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部署別 / 環境課

環境課出身者が面接で必ず聞かれること

環境課から民間に移るとき、面接でいちばん多く来るのはこの形の質問です。

「業者は、何を見て選んでいたんですか」

これは、興味ではありません。

処理業も、施設の運営も、自治体が発注する側です。そして、何を見られているかを、事業者の側は正確には知りません。

その内側にいた人に、聞きたいことがあるのです。

この記事では、実際に聞かれる質問を7つ挙げて、避けたい答え方と、組み立て方を並べます。

書類の書き方は環境課の職務経歴書、行き先の絞り方は環境課から転職しやすい業界と職種に書いています。

許可を出すのは、市町村長です

答え方の前に、この仕事の立ち位置を条文で押さえます。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条第1項は、こう定めています。

一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域……を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。

許可権者は、市町村長です。

つまり、この仕事をしていた人は、事業者に許可を出す側にいました。

加えて、委託の発注もしています。

許可する側であり、発注する側でもあった。

この2つを同時に持っていた人は、民間側から見ると、内側を知っている人です。

そして、民間に移ると、立場が完全に入れ替わります。

許可を受ける側、検査を受ける側、選ばれる側になります。

この入れ替わりを、面接で自分から言えるかどうかが、印象を分けます。

質問1:「環境課では、どういうお仕事をされていたんですか」

避けたい答え方

> ごみの収集の担当と、公害の苦情対応をしていました。

「窓口の人」で固まります。

組み立て方

オペレーションの規模を、先に置いてください。

> 約◯万世帯を対象に、年間約◯トンの処理を回していました。収集運搬は委託◯件、車両約◯台で、仕様の作成から、日々の運行の確認、費用の精算までを担当しています。あわせて、騒音や悪臭の苦情を年間約◯件受けて、測定と基準の照合をやっていました。

「世帯数・処理量・車両の台数」の3つで、規模が一発で伝わります。

そして、「仕様の作成から精算まで」で、外注を回していた事実が伝わります。

質問2:「業者は、何を見て選んでいたんですか」

この質問が来たら、いちばん値の付く場所に入っています。

避けたい答え方

> 入札で決まるので、価格です。

間違いではありませんが、ここで終わると何も伝わりません。

組み立て方

入口と、継続の両方を分けて答えてください。

> 入口は、許可と入札の要件です。許可の要件、車両と人員の体制、実績。ここは形式的な確認です。ただ、続くかどうかは、別のところで決まります。見ていたのは、①作業の水準(収集の漏れ、時間の正確さ、集積所の状況)②連絡の速さ(トラブルが起きたときにすぐ報告が来るか)③人の確保(欠員が出たときに回せるか)④記録の正確さの4つです。とくに②は大きいです。報告が遅い事業者は、こちらが住民に説明できなくなります。

この4つを挙げられる人は、事業者の側に回ったときに、何をすればよいかが分かっています。

面接での評価は、ここでほぼ決まります。

質問3:「苦情が来たときは、どうしていましたか」

手順で答えてください。

組み立て方

> 順番が決まっています。まず、聞き取りです。いつ、どこで、どういう種類の、どのくらいの。次に、現地の確認。そのうえで、測定をします。騒音や振動は、発生している時間帯に測らないと意味がないので、夜間や休日に行くことも普通にありました。測ったら、基準と照合します。超えていれば対応があり、超えていなければ別の説明になります。この流れを、誰が担当しても同じになるように整理していました。

「発生している時間帯に測る」という一言で、現場の実務を知っている人だと伝わります。

質問4:「測って、基準内だったときは、どう説明したんですか」

この質問が、この仕事のいちばん難しい部分です。

組み立て方

正直に、構造で答えてください。

> これがいちばん難しい場面です。苦情を言ってこられた方には、実際に不快な事実がある。でも、測定の結果は基準内で、規制の根拠がありません。なので、「基準内だから問題ない」とは言いません。測った条件(日時、場所、天候)と、結果と、基準を、そのまま示します。そのうえで、規制としてできることと、できないことを分けて伝えます。そして、事業者にも状況は伝えて、任意の配慮をお願いできないかを相談していました。

「できないことを、できないと伝える」——これができる人は、民間のクレーム対応でも、社内の調整でも信頼されます。

多くの人が、ここで曖昧にします。

質問5:「うちは許可を受ける側ですが、抵抗はありませんか」

立場の入れ替わりを、どう受け止めているかを見ています。

組み立て方

> 立場は完全に入れ替わると思っています。これまでは許可を出し、検査をする側でしたが、今度は受ける側です。ただ、行政が何を見て、どこで引っかかるかは分かっているので、書類の作り方や、確認の時期の取り方は速くできるはずです。逆に、「前の立場で話す」ことは、しないつもりです。元の職場に便宜を求めるようなことも、するべきではないと考えています。

この線を、自分から引けることが重要です。

採用する側は、そこを心配しています。

質問6:「うちで、何ができると思いますか」

応募先当てる工程
処理業・収集運搬発注側が継続の判断で見ている4点
プラント・施設の運営搬入の管理、補修の時期の設計、停止時の対応
自治体を顧客とする企業計画の作られ方と、予算・議決の時期
企業の環境管理届出の要否の判断と、測定の設計
エネルギー・開発住民説明の組み立てと、苦情への備え

> 御社が自治体から受注しているのであれば、入って最初にできるのは、報告と記録の形を、発注者が使いやすい形に整えることだと思います。担当者は、その資料をそのまま上司や議会への説明に使います。逆に、価格の交渉や、営業の新規の開拓は経験がないので、そこは学ぶ側になります。

できないことを1つ添えると、できることの信用が上がります。

質問7:働き方と条件について

組み立て方

> 苦情の対応で、夜間や休日に測定に出ることがありました。年末年始も、収集の体制の関係で出ていました。そういう働き方には慣れています。確かめたいのは、呼び出しがある場合の、体制と振替の扱いです。

「止まらない業務に慣れている」は、施設や物流の分野で、そのまま評価されます。

逆質問で聞いておくこと

3つに絞ってください。

1. 「自治体との契約は、何年の単位ですか。更新はどう決まりますか」

単年度なのか、複数年なのか。更新の判断が何で決まるかを知ると、自分の役割がはっきりします。

2. 「トラブルが起きたとき、発注者への連絡は誰がしますか」

自分が矢面に立つのかどうかが分かります。

3. 「許可や届出の管理は、どの部署が持っていますか」

自分の担当範囲が明確になります。専任の部署がない会社では、入ってすぐに任される可能性があります。

LINEで短く聞くこともできます

つまずきやすい点

1. 「ごみの担当でした」で始める

世帯数・処理量・車両の台数を先に置いてください。

2. 業者の選定を「価格です」で終える

入口(要件)と、継続(水準・連絡・人・記録)を分けて答えてください。

3. 測定して基準内だった場合の説明を、用意していない

この仕事のいちばん難しい部分です。構造で答えてください。

4. 立場が入れ替わることに触れない

採用する側が心配している点です。自分から線を引いてください。

5. 苦情が嫌で出たことを、動機にする

移った先にも苦情はあります。「苦情そのもの」か「一人で受けていたこと」かを分けてください。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

まとめ

よくある質問

産業廃棄物は県の所管で、扱っていません。不利になりますか

不利にはなりません。ただし、線を引いて説明してください。「一般廃棄物は市町村、産業廃棄物は県」という制度の構造を、自分から言えること自体が、理解の証明になります。そのうえで、一般廃棄物の実務——収集運搬の委託、処理施設、許可、資源化——は、産廃の会社でも通じる部分が多くあります。契約の形、搬入の管理、記録の付け方、行政の検査への対応。どれも同じ考え方です。「産廃は未経験ですが、制度の構造と、行政が何を見るかは分かります」と言えれば十分です。

環境課は希望して行った部署ではありません。志望動機はどう作りますか

「希望して行った」必要はありません。面接で聞かれているのは、そこで何を身につけたかです。書き方としては、「配属されて◯年やる中で、止められない業務を回す難しさと、その中で改善する余地があることが分かった」という形で十分です。むしろ、「昔から環境に関心があって」という動機のほうが、実務の話が薄いと弱く見えます。この分野で評価されるのは、関心ではなく、制度と運用を知っていることです。動機は短く、経験は詳しく。この配分にしてください。

異動が近く、環境の仕事から離れそうです

離れる前に、数字を控えてください。世帯数、年間の処理量、委託の件数と車両の台数、苦情の件数、資源化率。これらは公表されている資料に載っていますが、年度をまたぐと探しにくくなります。加えて、委託の仕様のどこを自分が変えたかを、メモしておいてください。これは、どこにも記録されません。そのうえで、動くかどうかの判断は後で構いません。この分野は、制度が変わり続けているので、数年後に動く場合でも、いま整理した記録があれば書類が作れます。

出典

  1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第7条(一般廃棄物処理業)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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