制度とお金 / 共済と健康保険
災害見舞金
共済の災害見舞金は、非常災害で組合員の住居や家財が損害を受けたとき、損害の程度に応じて支給される給付です。修理代の全額を払い戻す制度ではなく、市町村の支援金や火災保険とも別に確認します。
罹災証明書を取得したことと、共済の災害見舞金の支給が決まることは同じではありません。 加入共済へ連絡し、対象となる住居・家財、損害判定、現地調査、必要書類を確認してください。証拠を残すために危険な場所へ戻る必要はありません。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。主に地方公務員の共済を対象とする一般的な説明です。国の職員等は本人の組合の案内で確認してください。給付の可否や損害割合を、本記事や本人の見積りだけで決定することはできません。
災害見舞金は住居や家財の損害に対する給付
地方公務員等共済組合法第73条は、非常災害により組合員の住居又は家財に損害を受けたときの災害見舞金を定めています。法律の別表にある損害の程度に応じた月数を、標準報酬月額に乗じる仕組みです。
地方職員共済組合の案内は、水害、地震、火災等の非常災害を説明し、盗難は含まれないとしています。したがって、家の物がなくなった、修理費がかかったという事情だけで対象とは決まりません。災害の原因、発生日、被害の場所と内容を組合に伝えます。
災害見舞金は、家族の死亡に関する弔慰金・家族弔慰金や、災害に関連して勤務を休んだ場合の休業手当金とも別です。複数の制度が関係しそうなときも、一つの申請で自動的にすべて認められるとは考えず、給付名ごとに担当へ確認します。
住居は所有の有無だけで判断しない
地方職員共済組合では、住居を、組合員が現に居住する自宅、借家、借間、公務員宿舎、公営住宅等と説明しています。持家でないという理由だけで、対象外と決めるものではありません。一方、所有する建物すべてが対象になるわけでもありません。
| 確認する対象 | 共済へ伝える情報 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 現在生活している建物 | 所在地、居住状況、持家か賃貸か | 所有と居住を分ける |
| 家具等の家財 | 品目、被害状況、使用・所有の関係 | 家の修理費と一緒にしない |
| 別居家族の住居等 | 家族の被扶養者資格、居住実態 | 家族であるだけで一律に含めない |
| 物置、車両、現金等 | 対象に含まれるかを個別に照会 | すべてを家財として算入しない |
家財について、地方職員共済組合は家具、寝具等の生活に必要な物を説明し、不動産、現金、有価証券等を除いています。ただし、細かい対象範囲は本人の組合の資料で確認してください。例えば、東京都職員共済組合には車両や生活雑貨等について独自の対象範囲の説明があります。一般的な家庭の持ち物一覧を、そのまま損害算定の一覧として出さないようにします。
大阪市職員共済組合は、別居している被扶養者の住居又は家財を組合員の住居又は家財の一部として扱う旨を案内しています。実際の請求では、被扶養者資格や居住場所を組合に確認します。家族が別の保険に加入している場合も同じと決めないでください。
損害の程度と標準報酬月額で計算する
法律の別表では、住居・家財の損害について、次のように月数が分かれています。表は焼失・滅失の程度を整理したもので、それぞれと同程度の損害も規定されています。
| 損害の程度の区分 | 乗じる月数 |
|---|---|
| 住居と家財の全部 | 3月 |
| 住居と家財の2分の1以上、又は住居か家財の全部 | 2月 |
| 住居と家財の3分の1以上、又は住居か家財の2分の1以上 | 1月 |
| 住居か家財の3分の1以上 | 0.5月 |
ここで使う標準報酬月額は、給与の手取り額や修理の見積額ではありません。組合の記録にある標準報酬と適用時点を確認します。また、「家の半分が使えないように感じる」という本人の印象だけで、法律上の損害割合を計算することはできません。
大阪市職員共済組合の案内では、住居と家財を別々に算定し、合算して標準報酬月額の3か月分を上限としています。自分で表の月数を複数選び、無制限に加算するものではありません。具体的な損害の評価、組合が認定した月数、計算に使った標準報酬を支給決定時に確認してください。
浸水について別の扱いが示されている組合もあります。東京都職員共済組合には、家屋等の損害認定が困難な場合の床上浸水の基準があり、建物の条件も付されています。浸水の高さだけを切り取って、全国共通の支給額として案内しないことが大切です。
安全を優先して記録と連絡を進める
大阪市職員共済組合は、組合の実地調査に加え、本人も可能な範囲で被災直後の写真等を記録するよう案内しています。建物全体、部屋の位置、損傷箇所、浸水の跡などが分かる記録は、後の説明に役立ちます。ただし、避難の指示や建物の危険を無視して撮影を行うものではありません。
片付けや廃棄が必要な場合は、生命や衛生のための対応を優先しつつ、組合に調査前の対応や残せる記録を相談します。処分する物の品目、場所、数量等をメモにしておく方法もありますが、共済の証拠として何が必要かは担当に確認してください。写真に他人の住所、氏名、書類などが写る場合は、送付先を確かめて必要な範囲で扱います。
東京都職員共済組合の例では、災害速報、現地調査、請求手続きという順番が示されています。被害が発生してから罹災証明書が出るまで連絡しなくてよい、という意味ではありません。資料が不足していても、所属の共済担当や組合に現在の状況と連絡可能な方法を伝えてください。
連絡用のメモには、発生日、被害場所、本人と家族の資格、連絡先、現時点である資料、調査に関する相談事項をまとめます。組合員番号等が分からない場合は、その旨を伝えて確認方法を尋ねます。被災地を離れている場合は、郵便や追加資料の受取先も共有してください。
罹災証明だけで完了するとは限らない
| 資料の種類 | 確認すること |
|---|---|
| 罹災・被災に関する証明 | 発行主体、対象となる建物や被害、原本か写しか |
| 写真や平面図 | 撮影場所、損傷箇所、浸水の位置、面積等 |
| 損害の明細 | 住居と家財の区別、品目、程度、組合の様式 |
| 居住関係の資料 | 居住実態、賃貸借契約、世帯や被扶養者との関係 |
| 受付と調査の記録 | 所属経由か直接か、追加資料、現地調査の予定 |
地方職員共済組合埼玉県支部では、調査書、罹災写真、証明、住居の平面図、浸水水位等が分かる資料などを案内しています。市町村が発行する罹災証明書は重要な資料ですが、共済が損害程度を確認するために別の資料を求める場合があります。
罹災証明書の被害区分と、共済の別表上の月数を本人だけで一対一に対応させないでください。各制度で認定の目的や対象が異なります。再発行や追加の証明が必要かを確認し、同じ原本を保険会社等にも出す予定があれば、写しの可否を提出先ごとに尋ねます。
保険や自治体支援、勤務上の補償と分ける
火災保険等は加入契約と補償対象、自治体の支援はその制度の対象災害や世帯等の要件、公務災害補償は公務との関係や認定を確認するものです。共済に災害見舞金を請求したから、それらの申請も済むということにはなりません。
制度ごとに、給付名、請求先、申請者、資料、期限、受付済みかどうかを一行ずつ記録します。他の保険金や給付がある場合も、関係があるかをそれぞれの窓口へ伝えて確認してください。併給の可否を、本記事からすべて可能、すべて不可と決めないようにします。
退職や転職が重なる場合は、災害発生日、正式な退職日、共済資格の喪失日、新しい資格の取得日を示して相談します。現在の勤務先だけで請求先を決めたり、退職したので過去の事由も請求できないと決めたりせず、発生時の資格と制度の条件を確認します。
仕事について情報を得たい時期には、公務員経験に関係する求人を閲覧できます。生活や手続きの整理を優先し、比較を始める時期も本人が選べます。
希望する場合は転職相談を利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。連絡方法としてLINEも選べます。いずれも給付申請の窓口ではなく、相談や応募を急ぐ必要はありません。
よくある質問
賃貸住宅の被害も相談できますか
地方職員共済組合は、現に居住する借家や借間、公務員宿舎等も住居の例に含めています。所有の有無だけで決めず、本人の居住実態、対象範囲、損害の程度と必要な証明を加入共済へ確認してください。
罹災証明書があれば支給額が分かりますか
証明書だけで自動的に支給額が決まるとは限りません。共済の調査と損害の判定、標準報酬月額を確認します。住居と家財の明細や写真等が追加で必要となる場合もあるため、組合の様式と手順に沿って準備してください。
修理や片付けを始める前に何を確認しますか
安全と衛生上の対応を優先したうえで、共済の現地調査や必要な記録について連絡します。可能な範囲で写真や品目を残し、記録できなかった場合は事情を伝えて代わりの資料を相談してください。証拠を得るために危険な建物へ入るものではありません。