制度とお金 / 服務と法令上の制限
面接のために年休を取ること
転職面接の予定が勤務時間に重なるときは、本人に適用される年休制度と申請手続きを確認します。国の一般職の年次休暇は、面接という目的だけで一律に使えない制度ではありません。ただし、休暇を申請すれば希望する時間が無条件に承認されるという説明も正確ではありません。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。年休の承認と、応募先との利害関係や求職活動規制は別の確認です。地方職員、非常勤職員などは、国の常勤職員向けの説明をそのまま使わず、所属の規程と本人の残日数を確認してください。
国の年休は事由と取得時期を分けて考える
人事院が公表する国の一般職の休暇制度の概要では、年次休暇の事由は問わないと整理されています。病気休暇や、結婚・出産など特定の要件を持つ休暇と異なり、年休を取るために面接を病気や公務出張に言い換える必要はありません。
一方、勤務時間法第17条第3項は、年次休暇の時期について各省各庁の長の承認を必要としています。同時に、公務の運営に支障がある場合を除き、承認しなければならないと定めています。上司の個人的な好き嫌いで自由に決める制度として説明することも、本人の申請だけで承認が完了する制度として説明することも避けます。
この枠組みからは、「面接目的だから全面的に不可」とも、「私用の年休だから勤務の調整は一切いらない」ともなりません。まず希望する時期と業務予定を整理し、正式に請求します。公務の支障が問題になった場合は、その内容と代替できる日時を確認します。
理由の取扱いは公式の運用を確認する
人事院規則15-14の運用通知は、第18の休暇簿関係において、年次休暇の理由など、休暇の趣旨に反する記載事項を定めてはならないとしています。国の年休について、面接先の企業名や選考内容を当然の必須記載事項として説明することはできません。
だからといって、事実と違う通院予定や家庭事情を作って申請する方法は勧められません。様式に不明な欄がある場合は、年休の制度上どの情報が必要なのかを服務担当へ確認します。勤務の調整に必要な不在時間を知らせることと、私的な選考の詳細を話すことは分けて考えます。
地方では所属の条例・規則、休暇簿の取扱いを確認してください。国の通知を全自治体の統一様式として扱うことも、所属の慣行らしいという理由だけで私生活の詳細がすべて必要と決めることも避けます。疑問が残るときは、適用する規程と確認の目的を聞きます。
なお、求職活動規制に関する正式な確認や、採用の約束後の届出で必要になる情報は、年休の申請理由とは別です。「年休の理由を問わない」ことを、服務上必要な届出も省いてよいという意味には使えません。
予定が分かったら休暇簿による請求を行う
人事院規則15-14第27条は、年次休暇等の承認を受けようとする職員に、あらかじめ休暇簿に記入して請求することを定めています。病気や災害など、やむを得ない事由で事前に請求できなかった場合の例外はありますが、予定されている面接を当然に事後申請でよいものとして扱わないようにします。
職場で使う電子申請の操作、承認者、業務上の調整先は所属で確認します。全国の公務員に共通する「何日前まで」という面接用の期限を想定せず、規程や運用を確かめて予定が分かり次第進めましょう。
| 申請前に確認すること | 確認内容 |
|---|---|
| 自分の勤務 | その日の始業・終業、休憩、交替勤務等の割振り |
| 年休の残数 | 日数・時間残、利用できる単位、付与と繰越の区分 |
| 不在の時間 | 面接、準備、移動、戻るまでの時間 |
| 業務の予定 | 担当会議、締切、窓口や連絡の引継ぎ |
| 申請の状況 | 請求済みか、承認済みか、変更手続きが必要か |
面接の招待を受けた時点で休暇が確保できていない場合は、応募先に複数の候補時間や勤務時間外の実施が可能かを相談できます。対応してもらえることを保証はできませんが、未承認の不在を前提に予定を確定するより、双方へ確定状況を正しく伝えることが大切です。
時間休は面接時間だけで計算しない
人事院規則15-14第20条は、国の年次休暇の単位を1日とし、特に必要があると認められるときは1時間又は15分を単位とできると定めています。地方の半日休暇や、非常勤職員の時間単位の取扱いは、本人の制度で確認します。国の単位をすべての公務員に共通するものとして使わないでください。
例えば仮の予定として、面接が午後の一定時間に設定されていても、会場までの移動や受付、着替えなどに必要な時間がその前後にあります。不在が勤務時間に重なる範囲を確認し、休憩時間はその日の実際の割振りに従って区分します。面接そのものの長さだけを年休として、移動中は勤務扱いにする考え方は避けます。
オンライン面接も、接続の準備や終了時刻の変動を考慮します。公用の会議室や端末を私的な選考に当然使えるわけではありません。面接で公務の資料が映り込まない場所を確保し、公用アカウントではなく私的な連絡先を使うなど、所属の情報管理にも沿って準備します。
終日休むか、一部の時間だけ休むかは、残数だけでなく勤務予定と必要な時間に応じて選びます。短時間勤務の職員では1日換算の時間数が異なる場合があるため、通常の常勤職員の換算を流用しないようにします。詳しくは半日休暇・時間休も参照できます。
地方や任用区分で付与・年度・手続きが異なる
地方の例として、横浜市一般職職員の休暇に関する条例は、年次休暇の休暇年度を4月から翌年3月までとしています。国の運用通知が原則として暦年で整理していることとは異なります。また、横浜市の条例は会計年度任用職員等の休暇を別途規則で定める構造です。
この例から、同じ自治体に勤務していても、任用区分が違えば確認先の規定が変わることが分かります。常勤向けの20日という説明だけを見て、非常勤の自分にも同じ残数があると考えないようにしましょう。
申請画面の残数と自分のメモが食い違う場合は、付与日、繰越、過去の時間休の換算、勤務形態変更の有無を給与・服務担当へ確認します。転職先への年休の引継ぎは、別の雇用先へ当然に持ち越せる制度ではないため、現在の残数と将来の休暇条件も分けて比較します。
民間で説明される時季変更権や時間単位年休の仕組みを、そのまま国の公務員の申請に置き換えないことも大切です。国では勤務時間法の承認の枠組み、地方では適用法令と条例・規則を確かめ、本人の制度の言葉で質問しましょう。
年休承認と応募の適否は別の確認
国家公務員法第106条の3は、一定の現職職員による利害関係企業等への求職活動を規制しています。地方にも、所属の条例で求職活動について規定する場合があります。年休中だからこうした規制を受けないという扱いにはなりません。
また、国家公務員法第100条と地方公務員法第34条による守秘義務も、面接で説明する経験の範囲に関係します。休暇を取っている間でも、非公開資料や住民情報を応募先に提示しないようにします。業務用の名刺や職務上の立場を利用する接触にも注意が必要です。
そのため、休暇の申請と並行して、応募先との利害関係、必要な事前承認、選考中に開示する情報を確認します。活動の段階ごとの整理は転職活動は服務規律に触れるかをご覧ください。休暇の承認者への一言で、すべての服務上の確認が済むとは考えないようにします。
希望する仕事の条件は求人情報で比較できます。応募や退職を前提にせず、現職を続ける場合の希望と並べて整理してください。
よくある質問
面接のための年休は認められませんか?
国の一般職の年休は事由を問わない制度として整理されています。一方、取得時期は公務の運営に支障がある場合を除いて承認する枠組みです。本人の任用区分の規程に従って事前に申請します。
面接先の名前を休暇申請に必ず書く必要がありますか?
国の運用通知は、年休の理由など趣旨に反する記載事項を設けてはならないとしています。地方は所属の取扱いを確認します。虚偽の理由を作らず、必要事項と根拠を服務担当へ聞いてください。求職規制等の別手続きで必要な情報とは分けます。
年休が承認されれば応募先との関係は確認不要ですか?
不要にはなりません。国の求職活動規制、地方の条例、守秘義務等は別です。本人の職務と応募先との関係を整理し、必要な事前確認や届出を行います。
希望をまとめて話したい場合は相談フォームをご利用ください。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。短い連絡にはLINEも利用できます。休暇や服務の制度上の判断は、所属の正式な窓口へ確認してください。