選考対策 / 退職と在職中の進め方
退職時の手続き一覧
退職が決まった後、手続きが一度に来ます。
職場での手続き、公的な手続き、次の勤務先での手続き。それぞれ、担当も期限も違います。
この記事では、全体の一覧を扱います。個別の項目は、後の記事で詳しく整理します。
入るときに宣誓をし、出るときに手続きをする
公務員として働き始めたとき、宣誓をしています。
地方公務員法第31条です。
> 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
入るときに、条例に基づく手続きがある。
出るときにも、同じように手続きがあります。
身分の得喪は、制度の上で管理されています。
そして、手続きの内容は、自治体ごとに条例と規則で定められています。
この記事では、一般的な項目を挙げます。実際の手続きは、所属の規程と人事の担当に確認してください。
3つの経路に分かれる
| 経路 | 担当 | 時期 |
|---|---|---|
| ① 職場での手続き | 所属、人事・給与の担当 | 退職日まで |
| ② 公的な手続き | 市区町村、年金事務所、共済組合 | 退職日の前後 |
| ③ 次の勤務先での手続き | 応募先の人事 | 入社日の前後 |
①と②を混同しないでください。
①は、所属が案内してくれます。
②は、自分で動く必要があります。
①——職場での手続き
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 退職の書面 | 規程で定める様式 |
| 貸与物の返還 | 端末、鍵、証明書、被服など |
| 健康保険証の返還 | 退職日以降 |
| 引継ぎ | 資料の作成、後任への説明 |
| 書類の受け取り | 離職に関する証明、源泉徴収票など |
| 年次休暇の整理 | 残日数の確認と消化 |
5つ目を忘れないでください。
次の入社の手続きで使う書類です。受け取り忘れると、後から連絡して取り寄せることになります。
受け取る書類の一覧を作り、印を付けてください。
②——公的な手続き
| 項目 | 確認先 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 共済組合、市区町村 | 退職後すみやかに |
| 年金 | 年金事務所、市区町村 | 同上 |
| 住民税 | 所属の給与の担当、市区町村 | 退職の時期による |
| 退職手当 | 所属の人事・給与の担当 | 規程による |
空白なく次の勤務先に入る場合、①〜②の手続きの多くは簡略になります。
空白が生じる場合、自分で手続きする必要があります。
いずれも個別性が高いため、必ず窓口で確認してください。
③——次の勤務先での手続き
| 提出するもの | 備考 |
|---|---|
| 年金の記録に関する書類 | 基礎年金番号が分かるもの |
| 雇用保険の番号 | 公務員は加入していないのが通常です |
| 源泉徴収票 | その年に給与の支払いがある場合 |
| 口座の情報 | 給与の振込先 |
| 扶養に関する書類 | 該当する場合 |
2つ目について補足します。
雇用保険法第6条の適用除外により、地方公務員は雇用保険に加入していないのが通常です。
そのため、「雇用保険被保険者証を提出してください」と言われても、持っていないことがあります。
その旨を伝えれば、次の勤務先で新たに手続きされます。
受け取る書類
最終出勤日の前後に受け取るものを挙げます。所属によって名称や有無が異なります。
| 書類 | 用途 |
|---|---|
| 退職に関する証明 | 次の勤務先への提出、公的な手続き |
| 源泉徴収票 | その年の年末調整か、確定申告 |
| 年金に関する書類 | 記録の確認、次の勤務先への提出 |
| 共済組合の資格喪失に関する書類 | 健康保険の切替え |
| 退職手当に関する書類 | 支給の内容の確認、税の申告 |
2つ目に注意してください。
その年の1月から退職までの給与について、源泉徴収票が交付されます。
年内に次の勤務先に入る場合、そちらに提出して年末調整を受けるのが通常です。
年をまたぐ場合や、離職期間がある場合は、確定申告が必要になることがあります。
扱いは個別の事情によるため、税務署で確認してください。
退職手当に関する手続き
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請 | 所属の規程による |
| 支給の時期 | 規程による。退職日の直後とは限りません |
| 税の申告 | 退職所得に関する申告書の提出を求められることがあります |
| 支給額の確認 | 明細で確認 |
3つ目について補足します。
退職所得の課税には、他の所得と分けて計算される仕組みがあります。
申告書を提出するかどうかで、源泉徴収の扱いが変わることがあります。
所属の給与の担当の案内に従い、不明な点は税務署で確認してください。
時期別の進め方
| 時期 | やること |
|---|---|
| 退職の2か月前 | 人事の担当から手続きの一覧を受け取る |
| 1か月半前 | 健康保険の選択を検討(比較のため窓口で確認) |
| 1か月前 | 貸与物の一覧を確認、引継ぎの資料を作成 |
| 2週間前 | 受け取る書類の一覧を作成 |
| 最終週 | 返還、書類の受け取り |
| 退職後 | ②の公的な手続き(空白がある場合) |
| 入社時 | ③の提出 |
最初の項目を先にしてください。
一覧があれば、残りは順に進めるだけです。
この表は、退職の1か月前に一度、人事の担当と突き合わせてください。所属によって項目が増減します。自分の場合に該当するものだけを残せば、実際にやることは減ります。
確認先の一覧
| 事項 | 確認先 |
|---|---|
| 退職の手続き全般 | 所属の人事の担当 |
| 給与、住民税 | 所属の給与の担当 |
| 退職手当 | 所属の人事・給与の担当、規程 |
| 共済(健康保険・年金) | 共済組合 |
| 国民健康保険、国民年金 | 市区町村の窓口 |
| 厚生年金 | 年金事務所、次の勤務先 |
| 税 | 税務署、市区町村 |
税・社会保険・年金は、個別の事情によって扱いが異なります。
この記事に書いてあるのは一般的な整理です。必ず、上の窓口で確認してください。
経験の言い換えから相談することもできます。
なお、手続きの多くは、退職日の前後に集中します。その時期は引継ぎの最終盤とも重なるため、前倒しできるものは前倒ししてください。健康保険の選択の検討と、受け取る書類の一覧の作成は、1か月前にできます。
よくある失敗
1. 手続きの一覧をもらわない
人事の担当が用意していることがあります。
2. 受け取る書類を確認しない
後から取り寄せることになります。
3. 公的な手続きを所属が案内してくれると思う
②は自分で動く必要があります。
4. 健康保険の選択を直前に決める
比較に時間がかかります。
5. 雇用保険被保険者証を探す
公務員は加入していないのが通常です。
6. 一般的な説明だけで判断する
個別性が高いため、窓口で確認してください。
まとめ
- 地方公務員法第31条は、条例の定めるところにより服務の宣誓をするとしています。身分の得喪は、制度の上で管理されています
- 手続きは、①職場 ②公的 ③次の勤務先の3経路。②は自分で動く必要があります
- 最初に、人事の担当から手続きの一覧を受け取ってください
- 受け取る書類の一覧を作り、印を付けてください。取り寄せの手間が防げます
- 雇用保険は、公務員は加入していないのが通常です(雇用保険法第6条)
- 税・社会保険・年金は個別性が高い。必ず窓口で確認してください
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よくある質問
手続きの一覧をもらえませんでした
人事の担当に、直接尋ねて構いません。「退職に伴う手続きについて、必要なものを教えていただけますか」と聞けば足ります。退職者向けの案内が用意されていない自治体もあります。その場合は、この記事の①の項目を挙げて、該当するものを確認してください。加えて、過去に退職した同僚がいれば、その方に聞くという方法もあります。ただし、在職中に転職活動を知られたくない場合は、人事の担当に直接聞くほうが確実です。手続きの確認は、退職が決まってからで構いません。
空白なく次の勤務先に入る場合も、手続きは要りますか
簡略になりますが、必要な手続きはあります。健康保険と年金は、次の勤務先で加入の手続きが行われるのが通常です。ただし、共済組合の資格喪失の手続きは、所属で行われます。また、住民税の扱いは、退職の時期によって変わります。次の勤務先で給与から差し引く形に切り替えられる場合もあります。いずれも、所属の給与の担当と、次の勤務先の人事に確認してください。空白がないからといって、何もしなくてよいわけではありません。
手続きに必要な書類を、退職後に取り寄せられますか
取り寄せられますが、時間がかかります。在籍していた所属に連絡し、発行を依頼することになります。郵送でのやり取りになるため、数週間かかることがあります。入社の手続きに間に合わない可能性があるため、在職中に受け取っておくほうが確実です。受け取る書類の一覧を作り、最終出勤日までに揃っているか確認してください。なお、源泉徴収票は、退職後に交付されることがあります。受け取りの時期と方法を、給与の担当に確認しておいてください。