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制度とお金 / 国家公務員の制度

国家公務員の人事評価|期間・手順・活用と確認先の全体像

国家公務員の人事評価は、職務で発揮した能力と挙げた業績を把握し、任用・給与等の人事管理や人材育成に使う仕組みです。評価を受ける際は、評語だけでなく、対象期間、求められた役割、評価の手順、結果の使われ方を分けて確認します。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国の一般職の制度と、内閣人事局・人事院の2026年4月版ガイドを軸に、本人が確認する順序を整理します。特定の職場で付く評語や、個別の処遇の適法性を判断するものではありません。

法律と政令、本人の実施規程を照合する

国家公務員法第18条の2の定義では、人事評価は、任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とするための勤務成績の評価です。第70条の2は公正な実施、第70条の3は定期的な実施と政令による基準・方法、第70条の4は結果に応じた措置を定めています。

具体的な期間や手順は「人事評価の基準、方法等に関する政令」と内閣官房令を確認し、本人の様式、評価者、日程、苦情窓口は所属府省等の実施規程・案内と照合します。全国の公務員に同一の様式を使う制度ではありません。

確認する事項主な資料
対象職員と評価の種類政令、本人の任用通知、実施規程
項目と本人の役割職位別の項目表、目標・役割の記録
期間と締切政令、所属の実施日程
開示と面談内閣官房令、所属の案内
苦情や処遇の照会苦情窓口、給与・任用等の担当

地方公務員は本人の任命権者が定める基準・方法等を確認します。国の10月開始の期間や評語を、そのまま地方の全職員へ当てはめないでください。人事評価制度の仕組みでは、国と地方の区分も整理しています。

ほかの職務を比較したい場合には、公務員経験を生かせる仕事も確認できます。現在の評価手続きと、本人の将来の仕事選びは分けて考えます。

能力評価と業績評価の対象期間を分ける

政令第4条の能力評価は、評価期間に職務で実際にとった行動を、評価項目等に照らして評価するものです。性格や私生活、保有資格の名前だけから決まるものではありません。本人の職位・職務に応じて求められる行動を確認します。

業績評価は、あらかじめ示した役割を本人が果たした程度を確認します。目標の達成だけでなく、その職務に応じた過程や質的な水準等も確認するため、処理件数一つだけで全てを判断する仕組みではありません。

国の定期評価評価期間確認の中心
能力評価10月1日から翌年9月30日その職位で実際に発揮した能力・行動
業績評価10月1日から翌年3月31日その期間に果たす役割と業績
業績評価4月1日から9月30日その期間に果たす役割と業績

この期間は政令第5条によるものです。能力評価は年1回、業績評価は年2回となります。年度、暦年、給与の決定時期は一致しないため、何年のどの評価期間について話しているかを明らかにしてください。

定期評価とは別に、条件付採用・条件付昇任を正式なものとするか判断する特別評価があり、能力評価により実施します。非常勤や一定の臨時的任用等には実施の除外に関する規定もあります。「非常勤なら必ず評価なし」「全職員が同じ定期評価」と一律に扱いません。

期首から期末までを本人用の表で整理する

人事評価は期末の自己申告だけで完了しません。目標を共有し、仕事の過程を把握し、評価と開示、次に向けた指導・助言へつなぐ手順です。

段階本人が確認・準備すること
期首担当範囲、役割、目標、達成を確認する材料
期中進捗、担当変更、外部条件の変化、相談した対応
自己申告本人が行ったことと結果、過程を事実で整理
評価・調整・確認制度上の担当者と確定の流れ
開示・期末面談結果の根拠、良かった行動、改善点、次期の役割

政令第12条は、評価期間の開始に際して面談し、果たすべき役割を確定する手続きを定めています。「何を」「いつまでに」「どの状態まで」「本人がどの範囲を担うか」を、実際の仕事に沿って確認します。

例えば仮の業務として、照会回答の手順を見直す担当なら、対象業務、確認する課題、作成する資料、関係部署との調整範囲、見直しの時期を整理できます。これは高評価を得るための定型文ではなく、本人に求められる役割を話すための整理例です。

期中に法改正や担当変更等があれば、目標と進め方を評価者へ相談します。本人が無断で目標を書き換えることも、前提が変わったまま期末まで放置することも避け、所属の方法で更新・記録してください。

自己申告と最終評価を混同しない

政令第8条・第13条の自己申告は、評価者が参考にするため、本人の認識等を示す仕組みです。希望する評語を記入すれば、そのまま最終結果になる制度ではありません。

申告には、本人の行動、結果、チーム内の分担、変更に対応した過程等を整理します。他の職員の成果を自分の実績として書いたり、確認できない数値を加えたりする必要はありません。本人が担った範囲を説明する方が、評価者の事実確認につながります。

政令第9条では、評価者の評価、調整者による調整、実施権者による確認の仕組みがあります。評価者の最初の見込みと、制度上確定した評価結果は別に考えます。調整者の指定に関する例外等も、本人の実施規程で確認してください。

結果の開示と面談で根拠を確認する

政令第10条・第11条等は、結果の開示と、その後の面談による指導・助言を定めています。内閣官房令第4条は、原則として確定した全体評語を含めることと、希望しない場合等の例外、その例外でも開示が必要となる評語の扱いを規定しています。

全体評語以外の開示範囲は所属の規程等で確認します。全記録書の全項目が一律に同じ方法で渡される、と決めつけないでください。一方、評語を受け取っただけで面談の目的が全て達成されたわけでもありません。

面談では、根拠となった事実、評価された行動、改善が必要とされた点、次期に求められる役割を尋ねます。本人の認識と異なる事実がある場合は、対象の時期、業務、記載箇所を具体的に示して確認します。

2026年度の人事管理運営方針も、目標と組織目標の整合、期中・期末の意思疎通、強み・弱みへの指導・助言等を挙げています。方針に書かれた取組を、本人の職場で既に全て実施された実態としては扱いません。具体的な手順は所属の案内で確認します。

給与・任用への活用は別の決定で確認する

評価結果は、昇給、勤勉手当、任用などに活用されます。ただし、使う結果や期間、年齢・級等の条件、勤務した期間は制度ごとに異なり、一回の評語から処遇が全て自動決定するものではありません。

例えば、評価の開示時期と実際の昇給日は別です。本人が確かめたいことを、評価結果の根拠、昇給区分の決定、勤務期間の算定、任用の選考という項目に分けると、照会先が明確になります。具体的な給与への接続は評価と給与の関係を参照してください。

休職等で評価期間中の勤務がない場合の取扱いも、評価不能と低評価を同一視せず確認します。給与の算定と評価の実施は別に整理し、休職と人事評価の確認項目を参考にしてください。

また、国の評価結果が良ければ民間採用も保証される、別の評語なら転職できない、という制度ではありません。民間の選考では応募先の職務・条件に対応する経験を説明します。評価資料に含まれる非公開情報や他職員の情報を、そのまま持ち出す方法は勧めません。

苦情相談・苦情処理と他の救済を分ける

政令第20条と内閣官房令第6条は、人事評価の苦情相談・苦情処理を定めています。苦情の申出をしたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。

苦情相談は、人事評価に関する苦情を幅広く扱うものです。苦情処理は、開示された評価結果や、苦情相談で解決しなかった所定の苦情を対象とします。開示結果については、評価期間ごとの受付回数や所属の申出期間等を確認してください。

評価結果への苦情と、給与の決定、不利益処分への不服は、対象や窓口が異なります。評価への不満を全て同じ審査請求として処理できるとも、一切相談できないともいえません。何の決定・手続きについて、どの事実を確認したいかを整理し、所属窓口や人事院の正式な相談先へ確認します。

私用端末へ業務資料を集めて証拠にするのではなく、必要資料の閲覧・提出を正式な経路で相談してください。本人の権利や個別の適法性は記事で判断できません。

希望する職務や経験の整理には相談フォームも利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。評価の苦情処理や給与決定の窓口とは役割を分けてください。

よくある質問

国の能力評価と業績評価は同じ期間ですか

定期評価では能力評価は10月から翌年9月までの年1回、業績評価は10月から翌年3月、4月から9月の年2回です。本人の評価種類と対象期間を確認してください。

全体評語だけで昇給や採用が決まりますか

評価結果は人事管理に活用されますが、処遇は制度ごとの条件と決定を確認します。民間の採用可否も、国の評語一つで保証されるものではありません。

評価結果に疑問があればどうしますか

具体的な事実と記載を整理し、評価者や苦情窓口へ確認します。苦情相談・苦情処理の対象と申出期間、給与等の別手続きとの違いも照会してください。

情報収集の連絡方法はLINEの案内でも確認できます。現職で経験を生かす案も含めて、本人のペースで考えられます。

出典

  1. 国家公務員法 第18条の2・第70条の2から第70条の4
  2. 人事評価の基準、方法等に関する政令 第3条から第14条・第20条
  3. 人事評価の基準、方法等に関する内閣官房令 第4条・第6条
  4. 内閣人事局・人事院 人事評価ガイド 制度全般編 2026年4月版
  5. 人事院 人事評価と評価結果の活用
  6. 内閣人事局 令和8年度における人事管理運営方針

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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