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部署別 / 総務課

総務課の面接|聞かれることと、答え方の型

総務課からの面接には、最初に越える関門があります。

「総務では、どういうことをされていたんですか」

この質問に、備品の管理や社内行事の話をしていると思われたまま答えてしまう方が多くいます。実際にやっていたのは、規程を作り、条文を書き、外部からの請求に期限内に応え、争いになったときに手続を通す仕事です。

最初の一言で、そこを切り替えられるかどうかが分かれ目になります。

この記事では、実際に出てくる質問を並べ、それぞれをどう答えるかを整理します。

言い換えは総務課の経験は民間で何と呼ばれるか、行き先は総務課からの転職先、書類は職務経歴書に分けて書いています。

「請求されたら出す」が前提の環境でした

答え方の前に、総務課の立ち位置を条文で確認します。

行政機関の保有する情報の公開に関する法律第1条は、この法律が、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とすると定めています。

開示は「してあげる」ものではありません。請求する権利として定められています。

この法律の直接の対象は国の行政機関ですが、多くの自治体が同じ趣旨の情報公開条例を持っています。総務課は、その窓口です。

ここから、この部署の性格が出てきます。

作った文書は、いつか外から請求される。そういう前提で仕事をしてきたということです。

だから面接でも、「出す前提で記録を残してきた」という説明が効きます。開示や監査が重い企業では、これがそのまま評価の対象になります。

質問1:「総務では、どういうことをされていたんですか」

最初に来ます。ここで枠組みを作れるかどうかが、その後の質問の向きを決めます。

避けたい答え方

「文書の管理や、例規、情報公開など、幅広く担当していました」。

間違いではありませんが、幅広いという印象だけが残ります。そして、備品や施設の管理を想像されたままになります。

組み立て方

民間の職種名で枠を作ってから、中身を話してください。

> 御社でいうと、法務と記録管理にあたる仕事です。条例や規則の改正を、条文の作成から議会の議決まで担当していました。あわせて、文書の保存年限と廃棄の手続を規程として整備し、外部からの情報公開請求に期限内に対応する窓口も担当しています。

1文目で枠を作る。これだけで、その後の質問が「備品の話」から「法務の話」に変わります。

質問2:「なぜ転職しようと思ったのですか」

避けたい答え方

「例規や文書は、やりがいが見えにくい」「もっと事業に近いところで働きたい」。

いまの仕事を軽く見ている印象になります。しかも、応募先の管理部門も同じ性質の仕事です。

組み立て方

やってきたことを起点にします。

> 総務課で6年、例規と文書管理を担当してきました。条例の改正を通すなかで、条文を書くこと自体より、施行後に現場が迷わない形にできるかどうかが結果を決めると分かりました。ただ、自治体では所管が細かく分かれていて、規程を作る側と使う側の距離があります。両方に関われる場所で、同じ仕事をしたいと考えています。

否定していません。やってきたことの延長線上に、次の希望を置いています。

質問3:「条文を書いた経験があるとのことですが、具体的には」

法務の求人で必ず出ます。この経歴でいちばん強く答えられる質問です。

組み立て方

工程を分解して話してください。

> 条例の改正であれば、まず上位法との整合を確認します。委任の範囲を超えていないか、用語の使い方が法律と合っているか。次に、庁内の他の例規との整合です。同じ言葉が別の例規で違う意味で使われていないか、改正すると他の例規の引用がずれないか。そのうえで条文を書きます。要件と効果を分けて、「ものとする」と「しなければならない」を使い分け、ただし書きの位置を決める。施行日と経過措置を設計し、関係する例規を同時に改正します。施行後は、各課からの解釈の照会に答えます。年間で条例◯件、規則◯件を担当しました。

この分解ができる人は、企業の法務でも限られます。そのまま話してください。

質問4:「民事の契約実務の経験はありますか」

方向が法務の場合、必ず確認されます。

避けたい答え方

「ありません」で止めること、または「条文は同じなので対応できます」と言ってしまうことです。前者は話が終わり、後者は分かっていない人に見えます。

組み立て方

無いことを認めたうえで、あるものと、埋め方を示してください。

> 民事の契約実務は経験していません。担当していたのは行政法の領域で、条例・規則の審査と、処分に対する不服申立ての手続です。ただ、上位の決まりとの整合を確認して条文を書く作業と、施行後の解釈に答える作業は共通すると考えています。民法や会社法の知識は学び直しが要る部分なので、入ってから身につける前提で考えています。

「経験していない領域を自分から正確に言える」ことが、この質問での評価点です。

質問5:「開示請求への対応で、難しかった判断を教えてください」

情報開示やコンプライアンスの求人で出ます。

組み立て方

判断の構造で話してください。個別の案件には触れません。

> 部分開示とするかどうかの判断が難しい案件がありました。文書全体としては開示すべきものでしたが、一部に個人が特定できる記述が含まれていました。条例の非開示事由に当たる部分を特定し、どの範囲を黒塗りにするかを決めたうえで、理由を通知に記載しています。理由の書き方も論点で、「非開示事由に当たるため」とだけ書くと、なぜ当たるのかが分かりません。どの記述が、どの事由のどこに当たるのかまで書くようにしました。

「理由の書き方まで踏み込んだ」という話が効きます。不服申立てを受ける側にいた人らしい視点だからです。

質問6:「うちで何ができますか」

応募先の領域によって、答えを完全に変えます。

応募先の領域前に出すこと
法務例規の審査、条文の作成、改正の手続、施行後の解釈
内部統制・記録管理文書管理規程、保存年限、廃棄の手続
総務・事務局機能議案の取りまとめ、全庁の照会、選挙の管理執行
情報開示・広報法務開示請求への対応、部分開示の判断、理由の記載
自治体を顧客にする企業文書の流れ、決裁の段数、例規改正の手順

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質問7:希望する条件について

給与や勤務条件の話も出ます。ここで長く話す必要はありません。

「現在の水準を基準に考えています」と伝え、具体的な調整は選考が進んでからにするのが一般的な進め方です。

なお、退職手当や共済の扱いは在職期間で変わる部分があります。手続きの前に、必ず所属の人事担当課と共済組合で確認してください。公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。

逆質問で聞いておくこと

1. 社内規程と文書管理が、いまどの段階にあるか

総務課の強みは決まりに照らして判断することです。照らす先が無い環境では力が出にくくなります。作る側に回る前提なら、そう言われたほうが準備できます。

2. 法務が扱うのは契約中心か、規程中心か

同じ法務でも、契約審査が中心の部署と、社内規程や許認可を扱う部署では、求められる知識が違います。規程中心なら、総務課の経験がほぼそのまま使えます。

3. 開示や監査の頻度

記録管理を狙うなら、ここを聞いてください。外から求められる機会が多い会社ほど、「出す前提で残す」という経験が効きます。「直近で外部監査や情報開示の対応はありましたか」と聞けば、実態が分かります。

4. 規程を改定するときの手続

「社内規程を変えるとき、どういう手順を踏んでいますか」と聞いてください。決裁だけで済むのか、労使の協議が要るのか、取締役会にかけるのか。総務課は条例なら議会の議決まで通す環境にいたので、手続が軽い会社では拍子抜けし、重い会社では経験がそのまま使えます。どちらが良い悪いではなく、入ってからの進め方が変わるので、聞いておくと最初の数か月が楽になります。

つまずきやすい点

1. 最初の質問で枠を作らない

1文目で民間の職種名に置き換えてください。

2. 事務の名前を並べる

文書、例規、情報公開、選挙。並べても伝わりません。応募する領域を選んで話してください。

3. 数字を持っていない

「いろいろ担当しました」では答えになりません。条例・規則の改正件数、解釈の照会の件数、開示請求の件数、審査請求の件数、選挙の投票所数と従事者数。この5つは暗記しておいてください。概数で構いません。

4. 民事の経験がないことを言わない/逆に言い訳する

無いことを認めて、あるものと埋め方を示してください。

5. 個別の案件を話してしまう

開示請求、審査請求、訴訟。構造だけで話してください。請求者や相手方が特定できる情報は不要です。

答え方の組み立ては、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

よくある質問

「総務」という言葉を使わないほうがいいですか

使っても構いませんが、最初に置かないでください。「総務課で法務と記録管理を担当していました」のように、職種名を先に、部署名を後にすると誤解されません。書類でも同じです。

選挙の話は、どの面接でしてよいですか

事務局機能やオペレーション管理の求人では、前に出してください。期日が動かず、従事者が数百人規模で、やり直しが利かない事務を回した経験は代わりがいません。一方、法務の求人では後ろに置きます。中心の経験ではないためです。ただし「期日が動かない大規模な事務を担当した」という一言は、どの面接でも使えます。

行政特有の言葉を、どこまで説明すべきですか

説明しないほうが伝わります。「支出負担行為」「起案」「合議」「例規」といった言葉は、そのままでは通じません。「発注の決裁」「文書の作成」「関係部署の確認」「社内規程」に置き換えてください。用語を減らして説明できる人のほうが、利用部門と話せる人として読まれます。

出典

  1. 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第1条(目的)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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