制度とお金 / 定年・再任用と任用形態
公務員の定年引上げの経過措置|年度・生年月日・給与と再任用の確認
公務員の定年は、国の一般的な制度では令和5年度から段階的に引き上げられています。令和8年度現在の原則の定年は六十二歳です。「法律に六十五歳と書いてあるから、現在すべての職員が六十五歳定年」と読むことはできません。
本人の生年月日、職種、任用区分、適用法令・条例を確認し、定年、役職定年、給与が変わる日、再任用を別々に整理します。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。既に定められた経過措置と、現在の本人への適用を区別して説明します。
国の本文と附則を組み合わせて年度を読む
国家公務員法第81条の6第2項は、定年を原則六十五歳としています。一方、同法附則第8条は、令和5年4月から令和13年3月までの読替えを定めています。このため現在の年齢を確認する際は、本文だけでなく附則が必要です。
| 年度 | 国の一般的な職員の原則の定年 |
|---|---|
| 令和5・6年度(2023・2024年度) | 61歳 |
| 令和7・8年度(2025・2026年度) | 62歳 |
| 令和9・10年度(2027・2028年度) | 63歳 |
| 令和11・12年度(2029・2030年度) | 64歳 |
| 令和13年度以降(2031年度以降) | 65歳 |
この表は国の一般的な原則です。医師等の特例定年、旧特例定年に対応する職員、法律により任期を定める職員などを一括して説明するものではありません。
令和9年度以降の欄も、単なる将来の構想ではなく、確認時点の法令にある段階です。ただし、本人の将来の配置や任用、給与額まで確定したという意味ではありません。適用区分や今後の通知は引き続き確認します。
年齢だけでなく生年月日と定年年度を照合する
「いま六十歳だから何年後に退職」と年齢だけで計算すると、年度の境目や年齢到達日の扱いを落とすことがあります。人事院の令和8年4月版パンフレットには、生年月日の範囲と定年年度を対応させた表があります。
本人は、生年月日がどの範囲に入るか、その範囲に対してどの年度の定年年齢が適用されるかを確認します。特に四月一日と四月二日の境目付近などは、生年だけでまとめず、日付まで照合してください。
国の第81条の6第1項は、定年に達した日以後の最初の三月三十一日又は任命権者等があらかじめ指定する日のいずれか早い日を定年退職日とする仕組みです。誕生日と正式な退職日が同日になるとは限りません。
確認に必要な資料を整理すると、次のようになります。
- 本人の生年月日と、制度上の年齢到達日の扱い。
- 適用される法令・条例と、原則か特例か。
- 定年年齢の年度別の読替え。
- 本人に示された定年退職日。
- 役職定年、給与、再任用に関する別の通知。
この表を使った本人の計算と、人事担当の確認結果が食い違う場合は、基準とした職員区分・日付を示して照会します。周囲の同年代の退職例だけで本人の日を確定しないでください。
地方は本人の条例と附則を確認する
地方公務員法第28条の6は、国の定年を基準に条例で定める仕組みを置いています。職務等の特殊性に応じて別の定めを置ける場合もあり、本人の団体の条例が必要です。同条は臨時的任用、法律により任期を定める職員、非常勤職員などへの適用も区別しています。
地方の公開例として、横浜市一般職職員の定年条例は、本文で定年や退職日を定め、改正条例の附則等に段階的な引上げの経過措置を置いています。また、管理監督職勤務上限年齢、勤務延長、定年前再任用短時間勤務などを別の章で扱っています。
同市の規定も、他の自治体へそのまま適用するものではありません。条例本文に「六十五年」とある一文だけを読まず、適用される附則と本人の対象区分を確認します。教育職、医療職、企業職員等では、関連規程や窓口が異なる場合もあります。
「公務員」と呼ばれる勤務先でも、国立大学法人等の職員など、国家公務員法をそのまま適用する職員ではない場合があります。所属の名称ではなく、本人の任用・雇用と適用規程から確認してください。
役職定年は職員としての退職ではない
国の国家公務員法第81条の2は、管理監督職の勤務上限年齢に達した職員を、所定の異動期間内に他の官職へ降任等させる仕組みを定めています。原則の上限年齢は六十歳ですが、対象官職や年齢には例外があります。
異動期間は、上限年齢に達した日の翌日から、その日以後の最初の四月一日までです。職員としての定年が六十二歳又はそれ以上になっても、管理監督職の上限が同じ年齢へ自動で延びるわけではありません。
地方の同種制度は地方公務員法第28条の2と条例により確認します。横浜市の条例も対象職と勤務上限年齢等を定めています。本人の職が対象か、特例があるか、異動後の職務が何かを通知で確かめます。
役職を離れることを懲戒や勤務実績不良の処分と同じ意味に扱わないでください。詳しい仕組みは役職定年の説明を参照できます。
給与の特定日は誕生日や退職日とは別
国の給与法附則第8項は、所定の年齢に達した日後の最初の四月一日以後に、俸給月額を七割水準とする措置を定めています。原則として六十歳を基準としますが、特例や対象外の職員もあります。
この七割は手取り全体やすべての手当を一律に示す割合ではありません。また、六十歳の誕生日にその日からすべてが変わると説明することもできません。俸給、手当、掛金・税などを分けて担当へ確認します。
役職定年に伴う減額と七割措置を単純に二重に重ねる計算にも注意が必要です。給与法附則第10項等には、対象者の管理監督職勤務上限年齢調整額に関する仕組みがあります。本人の異動日、特定日、級・号俸等に基づく説明を求めてください。
地方の給与は本人の条例・規則で確認します。詳細は六十歳以降の給与でも整理しています。定年の表だけで給与や退職手当の本人額まで計算しないことが大切です。
定年前短時間と暫定再任用は対象が異なる
国の国家公務員法第60条の2にある定年前再任用短時間勤務は、六十歳に達した日以後に退職した者等を、定年退職日相当日までの任期で短時間の官職へ採用する制度です。常勤のまま勤務時間だけを本人が自由に短縮する仕組みではありません。
一方、暫定再任用は、定年引上げ期間中の経過的な制度です。定年退職者等について、選考による任用、任期や更新、勤務形態を確認します。人事院のパンフレットでは任期は一年以内で、所定の条件の下で更新する仕組みを説明しています。
定年が延びたことと、定年退職後に同じ仕事で必ず再任用されることは別です。本人の希望申出、選考、提示される条件、更新の確認が必要です。地方では法律と本人の条例等、年度の実施案内に沿って確認してください。
年金と退職手当も別の日付で考える
定年引上げは、年金の受給開始年齢を本人ごとに同じ年齢へ動かす制度ではありません。基礎年金・厚生年金、特別支給、退職等年金給付など、本人が対象となる給付の条件を共済組合や年金事務所へ確認します。
退職手当の算定には、定年引上げ後の給与や退職理由に関する経過措置が関係する場合があります。早期退職の認定や割増も別の確認事項です。退職手当の割増の読み方を参照し、本人の担当へ確認してください。
勤務の継続を検討する際は、定年退職までの期間、定年後の任用、年金等の請求日、医療保険の資格日を別々に並べます。一般的な説明だけで給付が自動的に始まると考えないでください。
外部の仕事も確認したい場合は公務員経験を整理する案内を参照できます。応募を決める前の比較から利用できます。
よくある質問
令和8年度は全公務員が六十五歳定年ですか?
国の一般的な原則は六十二歳です。特例や任用区分、地方の条例等を確認します。本文の六十五歳と段階的引上げの附則を併せて読んでください。
六十歳で役職を離れると同時に退職ですか?
役職定年と職員としての定年退職は別です。対象職、異動期間、異動後の職務、正式な退職日をそれぞれ確認します。
定年が延びれば再任用や年金も自動的に決まりますか?
再任用には対象・選考・任期等、年金には各給付の受給条件と請求があります。定年の年齢だけでは確定できないため、担当窓口へ本人の条件を示して確認します。
本人の日付を並べて制度ごとに確認する
生年月日と職員区分を出発点に、定年、役職、給与、再任用、給付を別々に確認します。人事・給与・共済等の説明をそろえて予定を考えてください。
希望する場合は相談フォームで、経験と今後の仕事の条件を整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。現職継続を含めた情報収集でも構いません。
文面で相談したい方はLINEの案内も確認できます。本人が必要な範囲で利用し、現職での制度確認を優先しても構いません。