客にする企業は、担当エリアに出向くことが仕事なので、本社への出社頻度が低い場合があります。担当エリアが中国地方全域、あるいは西日本全域という求人であれば、住む場所は必ずしも本社の近くである必要がありません。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、県庁の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
訓練と見直しを実績として書く
計画は作った時点では実績になりません。回してみて何が動かなかったか、翌年どこを直したか。この往復を書けると、民間の目標管理やPDCAと同じ言葉で読めます。
異動歴を「立ち上げの回数」に変える
異なる制度領域を短期間で立ち上げてきた経験は、民間ではキャッチアップの速さとして読まれます。編年式で並べ、それぞれの配属で最初の数か月に何を習得したかを1行添えてください。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。県庁でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、環境計量士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
維持管理と優先順位付けの経験は、これから増える職務になる
新設ではなく、既存の施設をどう保たせるか。点検、優先順位付け、予算配分、廃止の判断。この判断をした経験は、インフラ運営を受託する企業が探しています。書くときは、対象施設の数と、優先順位をどう決めたかで書いてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。「行政なので利益はありません」と答えると、そこで話が終わります。事業の優先順位を付けた、単価の根拠を詰めた、複数案を比べた。同じ思考をしていたことを、民間の言葉で説明できるかが見られています。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
県内の企業の多くは、県庁と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。都道府県は年度開始前30日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 島根県の一般行政職はラスパイレス指数98.2、平均給与月額385,355円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当は0%、諸手当は平均給与月額の17.9%。総額のほぼすべてを給料表が決めている構造です
- 動く部分が小さいので、去年の源泉徴収票がそのまま実額の目安として使えます
- 中国地方5県でも指数が4.3ポイント開きます。「地方の相場」という物差しはありません
- 事業者の計画を突き合わせてきた経験は、企業側に人がいません(原災法1条・7条)。リスクマネジメント、BCP策定、規制対応という求人名で出ています
- 経験が効く方向は、関係機関の多い調整/少人数で広い範囲/離島と中山間/素材産業の規制/文化資源と観光の5つです
よくある質問
ラスパイレス指数が98.2ということは、給与水準が低いのですか
応募先と比べた数字ではありません。ラスパイレス指数は国家公務員の給料表と比べたものです。島根県は地域手当が0%で諸手当も薄いため、総額は抑えられて見えますが、そのぶん動く部分が小さく、いまの額面を物差しとして使いやすいという利点があります。比べるときは自分の源泉徴収票の支払金額と、求人票の想定年収を並べてください。
関係機関との調整ばかりで、専門的な実務をしていません
その調整が実務です。関係者が多い案件が止まるのは、技術や予算ではなく誰から順に押さえるかが分からないからであることがほとんどです。この順序を知っている人は外から採用しにくい人材です。書くときは会議の回数ではなく、関係した機関の数と、意見が割れたときの決着のさせ方を書いてください。
県内に希望する職種の求人が見当たりません
勤務地から探すのをやめてください。担当エリアが中国地方全域、あるいは西日本全域という求人であれば、本社の近くに住む必要はありません。リモート可や週数日出社の求人も増えています。まず職種で絞り、そのあとに出社頻度と担当エリアを確認する。この順序に変えるだけで、見える求人が変わります。掲載中の求人を見てみることもできます。