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部署別 / 保育課

保育課の面接|聞かれることと、答え方の型

保育課の面接で、ほぼ必ず出る質問はこれです。

「ご自身は、保育の現場の経験はないんですよね」

事実なので、否定はできません。そして、ここでの答え方で評価が決まります。

「ありません」と言って終わると、できないことだけが残ります。

言い訳をすると、さらに弱くなります。

答えるべきは、「自分は保育をする人ではないが、保育をする人の要件を管理してきた」という、立場の違いです。

この記事では、実際に出てくる質問を並べ、それぞれをどう答えるかを整理します。

言い換えは保育課の経験は民間で何と呼ばれるか、行き先は保育課からの転職先、書類は職務経歴書に分けています。

「保育士」が、法律で定義されています

答え方の前に、この部署が管理してきた「資格」の性格を条文で確認します。

児童福祉法第18条の4は、こう定めています。

この法律で、保育士とは、保育士登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。

要素が3つあります。

1. 「保育士登録を受け」。登録が要件です。試験に合格しただけでは足りません。

2. 「保育士の名称を用いて」。名称を使うこと自体に、資格が要ります。

3. 「児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導」。子どもを見るだけではありません。保護者への指導まで、業として定義に入っています。

保育課の職員は、保育士ではありません。

けれども、「保育士とは何をする人か」を定義から理解し、その配置を基準に照らして確認してきました。

この立場は、民間に数多くあります。

どれも、「自分はその資格を持たないが、要件を満たしているかを管理する」立場です。

面接では、この構造を一度言ってください。

> 保育は資格を持つ人が行う仕事で、私はその配置と要件を、基準に照らして確認する側でした。資格者を配置する事業では、どの業界でも必要になる役割だと理解しています。

質問1:「保育課では、どういうことをされていたんですか」

避けたい答え方

「保育所の認可や、指導監査などを担当していました」。

件数も観点も入っていないので、保育の事務をしていた人という像で固定されます。

組み立て方

規模 → 工程 → 判断の順です。

> 所管していたのは◯か所の施設で、内訳は認可保育所◯、認定こども園◯、地域型保育◯、認可外◯です。類型ごとに適用される基準が違うので、それぞれの基準に照らして、設置の認可の審査(年約◯件)と、運営の実地の確認(年約◯件)を担当していました。指摘は「基準への不適合」と「運用上の改善」に区分し、前者は改善報告の提出まで追跡しています。

種類の内訳を必ず言ってください。複数の類型を横断して見てきたことが、一つの類型しか知らない事業者側の管理者との違いになります。

質問2:「保育の現場の経験はないんですよね」

冒頭に挙げた、いちばん重要な質問です。

避けたい答え方

「ありません。ただ、勉強はしています」。

できないことと、意欲だけが残ります。

組み立て方

事実を先に認め、立場の違いを説明してください。

> 保育の実務は経験していません。保育は資格を持つ人が行う仕事で、私はその配置と要件を管理する側でした。児童福祉法にも、保育士は登録を受けた者が、専門的な知識と技術をもって行う、と定義されています。私が担当していたのは、その要件が満たされているかを、基準に照らして確認することです。資格者を配置する事業では、この役割は業界を問わず必要になります。現場の保育については、入ってから現場の方に教わりながら進めたいと考えています。

「配置と要件を管理する側」という一語で、別の職能として立ちます。

そして、最後に「教わりながら」と添える。できないことを隠さない姿勢が、かえって信用されます。

質問3:「指摘した後、どう改善させていましたか」

品質管理や監査の求人で、必ず出ます。

避けたい答え方

「改善報告を提出していただき、確認していました」。

手順は正しいのですが、そこで終わると「書類を受け取っていた人」に聞こえます。

組み立て方

区分 → 追跡 → 繰り入れの3段で話します。

> 指摘を全部同じ強さで伝えると、相手はどこから直せばよいか分からなくなります。だから、「基準への不適合」と「運用上の改善」に区分していました。前者は改善報告の提出を求め、期限を決めて確認まで追跡します。後者は助言として伝えます。そのうえで、未提出のものは、翌年度の指導の対象に繰り入れる運用にしていました。追跡の仕組みがないと、指摘は出しっぱなしになります。

「追跡の仕組みがないと、指摘は出しっぱなしになる」は、監査の実務をやった人の言葉です。民間の内部監査でも、まったく同じ問題が起きています。

質問4:「認可の審査では、何を見ていましたか」

新規開設の部署で出ます。

組み立て方

段階で分けて話してください。

> 段階によって、見るものが変わります。相談の段階では、類型の判定です。定員と提供する内容によって、適用される基準が変わるので、ここを間違えると後の話が全部ずれます。図面の段階では、設備の基準。面積、採光、避難の経路、調理の設備。この段階で指摘できれば、修正の負担が小さく済みます。申請の段階では、運営の基準。職員の資格と人数、運営の規程、給食の体制。そして、開設の直前に実地で確認します。この工程と確認の項目を一覧にして、事業者に事前に示すようにしていました。何で止まるかを先に伝えたほうが、結果的に早く進みます。

「何で止まるかを先に伝える」という発想は、新規開設の部署で直接の価値になります。

質問5:「事故の報告には、どう対応していましたか」

安全の管理を含む職種で出ます。

組み立て方

受理 → 確認 → 展開の3段です。

> 報告を受けたら、まず事実の確認です。何が起きたか、いつ、どういう状況で。次に、原因の確認。設備の問題か、人員の配置か、手順か、周知か。そして、同じ状況が他の施設にもないかを見ます。一つの施設の事故は、その施設だけの問題とは限りません。類型が同じ施設、同じ設備を使っている施設に、同じ条件がないか。個別の対応で終わらせず、横に展開するようにしていました。

「個別の対応で終わらせず、横に展開する」——これは、多店舗を持つ事業者でまさに必要とされる発想です。

質問6:「うちで何ができますか」

応募先の方向によって、答えを完全に変えます。

応募先の方向前に出すこと
事業者の本部・品質管理実地の確認、指摘の区分、改善の追跡
事業者の新規開設・開発認可の審査、段階ごとに見るもの
他業種の品質管理基準適合の確認、人員配置、事故の横展開
人材サービス人員基準と資格の要件、確保の施策
自治体向け企業監査の実務、基準の理解、補助の審査

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質問7:希望する条件について

給与や勤務条件の話も出ます。ここで長く話す必要はありません。

「現在の水準を基準に考えています」と伝え、具体的な調整は選考が進んでからにするのが一般的な進め方です。

なお、退職手当や共済の扱いは在職期間で変わる部分があります。手続きの前に、必ず所属の人事担当課と共済組合で確認してください。公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。

逆質問で聞いておくこと

1. 基準の確認は、本部と現場のどちらが担っているか

現場任せになっている会社は少なくありません。その場合、本部で仕組みを作る側に回れます。この経歴の強みが最も活きる状況です。

2. 指摘した後の改善を、誰が追跡しているか

「指摘は出すが、追跡していない」という会社が実際に多くあります。追跡の仕組みを作った経験があるなら、そこで持ち込めます。

3. 事故の報告は、どこまで共有されているか

一つの拠点の事故が、他の拠点に共有される仕組みがあるか。ないなら、横に展開する仕組みを作る側に回れます。

つまずきやすい点

1. 「現場の経験がありません」で終える

「配置と要件を管理する側でした」と立場の違いを説明してください。

2. 業界を保育に限定して話す

「基準と人員配置と安全を見る仕事」と言い換えてください。保育以外の業種では、最初に言い切ります。

3. 改善の追跡を「報告を確認していた」で終える

区分 → 追跡 → 繰り入れの3段で答えてください。

4. 認可の審査を一括りで話す

相談・図面・申請・開設直前の段階で分けて話してください。

5. 施設数と種類の内訳を言わない

複数の類型を横断して見てきたことが、事業者側の管理者との違いになります。

LINEで短く聞くこともできます

答え方の組み立ては、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

まとめ

よくある質問

保育士の資格を取ってから転職したほうがよいですか

目指す職種によります。現場の保育や、有資格が前提の管理者を目指すなら必要です。一方、本部の品質管理、新規開設、人材サービス、他業種の品質管理では、資格が前提にならないことが多くあります。取得には時間がかかるので、先に「資格が必須でない求人」を受けて、そこで通用するかを確かめるほうが順序としては早くなります。

指導する側だったことを、事業者に警戒されませんか

むしろ求められています。事業者が困っているのは、指導で何を見られるかが分からないことと、指摘された後にどう直せばよいか分からないことです。面接では、「指摘する側にいたが、保育課は整備の補助や人材の確保も担っているので、支援の側からも見てきた」と言ってください。見る側であると同時に支える側でもあったという事実が、この懸念を消します。

他業種の面接で、保育の話をどこまでしますか

業界の説明は最小限にして、工程で話してください。「多店舗で、人員に資格の基準があり、安全の管理が要る施設を◯か所、基準に照らして見ていました」。これで、業界を知らない相手にも構造が伝わります。そのうえで、相手の業界の基準について質問すると、工程で移れる人として読まれます。働き方の説明は働き方と評価に整理しています。

出典

  1. 児童福祉法 第18条の4(保育士)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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