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制度とお金 / 退職の手続き

退職所得の受給に関する申告書の書き方

退職所得の受給に関する申告書は、退職手当等の支払者へ出す税の書類です。氏名などの基本情報と、今回の勤続期間、過去に受けた退職手当等を確認して書きます。同じ年にほかの退職手当がないという理由だけで、すべての人がA欄だけで済むとは限りません。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国内で退職手当等を受ける居住者の一般的な取扱いです。本人の記載、勤続期間、過去の一時金との調整は支払者の担当と税務署へ確認してください。住民税の記載は支払者・市区町村にも確認します。

提出先と締切を先に確認する

所得税法第203条は、退職手当等の支払を受ける時までに、支払者を経由して申告書を提出する仕組みを定めています。国税庁A2-29の実務上の案内は、退職手当等の支払者への提出です。本人が税務署へ直接持参する通常の確定申告書とは違います。

支払者が受理した時に税務署長へ提出されたものとみなされ、通常は支払者が保管します。所属から案内される人事・給与・退職手当の担当窓口を確認してください。支払者が対応する電子的方法で提出できる場合もありますが、任意のメールで送ればよいという意味ではありません。

法の提出時期と、勤務先が計算や確認のために求める事務上の締切は分けます。退職日と振込予定日も確認し、勤務先から示された日程に沿って準備します。分からない欄があれば放置せず、どの資料が足りないかを担当へ伝えてください。

2026年以後用の様式と裏面を使う

国税庁は、令和8年1月1日以後用と、それより前の期間の様式を分けて掲載しています。2026年に使用する書類は、支払者の案内と最新版を照合します。旧様式の記入例だけを見て、前年以前の一時金の確認期間を判断しないことが大切です。

様式の表にはA〜E欄、裏面には注意事項と各番号の書き方があります。上から全部を埋めるというより、自分に必要な欄を確認して記載します。支払者が記載する欄もあるため、空欄をすべて本人が埋めるわけではありません。

本人の氏名、現住所、その年1月1日現在の住所などは、欄の意味に沿って書きます。退職と転居が重なる場合は二つの住所が違うことがあります。個人番号は指定された方法で提出し、書類の写真を私用の連絡手段へ不用意に送らないようにします。

A欄は退職年月日と勤続期間を照合する

最新様式のA欄は全員が記載する欄です。①は「退職手当等の支払を受けることとなった年月日」という表示ですが、裏面は原則として退職年月日を記載するよう説明しています。銀行口座に入る日をそのまま記入しないようにします。役員等の決議が必要な場合には別の説明もあるため、該当する人は担当へ確認します。

②は一般・障害の区分と生活扶助の有無です。障害の区分は、在職中に障害者になったことに直接基因して退職した場合の説明があります。手帳を持っているかだけで判定せず、記載要領と本人の退職事情を支払者へ確認してください。生活扶助も、その年1月1日現在という基準を確認します。

③は今回支払われる退職手当等の勤続期間と年数です。税務上の期間には、通算する前歴や過去の支給などによる確認が必要です。履歴書の在籍期間を機械的に写したり、退職手当条例の計算年数と常に同じだと判断したりしません。

勤続年数には1年未満の端数を切り上げる説明がありますが、後の欄には切り捨てる計算もあります。全欄を同じ丸め方で処理しないでください。特定役員等勤続期間・短期勤続期間の有無や重複に関する内書も、本人が該当するかを担当へ確認します。

国税庁の記載要領は、「役員等」に国家公務員・地方公務員も含めています。管理職ではなかったから関係がないと考えず、役員等勤続年数が5年以下の場合などの区分を確認します。申告書を出した全員に2分の1計算が適用されるわけではありません。

B・C・D欄は過去の支給を順に確認する

B欄は本年中にほかの退職手当等を受けた場合の欄です。先に受けた手当の勤続期間と、今回との通算期間などを記載します。国税庁の案内では、その手当の退職所得の源泉徴収票を添付し、様式の注意事項には特別徴収票または写しについても説明があります。

C欄は前年以前の退職手当等について、所定の期間と条件に当てはまる場合に記載します。一般的な前年以前4年内の確認に加え、確定拠出年金法に基づく老齢給付金の一時金がある場合には9年内・19年内の規定があります。同年の他の退職手当がなくても、C欄の確認は残ります。

2026年改正では、先に受けたDCの老齢一時金の支払日などで対象が分かれます。国税庁No.2732は、2026年1月1日以後に受けたDCの老齢一時金が前年以前9年内にある場合について、2026年以後の退職手当等と、2026年より前に受けたものの4年内の扱いを区分しています。一律に過去9年間のすべてを同じ対象としません。

反対に、本年中にDCの老齢一時金を受ける場合は、前年以前19年内の退職手当等の確認があります。受給の順番、金額、勤続期間の重複をそろえて支払者へ伝えます。単純に支給年の間隔だけで控除が減る・減らないと断定しないことが大切です。

D欄は、AまたはBの勤続期間に、前に支払を受けた退職手当等の勤続期間が通算されている場合の欄です。前歴を通算する制度がある人は、C欄の年数だけで不要と判断しないようにします。期間が複数あるときは、勤務先、在籍期間、支払日、支払額を一覧にすると確認できます。

仕事の選択肢は、行政に関わる求人の仕事内容を確認する段階から比べられます。税の申告書とは別に、希望する働き方を整理できます。

E欄と添付資料も忘れず確認する

最新様式のE欄は、BまたはCの退職手当等がある場合に記載する欄です。支払を受けることとなった年月日、収入金額、源泉徴収税額、特別徴収税額、実際に受けた年月日、支払者などの情報を確認します。入金額だけでは、税引前の収入金額を記載できない場合があります。

過去の源泉徴収票等を紛失した場合は、支払者へ再交付や確認方法を相談します。記憶だけで税額や期間を埋めないようにします。DCの一時金に該当する場合の老齢給付金欄なども、裏面の指示に従います。

実際の書き方の例として、今回が初めての退職手当等で、前に退職手当等を受けたことがない人は、様式上、B以下の記載が不要とされています。ただし、会社の退職金という名前以外の一時金もあり得るため、過去の支給の性格が不明なら担当に確認してから判断してください。

提出後は源泉徴収票と確定申告の要否を確認する

国税庁は、申告書を提出しない場合、支払額について20.42%の源泉徴収を行うと案内しています。これは本人の最終税額を一律に決める説明ではありません。提出状況、支給明細、源泉徴収票を確認し、未提出の場合は確定申告による精算を税務署へ相談します。

提出した場合は、一般に源泉徴収で課税関係が済みますが、医療費控除や寄附金控除などの理由で確定申告書を提出するなら、退職所得の金額も含めて申告する必要があります。給与所得へ単純に合算する意味ではなく、分離した所得の情報を記載するということです。

記載ミスに気づいたら、支払前か支払後か、すでに税額計算や交付が済んでいるかを示して担当へ連絡します。自分で用紙を差し替えて終わりとせず、訂正の経路を確認してください。住民税もあるため、本人の書類と通知を保管します。

入社時期や応募の順番は、相談窓口で経験と予定を整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。申告書の個別の税務判断は支払者・税務署へ確認します。

よくある質問

①欄には退職手当が振り込まれる日を書きますか

裏面の記載要領は、原則として退職年月日を記載すると説明しています。役員等の決議が必要な場合の別の説明もあるため、本人の事情に応じて担当へ確認します。振込予定日をそのまま写さないようにします。

同じ年に別の退職金がなければA欄だけですか

前年以前の退職手当等やDCの老齢一時金、前歴の通算も確認します。Bが不要でもC・Dなどに該当する場合があります。前に退職手当等を受けたことがない場合の説明と混同しないでください。

提出すればどの退職手当も2分の1計算になりますか

手当の区分によります。特定役員退職手当等や短期退職手当等には別の取扱いがあり、公務員も役員等の範囲に含まれます。申告書の提出と、税額計算の区分の判定は分けて確認します。

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出典

  1. 所得税法 第203条
  2. 国税庁 A2-29 退職所得の受給に関する申告
  3. 国税庁 令和8年1月1日以後用 退職所得の受給に関する申告書・入力用
  4. 国税庁 同申告書・記載要領
  5. 国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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