自治体別 / 都道府県
徳島県職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
徳島県の平均給与月額は424,671円です。大阪府の425,010円と、339円しか違いません。
ところが地域手当は、徳島県が約2.23%、大阪府が約13.80%。11ポイント以上の差があります。
同じ総額に、まったく違う作られ方で到達している。この構造が分かると、応募先を比べるときの物差しが変わります。まず数字を読み解いてください。
徳島県庁の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、徳島県の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 徳島県 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.0 |
| 平均年齢 | 43.3歳 |
| 平均給料月額 | 328,300円 |
| 諸手当月額 | 96,371円 |
| 平均給与月額 | 424,671円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 360,216円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 約1.70% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 約2.23% |
大阪府と並べてみる
| 項目 | 徳島県 | 大阪府 |
|---|---|---|
| 平均給与月額 | 424,671円 | 425,010円 |
| 平均給料月額 | 328,300円 | 314,600円 |
| 諸手当月額 | 96,371円 | 110,410円 |
| 地域手当(実支給) | 約2.23% | 約13.80% |
| ラスパイレス指数 | 99.0 | 100.4 |
| 平均年齢 | 43.3歳 | 41.6歳 |
総額はほぼ同じなのに、中身が逆です。徳島県は給料月額が13,700円高く、大阪府は諸手当が14,039円厚い。地域手当の差がそのまま諸手当の差に出ています。
そして平均年齢は徳島県のほうが1.7歳高く、ラスパイレス指数は1.4ポイント低い。同じ条件で比べたときの給料表の水準は大阪府のほうが上ですが、実際に在籍している職員の構成では徳島県のほうが高く出るということです。
地域手当の全国的な位置は愛知県職員の転職に、諸手当の比率は大阪府職員の転職に表で整理しています。
県庁の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 県庁での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 河川・砂防の管理と許認可 | インフラ企画、規制対応、発注者支援 |
| 防災計画、避難計画、危機管理 | BCP策定、リスクマネジメント、危機管理 |
| 企業誘致・立地支援 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 産業支援・技術支援の施策 | 産学連携、技術企画、事業開発 |
| 環境・保安の規制と監視 | 環境管理、EHS、規制対応 |
| 農林水産の産地形成・販路開拓 | 事業開発、産地開発、商品企画 |
| 観光の誘客・受入環境整備 | 観光事業企画、地域ブランディング |
| 県土整備の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 市町村への助言・支援 | パートナー支援、カスタマーサクセス |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「国と県で権限が分かれている」現場を通した経験
徳島県庁の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
河川法第9条は、一級河川の管理は国土交通大臣が行うと定めたうえで、第2項で、国土交通大臣が指定する区間(指定区間)内の一級河川に係る大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができると規定しています。
同じ一本の川で、区間によって管理する主体が変わるということです。
これは河川に限りません。道路、港湾、漁港、海岸。ひとつながりの施設や区域が、法律上の区分で複数の主体に分かれている構造は、行政のあちこちにあります。
現場では、こういうことが起きます。
- 上流と下流で、判断の基準や運用が揃わない
- 一方が動いても、もう一方が動かなければ効果が出ない
- 事業者や住民から見ると、窓口がどこなのか分からない
- 災害のときに、誰が何を決めるのかを先に確認する必要がある
この状態を通した経験は、民間でそのまま必要とされます。
企業でも同じことが起きているからです。事業部と管理部門で権限が分かれている。本社と現場で判断の基準が違う。系列会社をまたぐと誰も全体を見ていない。「担当が分かれているせいで止まる」案件を動かせる人を、どの会社も探しています。
求人票では、PMO、事業企画、アライアンス、渉外といった名前で書かれています。
書くときのこつは、組織図の説明で終わらせないことです。どこで権限が切れていて、そのせいで何が止まり、誰から順に押さえて動かしたか。この形にすると、調整ではなく推進の経験として読まれます。
徳島で、どの経験が値になるか
1. 河川と砂防を扱ってきた経験
流域の管理、許認可、災害復旧。流域単位で考える仕事は、いま企業が求める「自社だけでは完結しない目標を動かす」経験と同じ型です。書くときは関係した主体の数と、利害が割れたところの決着のさせ方で書いてください。
2. 災害を前提にした計画づくり
避難、施設の配置、事業継続。リスクを織り込んで意思決定した経験は、民間ではBCPやリスクマネジメントとして読まれます。想定と、実際に動かしてみて分かったことをセットで書いてください。
3. 技術系の産業集積を、行政側から支えてきた経験
化学、電子部品、医薬。規制の枠組みの中で動く産業があり、これらの企業には行政対応の専任職務があります。保安管理、環境管理、規制対応。審査する側にいた経験がそのまま求められます。
4. 農産物のブランドと販路
産地形成、品質管理、販路開拓、輸出。輸出は許認可と制度の塊なので、制度を知っていること自体が実務能力にあたります。
5. 市町村を相手にしてきた経験
規模も体制もばらばらな市町村を相手に、温度差をどう埋めたか。「連絡調整」ではなく、複数顧客を持つアカウント業務の経験として書けば、そのまま職務能力になります。
関西の求人も、視野に入れてよい
徳島県は、本州側との行き来がしやすい位置にあります。担当エリア型の求人であれば、住む場所を変えずに関西を含む範囲を扱えることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。とくに自治体を顧客にする企業は、担当エリアに出向くことが仕事なので、本社への出社頻度が低い場合があります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索すると、県内では出会えない職種が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、県庁の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
権限が切れている場所を書く
国と県、県と市町村、隣接県。どこで権限が分かれていて、そのせいで何が止まったか。そこを動かした話は、民間では推進の経験として読まれます。組織図の説明で終わらせないでください。
異動歴を「立ち上げの回数」に変える
異なる制度領域を短期間で立ち上げてきた経験は、民間ではキャッチアップの速さとして読まれます。編年式で並べ、それぞれの配属で最初の数か月に何を習得したかを1行添えてください。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。県庁でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、環境計量士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
河川・砂防の設計審査は希少な経験になる
流量の検討、護岸、砂防堰堤、災害復旧の査定。扱える技術者が限られる領域です。建設コンサルタントと、インフラ運営を受託する企業の両方から求められます。書くときは、対象施設の数と、条件の厳しさをどう処理したかで書いてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。「行政なので利益はありません」と答えると、そこで話が終わります。事業の優先順位を付けた、単価の根拠を詰めた、複数案を比べた。同じ思考をしていたことを、民間の言葉で説明できるかが見られています。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
県内の企業の多くは、県庁と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。都道府県は年度開始前30日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 徳島県の一般行政職はラスパイレス指数99.0、平均給与月額424,671円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均給与月額は大阪府425,010円と339円しか違いません。ただし地域手当は徳島約2.23%、大阪約13.80%で、総額の作られ方が逆です
- 求人票に地域手当という欄はありません。源泉徴収票の支払金額と、求人票の想定年収を並べてください
- 諸手当96,371円は厚めなので、複数年ぶんを並べてぶれ幅を見ておくと判断がぶれません
- 国と県で権限が分かれる現場を通した経験は、民間でそのまま必要とされます(河川法9条)。PMO、事業企画、アライアンスという求人名で出ています
- 経験が効く方向は、河川と砂防/災害を前提にした計画/技術系産業の規制/農産物のブランド/市町村支援の5つです
よくある質問
大阪府と平均給与月額がほぼ同じなら、大阪の求人と比べても条件は変わりませんか
団体どうしの比較は、そもそも判断に使えません。徳島県と大阪府は総額がほぼ同じでも、給料月額と諸手当の比率が逆です。そして民間の求人票には地域手当という欄がなく、基本給と諸手当を含んだ想定年収が提示されます。比べるべきは団体の平均ではなく、自分の源泉徴収票の支払金額と、求人票の想定年収です。
調整ばかりで、自分の成果と言えるものがありません
民間の採用側は逆に見ます。権限がない相手を動かした経験のほうが、権限で動かした経験より評価されます。社内でも大半の仕事は、指示できない相手に動いてもらう形で進むからです。書くときは「調整した」ではなく、どこで権限が切れていて、相手に何を示したら動いたかを書いてください。
県内に希望する職種の求人が見当たりません
勤務地から探すのをやめてください。徳島県は本州側との行き来がしやすく、担当エリア型の求人であれば住む場所を変えずに関西を含む範囲を扱えることがあります。リモート可や週数日出社の求人も増えています。まず職種で絞り、そのあとに出社頻度と担当エリアを確認する。この順序に変えるだけで、見える求人が変わります。掲載中の求人を見てみることもできます。