財政課転職PUBLIC → PRIVATE 無料で相談する

部署別 / 保育課

保育課の働き方と評価|一年の波と、成果が数字にならない理由

保育課の働き方には、年々積み上がっていくという性質があります。

施設に求められることが増えれば、それを確認する項目も増えるからです。

減ることは、ほとんどありません。新しい求めが加わるたびに、確認の項目が一つ増えます。

そして、所管する施設の数は、その間も変わらないか、増えています。

この記事では、一年の波と、成果が数字として表れにくくなる構造、そして民間に移ったときに何が変わるかを整理します。不満の話ではなく、構造の話として読んでください。転職の場面で、自分の仕事をどう説明するかに直結します。

言い換えは保育課の経験は民間で何と呼ばれるか、行き先は保育課からの転職先、書類は職務経歴書、面接は面接で聞かれることに分けています。

施設に求められることが、増えていきます

まず、この部署の仕事が積み上がる構造を条文で確認します。

児童福祉法第48条の4第1項は、こう定めています。

保育所は、当該保育所が主として利用される地域の住民に対して、その行う保育に関し情報の提供を行わなければならない。

そして、続く項では、保育に支障がない限りにおいて、乳児、幼児等の保育に関する相談に応じ、助言を行うよう努めなければならないという趣旨の定めが置かれています。

注目してほしいのは、これが「保育をすること」以外の求めだという点です。

保育所は、子どもを保育する施設です。そこに、地域への情報提供と、相談への対応が加わっています。

同じことが、制度のあちこちで起きています。

求めが増えれば、確認する項目も増えます。

これが、保育課の仕事が年々厚くなる理由です。

面接では、この構造を一度言ってください。

> 施設に求められることが増えるたびに、確認する項目が増えます。限られた時間で全部を見ることはできないので、何を書類で見て、何を実地で見るかを配分し直す必要がありました。

「確認の項目が増え続ける中で、配分を設計してきた」——これは、民間の品質管理でもまったく同じ課題です。

一年の波

時期主な仕事忙しさ
4月新年度の体制の確認、職員の異動に伴う配置の確認、制度改正の反映高
5〜7月指導の年間計画の作成、実地の指導の開始、補助の交付決定高
8〜11月実地の指導の最盛期、次年度に向けた認可の相談最も高い
12〜2月翌春の開設に向けた認可の審査、設備の確認最も高い
2〜3月開設直前の実地の確認、年度末の処理、補助の実績報告の確認高
通年事故とヒヤリハットの報告、苦情と相談、認可外の把握—

山は2つあります。

1つ目は8〜11月の実地の指導。所管する施設を、年間の計画に沿って回ります。一施設あたりの時間は限られ、事前の書類の確認と当日の確認を組み合わせて進めます。

2つ目は12〜3月の認可の審査。4月の開設から逆算して日程が決まるので、動かせません。図面の確認、設備の確認、人員の確認、開設直前の実地の確認が、この期間に集中します。

そして、通年で読めないのが事故の報告です。いつ来るか分からず、来れば他の予定を押しのけます。

成果が数字にならないのは、指標の性質によるものです

保育課の成果が評価に結びつきにくいのには、3つの構造的な理由があります。評価してもらえないという話ではなく、指標の性質からそうなるという話です。

1. 成果が「事故が起きないこと」の形をとる

基準を守らせ、危ない点を直させた結果は、何も起きないという形でしか表れません。

一方、起きたときだけ表に出ます。

2. 指摘の件数は、多くても少なくても説明できてしまう

多ければ「よく見ている」とも「施設の質に課題がある」とも読めます。少なければ「質が高い」とも「見落としている」とも読めます。方向を持たない数字です。

3. 施設の質が上がっても、それは施設の成果になる

指摘を受けて直したのは施設です。改善された状態は、施設の努力として整理されます。

この3つのうち、2つ目は自分で置き換えられます。

指摘の件数ではなく、「改善報告の提出率」と「改善までの期間」です。

これは方向を持つ指標です。提出率が高く、期間が短ければ、指導が機能したと言えます。民間の内部監査でも、まさにこの指標が見られます。

民間に移ると変わる4つのこと

1. 見る側から、見られる側になる

事業者側に移ると、指導を受ける側になります。立場が逆転します。

ただし、これは強みです。何を見られるか、どこが指摘されやすいかを知っているので、平時から備える仕組みを作れます。

2. 改善を「させる」から「する」に変わる

行政では、指摘して、改善報告を求めて、確認するところまででした。事業者では、自分たちが改善する側です。

「何をすれば基準を満たすか」を知っていることが、そのまま実行の速さになります。

3. 成果が稼働と定着で測られる

事業者では、定員に対する在籍、職員の定着、事故の件数が指標になります。「適正に確認した」では止まりません。

だから、改善報告の提出率や、改善までの期間という「方向を持つ指標」を扱ってきた経験が活きます。

4. 横の展開が、自社の中で完結する

行政では、一つの施設で見つかったことを、他の法人にも共有するのは簡単ではありません。事業者では、自社の全拠点にすぐ展開できます。

「個別の対応で終わらせず、横に展開する」という発想を持っている人は、多拠点を持つ事業者でまさに求められています。

公務員の経験が活きる求人を見てみる

在職中に残しておくべき記録

転職を考え始めたら、在職中に手元に控えておくものがあります。辞めてからでは集めにくくなります。

残すもの使う場面注意
所管する施設数と、種類の内訳職務要約これがないと規模が測れない。公表されている
所管する施設の定員の合計職務要約公表されている
実地の指導の年間件数職務要約、実績事業の概要から取れる
設置の認可・確認の審査の年間件数実績新規開設の部署で効く
改善報告の提出率と、改善までの期間実績方向を持つ指標。自分で控えるしかない
事故等の報告の受理件数担当業務件数のみ。内容は書かない
補助の交付決定の件数と金額担当業務決算資料から取れる
保育士確保の施策の件数と参加者数実績事業の概要から取れる

5行目が最重要です。改善報告の提出率と、改善までの期間は、公表されていないことがほとんどです。在職中に自分で控えておくしかありません。

そして、書いてはいけないものも確認しておきます。

公表されている施設の一覧、計画、事業の概要、決算資料に載っている範囲で書くのが原則です。

LINEで短く聞くこともできます

つまずきやすい点

1. 「板挟みでした」と説明する

「基準を守らせる役と、基準を満たせるように支える役の両方を担っていた」と言い換えてください。二つの役は矛盾しません。

2. 指摘の件数を成果として書く

方向を持たない数字です。改善報告の提出率と、改善までの期間を控えてください。

3. 確認の項目が増え続ける構造を説明しない

「限られた時間で全部は見られないので、書類で見るものと実地で見るものを配分し直した」という設計の話にしてください。

4. 横の展開の発想を書かない

多拠点を持つ事業者でまさに求められる部分です。

5. 退職後の手続きを確認しないまま動く

退職手当や共済の扱いは在職期間で変わります。所属の人事担当課と共済組合で先に確認してください。公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。

どの経験がどの方向で値が付くかは、募集の出方で変わります。どの経験に値が付くのかから相談できます。

まとめ

よくある質問

残業は多い部署ですか

団体や年によって違うため、一般化はできません。ただし、構造として、8〜11月に実地の指導が集中すること、12〜3月に翌春の開設に向けた認可の審査が集中すること、事故の報告が通年で予定を押しのけることは、どこでも共通します。面接で聞かれたら、確認する項目が年々増える一方で、所管する施設の数は減らないという構造を説明するのが正確です。個別の職場の事情をそのまま話す必要はありません。

指導する側から、される側になるのは抵抗がありますか

立場は変わりますが、知識はそのまま使えます。むしろ、何を見られるか、どこが指摘されやすいかを知っているので、平時から備える仕組みを作る側に回れます。事業者が困っているのは指導が来てから慌てることなので、この経歴はそこに直接効きます。面接では、「見る側にいたので、備える側の設計ができる」と言ってください。

異動して1年ですが、経歴として使えますか

実地の指導を一巡していれば使えます。判断の目安は、年間の計画の作成から、実地の確認、結果の通知、改善報告の確認までを一度通したことがあるかです。一巡していれば、品質管理の工程を説明できます。認可の審査は、その年に新設の申請があるかで経験できるかが決まるので、まだ通していなくても不利にはなりません。ただし、新規開設の方向を狙うなら、一件通してからのほうが材料が増えます。書き方は職務経歴書に整理しています。

出典

  1. 児童福祉法 第48条の4(保育所の情報提供等)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

「自分の経験に、どこで値段が付くのか」から相談できます

在職中でも、情報収集だけでも構いません。応募する求人が決まっていない段階のほうが、むしろ整理する意味があります。ご利用はすべて無料です。