エージェントベストジョブ財政課転職PUBLIC → PRIVATE 無料で相談する

制度とお金 / 年金

加給年金・振替加算の考え方

加給年金と振替加算は、どちらも配偶者等の状況が関係しますが、誰の年金に加わるかが違います。本人の加入期間だけでなく、配偶者の年齢や自分の年金の受給権も合わせて確認します。「扶養家族がいれば自動で付く」と一律に考えないことが大切です。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。地方公務員の共済期間がある世帯を想定した一般的な整理です。本人と家族の条件、届出、支給停止は、共済組合・年金事務所で確認してください。

誰の年金に付くかを最初に分ける

加給年金額は、一定の要件を満たす本人の老齢厚生年金等に加算されるものです。振替加算は、条件を満たす配偶者本人の老齢基礎年金に加わるものです。加給が終わった額と同額が、そのまま家族の口座へ移る制度ではありません。

確認項目加給年金振替加算
加算される年金要件を満たす本人の厚生年金等要件を満たす配偶者の老齢基礎年金
主な確認加入期間、生計、配偶者・子の年齢等配偶者側の生年月日、加入期間等
家族側の年金受給権による停止を確認自分の厚生年金期間等の制限を確認
手続き請求時の申告と変動時の届出請求時の記載、別途届出が必要な場合

公務員の給与で支給される扶養手当、健康保険の被扶養者、税の扶養控除とも別の制度です。配偶者を職場で扶養登録していた事実だけで、加給や振替の要件を満たすと決めません。

加給は本人の期間と家族の条件を確認する

厚生年金保険法第44条は、加給年金額について、所定の被保険者期間、生計維持関係、配偶者・子の条件等を定めています。日本年金機構の案内では、厚生年金期間が原則二十年以上あり、65歳到達時等に対象の家族がいる場合の加算を説明しています。

65歳以後に期間を満たす場合にも、在職定時改定、退職改定等に関係する扱いがあります。生年月日等による中高齢の期間短縮の特例は、通常の二十年と別に確認します。勤務年数と年金額の計算に使われる期間が一致するとは限らないためです。

複数の厚生年金種別の期間がある場合は、同法第78条の27に合算に関する規定があります。公立学校共済組合のQ&Aも、合算して二十年以上となるとき、原則として最長の期間の実施機関の老齢厚生年金へ加算すると説明しています。共済と機構の両方に同じ配偶者分が付くものではありません。

対象配偶者は原則65歳未満で、本人による生計維持が要件です。子にも年齢や障害の状態等の条件があります。実際の加算時点、対象家族、証明方法を確認し、婚姻や同居だけで自動判定しないでください。別居や事実婚の事情があるときも、必要な資料を担当へ尋ねます。

配偶者の年金は振込額より受給権を見る

同法第46条には、配偶者が所定の老齢・障害年金等を受けられる場合の加給年金額の停止規定があります。配偶者が現実に年金を受け取っているかだけで判断しません。

日本年金機構の現行案内では、配偶者に二十年以上等の期間に基づく老齢厚生年金や一定の退職共済年金の受給権がある場合、配偶者加給の停止が関係します。対象はどのような老齢年金でも同じ、という説明ではなく、期間等の条件を確認します。障害年金がある場合も別途確認します。

2022年4月からは、配偶者の対象年金が在職等により全額支給停止でも、受給権があるときには加給停止となる扱いに改められました。一方、2022年3月時点の支給・受給権等を要件とする経過措置もあります。対象者については、経過措置が続く条件と終了する条件を個別に確認してください。

「配偶者の口座に年金が入っていないから加給は止まらない」という判断は避けます。双方の年金証書、決定通知、支給停止の理由と対象期間を並べ、共済または年金事務所へ伝えます。届出が必要な事由を把握し、過払いがあった場合の精算も担当の案内に従います。

振替加算は生年月日と本人の加入期間を確認

振替加算は、原則として配偶者が65歳になり、自分の老齢基礎年金を受ける際に確認します。日本年金機構の案内には、生年月日が1926年4月2日から1966年4月1日まで等の要件が示されています。現在の若い世代へ、将来全員に付く加算として説明することはできません。

また、本人の厚生年金・共済の加入期間が合わせて240月未満であることなど、本人側の期間による条件があります。生年月日による中高齢の期間短縮等も関係するため、「二十年より少なければ必ず対象」とは判断しません。

振替額は生年月日等によって異なり、終了した加給額がそのまま全額移るものではありません。配偶者の65歳到達前後で家計を比べるなら、それぞれの年金にどの項目が加わり、どれが終わるかを時系列で確認してください。

公立学校共済組合も振替加算と本人の厚生年金の関係をQ&Aで案内しています。公務員期間と民間期間がある場合は、片方の加入月数だけを見ず、双方を提示します。共済期間と厚生年金期間の合算も確認できます。

請求時の記載と後から必要になる届出

日本年金機構は、加給年金の加算に届出が必要と説明しています。本人の年金請求書で家族の情報を記入し、生計関係等について必要な資料を添えます。記載しただけで確実に支給されるという意味ではなく、決定通知で項目を確認します。

振替加算も、年金請求時に配偶者の基礎年金番号、年金コード、氏名、生年月日等を正しく記入することが大切です。配偶者がまだ年金の受給権を持たない場合も、案内に従って情報を記載します。

通常の請求とは別に届出が必要な場合もあります。本人が65歳になった後に、配偶者が一定の期間を満たす老齢年金等を受けられるようになった場合などは、機構が加算開始の届出を案内しています。以前の請求で家族欄を記入しているから、その後の変動はすべて自動で反映されると考えないでください。

変化する場面確認する事項
配偶者が65歳になる加給の終了と振替の対象要件
配偶者に年金受給権が生じる加給停止と必要な届出
在職定時・退職改定がある加給や振替に係る期間判定
離婚・死亡・生計関係の変化対象終了と届出
他制度の年金も決定する実施機関への連絡と調整

提出先、必要資料、受付日、回答を控えておきます。家族や代理人が相談する場合は、委任と本人確認の扱いも事前に尋ねてください。証書を紛失したら発行機関へ再交付を依頼し、分からない番号を推測で書かないようにします。

繰下げ中は加給や振替も別に確認

老齢年金を繰り下げる場合、増額率だけで比較しないことが必要です。日本年金機構は、加給年金額や振替加算額は繰下げ増額の対象に含まれず、繰下げ待機中は受け取れないと説明しています。

老齢厚生年金を待つ間の配偶者加給と、老齢基礎年金を待つ間の振替加算を分けて確認します。待った期間の家計に入らないものと、後に増額される部分を一覧にすると、比較の前提が明確になります。詳細は繰上げ・繰下げ受給の考え方にも整理しています。

再就職して働く場合は、在職に伴う年金停止との関係も担当へ尋ねます。給与条件だけでなく、本人の年金と加算、配偶者の受給権の変化を合わせて確認し、手取りの見込みは個人の税・社会保険の条件で試算します。

将来の改正と現在の支給を混ぜない

厚生労働省の2025年改正概要は、2028年4月施行の見直しとして、老齢厚生年金の配偶者に係る加算額の見直しと、子に係る加算の充実を説明しています。既に受給している人の配偶者加算額を維持する旨も示されています。

これは2026年11月現在の加給額や支給停止要件を、直ちに置き換えるものではありません。現行の支給、2022年改正の経過措置、2028年からの見直しを別々に整理します。将来の年金請求では、その時点の施行済み制度と本人の経過措置を確認してください。概要資料の過年度価格の金額を、現在または将来の確定年額として使わないことも必要です。

本人の意思で仕事の情報も集めたい場合は、公務員向け求人情報を閲覧できます。加算を確認するために、応募や退職を決める必要はありません。

よくある質問

配偶者がいれば加給年金は自動で付きますか

本人の加入期間、家族の年齢と生計維持、配偶者の年金受給権等を確認します。届出と審査があり、全員への自動加算ではありません。決定通知の項目も照合してください。

配偶者の年金が全額停止中なら加給は続きますか

2022年4月以後は、所定の老齢年金等の受給権があるとき、実際の支払がなくても停止となる場合があります。経過措置もあるため、証書と停止理由を示して確認します。

加給が終われば同額の振替加算が付きますか

同額が移る制度ではありません。振替には本人の生年月日や加入期間等の条件があり、額も異なります。65歳前後の各年金の項目と必要な届出を窓口へ確認してください。

希望条件の整理には相談フォームを利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。LINEの案内を読むことも任意です。年金や加算の個別認定は共済・年金事務所等へ相談してください。

出典

  1. 厚生年金保険法 第44条・第46条・第78条の27
  2. 日本年金機構 加給年金額と振替加算
  3. 日本年金機構 振替加算を受けられるようになったとき
  4. 公立学校共済組合 年金Q&A
  5. 日本年金機構 年金の繰下げ受給
  6. 厚生労働省 令和7年法律第74号の概要等 第21回年金広報検討会資料2-2

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

「自分の経験に、どこで値段が付くのか」から相談できます

在職中でも、情報収集だけでも構いません。応募する求人が決まっていない段階のほうが、むしろ整理する意味があります。ご利用はすべて無料です。