制度とお金 / 退職の手続き
退職時に返すもの|職員証・貸与品
退職時の返却は、手元にある物をまとめて渡すだけでなく、返却先、返す日、データの扱いを確認して進めます。職員証や鍵、端末と、医療保険に関する書類では、使える期間や提出先が違います。マイナ保険証として使う本人のマイナンバーカードを、職場の貸与品と一緒に返す必要はありません。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。返却対象と手順は所属の人事・物品・情報システム担当、医療保険の書類は本人の共済組合へ確認してください。特定の自治体や共済の例を、全国共通の返却期限として扱わないようにします。
所属の貸与記録と手元の物を照合する
最初に、所属の退職時の案内と貸与記録を確認します。確認候補は、職員証、名札、入退館証、鍵、パソコン、携帯電話、充電器、認証用機器、制服、作業服、業務用図書などです。配布されたすべての物が返却対象とは限らないため、貸与品か消耗品かを担当へ確かめます。
一覧表には、品名、管理番号、付属品、保管場所、返却先、返却予定日、受領確認を置きます。私物と同じ場所に置いている物、自宅で使う許可を得ていた物、別部署から借りた物も含めます。机の上だけを見て返却完了と判断しないことが大切です。
借りた先が複数ある場合は、所属の庶務、施設管理、情報システム、図書の管理担当などに分けます。人事担当へまとめて渡せば、すべての返却が処理されるとは限りません。各窓口の案内に従い、誰が受け取ったか分かる形にします。
自分で作った業務用資料も、本人の私物として持ち帰ってよいとは考えません。引継ぎ用の文書と、物品の返却は別の作業です。引き継ぎ書の作り方も参照し、組織の保存先へ必要な資料を残します。
職員証は所属の規程で返却時期を確認する
職員証は身分や施設へのアクセスに関係します。たとえば大東市職員服務規程第3条は、職員でなくなった場合などに旧職員証の効力が失われ、速やかに返還する取扱いを定めています。対象は同規程第2条と第3条の定めによるため、他の組織の職員証へそのまま当てはめるものではありません。
最終登庁日の後に休暇を取得して退職する場合は、最終登庁日と退職日が異なります。職員証や入退館証をいつ返すか、その後に書類の提出などで来庁する場合の入館方法を確認します。返却する日を自分で決め、必要な手続きへ入れなくなることを避けます。
鍵や入退館の権限も、物の返却とシステム上の停止が別になることがあります。鍵を渡しただけで電子的な権限が停止した、アカウントを止めたから端末の返却は不要、といった判断はしません。担当が確認する項目に沿って完了させます。
医療保険の書類は三種類を分ける
2026年11月時点では、従来の健康保険証を現役の受診用の証として扱う説明はできません。厚生労働省は、従来の健康保険証は2025年12月1日をもってすべて有効期限が満了したと案内しています。古い退職時の一覧に「健康保険証」とだけある場合は、現在の書類名を共済組合へ確認します。
まず、マイナ保険証は、健康保険証としての利用登録をしたマイナンバーカードの通称です。共済から貸与された保険証ではありません。退職することを理由に、本人のカードそのものを職場や共済へ返す必要はありません。厚生労働省は、保険者が変わっても利用登録のやり直しは不要と説明しています。
次に、資格確認書は、マイナ保険証を持たない人などが資格を示すための書類です。退職して旧資格を失うと、その資格確認書で受診を続けることはできません。有効期限内の書類の返納方法は所属共済へ確認します。日本郵政共済の案内では、資格喪失時の返納と、有効期限切れの書類の本人による廃棄を分けています。これは同組合の手続きの例です。
さらに、資格情報のお知らせは資格確認書とは違い、単独で受診するための書類ではありません。厚生労働省は、オンラインで資格確認ができない場合などにマイナンバーカードと併せて示す方法を案内しています。公立学校共済組合兵庫支部は、資格確認書等の返納手続きとは別に、資格情報のお知らせは返却不要と案内しています。本人の共済の最新案内で確認してください。
働く場所や通勤条件を比べる段階なら、行政に関わる求人の仕事内容を確認することもできます。転職活動の予定と、所属へ返す物の予定は分けて管理します。
次の医療保険の資格は別途手続きする
マイナンバーカードを返さないことや、利用登録のやり直しが不要なことは、保険の加入手続きが不要という意味ではありません。新勤務先の健康保険、共済の任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者など、退職翌日からの制度を確認します。
旧資格の情報が画面に表示されていても、資格を失った後にその資格を使ってよいわけではありません。厚生労働省は、保険者への手続き後も新しい資格情報の反映に一定の期間がかかると説明しています。新資格の登録状況や受診時の扱いは、新たに加入する保険者と医療機関へ確認してください。
本人に被扶養者がいる場合は、家族の資格確認書なども確認します。家族の人数分の書類と、次の加入手続きを別々に把握します。本人の返却を済ませたから家族も自動的に新しい保険へ加入した、と考えないようにします。
端末は勝手に初期化せず担当の指示で返す
返す端末には業務のデータや設定が残っているため、情報システム担当の手順に従います。引継ぎに必要なデータが組織の保存先へ移されているか、本人しかアクセスできない領域がないかを確認します。自己判断の初期化や一括削除で業務記録を消さないようにしてください。
私用のアカウントを例外的に登録していた場合や、私物との混在がある場合は、勝手にコピーして整理するのではなく担当へ相談します。認証機器、充電器、周辺機器、持出し許可の記録も確認します。付属品を別の窓口に渡すなら、その案内に従います。
地方公務員法第34条の秘密を守る義務は退職後も続きます。退職後の質問に備えるという理由で、内部文書や住民情報を私物端末・私用メール・個人クラウドへ残さないでください。経験を説明する応募書類にも、内部資料をそのまま添付しないようにします。
紛失と返却後の発見は報告する
紛失や破損が分かったときは、品名、管理番号、最後に確認した場所、現在分かっている事情を担当へ伝えます。鍵や認証機器では安全上の対応が必要になることもあるため、代替品を自分で購入して返せば済むとは考えません。
弁償の要否や金額も自己判断せず、規程と担当の手続きに従います。見つからないことを言い出しにくいからといって、退職日まで報告を待たないようにします。大東市の職員証の例でも、紛失・破損時の届出が定められています。
退職後に見つかった場合は、現在の担当窓口へ連絡して返送先と方法を確認します。端末などを普通の荷物として無断で送らず、梱包、配送、受領確認について指示を受けます。発見した資料の内容を私用の連絡へ貼り付けることも避けてください。
応募準備と退職事務の順番を考えたい場合は、相談窓口で経験と予定を整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。貸与品の返却判断は所属の担当へ確認してください。
最後は受領と残る手続きを分けて確認する
返却の一覧には、渡した日、受取窓口、未返却の物、別途対応が必要な事項を記録します。職場が指定する受領票やチェック表があれば利用します。機器を返した後に必要な連絡ができるよう、退職後の窓口も確認しておきます。
手元に残る本人向け書類、源泉徴収票、年金関係の通知などは、返却する貸与品とは分けます。何でも処分して整理するのではなく、返す物、組織で保存する資料、本人が保管する書類を確かめてください。共済の詳しい手続きは共済組合の脱退手続きで整理しています。
よくある質問
マイナ保険証は職場へ返しますか
本人のマイナンバーカード自体を退職のために返す必要はありません。ただし、次に加入する医療保険の手続きは必要です。旧資格を失った後は、その資格で受診できません。
資格情報のお知らせと資格確認書は同じですか
別の書類です。資格情報のお知らせは単独で受診するための書類ではありません。返却要否も分けて、本人の共済の最新案内を確認します。資格確認書は有効期限や資格喪失の状態に応じた扱いを確認してください。
貸与パソコンは初期化して返しますか
本人の判断では初期化せず、情報システム担当の手順に従います。必要な業務記録を組織の保存先へ残し、付属品も確認します。内部資料を私物へ移す方法で代用しないようにしてください。
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