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部署別 / 管財課

管財課の職務経歴書|書き方と、そのまま使える記述例

管財課の職務経歴書で、いちばん多い1行目はこれです。

「管財課にて庁舎管理、財産管理を担当。」

事実です。ただ、読んだ側には何も残りません。しかも「庁舎管理」という言葉は、建物の日常の面倒を見ていた人として読まれます。

実際にやっていたのは、組織が持つ資産の全体を把握し、使い方を決め、直すか手放すかを判断する仕事です。民間でいうアセットマネジメントです。

この記事では、管財課の仕事を職務経歴書にどう落とすかを、悪い例と良い例を並べて整理します。

言い換えの一覧は管財課の経験は民間で何と呼ばれるかに、行き先の選び方は管財課からの転職先に分けて書いています。

安く貸す・タダで譲るには、議会の手続が要ります

書き方の前に、一つ押さえます。ここが、この部署の判断の重さを示します。

地方自治法第237条第1項は、この法律において「財産」とは、公有財産、物品及び債権並びに基金をいうと定めています。

そして第2項がこうです。

第238条の4第1項の規定の適用がある場合を除き、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない。

読み取ってほしいのは、「適正な対価なくして」という部分です。

安く貸すこと、タダで譲ることが、原則として禁じられています。やるなら、条例か議会の議決が要ります。

つまり管財課の判断は、「いくらが適正か」を常に問われる仕事です。地域の団体に施設を安く貸す、公益的な目的で土地を譲る。どれも、対価が適正かどうかの説明が要ります。

だから職務経歴書に書くべきなのは、管理した施設の数ではありません。何を、いくらで、どういう根拠で決めたかです。

書類全体の形を決める

管財課の場合、応募先の方向を先に決めてから書くのが鉄則です。

  1. 職務要約(5〜8行)
  2. 担当業務(箇条書き。台帳・維持管理・計画で分ける)
  3. 実績(3〜4件。応募する方向のものを2件以上)
  4. 活かせる経験・スキル(応募先に合わせて並べ替える)

読まれるのは職務要約と実績です。時間は実績に使ってください。

職務要約の書き方

悪い例

> ◯◯市役所に入庁後、市民課、税務課を経て管財課に配属。庁舎の維持管理、公有財産の管理、財産の貸付け等を担当。現在は管財課主査として庁舎管理全般に従事している。

事務の名前が並んでいるだけです。

良い例(アセットマネジメントの求人に出す場合)

> 市役所に入庁後、市民課と税務課で計7年、管財課で6年。管財課では、土地◯筆・建物◯棟(延べ床面積約◯万平方メートル)の公有財産台帳を管理し、現物との突合を◯年度に実施して◯件の不一致を是正した。公共施設等総合管理計画の改定では、施設ごとの更新費用の試算と、今後◯年間の更新需要の見込みを担当している。普通財産については、貸付け年間◯件、売払い◯件を扱い、用途を廃止して普通財産に切り替えた物件が◯件ある。庁舎の維持管理では、保守・清掃・警備など◯件の委託契約を管理し、年間の維持管理費◯千万円の予算編成にあたった。

違いは4つです。

1. 応募する方向(資産管理)が先頭に来ている2. 規模が書いてある(筆数、棟数、延べ床面積、契約件数、費用)3. 「減らした・切り替えた」実績が書いてある4. 計画に関わった経験が入っている

3つ目と4つ目が、この経歴でいちばん差が付く部分です。

担当業務の書き方

台帳・維持管理・計画で分けてください。

悪い例

> ・公有財産の管理、庁舎の維持管理、財産の貸付け・売払い、公用車の管理等

これでは何も伝わりません。

良い例

> 【台帳・権利の管理(6年)】> ・公有財産台帳の管理(土地◯筆、建物◯棟、延べ床面積約◯万平方メートル)> ・現物との突合と是正(◯年度に実施、不一致◯件を是正)> ・行政財産・普通財産の区分の管理、用途廃止の手続(◯件)> ・境界の確定、登記(年間◯件)>> 【使い方の決定(6年)】> ・行政財産の目的外使用許可(年間◯件、自動販売機・電柱・催事など)> ・普通財産の貸付け(年間◯件)、売払い(◯件)> ・貸付料・使用料の算定(不動産鑑定の活用、近傍の類似地との比較)> ・減免の判断(条例に基づく要件への当てはめ、年間◯件)>> 【維持管理(4年)】> ・庁舎の維持管理(保守・清掃・警備ほか委託契約◯件、年間◯千万円)> ・設備の更新の計画と実施> ・光熱水費の管理(年間◯千万円、省エネの取組)>> 【中長期の計画(2年)】> ・公共施設等総合管理計画の改定(対象◯施設、更新需要の試算)> ・個別施設計画の策定(◯分野)> ・施設の統廃合の検討(◯件、うち合意に至ったもの◯件)

規模を全部に添える。これで、どの領域が中心だったかが一目で分かります。

実績の書き方――ここに時間を使う

実績は3〜4件に絞ります。書く形は状況 → 論点 → 自分の判断 → 結果です。

悪い例

> 公有財産の適正な管理に努め、遊休資産の活用を推進した。

「努めた」「推進した」しかありません。何をしたのかが分かりません。

良い例

> 【使われていない土地を、「使えない」と「使っていない」に分けた】> 遊休資産の活用が課題として挙げられていたが、対象の洗い出しが進んでいなかった。台帳上は未利用となっている土地が◯筆あったが、一覧があるだけで、なぜ使われていないのかが整理されていない状態だった。> そこで、現地の確認と関係課への聞き取りを行い、◯筆を「接道がなく建築できない」「別の事業で使う予定が決まっている」「用途を廃止すれば売却できる」「境界が未確定で処分できない」の4つに分類した。「使えない」ものと「使っていないだけ」のものを分けた形になる。> その結果、売却可能と整理された◯筆について用途廃止の手続を進め、うち◯筆を公募により売却した。境界未確定の◯筆は、確定測量の予算を翌年度に要求している。分類の一覧は、その後の遊休資産の検討でも使われている。

長く見えますが、10行です。ここに書かれているのは「推進した」ではありません。一覧はあるが理由が整理されていないという発見、4分類という手段、そして実際に売却まで進めたという結果です。

「使えない」と「使っていない」を分けるという発想は、企業の遊休資産でもそのまま通用します。

実績に使える題材

管財課なら、次のような題材が使えます。

数字の出し方

使える数字使いにくい数字
土地の筆数、建物の棟数、延べ床面積自治体の人口
台帳の件数、突合で是正した件数在籍年数だけ
貸付け・売払い・用途廃止の件数「適正に管理」などの言葉
委託契約の件数と年間の費用―
対象施設数と、試算した更新需要の規模―
統廃合を検討した件数と、合意に至った件数―

延べ床面積は、規模がいちばん伝わる数字です。必ず入れてください。

書いてはいけないこと

管財課は、財産の価格と相手方が絡むので、注意が要る点があります。

1. 個別の貸付けや売払いの相手方が分かる記述

「◯◯の団体に貸し付けた」「隣接する事業者に売却した」といった書き方は避けてください。「公募により売却した」「条例の要件に照らして減免した」という判断の構造で書きます。

2. 未公表の処分の予定

これから売却や統廃合を予定している物件の情報は書けません。決定し、公表されたものだけを書いてください。

3. 個別の物件の評価額と所在が結びつく記述

「年間◯件、総額◯千万円」という集計であれば問題ありません。個別の物件の金額と場所が分かる書き方は避けてください。

4. 訴訟や境界紛争の相手方と争点

係争中・係争後を問わず、事件の中身は書かないでください。「境界の確定に関する紛争の対応を担当した」で足ります。

この4点を外せば、書ける材料は十分に残ります。むしろ、この線引きができること自体が、資産を任せられる人として読まれます。

求人票の言葉に合わせて並べ替える

応募先の方向先頭に置くもの
不動産・アセットマネジメント台帳、貸付け・売払い、用途廃止、遊休資産
ファシリティマネジメント維持管理、委託契約、設備の更新、費用の管理
拠点再編・中長期保全計画総合管理計画、更新需要の試算、統廃合の検討
施設運営・指定管理公の施設の管理、協定、指定管理者の監督
自治体を顧客にする企業台帳の実態、目的外使用許可、統廃合の実際

方向ごとの詳細は管財課からの転職先に整理しています。

つまずきやすい点

1. 「庁舎管理」で止める

「アセットマネジメント」「資産管理」に置き換えてください。

2. 延べ床面積を書かない

規模がいちばん伝わる数字です。必ず入れてください。

3. 計画に関わった経験を後ろに置く

公共施設等総合管理計画は、この経歴でいちばん効く材料です。前に出してください。

4. 技術的な判断と管理を混ぜて書く

設備の更新で、技術的な仕様を決めたのか、計画と契約を回したのか。正確に書き分けてください。

5. 個別の相手方が分かる書き方をする

貸付け、減免、訴訟。判断の構造で書いてください。相手方が特定できる書き方は避けます。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

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まとめ

よくある質問

減免や貸付料の算定は、実績として書けますか

書けます。ただし、相手方が特定できる書き方は避けてください。「近傍の類似地との比較と不動産鑑定を根拠に貸付料を算定し、条例の要件に照らして減免の可否を判断した」という判断の構造で書きます。「いくらが適正かを説明できる形にしてきた」という経験は、民間の不動産の運用でそのまま読まれます。

統廃合が合意に至らなかった案件は、書かないほうがいいですか

書いてください。企業の拠点再編でも、同じことが起きます。「計画は立てたが実行できなかった」で終わらせず、何が障害で、どこまで進んだかを書いてください。利用者の反対、代替施設までの距離、地域ごとの事情。障害を分析できていることが、次の場所で活きます。

庁用車や物品の管理も書くべきですか

方向によります。ファシリティマネジメントの方向なら、社用車管理やリース管理として読まれるので書いてください。一方、不動産やアセットマネジメントの方向では、土地と建物の話を先に置き、物品は後ろに1行で足ります。先頭に何を置くかで、読まれ方が変わります。

出典

  1. 地方自治法 第237条(財産の管理及び処分)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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