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部署別 / 都市計画課

都市計画課から転職しやすい業界と職種

都市計画課からの転職は、立場が反対側に移るという点で、他の部署とは違います。

許可を出す側から、許可を受ける側へ。

そして、この反転が、そのまま値になります。

この記事では、向いている5つの方向と、合いにくい方向を並べます。

言い換えは都市計画課の経験は民間で何と呼ばれるかに書いています。

許可を出すのは、中核市では市長です

行き先を考える前に、この仕事の立ち位置を条文で押さえます。

都市計画法第29条第1項は、こう定めています。

都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法……第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「指定都市等」という。)……の区域内にあつては、当該指定都市等の長。……)の許可を受けなければならない。

括弧の中を読んでください。

指定都市と中核市の区域内では、許可を出すのは、その市の長です。

つまり、中核市の都市計画課は、開発許可の権者の内側にいました。

ここが要点です。

民間の会社にとって、開発の可否は事業の前提です。土地を買うかどうかも、いくらで買うかも、いつ着工できるかも、ここで決まります。

そして、その判断をする側にいた人は、外からは採れません。

行き先は、この立場の使い方で分かれます。

使い方どういう仕事になるか行き先
許可を受ける側に回る候補地の可否を判定し、手続を設計し、通すデベロッパー・建設・住宅・物流
線を引く側を支援する自治体の計画づくりと手続を受託する建設コンサル・自治体向け企業

どちらを選ぶかで、書類の作り方が変わります。

向いている5つの方向

1. 不動産デベロッパー・住宅・物流施設(用地と開発)

項目内容
効く経験区域区分と用途地域の判定、開発許可の基準、必要な手続と期間の見通し
求められる形候補地の調査、可否の判定、許認可の手続、関係機関との協議
入りやすさ高い。判定できる人が社内にいない会社が多い

書くときの注意。「開発許可の審査をしていた」ではなく、「事前の相談で、可否と期間を示していた」と書いてください。会社が知りたいのは、審査の話ではなく、判定の速さです。「この土地は、この手続を経て、これくらいで着工できる」と言えることが、そのまま仕入れの判断につながります。

この方向に固有の制約もあります。民間に移ると、今度は自分が申請する側になります。そして、元の職場に相談に行くことになります。行政が何を見るかを知っているのは有利ですが、「前はこちら側だった」という態度で臨むと、社内でも相手先でも浮きます。申請者としての立場を、最初から取り直してください。

2. 建設コンサルタント(都市計画・交通・まちづくり)

項目内容
効く経験基礎調査の分析、計画の構成、公告縦覧と意見書、審議会の運営
求められる形自治体からの受託、計画の策定の支援、調査、住民との協議の運営
入りやすさ高い。受託の中身が、そのまま自分がやっていた仕事

書くときの注意。「計画を作った」ではなく、手続のどの段階を持ったかを書いてください。基礎調査、方針、案の作成、公告縦覧、意見書の処理、審議会、決定と告示。この並びを知っている人は、受託の工程をそのまま設計できます。

この方向に固有の制約もあります。受託の仕事では、手続を進めるのは自治体で、自分は案を作って支える側になります。つまり、決めるのは相手です。「自分が決められないこと」に、行政にいたとき以上に直面します。そのぶん、案をいくつ用意し、どの順で示すかが腕の見せどころになります。決める人が判断しやすい形に整える——ここが、受託の側の技術です。

3. 設計事務所・組織設計(法規の確認)

項目内容
効く経験用途地域と各種の制限の読み方、開発許可と建築の接続、行政との協議
求められる形計画の初期段階での法規の確認、行政との事前の協議、申請の図書の作成
入りやすさ中〜高。行政との協議を担える人は、設計事務所では貴重

書くときの注意。「協議の相手だった」ことを前に出してください。設計の側から見ると、行政の窓口で何が問われ、どこで止まるかが読める人は、手戻りを減らせます。

この方向に固有の制約もあります。設計事務所では、法規の確認は、案件の入口であって中心ではありません。中心は設計です。なので、法規の担当は、設計者から急かされる側になります。「いつまでに、通るかどうかを言えるか」が問われる働き方です。行政の窓口で、事業者から同じように急かされていた経験があるなら、その感覚はそのまま役に立ちます。

4. まちづくり会社・商業施設の運営・エリアマネジメント

項目内容
効く経験地区計画、景観のルール、地元の合意形成、公共空間の活用
求められる形エリアのルールの運用、地元との調整、イベントや空間の活用の企画
入りやすさ中。求人の数は多くないが、経験の一致度は高い

書くときの注意。地区計画の策定に関わったなら、必ず書いてください。地権者の合意を取りながらルールを作った経験は、この分野の中心的な仕事です。

5. 自治体を顧客とする企業(地理情報・計画の支援)

項目内容
効く経験都市計画基礎調査、図面とデータの扱い、決定の情報の管理
求められる形システムの導入の支援、データの整備、調査の実施
入りやすさ中〜高。図面とデータの両方が読める人は多くない

書くときの注意。「図面が読めて、データも扱える」——この組み合わせを明示してください。都市計画の情報は、位置の情報と、制限の情報が組み合わさったものです。その構造を理解している人は、この分野では即戦力です。

合いにくい方向

1. 個人向けの営業(住宅の販売など)

相手が事業者や地権者でなくなると、この経歴の技術が使えません。

2. 短期の数字で評価される職種

数十年の時間軸で考えてきた感覚とは、評価の形が違います。

3. 立ち上げ期の一人目

制度も前例もない環境で全部を作る役割です。この経歴は、基準と手続を読み解くことに強いため、それがない環境では時間がかかります。

4. 施工管理(現場)

計画と許可の側にいたことと、現場を回せることは別です。施工の経験が前提の職種は、別の検討になります。

5. 研究職

大学や研究機関の職は、研究の実績が前提です。行政の経験だけでは届きません。

役に立つ資格

取ってから動く必要はありません。応募しながらで構いません。

資格効く方向実際のところ
宅地建物取引士用地、デベロッパー、不動産この経歴といちばん相性がよい。法令上の制限の知識が既にある
一級・二級建築士設計事務所、デベロッパー持っているなら書類の最初に書く。ない場合、新たに取るのは重い
技術士(建設部門・都市及び地方計画)建設コンサルタントこの分野の資格の中心。受託の要件になることがある
再開発プランナーまちづくり、再開発該当する分野では分かりやすい裏づけ
測量士補コンサル、調査技術系の受託会社では効く

用地やデベロッパーの方向なら、宅地建物取引士がいちばん効きます。法令上の制限は、すでに毎日読んできた内容です。

求人を探すときの検索語

庁内の言葉で検索すると、求人が出てきません。

探している仕事検索語
用地・開発用地 仕入/開発 許認可/土地 企画/事業用地 開発
建設コンサル都市計画 コンサルタント/まちづくり 計画/交通 計画
設計事務所法規 担当/確認申請/行政 協議
まちづくりエリアマネジメント/中心市街地/公民連携
自治体向けGIS/都市計画 システム/公共 コンサルタント

「都市計画」だけで検索すると、行政の求人ばかりが出てきます。上の言葉に置き換えてください。

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つまずきやすい点

1. 「許可を出す側」と「線を引く側」を分けずに書く

どちらの立場で使うかを決めてください。両方なら、それは強みです。

2. 「審査をしていた」と書く

会社が知りたいのは、判定の速さです。「事前に可否と期間を示していた」と書いてください。

3. 「どこで止まるか」を書かない

民間では、失敗して初めて学ぶことです。先に知っている人には値が付きます。

4. 地区計画の経験を埋もれさせる

地権者の合意を取りながらルールを作った——まちづくりの分野では中心的な経験です。

5. 立場が反転することを自覚しない

今度は申請する側です。態度を取り直してください。

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まとめ

よくある質問

事務職で、図面が読めません。技術の求人は無理ですか

図面が読めなくても、行き先はあります。この分野の求人は、技術と、手続と、調整の3つに分かれています。図面が必要なのは技術の部分だけで、手続と調整は事務の経験でそのまま通用します。書くときは、「計画の手続(公告縦覧、意見書、審議会、告示)と、関係機関との協議を担当」と、自分の範囲を明示してください。とくに、デベロッパーの用地の担当や、建設コンサルタントの計画の部門では、手続を通せる人が必要とされています。図面は、技術の人に読んでもらえばよいという職場は多くあります。

元の職場に申請に行くことになります。問題ありませんか

制度上の問題はありません。ただし、線を引いてください。1つ目は、在職中に知った非公開の情報を使わないこと。他社の相談の内容、内部の検討の状況、公表前の計画。2つ目は、元の同僚に便宜を求めないこと。3つ目は、職務上知り得た秘密を守る義務は、退職後も続くという点です。この3つを面接で自分から言っておくと、むしろ信頼されます。そして実務上は、整った申請を出すほうが、結果的に速く進みます。行政がいちばん困るのは、要件を確認しないまま持ち込まれる案件だからです。

何社くらい受けるものですか

決まった数はありません。ただ、この経歴は、許可を受ける側に回るか、線を引く側を支援するかで、書類が変わります。1通で両方を狙うと、どちらにも寄り切らない書類になります。現実的なのは、主にするほうで1通作り、説明の型が近い2方向を並行して見る形です。たとえば、デベロッパーの用地と、設計事務所の法規の担当は、どちらも「この土地で何が建つか」を判定する仕事なので、書類の作り直しが少なく済みます。書き方は都市計画課の職務経歴書に整理しています。

出典

  1. 都市計画法 第29条(開発行為の許可)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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