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部署別 / 廃棄物・清掃課

廃棄物・清掃課から民間に移ると働き方と評価はどう変わるか

廃棄物・清掃課の働き方には、他の部署にない特徴があります。

人の配置が、法律で決まっています。

そして、施設は止まりません。

この2つが、この部署の一年を形づくっています。

この記事では、一年の波、評価が見えにくくなる構造、民間に移って変わる4点を整理します。

書き方は廃棄物・清掃課の職務経歴書、面接での答え方は廃棄物・清掃課出身者が面接で必ず聞かれることに書いています。

「技術管理者を置かなければならない」

まず、この仕事の構造を条文で押さえます。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条第1項は、こう定めています。

一般廃棄物処理施設(政令で定めるし尿処理施設及び一般廃棄物の最終処分場を除く。)の設置者(市町村が第六条の二第一項の規定により一般廃棄物を処分するために設置する一般廃棄物処理施設にあつては、管理者)……は、技術管理者を置かなければならない。

括弧の中に注目してください。

「市町村が……設置する一般廃棄物処理施設にあつては、管理者」。

つまり、市町村が持つ施設についても、技術管理者を置く義務があります。

運転を委託していても、施設の管理の責任は市にあります。

ここが要点です。

人の配置が、法律で決まっている。

民間の職場では、人をどう置くかは会社が決めます。この仕事では、置かなければならない人がいて、その資格も決まっています。

そして、施設は止まりません。

この2つが重なると、働き方はこうなります。

説明するときは、この形で話してください。

> 施設には法律で置くべき人が決まっていて、しかも止められません。なので、体制の要件と、稼働の計画と、補修の時期を、一年分まとめて先に組んでいました。

「法定の要件を満たしながら、止めずに回す」——これは、規制のある業種の設備運営と、まったく同じ形です。

一年の波

施設の稼働と、季節と、年度が重なります。

時期中身重さ
4月体制の切り替え、委託の開始、計画の年度更新重い
5〜6月前年度の実績の集計と、国への報告、計画の進捗の確認中
7〜8月施設の稼働の山、生ごみに関する苦情、補修ができない時期重い
9〜10月次年度の予算要求、台風による災害廃棄物、点検の準備中
11〜12月年末の収集と持込みの山(最大)、予算の査定への対応最も重い
1〜3月精算、次年度の契約、施設の補修(搬入の少ない時期)、計画の改定最も重い

山は3つです。

7〜8月(稼働と苦情)、11〜12月(年末)、1〜3月(精算と補修)。

このうち、1〜3月にはこの部署に固有の事情があります。

補修は、搬入が少ない時期にしかできません。そして、その時期は、年度末の精算と、次年度の契約の時期と重なります。

つまり、事務がいちばん立て込む時期に、施設の工事が入ります。

しかも、補修の期間中は、処理できる量が落ちます。その分を、他の炉に振るか、他の施設に運ぶか、搬入を調整するか。この調整を、精算の作業と並行してやることになります。

この話は、民間の工場の定期修理と、まったく同じ構造です。止める時期をいつにするか、その間の供給をどう確保するか。工場の生産管理でも、同じ判断をしています。

評価が見えにくくなる3つの構造

1. 動いているのが当たり前になる

施設が動き、収集が回り、苦情が出ない。これが成果ですが、誰も気づきません。

問い合わせが来るのは、止まったときだけです。

この点には、固有の事情もあります。収集は、同じ曜日の、同じ時間帯に来ることが前提になっています。一度早まったり遅れたりすると、それ自体が問い合わせの理由になります。つまり、「速くする」ことが評価されるとは限りません。決めた時間どおりであることが、いちばん求められる——この感覚は、民間の定期の配送や、路線の運行と同じです。

2. 量が減っても、自分の成果として示しにくい

排出量は、景気でも、人口でも、天候でも動きます。分別の変更や有料化の効果を、それ以外の要因と切り分けるのが難しい——だから、「減りました」と言っても、「人口が減っただけでは」と返されます。

3. 十年がかりの案件は、着手した人と完成させた人が別

施設の整備は、構想から供用まで十年前後です。多くの場合、着手した担当者は、稼働のときには別の部署にいます。

自分が関わった段階が、完成の記録には残りません。

この3つのために、「やったこと」が自分の中にも残りにくくなります。

民間に移って変わる4点

1. 法定の配置から、会社の判断による配置になる

行政では、置くべき人が法律で決まっていました。民間でも、施設を運営する会社では同じ要件がかかります。

ただし、それ以外の職種では、人の配置は会社が決めます。「要件を満たすこと」から「必要な人数を自分で説明すること」に変わります。

これは、慣れるまでに時間がかかる部分です。

2. 「止めないこと」から「稼働率と費用」になる

止まらなければよいという状態から、どれだけ効率よく動かし、どれだけ費用を抑えたかで見られるようになります。

同じ施設を見ていても、測られるものが変わります。

3. 発注する側から、提案し運営する側になる

仕様を書いて選ぶ側から、仕様に応えて選ばれる側になります。

これは、この経歴の人がいちばん実感する変化です。ただし、「何を見られるか」を知っているので、対応は速いはずです。

4. 評価の周期が、年度から四半期になる

行政では、年度で区切って評価していました。民間では、四半期や月次で見られます。

十年がかりの案件を扱ってきた感覚からすると、短く感じられるはずです。

ただし、扱う案件そのものが短くなるわけではありません。施設の受託も、自治体の契約も、年単位で続きます。変わるのは、その途中で区切って報告を求められることです。長い案件を、短い区切りで説明する——この形に慣れるかどうかが、入ってからの負荷を決めます。

変わらないのは、季節に縛られることです。年末の山も、補修の時期も、民間の施設でも同じようにあります。

どの方向なら自分の経験が効くかは、話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

在職中に残しておくべき記録

辞めた後では、二度と取れません。

残すものなぜ必要かどこから取れるか
年間の処理量・施設の処理能力設備の規模公表資料、事業概要
最終処分場の残余容量(年度別)容量を見ていた証明事業概要
委託の件数と車両の台数外注の規模契約の記録
補修の時期と、その間の処理の振替稼働と供給の調整の実例自分で書き出すしかない
資源化率(年度別)改善を示す数字事業報告
施設の整備で担当した段階十年がかりの案件の、どこを持ったか事業の記録
災害廃棄物の量と仮置場の数経験者が少ない報告の資料
自分が変えたこと(年度別に3つ)実績欄の芯になる自分でメモするしかない

4行目と最後の行が、後から作れないものです。

補修と振替の判断は、記録として整理されていないことが多くあります。

LINEで短く聞くこともできます

つまずきやすい点

1. 「毎日同じことをしていた」で終える

法定の要件を満たしながら、止めずに回していたという構造を話してください。

2. 補修と振替の調整を書かない

民間の工場の定期修理と、同じ判断です。

3. 量が減ったことを、成果として押し出す

景気と人口の影響を、自分で分けて説明してください。そのほうが信用されます。

4. 十年がかりの案件を「途中まで」と扱う

どの段階を持ったかを書けば、それで十分です。

5. 年末の山を、単なる繁忙として話す

出る量が増える日に働ける人が減るという設計の話にしてください。

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まとめ

よくある質問

施設に常駐せず、事務所で事務をしていました。書けることはありますか

十分に書けます。むしろ、施設の運営は委託で、市の職員は管理と調整をしているという形が一般的です。書くべきは、①搬入の管理(量、時間、区分)②運転の委託の監督(報告の確認、立会い)③補修の計画と発注 ④停止時の対応 ⑤実績の集計と国への報告です。これは、民間でいう委託先の管理と、設備の保全の計画にあたります。「常駐していないから分からない」ということはありません。決めていたのは、こちらです。

災害のときに、仮置場の対応をしました。どう書けばよいですか

「臨時の体制の設計と、処理先の確保」として書いてください。中身は、①仮置場の選定(場所、面積、進入経路)②搬入の管理と分別 ③処理先の確保(他の自治体、民間への依頼)④費用の記録と国への報告の4つです。とくに③は、平常時の能力を超えた分を外に振り分ける判断で、民間でいう代替の供給先の確保と同じです。書くなら、「災害により発生した廃棄物約◯トンについて、仮置場◯か所の選定と運営、処理先の確保、費用の記録を担当」という形です。この経験を持つ人は多くありません。行き先の絞り方は廃棄物・清掃課から転職しやすい業界と職種に整理しました。

異動が近いのですが、何をしておくべきですか

3つあります。1つ目は、数字を年度別に控えること——処理量、施設の能力、残余容量、委託と車両、資源化率。2つ目は、補修の時期と、その間の処理の振替をどう決めたかを書き出すこと。これは記録として整理されていないことが多いのですが、民間の設備の運営ではいちばん通じる話です。3つ目は、施設の整備に関わったなら、担当した段階を並べておくこと。この3つがあれば、数年後に動く場合でも、そのまま書類が作れます。

出典

  1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第21条(技術管理者)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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