制度とお金 / 国家公務員の制度
国家公務員の定年と役職定年|2026年度の年齢・退職日・働き方
国家公務員の定年は段階的に引き上げられています。2026年度の原則的な定年は62歳ですが、管理監督職の勤務上限年齢は原則60歳です。同じ年度に在職する職員でも、定年退職の日、役職を離れる時期、俸給の取扱いが変わる日は一致するとは限りません。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。一般職の国家公務員を中心に、人事院の令和8年4月版資料と現行法を確認しています。任期付き・非常勤の職員、特殊な官職、特別職には異なる取扱いがあるため、本人の任用根拠と人事通知を確認してください。
最初に四つの日付を分ける
「60歳になったら退職」「役職定年になったら再任用」とまとめると、制度を取り違えます。まず次の四つを勤務先の説明と照合します。
| 確認する日付 | 意味 | 主な確認資料 |
|---|---|---|
| 管理監督職の勤務上限年齢に達する日 | 原則60歳という上限の起点 | 官職の区分、人事担当の案内 |
| 管理監督職からの異動日 | 上限到達後の異動期間内に決まる日 | 異動通知、適用する例外 |
| 給与上の特定日 | 原則として60歳に達した日後の最初の4月1日 | 給与法の適用、給与担当の説明 |
| 定年退職日 | 適用される定年に達した後の退職日 | 生年月日、定年の経過措置、退職予定通知 |
最終登庁日や年次休暇の予定も、正式な退職日とは別です。休暇の取得予定から保険資格の終了日や退職日を逆算せず、先に正式な日付を押さえます。年齢の到達日は誕生日の感覚だけで処理せず、勤務先が示す対象日を確認すると、年度の境目の誤解を防げます。
今後の働き方の比較に関心がある方は、公務員経験を生かせる仕事の情報も任意で確認できます。現職で働き続ける場合も、制度上選べる勤務形態の確認が先になります。
2026年度の定年は原則62歳
国家公務員法第81条の6には原則65歳という定年が置かれています。ただし、附則の経過措置によって段階的に引き上げているため、2026年度に本文の65歳だけを当てはめることはできません。
| 年度 | 原則的な定年年齢 |
|---|---|
| 2023・2024年度 | 61歳 |
| 2025・2026年度 | 62歳 |
| 2027・2028年度 | 63歳 |
| 2029・2030年度 | 64歳 |
| 2031年度以後 | 65歳 |
これは一般的な定年年齢の表です。医師・歯科医師など一定の官職には別の定年があり、法律により任期を定めて任用される職員や常時勤務を要しない官職の職員などは、同条の適用が異なります。「国家公務員」という肩書だけで表を確定させないでください。
また、年度の途中で定年年齢を迎えた日と退職日は別です。同条第1項では、定年に達した日以後の最初の3月31日、または任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日を定年退職日としています。本人の生年月日、対象年度、官職の特例、指定日の有無を合わせて確認します。
段階表を見て「自分はその年齢まで必ず同じ役職・勤務条件で在職できる」と判断することもできません。定年の上限、管理監督職の上限、個々の任用や勤務条件はそれぞれの制度です。国・地方を通じた経過措置の見方は定年引上げの経過措置でも整理しています。
役職定年は原則60歳、定年退職とは別
一般に役職定年と呼ばれるのは、管理監督職勤務上限年齢制です。国家公務員法第81条の2では、対象となる管理監督職と勤務上限年齢を定めています。対象は法令上の官職の区分で決まり、職名に「長」が付くかどうかだけでは判定しません。
上限年齢は原則60歳ですが、事務次官は62歳とされるなど、法令上の例外があります。医師・歯科医師の官職等で制度の対象から除かれるものと、対象であって別の上限年齢を使うものも区別します。
原則の異動期間は、上限年齢に達した日の翌日から、その日以後の最初の4月1日までです。この期間内に、管理監督職以外の官職などへ降任・転任する仕組みが設けられています。60歳の誕生日当日に全員が退職する制度でも、直ちに再任用職員へ変わる制度でもありません。
公務の運営上の事情等による特例任用は、法律の要件と任命権者の判断に基づきます。本人が希望すれば当然に役職を続けられるわけではありません。一方で、例外を含めず全員の異動時期が同じともいえません。詳細は役職定年の例外で確認できます。
定年に達した後も一定の事由で勤務を続ける第81条の7の勤務延長は、役職定年の特例任用とは別です。定年そのものが本人の申出だけで延びる制度として扱わず、適用条文と人事上の決定を確認します。
60歳以降の給与は役職の異動と分けて確認
一般職給与法附則第8項では、原則として60歳に達した日後の最初の4月1日を特定日とし、その日以後の俸給月額について7割措置を設けています。特殊な官職等には年齢の特例があり、本人の適用を給与担当へ確認する必要があります。
ここでの7割は、給与法の規定による俸給月額の取扱いです。全手当、賞与、税・社会保険料控除後の手取りまで一律に7割になるという説明ではありません。手当にはそれぞれの支給要件があり、管理職手当の対象から外れるかどうかも別に確認します。
さらに、役職定年に伴う降任等がある場合は、同法附則第10項等の調整額の規定があります。異動前後の俸給と特定日の関係など所定の条件で計算するため、「降任後の金額を出して、その全額にもう一度7割を掛ければ終わり」と単純化できません。
給与担当には、適用俸給表・級号俸、特定日、異動日、調整額の適用、各手当の継続条件を項目ごとに照会します。前年の給与明細や同僚の例だけでは、本人の見込みは確定しません。60歳以降の給与の確認項目も参考にしてください。
継続勤務・定年前再任用・暫定再任用を分ける
定年が延びた期間に従来の職員として勤務を続けることと、いったん退職して再任用されることは異なります。人事院の案内を読む際も、見出しにある制度名を確認してください。
| 働き方 | 確認する点 |
|---|---|
| 定年までの継続勤務 | 役職定年後の官職、勤務時間、給与、定年退職日 |
| 定年前再任用短時間勤務 | 対象となる退職・年齢等の条件、選考、短時間の官職、任期 |
| 暫定再任用 | 経過措置上の対象、フルタイム・短時間、任期と更新の判断 |
| 勤務延長 | 法律上の事由、決定権者、期限や承認 |
国家公務員法第60条の2の定年前再任用短時間勤務は、60歳以後に退職した一定の者について、従前の勤務実績等による選考で短時間勤務の官職へ採用できる制度です。希望者全員への自動的な任用ではなく、任期は本人の定年退職日相当日との関係で決まります。
暫定再任用も、定年引上げ中の経過措置としての制度です。短時間で働くという共通点だけで定年前再任用と同じ制度にせず、現在の年齢・退職歴と任用通知に記された根拠を確認します。勤務時間が変わる場合は、給与だけでなく年休の単位、共済・厚生年金の資格、家族の扱いも担当部署で照合します。
本人用の確認表を作る
人事担当から制度説明を受けたら、案内の年度と本人への適用を分けて記録します。「2026年度の原則」と「自分の退職予定年度」が違う場合は、経過措置の該当欄を改めて確認してください。
- 生年月日、任用根拠、官職・職種と定年の特例の有無
- 管理監督職勤務上限年齢制の対象、異動期間、決定済みの異動日
- 給与の特定日と調整額、手当ごとの適用
- 定年退職日、短時間勤務等の希望を伝える時期と申請先
- 年金の受給開始、医療保険や家族資格など別制度の手続き
未確定の項目は「人事へ照会中」「給与担当の試算待ち」など状態を残します。口頭説明を一つの確定条件へ置き換えず、正式通知や本人宛ての資料で更新します。業務資料を私的に持ち出す必要はなく、本人向けの制度案内と回答内容を安全に管理すれば準備できます。
公務経験を整理して今後の仕事を比較したい場合は、相談フォームを利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。制度適用の確定は所属の人事・給与担当へ照会し、転職の相談とは役割を分けてください。
よくある質問
2026年に60歳になったら定年退職ですか
一般的な定年年齢は2026年度には62歳です。原則60歳の管理監督職勤務上限年齢と混同しないでください。ただし、本人の職種・官職や任用形態には特例があるため、定年退職日は人事担当の通知で確認します。
役職定年後は必ず短時間勤務になりますか
役職定年による官職の異動と、短時間勤務への新たな任用は別です。常勤で勤務を続ける場合もあります。定年前再任用短時間勤務や暫定再任用を希望する場合は、対象条件、選考、任期、勤務時間を個別に確認してください。
定年退職と同時に年金も全て受け取れますか
定年退職日と年金の受給開始は別制度です。老齢厚生年金、旧共済の経過的な給付、退職等年金給付では条件が異なります。本人の生年月日・加入記録・請求予定を共済組合等へ確認し、定年の段階表だけで受給開始を判断しないでください。
今後の働き方の情報を自分のペースで集めたい方は、LINEでの相談も利用できます。現職継続を選ぶ場合も、確認した制度と本人の希望を整理することが出発点です。