選考対策 / 退職と在職中の進め方
退職後の住民税の納め方
退職の手続きのうち、見落とされやすいのが住民税です。
退職した年の翌年も、納付が生じます。
収入がない期間に、前年の所得に対する税を納めることになる場合があります。
この記事では、仕組みと、時期による違いを扱います。
⚠ 税の取扱いは個別性が高いため、この記事は一般的な整理にとどめます。必ず、所属の給与の担当と、市区町村の窓口で確認してください。
賦課期日は、1月1日です
仕組みの根幹を、条文で確認します。
地方税法第318条です。
> 個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。
賦課期日は、1月1日。
その日に住所がある市町村が、課税するという仕組みです。
そして、課税の対象になるのは、前年の所得です。
つまり、住民税は「前年の所得に対して、翌年度に納める」ことになります。
この時間のずれが、退職時に影響します。
なぜ退職時に問題になるか
| 時期 | 状況 |
|---|---|
| 在職中 | 給与から毎月差し引かれる(特別徴収) |
| 退職後 | 自分で納める(普通徴収)ことになるのが通常 |
| 翌年度 | 前年(在職していた年)の所得に対する課税 |
3つ目が、いちばん影響します。
退職した翌年度も、在職中の所得に対する住民税が課されます。
収入が減っている時期に、在職中の所得に対する税を納めることになります。
この負担を見込んでおいてください。
退職の時期による違い
一般に、退職の時期によって、残りの住民税の扱いが変わるとされています。
| 退職の時期 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 1月〜4月 | 残りの分が、最後の給与や退職手当から一括で差し引かれるのが通常 |
| 6月〜12月 | 本人の申出により一括徴収、または普通徴収 |
扱いは、自治体の運用と、本人の申出によって変わります。
具体的な扱いは、所属の給与の担当に確認してください。
この記事に書いてあるのは、一般的な整理です。
次の勤務先での扱い
| 形 | 内容 |
|---|---|
| 特別徴収の継続 | 次の勤務先の給与から差し引く形に切り替える |
| 普通徴収 | 自分で納付書により納める |
1つ目を選ぶ場合、手続きが必要です。
所属の給与の担当と、次の勤務先の人事に相談してください。
空白なくつながる場合でも、自動で切り替わるとは限りません。
入社の手続きのときに、確認してください。
通知書は、6月頃に送付されるのが一般的とされています。退職の時期によっては、退職後に届きます。
納付の方法
普通徴収になる場合の一般的な流れです。
| 順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 市区町村から納税通知書が届く |
| 2 | 記載された期限までに納付 |
| 3 | 分割の回数は、市区町村による |
納付の方法(窓口、口座振替、電子での納付など)は、市区町村によって異なります。
通知書に記載されています。
期限を過ぎると、延滞に関する取扱いが生じることがあります。
金額の見当をつける方法
正確な計算は窓口で確認するとして、見当はつけられます。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 給与明細で、毎月差し引かれている住民税の額を見る |
| 2 | それを12か月分にする(おおよその年額) |
| 3 | 退職後、その額に近い負担が翌年度に生じると見込む |
厳密には、所得が変われば税額も変わります。
ただし、退職した年の所得は、在職していた期間の分があるため、翌年度の課税は在職中と大きく変わらないことが多いです。
翌々年度は、収入の状況に応じて変わります。
この見当をつけたうえで、退職後の資金計画に組み込んでください。
なお、給与明細の住民税の欄は、「市町村民税」と「道府県民税」に分かれて記載されていることがあります。合算して見てください。
退職手当と住民税
| 項目 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 退職手当への課税 | 他の所得と分けて計算される仕組みがあります |
| 住民税の扱い | 退職手当に係る分は、支給の際に差し引かれるのが通常 |
| 翌年度への影響 | 退職手当の分が、翌年度の課税に加わらない扱いになることがあります |
3つ目について補足します。
退職所得は、他の所得と分けて課税される仕組みがあるため、翌年度の住民税の算定に影響しない場合があります。
ただし、扱いは個別の事情によります。
所属の給与の担当と、市区町村の窓口で確認してください。
確認する項目
| 項目 | 確認先 |
|---|---|
| 退職時の残りの分の扱い | 所属の給与の担当 |
| 翌年度の課税の見込み | 市区町村の窓口 |
| 特別徴収の継続の可否 | 所属、次の勤務先 |
| 納付の方法と期限 | 市区町村(納税通知書) |
| 転居する場合の扱い | 賦課期日の住所が関わります |
5つ目について補足します。
賦課期日は1月1日です。その日にどこに住所があったかで、課税する市町村が決まります。
年の途中で転居しても、その年度の課税は、1月1日時点の住所地です。
転居を予定している場合、通知書の送付先を届け出てください。
なお、住民税の担当課で働いた経験がある方は、この仕組みを実務として知っているはずです。自分の場合に当てはめるだけで足ります。経験のない方は、給与の担当に一度尋ねてください。説明を受ければ、すぐに理解できる仕組みです。
確定申告が必要になる場合
退職の時期や、その後の収入によって、確定申告が必要になることがあります。
| 状況 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 年内に次の勤務先に入る | 年末調整で処理されるのが通常 |
| 年をまたぐ、または離職期間がある | 確定申告が必要になることがあります |
| 退職手当がある | 申告書の提出により、源泉徴収で完結する場合があります |
扱いは個別の事情によります。
税務署で確認してください。
経験の言い換えから相談することもできます。
よくある失敗
1. 翌年度の納付を見込まない
収入が減った年に、在職中の所得に対する税が来ます。
2. 退職時の扱いを確認しない
一括で差し引かれることがあります。
3. 特別徴収の継続の手続きをしない
自動で切り替わるとは限りません。
4. 納税通知書の期限を過ぎる
延滞に関する取扱いが生じることがあります。
5. 転居の届出をしない
通知書が届きません。
6. 一般的な説明だけで判断する
個別性が高いため、窓口で確認してください。
まとめ
- 地方税法第318条は、個人の市町村民税の賦課期日を1月1日としています。前年の所得に対して、翌年度に納める仕組みです
- 退職した翌年度も、在職中の所得に対する住民税が課されます
- 退職の時期によって、残りの分が一括で差し引かれることがあります
- 特別徴収を次の勤務先で継続する場合、手続きが必要です。自動では切り替わりません
- 賦課期日の住所で課税する市町村が決まります。転居する場合は届け出てください
- 税の取扱いは個別性が高い。所属の給与の担当、市区町村、税務署で確認してください
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よくある質問
退職の月によって、負担が変わりますか
一般に、退職の時期によって残りの分の扱いが変わるとされています。年度の途中で退職した場合、その年度の残りの月数分について、一括で差し引かれるか、自分で納めるかが分かれます。具体的な扱いは、所属の給与の担当に確認してください。なお、翌年度の課税額そのものは、退職の月によって大きくは変わりません。課税の対象は前年の所得だからです。年の途中で退職すれば、その年の所得が減るため、翌々年度の負担は軽くなります。この点は、確認のうえで資金計画に反映してください。
納付が難しい場合はどうすればよいですか
市区町村の窓口に相談してください。分割での納付や、期限の猶予について、相談に応じる仕組みがあることがあります。扱いは市区町村によって異なります。放置すると、延滞に関する取扱いが生じます。早めに相談してください。なお、税の徴収の実務は、自治体の職員として担当した方もいるはずです。相談すれば対応があることは、その経験からも分かるところです。通知書が届いた時点で、納付の見通しが立たない場合は、すぐに窓口へ行ってください。
次の勤務先に、住民税のことを伝える必要がありますか
入社の手続きのときに確認されるのが通常です。特別徴収を継続するかどうかを聞かれます。継続する場合、所属からの書類のやり取りが生じます。退職の手続きのときに、給与の担当へその旨を伝えておいてください。なお、普通徴収で自分で納める形を選ぶこともできます。その場合、次の勤務先での手続きは不要です。どちらが望ましいかは、納付の管理のしやすさで判断してください。扱いは、市区町村と勤務先の運用によります。