選考対策 / 退職と在職中の進め方
退職後の年金の手続き
退職すると、年金の制度が変わります。
次の勤務先に入る場合と、空白が生じる場合で、手続きが異なります。
この記事では、移行の仕組みと手続きを扱います。
⚠ 年金の扱いは個別性が高く、加入の経過によって異なります。この記事は一般的な整理にとどめます。必ず共済組合と年金事務所で確認してください。
使用される者は、被保険者になります
次の勤務先での扱いを、条文で確認します。
厚生年金保険法第9条です。
> 適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。
適用事業所に使用される者は、被保険者になる。
つまり、次の勤務先が適用事業所であれば、入社により被保険者となります。
手続きは、勤務先が行うのが通常です。
一方、空白が生じる場合は、自分で手続きする必要があります。
空白がある場合
国民年金法第7条第1項により、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者は、国民年金の被保険者となります。
| 状況 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 次の勤務先に空白なく入る | 勤務先で厚生年金の手続き |
| 空白がある | 国民年金の第1号被保険者として手続き |
| 配偶者の被扶養者になる | 第3号被保険者となる場合があります |
2つ目の手続きは、市区町村の窓口で行うのが通常です。
期限は、退職後すみやかに(14日以内とされることがあります)です。
手続きの先は、住所のある市区町村の窓口です。年金事務所ではない点に注意してください。
保険料の扱い
| 状況 | 一般的な内容 |
|---|---|
| 厚生年金 | 給与から差し引かれる。事業主と折半 |
| 国民年金(第1号) | 定額の保険料を自分で納付 |
| 第3号被保険者 | 個別の納付を要しない仕組み |
2つ目について補足します。
収入がない期間でも、保険料の納付が生じます。
納付が難しい場合、免除や猶予の制度があります。市区町村の窓口か年金事務所に相談してください。
未納のまま放置すると、将来の受給に影響することがあります。
未納の期間があると、将来の受給額に影響します。短い空白であっても、手続きは行ってください。
加入期間の通算
公務員として加入していた期間は、どうなるか。
平成27年に、被用者年金制度の一元化が行われています。
| 項目 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 共済組合の加入期間 | 厚生年金の加入期間として扱われるのが通常 |
| 記録の管理 | 年金事務所と共済組合の双方が関わります |
| 受給の手続き | 将来、加入していた制度に応じて行います |
「公務員の期間が無駄になる」ということはありません。
ただし、記録の確認は必要です。
退職の際に、加入期間の記録を確認しておいてください。
記録の確認は、在職中にもできます。定期的に届く通知で、加入期間を見ておいてください。
職域の給付について
共済組合には、厚生年金に上乗せされる部分があります。
| 項目 | 一般的な内容 |
|---|---|
| 制度 | 一元化の前後で扱いが変わっています |
| 退職時 | 加入期間に応じた取扱いがあります |
| 確認先 | 共済組合 |
この部分の扱いは、加入の時期と期間によって異なります。
共済組合に確認してください。
この記事では、具体的な金額や率は示しません。
配偶者がいる場合
自分の制度が変わると、配偶者の扱いも変わることがあります。
| 状況 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 配偶者を扶養していた | 自分が第2号被保険者でなくなると、配偶者の第3号の資格も変わります |
| 配偶者が第3号だった | 第1号への切替えの手続きが必要になることがあります |
| 自分が配偶者の扶養に入る | 要件を満たせば第3号被保険者となる場合があります |
1つ目と2つ目に注意してください。
自分の手続きだけでなく、配偶者の手続きも生じることがあります。
市区町村の窓口で、世帯の状況を伝えて確認してください。
空白なく次の勤務先に入る場合も、勤務先の健康保険と年金の扶養の要件を確認してください。共済組合の基準と異なることがあります。
期間による違い
| 空白の期間 | 一般的な扱い |
|---|---|
| なし(翌日入社) | 次の勤務先で手続き。自分での手続きは不要なことが多い |
| 数日〜1か月 | その期間の国民年金の手続きが生じることがあります |
| 数か月以上 | 国民年金の手続きと、保険料の納付が続きます |
2つ目について補足します。
月の途中で入社する場合、その月の扱いは制度上の決まりによります。
「数日だから手続き不要」とは限りません。
市区町村の窓口で確認してください。
手続きの流れ
| 順 | やること | 先 |
|---|---|---|
| 1 | 在職中に加入期間の記録を確認 | 共済組合、記録の通知 |
| 2 | 退職時に、資格喪失の手続き | 所属、共済組合 |
| 3 | 空白がある場合、国民年金の手続き | 市区町村 |
| 4 | 入社時に、厚生年金の手続き | 次の勤務先 |
| 5 | 記録が正しく引き継がれたかを確認 | 年金事務所 |
5を、入社の数か月後に行ってください。
記録の反映に時間がかかることがあります。
この5段のうち、自分で動くのは1・3・5です。2と4は、所属と次の勤務先が処理します。自分でやることは、思われているより少ないといえます。
次の勤務先に提出するもの
| 提出するもの | 備考 |
|---|---|
| 基礎年金番号が分かるもの | 年金手帳、通知書など |
| マイナンバーが分かるもの | 求められる場合があります |
| 扶養に関する書類 | 該当する場合 |
1つ目が手元にない場合、年金事務所で確認できます。
在職中に、基礎年金番号を控えておいてください。
入社の手続きのときに、慌てずに済みます。
経験の言い換えから相談することもできます。
なお、手続きの窓口は、共済組合・年金事務所・市区町村に分かれています。「どこに聞けばよいか」で迷った場合は、まず所属の人事の担当に尋ねると、経路を案内してもらえます。
よくある失敗
1. 「公務員の期間が無駄になる」と思っている
厚生年金の加入期間として扱われるのが通常です。
2. 空白期間の手続きをしない
国民年金の被保険者になります。
3. 保険料の納付が難しいまま放置する
免除や猶予の制度があります。相談してください。
4. 職域の給付に相当する部分を確認しない
共済組合に確認してください。
5. 基礎年金番号を控えていない
入社の手続きで必要になります。
6. 記録の反映を確認しない
入社の数か月後に確認してください。
まとめ
- 厚生年金保険法第9条は、適用事業所に使用される70歳未満の者を被保険者としています。次の勤務先で手続きされます
- 空白がある場合、国民年金の第1号被保険者として、市区町村で手続きします
- 保険料の納付が難しい場合、免除や猶予の制度があります。相談してください
- 共済組合の加入期間は、厚生年金の加入期間として扱われるのが通常です
- 職域の給付に相当する部分の扱いは、共済組合に確認してください
- 基礎年金番号を控えておく。入社の手続きで必要になります
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よくある質問
在職中に、加入期間を確認できますか
確認できます。定期的に送られる記録の通知で、加入期間と記録が確認できます。加えて、共済組合に照会することもできます。退職を検討していることを伝える必要はありません。「自分の記録を確認したい」という趣旨で足ります。なお、記録に誤りがある場合、訂正に時間がかかることがあります。在職中に確認しておくほうが確実です。とくに、転職や休職の経歴がある方は、期間がつながっているかを確認してください。
保険料の納付が難しい期間があります
免除や猶予の制度があります。市区町村の窓口か年金事務所に相談してください。所得の状況によって、全額免除から一部免除まで区分があるとされています。承認されれば、未納とは異なる扱いになります。ただし、受給額への影響は、免除の区分によって異なります。手続きのときに説明を受けてください。重要なのは、放置しないことです。未納のまま期間が経過すると、将来の受給に影響します。相談すれば、選択肢が示されます。
次の勤務先が、厚生年金の適用事業所か分かりません
多くの会社は適用事業所です。法人であれば、原則として適用される仕組みとされています。入社の手続きの際に、厚生年金の加入の説明があるかを確認してください。説明がない場合は、人事の担当に尋ねて差し支えありません。なお、雇用の形態によって扱いが変わることがあります。労働時間や契約の期間によって、加入の要件が定められています。正社員としての入社であれば、通常は問題になりません。不明な点は、年金事務所でも確認できます。