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制度とお金 / 国家公務員の制度

国家公務員の再就職規制の全体像|三つの規制と届出を分けて確認

国家公務員の再就職規制は、民間への転職を一律に禁止する制度ではありません。他の職員の再就職をあっせんする行為、自分の利害関係企業等への求職活動、再就職後の元職場への働きかけを分けて確認します。再就職情報の届出も、これらの禁止・例外承認とは別の手続きです。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国家公務員法と内閣人事局の令和8年1月版資料を使い、全体の確認順序を整理します。個別の適用や違反の判断を代行するものではありません。所属の人事・退職管理担当等へ具体的な事実を示して確認してください。

三つの行為規制と二つの届出根拠を見渡す

国家公務員法第106条の2から第106条の4は、誰が誰に何をするかによって異なる規制を置いています。就職先の業種名や、自分が管理職かどうかだけで、すべての適用を判断することはできません。

根拠主に確認する場面別に確認すること
第106条の2他の職員・元職員を再就職させる目的の情報提供や依頼自分の応募とは別のあっせん規制
第106条の3在職中の利害関係企業等に対する求職活動対象職員、企業との職務上の関係、例外
第106条の4再就職者による元職場への契約・処分に関する要求等期間、過去の職位、自己決定案件、例外
第106条の23在職中に離職後の就職を約束した場合任命権者への速やかな届出
第106条の24管理職経験者の離職後の再就職等事前・事後の区分、期間、地位と適用除外

届出を提出したことは、禁止される行為の承認を得たこととは違います。上司に退職の意向を話したこと、辞職を申し出たこと、再就職の約束を届け出たことも、それぞれ別の確認として扱います。

まず本人の任用と適用範囲を確認する

令和8年1月版の手引は、国家公務員法が適用される一般職を基本に説明しています。民間から採用された任期付職員等や、暫定再任用職員、定年前再任用短時間勤務職員も対象になり得るため、「民間出身」「短時間」という理由だけで除外とは判断できません。

一方、同手引は、これらの再任用短時間勤務職員以外の非常勤職員、臨時的職員、条件付採用期間中の職員について対象外となる旨も示しています。特別職には自衛隊法等による別の規制がある場合があります。自分の任用通知と適用法を担当へ示すことが先です。

地方公務員には地方公務員法や自治体条例の制度があります。国の届出様式や管理職の範囲を、そのまま地方へ当てはめないようにします。このページでは国の全体像を扱い、本人の職種・任用に応じた正式な案内へつなぐことを目的にしています。

他人の紹介と自分の求職活動を区別する

第106条の2のあっせん規制は、営利企業等へ他の職員や元職員を就職させる目的で、その人の情報を提供したり、地位に関する情報提供や採用を依頼したりする行為を対象にします。「推薦状ではなく連絡先を伝えただけ」という呼び方だけで、対象外とは決められません。

他の人のために企業側へ接触する場合は、目的、提供する情報、依頼内容を担当へ示します。法令に基づく職業安定事務、所定の現役出向、官民人材交流センター職員の職務等には例外がありますが、私的な親切なら当然に同じ例外が使えるという関係ではありません。

自分自身の活動については、第106条の3の求職活動規制を確認します。利害関係企業等に対して再就職する目的で自己情報を提供する、採用ポストの情報を求める、就職を要求・約束する行為などが問題となります。内定後だけ確認すればよい制度ではありません。

利害関係は、許認可、補助金、検査、契約等の職務との関係で確認します。「行政向け事業がある企業」という一般的な説明と、本人の職務に利害関係を持つ企業であることは同じではありません。応募先候補と担当業務の関係を整理し、必要な確認を接触前に行います。

仕事内容の比較に使う情報として、行政・公共に関わる求人も参照できます。応募や企業への接触に進む前には、本人の服務・退職管理上の確認を行ってください。

例外承認は相談や一般の公募と同じではない

第106条の3には、一定の官職の職員が行う場合等の例外と、公正性に支障がないと認められる場合の承認による例外があります。担当者から一般的な説明を受けることと、本人について所定の承認を得ることを区別します。

再就職等監視委員会の公式案内は、求職活動規制と働きかけ規制の例外承認について、申請の経路と資料を示しています。公募への応募も、承認基準の一つになり得るという説明であって、「公開求人なら承認不要」という意味ではありません。

申請は在職機関等を通じる仕組みです。どの企業、どの行為、どの職務との関係について確認が必要かを整理し、決定前に活動を進めてよいと自己判断しないようにします。承認された場合も、その範囲を超える活動や別企業との接触まで一括して認められるわけではありません。

約束の届出と離職後の届出を分ける

第106条の23は、適用対象となる職員が離職後に営利企業等の地位に就くことを約束した場合、任命権者へ速やかに届け出る制度です。管理職だけの在職中手続きとは説明できません。正式な契約書の名称だけでなく、採用担当との合意等の実態を確認します。

内閣人事局の現行Q&Aは、在職中の約束について一週間以内を目安とし、離職日を超える場合は離職日までとしています。法の「速やかに」と、Q&Aに示された運用上の目安を区別してください。未定項目や変更・失効の扱いも担当へ確認します。

第106条の24は、管理職職員であった者の離職後二年間の届出を定めています。一定の法人・地位への就職では事前、その他の対象となる再就職等では事後という区分があります。離職時に管理職でなかったとしても、過去の管理職経験を確認する必要があります。

報酬や法人の種類等による適用除外、既に行った届出との関係もあります。「無報酬ならすべて不要」「どこに就職しても一か月後でよい」という一律判断は避けます。提出先と期限の詳細は再就職の届出制度に整理しています。

就職後は元職場への働きかけを別に確認する

第106条の4は、再就職者が元の局等の役職員へ、一定の契約等事務について職務上の行為をする・しないよう求めることを規制します。原則の離職後二年間に加え、過去の職位による範囲の拡大や、自ら決定した契約・処分について期間の定めのない規制があります。

元同僚と話す行為がすべて禁止されるわけではありません。しかし「挨拶」「契約履行の連絡」という名目だけで一律に対象外ともいえません。要求・依頼の内容、対象事務、法定例外の要件を合わせて確認します。受け手にも所定の場合の届出義務があります。

就職先の職務説明に、元職場への営業や調整が含まれる場合は、本人が担う役割を事前に確認します。制度の詳細と受け手の手順はOB・OGからの働きかけの規制も参照してください。退職後の守秘義務は、これとは別に続きます。

現在の段階と正式な相談先をそろえる

まず任用区分、現在の職務、応募先候補、行いたい行為、過去の官職と時期を整理します。相談は所属の人事・退職管理担当へ行い、例外承認や届出の正式経路を確認します。再就職等監視委員会・監察官の役割と、内閣人事局の届出制度案内を混同しないことも大切です。

在職中の勤務時間、職務専念義務、兼業、資料の取扱い等も別の確認です。詳しくは転職活動は服務規律に触れるかを参照してください。書類は正式な経路で提出し、日付や事実を実際と異なる形に直す方法は取りません。

希望条件や職務経験の整理は相談フォームでも受け付けています。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。法令上の判断は正式な担当へ確認する前提です。

よくある質問

国家公務員は民間企業へ転職できませんか?

全員の転職を一律に禁止する制度ではありません。任用、本人の職務と企業の関係、行為、例外、届出を分けて確認します。就職先の名称だけで適用を決めず、正式な窓口へ照会してください。

再就職の届出を出せば求職活動も承認されますか?

届出と例外承認は別です。在職中の求職活動に規制が関係する場合は、企業への接触前に適用や必要な承認を確認します。上司への意向相談も正式な届出の代わりではありません。

離職後二年が過ぎれば元職場への連絡はすべて自由ですか?

自ら決定した契約・処分には期間の定めのない規制があり、守秘義務も別に続きます。連絡の内容と対象事務を整理し、具体的な適用を確認してください。

職務経験の説明を整理したい場合は、LINE相談も利用できます。退職を決めず、現職継続を含めて比較する段階から相談できます。

出典

  1. 国家公務員法 第106条の2・第106条の3・第106条の4・第106条の23・第106条の24
  2. 内閣人事局 令和8年1月 再就職に関する規制と再就職情報の届出制度
  3. 内閣人事局 令和8年1月 再就職情報の届出Q&A
  4. 再就職等監視委員会 国家公務員法の再就職等規制の概要
  5. 再就職等監視委員会 再就職等規制の例外承認
  6. 内閣人事局 退職管理

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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