選考対策 / 求人の探し方
何社くらい受けるべきか
「何社くらい受けるものですか」というご相談を伺います。
役所の採用は、1つの試験を受ける形でした。
民間の中途採用は、仕組みが違います。
この記事では、数の決め方を扱います。
複数に応募することは、制限されていません
民法第521条です。
> 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。>> 2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。
契約をするかどうかを自由に決められる、という原則です。
応募は、労働契約を結ぶための過程にあたります。
複数に応募すること、選考の途中で辞退すること、内定を断ること。
いずれも、原則として制限されていません。
「1社に絞るべきではないか」という心配は、ここで解消します。
ただし、辞退の連絡は必要です。原則が自由であることと、連絡をしないでよいことは別です。
数ではなく、条件で決まります
「何社」という問いの立て方を変えてください。
| 問い | 答えの出し方 |
|---|---|
| 何社受けるか | 決まりません |
| 条件に合う求人が何件あるか | 探せば分かります |
| 同時に何件進められるか | 在職中の時間で決まります |
2行目と3行目です。
条件に合う求人の数は、条件の絞り方で決まります。
同時に進められる数は、時間で決まります。
この2つの掛け算が、実際の数になります。
在職中に同時に進められる数
| 段階 | 必要な時間 |
|---|---|
| 求人を読む | 1件あたり10分から20分 |
| 書類を整える | 1社目に時間がかかります |
| 応募 | 短時間 |
| 面接 | 1回あたり、移動を含めて半日 |
| 条件の確認 | 内定の段階で |
4行目が制約です。
面接は、複数回行われることが一般的です。
在職中は、平日の日中に時間を取りにくいという制約があります。
面談で伺う範囲では、同時に選考が進んでいる会社が3社を超えると、日程の調整が難しくなるという声が多くあります。
これは決まりではなく、時間の制約から生じる目安です。
段階を分けて考える
| 段階 | 数の考え方 |
|---|---|
| ① 求人を読む | 多くて構いません |
| ② 候補に残す | 条件で絞ります |
| ③ 応募する | 同時に進める数を決めます |
| ④ 面接 | ③から進んだもの |
| ⑤ 内定 | 比べられる数があるとよい |
①と③を分けてください。
読む数を絞る必要はありません。
読むことで、条件の相場が分かります。
絞るのは、③の段階です。
⑤について。
1社だけで判断すると、比べる相手がありません。
条件が妥当かどうかは、複数を並べて初めて分かります。
数が少なくなる場合
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 条件を絞りすぎている | 職種を広げる |
| 勤務地を絞りすぎている | 範囲を1段広げる |
| 職種名で探している | 仕事内容の言葉で探す |
| 領域を1つに絞っている | 隣接する領域を見る |
| 時期が合っていない | 条件を登録して待つ |
3つ目です。
職種名で絞ると、同じ仕事が検索から漏れます。
探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。
5つ目について。
行政が相手の事業では、募集が出る時期が事業の周期に左右されます。
待つ期間があること自体は、珍しいことではありません。
辞退について
| 場面 | 対応 |
|---|---|
| 書類の段階 | 連絡を入れてください |
| 面接の前 | 日程が押さえられています。早めに |
| 面接の後 | 連絡を入れてください |
| 内定の後 | 期限内に回答してください |
2行目です。
面接の日程は、相手の予定も押さえられています。
辞退が決まったら、早めに連絡してください。
連絡は、メールで構いません。
理由を詳しく説明する必要はありません。
経験の言い換えから相談することもできます。
進め方の組み立て
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 条件を書き出す |
| 2 | 求人を広く読む |
| 3 | 条件に合うものを候補に残す |
| 4 | 同時に進める数を決める |
| 5 | 応募する |
| 6 | 進行を記録する |
| 7 | 結果が出たら、次を足す |
7が要です。
一度に全部出すのではなく、進行に合わせて足していく形です。
1社の選考が終わったら、次を1社足す。
この進め方なら、同時に進む数が一定に保てます。
進行の記録
| 記録する項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 一覧にします |
| 応募の経路 | 直接か、紹介か |
| 応募の日 | いつ出したか |
| 現在の段階 | 書類/一次/二次/内定 |
| 次の予定 | 日時と場所(または方法) |
| 期限 | 返事の期限 |
同時に3社が進むと、記録がないと把握できなくなります。
紙でも、表計算でも構いません。
2つ目を必ず残してください。
経路が分からなくなると、同じ会社に重複して応募する原因になります。
扱いは直接応募とエージェント経由の違いに整理しています。
期間の見込み
| 段階 | 一般的な目安 |
|---|---|
| 書類の結果 | 数日から2週間程度 |
| 面接の日程の調整 | 在職中は時間がかかります |
| 選考の全体 | 1社あたり1か月前後のことがあります |
| 内定から入社まで | 退職の手続きの期間によります |
これらは会社によって異なります。
3行目について。
同時に3社を進めても、結果が出る時期はそろいません。
先に結果が出た先の回答の期限と、他社の進行がずれることがあります。
この場合、期限の調整を確認してください。確約はできませんが、伝えておくこと自体に意味があります。
よくある失敗
1. 1社だけで進める
比べる相手がありません。
2. 一度に多数出す
在職中は対応しきれません。
3. 読む数まで絞る
相場が分かりません。
4. 辞退の連絡をしない
日程が押さえられています。
5. 数を目標にする
条件に合うかが先です。
6. 結果を待ってから次を探す
期間が延びます。
7. 進行を記録しない
どこまで進んだか分からなくなります。
まとめ
- 民法第521条は、契約をするかどうかを自由に決定できると定めています。複数への応募、辞退、内定の断りは、原則として制限されていません
- ただし、辞退の連絡は必要です
- 「何社」ではなく、「条件に合う求人が何件あるか」と「同時に何件進められるか」で考えてください
- 読む数は絞らず、応募は管理できる範囲にとどめてください
- 1社だけで進めないでください。条件が妥当かどうかは比べて分かります
- 一度に全部出さず、結果が出たら次を足す形にしてください
- 数を増やして書類が定型になると、かえって伝わりません
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
複数の内定が出た場合、どう選べばよいですか
条件を項目に分けて並べてください。業務の内容、勤務地、勤務時間、休日、賃金の構成、転勤の可能性、制度。この7項目を表にして、社ごとに埋めます。そのうえで、自分が重く見る項目に順位を付けてください。すべてを満たす先はまれです。何を優先するかを決めると、選べます。なお、回答の期限は会社によって異なります。期限が近い先がある場合、他社の選考の状況を伝えて、待てるかを確認して差し支えありません。確約はできませんが、確認はできます。期限を過ぎてから相談すると、調整の余地がなくなります。
在職中で、面接の時間が取れません
先に伝えてください。「在職中のため、平日の日中は調整が難しい」という事情は、伝えれば調整の対象になります。オンラインでの実施、始業前や終業後の時間帯、土日。対応できる範囲は会社によって異なりますが、聞かずに諦めないでください。なお、紹介を通す場合、日程の調整を任せられます。在職中の事情を伝えておけば、調整が可能な先を優先して示すこともできます。扱いは転職エージェントの使い方に整理しています。休暇を取って対応する場合は、取得の理由を詳しく説明する必要はありません。
書類で通らない場合、数を増やすべきですか
数の前に、書類の中身を見直してください。通らない原因は、条件が合っていないか、経験が伝わっていないかのどちらかであることが多いです。1つ目なら、応募する求人を変えます。2つ目なら、書き方を変えます。見分け方は、応募条件の欄と自分の経歴を並べることです。条件に書かれている経験が自分にあるのに通らない場合、書き方の問題である可能性があります。役所の職名や制度の名前だけで書いていると、中身が伝わりません。書き方は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。