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部署別 / 廃棄物・清掃課

廃棄物・清掃課から転職しやすい業界と職種

廃棄物・清掃課からの転職は、2つの系統に分かれます。

施設を持つ側か、運ぶ側か。

この2つは、求人の種類も、見られる経験も違います。

この記事では、向いている5つの方向と、合いにくい方向を並べます。

言い換えは廃棄物・清掃課の経験は民間で何と呼ばれるかに書いています。

「市町村を除く」——施設を持つ主体だったということ

行き先を考える前に、この仕事の立ち位置を条文で押さえます。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第8条第1項は、こう定めています。

一般廃棄物処理施設(ごみ処理施設で政令で定めるもの……、し尿処理施設……及び一般廃棄物の最終処分場で政令で定めるものをいう。……)を設置しようとする者(第六条の二第一項の規定により一般廃棄物を処分するために一般廃棄物処理施設を設置しようとする市町村を除く。)は、当該一般廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

括弧の中を読んでください。

「市町村を除く」。

つまり、民間の会社が同じ施設を持とうとすれば、知事の許可が必要です。市町村は、その対象から外れています。

ここが要点です。

市町村は、許可を受けて施設を運営する立場ではなく、施設を持つ主体そのものでした。

建てるかどうかを決め、能力を決め、運転を委託し、補修の時期を決め、いつ更新するかを判断する。

この立場にいた人は、民間の側から見ると「発注者の判断の内側にいた人」です。

そして、行き先はここで分かれます。

系統庁内でやっていたこと行き先
施設を持つ側整備計画、処理能力の設定、運転の監督、補修、残余容量プラント・運営受託・エネルギー
運ぶ側収集の区域と順路、車両と人員、委託の仕様、集積所収集運搬・リサイクル・物流

どちらを長くやってきたかで、書類の作り方が変わります。

向いている5つの方向

1. プラントメーカー(施設の設計・建設・運転の受託)

項目内容
効く経験整備計画、方式の比較、交付金の手続、住民への説明、運転の監督
求められる形自治体への提案、案件の管理、運転の受託業務の運営
入りやすさ高い。発注者の判断の内側を知る人は、外からは採れない

書くときの注意。「施設を担当していた」ではなく、十年がかりの案件のどの段階を持ったかを書いてください。基本構想、方式の検討、生活環境影響調査、用地、住民説明、交付金、発注、建設、稼働。この並びのどこを担当したかで、会社の見方が変わります。

この方向に固有の制約もあります。プラントの会社は、案件の数が限られます。自治体の施設は数十年に一度しか更新されないため、担当する案件が、年単位で続きます。短い期間で成果を出す働き方とは、時間の流れが違います。これは、行政にいたときと近い感覚です。

2. 収集運搬・リサイクルの事業会社

項目内容
効く経験委託の仕様、順路と区域の設計、車両と人員の体制、実績の確認
求められる形自治体からの受注、運行の管理、現場の管理、営業
入りやすさ高い。発注者が継続の判断で何を見るかを知っている

書くときの注意。順路と体制を自分で設計していたなら、それを前に出してください。民間でも、同じ人員と車両で、どれだけ回れるかが利益を決めます。「地区ごとの排出量と所要時間を集計して、区域の割り振りを見直した」という話は、そのまま同じ仕事です。

この方向に固有の制約もあります。収集運搬の会社では、人が採れないことが最大の制約になります。車両があっても、運転できる人と、作業する人がいなければ回りません。行政の側では「委託先の体制」として見ていた問題が、今度は自分の課題になります。採用と定着まで含めて回せるかが、この方向では効いてきます。

3. 自治体を顧客とするコンサルタント(計画・施設の整備・交付金)

項目内容
効く経験一般廃棄物処理計画、発生量の見込み、交付金の手続、庁内と議会の説明
求められる形計画の策定の受託、施設の整備の支援、調査
入りやすさ高い。計画を作る側にいた人は少ない

書くときの注意。発生量の見込みを、どう立てたかを書いてください。人口の推計、原単位、事業系の量、資源化の見込み。この組み立てを説明できる人は、この分野では希少です。

4. 廃棄物の発電・燃料化・資源の回収(エネルギー)

項目内容
効く経験搬入される量と質の見込み、施設の稼働、自治体との協定
求められる形事業の企画、原料(廃棄物)の確保、自治体との契約
入りやすさ中。事業の数は増えているが、求人は限られる

書くときの注意。「量」だけでなく「質」を書いてください。燃やすものの種類、水分、混入の状況。これが分かる人は、事業の成立の判断ができます。

この方向に固有の制約もあります。廃棄物を原料とする事業は、入ってくる量が読めないと成立しません。そして、その量は、自治体の分別の方針で変わります。つまり、自分が行政側で決めていた方針が、今度は事業の前提になるという逆転が起きます。この構造を理解している人は、事業の危うさも説明できます。

5. 企業の廃棄物管理(製造業・小売・物流の排出事業者側)

項目内容
効く経験法令の読み方、委託の契約、記録の管理、行政の検査への対応
求められる形自社から出る廃棄物の管理、委託先の選定、記録と報告
入りやすさ中〜高。制度を分かる人が社内で育ちにくい

書くときの注意。一般廃棄物と産業廃棄物の区分を、自分から説明できるようにしてください。企業から出るものは、多くが産業廃棄物です。「市町村の担当だったので一般廃棄物が中心ですが、区分と委託の考え方は同じです」と言えれば十分です。

合いにくい方向

1. 個人向けの営業

相手が自治体や事業者でなくなると、この経歴の技術が使えません。

2. 短期の数字で評価される職種

十年がかりの案件を見てきた感覚とは、時間の流れが違います。

3. 立ち上げ期の一人目

制度も手続もない環境で全部を作る役割です。この経歴は、基準と手続を運用することに強いため、それがない環境では時間がかかります。

4. 収集の現場の作業職

発注する側や、運行を管理する側にいたことと、現場の作業ができることは別です。

5. 研究・分析の専門職

測定や分析を専門とする職は、機器の実務経験が前提です。

役に立つ資格

取ってから動く必要はありません。応募しながらで構いません。

資格効く方向実際のところ
廃棄物処理施設技術管理者施設の運営、プラント施設を持つ会社では要件になる。講習で取得できる区分がある
特別管理産業廃棄物管理責任者企業の廃棄物管理講習で取得できる。排出事業者側では分かりやすい裏づけ
公害防止管理者(ダイオキシン類)焼却施設の運営施設の方向では効く
運行管理者(貨物)収集運搬車両を扱う会社では要件になることがある
日商簿記3級事業会社全般事業の数字を見る方向では、懸念を先に消せる

施設の方向なら廃棄物処理施設技術管理者、企業の側なら特別管理産業廃棄物管理責任者が、いちばん分かりやすい裏づけになります。

求人を探すときの検索語

庁内の言葉で検索すると、求人が出てきません。

探している仕事検索語
プラント・施設プラント 営業/廃棄物 施設 運営/焼却炉 運転管理/DBO
収集運搬収集運搬 管理/配車 管理/運行管理 廃棄物
自治体向け廃棄物 コンサルタント/一般廃棄物処理基本計画/公共 調査
エネルギーバイオマス 発電 燃料/廃棄物 発電/資源 リサイクル 企画
企業の側廃棄物管理/環境管理/マニフェスト 管理

「清掃」「ごみ」では、ほとんど出てきません。上の言葉に置き換えてください。

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

つまずきやすい点

1. 施設の側と、収集の側を分けずに書く

どちらを長くやってきたかを決めてください。両方なら、それは強みです。

2. 「施設を担当していた」で終える

十年がかりの案件の、どの段階を持ったかを書いてください。

3. 排出事業者側を、選択肢から外す

求人の数は、処理業より多いこともあります。

4. 量だけを書いて、質を書かない

燃やすものの種類、水分、混入の状況。エネルギーの方向では、ここが事業の前提です。

5. 一般廃棄物と産業廃棄物の区分を説明しない

自分から線を引けることが、制度の理解の証明になります。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

よくある質問

収集の委託の担当が中心でした。施設の方向にも出せますか

出せますが、主にはしないほうが通ります。書類では、長くやってきたほう(収集と委託)を主にして、施設は「搬入の管理を担当」という形で添えるのが現実的です。ただし、搬入の管理は、施設の側から見ると重要な情報です。何時にどれだけ入ってくるか、どの区分がどれだけか、繁忙期にどう変動するか。これを知っている人は、施設の運営でも役に立ちます。なので、主従を決めたうえで、施設に関する部分も1〜2行は残してください。

有料化の導入に関わりました。書ける経験ですか

強い経験です。有料化は、住民の負担が増える制度で、説明会、議会の審議、条例の改正、周知、指定袋の流通の準備まで、全部を通す必要があります。そして、導入の前後で排出量が動きます。書くなら、「家庭系ごみの有料化について、制度の設計、住民説明会◯回の運営、条例の改正、指定袋の供給体制の準備を担当。導入後◯年で家庭系の排出量が◯%減少」という形です。負担が増える制度を、説明して通した経験は、民間の価格改定や、条件の変更でそのまま同じことをします。

何社くらい受けるものですか

決まった数はありません。ただ、この分野は、施設の側と運ぶ側で書類が変わります。1通で両方を狙うと、どちらにも寄り切らない書類になります。現実的なのは、主にするほうで1通作り、説明の型が近い2方向を並行して見る形です。たとえば、プラントと、自治体を顧客とするコンサルタントは、どちらも「自治体がどう決めるか」を聞かれるので、書類の作り直しが少なく済みます。書き方は廃棄物・清掃課の職務経歴書に整理しています。

出典

  1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第8条(一般廃棄物処理施設の許可)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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