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制度とお金 / 休暇

公務員の研修時間と勤務の扱い|命令・職専免・自主学習の区別

研修を受ける時間が勤務になるかは、研修という名称や会場だけで決まりません。所属の命令で受講する研修、職務専念義務の免除を受ける研修、勤務外に本人が行う自主学習を分けます。オンラインや録画配信でも、指示内容と正式な取扱いの確認が必要です。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国と地方の制度例から、受講前に確認したい事項を整理します。個別の勤務時間・手当・旅費の認定は所属の担当へ確認してください。特定の職場の研修実態や、資格を取れば転職できるといった見込みを示すものではありません。

最初に受講の根拠を三つに分ける

研修の案内が回覧されたこと、上司に参加を勧められたこと、正式な研修命令を受けたことは、同じ状態とは限りません。本人がどの取扱いで参加するのかを、申し込む前に確認します。

区分最初に確認すること
職務上の研修命令・受講者選定、対象時間、勤務場所、報告
職専免等による研修免除の根拠、承認期間、給与等の扱い
自主的な学習勤務外の活動か、機器・資料・費用の扱い

国の国家公務員法第70条の5は、現在又は将来の官職の職務に必要な知識・技能の習得と能力・資質の向上を研修の目的としています。第70条の6は研修計画等を定めています。仕事に役立ちそうという本人の考えだけで、任意の講座がこの研修として認定されるわけではありません。

地方公務員法第39条は、勤務能率の発揮・増進のための研修の機会と、任命権者が行う研修等を定めています。同法第35条には職務専念義務があり、国にも国家公務員法第101条の規定があります。勤務中の学習は、職務として行うのか、特例の承認を受けるのかを明確にします。

資格取得講座、大学院の授業、庁内の学習会、外部のセミナーは、内容と所属の制度によって確認事項が変わります。どれも自己啓発だから私的、又は業務に関係するからすべて勤務、と一括にしないようにします。

地方の例では研修命令と職免を分けている

横浜市職員研修規程は、市長が任命権者として行う研修を対象とする規程です。第10条は、受講者に日常業務を離れて研修を受けるよう命じて行うことを定める一方、自己啓発を主目的とすると認めるものは所定の職免によって行う仕組みを置いています。

この例からも、研修に参加して職場を離れることを、すべて同じ服務の区分にできないことがわかります。ただし、横浜市の例を他自治体や国へそのまま当てはめることはできません。本人の研修規程、職専免の条例・規則、承認経路を確認してください。

職専免とは、根拠に基づいて職務に専念する義務を免除する取扱いです。研修命令と同じ名称ではなく、本人が申請せず勤務を離れてよいという意味でもありません。給与、移動、事故時の取扱い、必要な証明等はそれぞれの制度で確認します。

国の通常の勤務場所を離れる研修には勤務時間の規定がある

勤務時間法第10条は、通常の勤務場所を離れる一定の勤務を命じられた職員について、命じられた時間を割り振られた勤務時間とみなす仕組みを定めています。人事院規則15-14第10条は、その対象として、一日の執務の全部を離れて受ける研修等を、所定の基準に適合するものに限って規定しています。

運用通知の第8には、課業時間を講義、演習、実習等の時間として扱うことや、実施する研修の時間帯・週の課業時間等の基準があります。外部機関に委託する研修にも準じる基準が置かれています。

したがって、研修が通常の終業より早く終わったから、自動的に残りが年休や欠勤になる、又は必ず職場へ戻る、とは一律に判断できません。その研修がどの規定の対象か、命じられた時間、終了後の指示を所属に確認します。

一部時間だけの研修や、普段の職場での受講等についても、上記の規定がそのまま適用されると決めつけないようにします。研修案内の時間と、本人の勤務時間の処理を分けて尋ねます。

受講前の照会確認する内容
服務区分研修命令、職専免、自主学習等のどれか
時間帯本人の勤務として扱う開始・終了
終了後職場へ戻るか、報告や別業務があるか
休憩研修日程の休憩と本人の勤務記録
移動出張命令、経路、移動時間の扱い

オンラインでも指示・時間・成果物を確認する

自宅で受ける研修だから私的な学習、庁内の端末で見るから必ず勤務という区分ではありません。受講命令や承認、視聴すべき期間、ライブ参加か録画か、提出物や確認テストの扱いを整理します。

仮に所属から指定された録画研修を受けるケースなら、勤務中に視聴する時間が割り当てられているか、自宅等での受講を指示されているか、終了をどう報告するかを確認します。再生ログがあることだけで、すべての接続時間が勤務と確定するわけでもありません。

反対に、「好きな時間に受けてよい」と言われただけで、業務上必須の研修が当然に勤務外になるとも考えないでください。受講の義務と、時間の指定・記録を分けて所属へ照会します。予定した時間に終わらない場合の相談先も確認します。

受講中の休憩、通信障害、動画の中断、課題作成の時間等は、実際の状況に沿って記録します。長時間接続したままにして受講実績を装ったり、提出期限に合わせて勤務記録を後から都合よく変えたりしないようにします。

移動・休憩・休日は受講時間と別に照合する

研修の開始から終了までの時間、食事等の休憩、会場への移動、終了後の報告書作成を分けます。研修会場へ行くための時間がすべて勤務になる、移動はすべて勤務ではない、という一律の説明では扱えません。出張命令と本人の勤務・旅費の取扱いで確認します。

土日や祝日等に受講する場合は、本人にとって週休日か休日か、勤務の割振り変更や命令があるか、時間外等の記録と給与はどうなるかを事前に確認します。命令がないまま参加した後で、休日研修だから必ず振替や手当があると見込まないでください。

勤務時間法第13条には正規の勤務時間以外の勤務を命じる場合の規定がありますが、個別の時間外の認定と給与計算は命令や実績を踏まえます。研修という名称だけで全ての手当が支給されない、又は必ず通常業務と同額が出ると断定しないことが必要です。

研修先が示す日程と所属の勤務予定にずれがあれば、研修担当と勤務管理担当の双方へ伝えます。本人だけで不足時間を年休に振り替えたり、移動時間を追加して埋めたりせず、正式な処理を確認してください。

受講料の補助と給与・資格の要件を混同しない

研修費、旅費、受験料、教材費等の支援がある場合も、それぞれ対象と申請が定められています。公費で払うから全ての学習時間が勤務になる、本人負担だから必ず勤務外という対応にはなりません。

本人は、誰が申し込むか、支払方法、取消料や欠席時の連絡、修了報告の要否を確認します。資格取得に必要な実務経験、講習、試験の要件も、所属が研修扱いとするかどうかとは別です。主催者や資格実施団体の現行案内で確認してください。

退職や異動を検討する場合に、研修費の返還等があるかも本人の適用制度や契約で別に確認します。通常の業務研修を受けた職員は全員返還する、又はどの修学制度でも返還不要といった保証はできません。

民間の研修は労働時間の考え方を別に確認する

民間の労働時間について、厚生労働省の質疑応答資料は、業務上義務付けられた研修や、使用者の指示で行う業務に必要な学習等を労働時間として説明しています。自由参加という名称だけでなく、不参加による不利益や業務への支障等から実質を確認する考え方も示しています。

この資料を国の勤務時間法の規定と同じ制度として説明することはできません。転職先では就業規則、指示、参加義務、時間の記録、課題作成、賃金の扱いを確認します。公務の職専免と、民間の教育訓練休暇や受講支援も区別してください。

職場を比較する場合は、研修の回数だけでなく、対象者、業務との関係、勤務中の受講時間、本人負担の範囲を尋ねます。制度があるだけで自分も利用できるとは限らず、利用実績を確認できなければ推測で補わないようにします。

受講後は記録と次の業務を整理する

正式な受講報告や修了証等の提出先、勤務実績、費用の精算を確認します。学んだ内容を仕事に活かす場合は、担当業務との接点を整理し、組織の情報管理に従って資料を保存します。

転職活動で経験を説明したい場合も、研修を受けたことと、実務で担当・改善したことを区別します。受講しただけの内容を実務経験として書かず、内部教材や住民情報等を応募資料に持ち出さないようにしてください。

仕事と学びの条件を比べたい場合は、公務員経験を活かせる仕事を任意の情報収集に利用できます。現在の職場の研修制度を先に確認することもできます。

よくある質問

自宅でオンライン研修を受ける時間は勤務外ですか

場所だけでは決まりません。命令や承認、受講する時間、参加義務、報告等を所属へ確認します。録画視聴の接続時間だけで勤務を判定することも避けます。

職専免で研修に行く場合は研修命令と同じですか

別の服務の取扱いです。本人の条例・規則等で対象と承認、給与、費用等を確認します。横浜市のように規程で両者を区別する例もありますが、全国一律ではありません。

休日に研修へ参加すれば必ず代休が取れますか

本人の勤務日区分、命令、振替・代休日等の制度を確認します。自主参加というだけで勤務として認められるとは限りません。受講前に時間と給与の扱いを担当へ尋ねてください。

希望条件の整理は相談フォームから行えます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。連絡方法等はLINEの案内をご覧ください。現職継続や情報収集だけの選択も尊重します。

出典

  1. 国家公務員法 第70条の5・第70条の6・第101条
  2. 地方公務員法 第35条・第39条
  3. 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律 第10条・第13条
  4. 人事院規則15-14 第10条
  5. 人事院 職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について 第8
  6. 横浜市職員研修規程 第1条・第7条・第10条
  7. 厚生労働省 労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集 問4

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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