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建築士|建築指導・営繕の経験と合わせて使う
建築の指導や営繕を担当してきた方から、「資格をどう組み合わせるか」というご相談を伺います。
確認する側と、発注する側では、書く内容が変わります。
この記事では、その違いを扱います。
⚠ 免許の要件と手続は、所管するところの公表を確認してください。この記事では、個別の要件には触れません。
確認を受けることが、建築主の義務です
建築基準法第6条第1項です。
> 建築主は、第一号若しくは第二号に掲げる建築物を建築しようとする場合(略)、これらの建築物の大規模の修繕(略)をしようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(略)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事等の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
着手の前に、計画が規定に適合することの確認を受けるという仕組みです。
建築の指導の担当は、この確認を行う側にあります。
そして、営繕の担当は、確認を受ける側(建築主の側)にあります。
同じ分野でも、立場が逆です。
書類では、この立場を明記してください。
立場による違い
| 項目 | 建築指導 | 営繕 |
|---|---|---|
| 立場 | 確認・審査する側 | 発注・建築主の側 |
| 中心の動作 | 規定への適合の確認 | 設計・工事の発注と管理 |
| 相手 | 申請者、設計者 | 設計者、施工者 |
| 成果 | 確認、是正の指導 | 完成した建物 |
| 民間での近い職 | 審査、法令の確認 | 発注者支援、施設の管理 |
この違いを踏まえて、応募先を選んでください。
どちらの経験も使えますが、求人が求めているのはどちらか一方であることがあります。
どの転職先で効くか
| 領域 | 使いどころ |
|---|---|
| ① 審査・確認の事業 | 建築指導の経験 |
| ② 設計事務所 | 設計、監理 |
| ③ 発注者支援 | 営繕の経験 |
| ④ 施設の管理・保全 | 改修、点検の計画 |
| ⑤ 不動産・開発 | 法令の確認、調査 |
①と⑤について。
規定への適合を確認してきた経験は、法令の確認が必要な場面で使えます。
開発や取得の際に、建物が規定に適合しているかを確認する業務があります。
探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。
行政での経験との接続
| 経験 | 民間での読まれ方 |
|---|---|
| ① 確認・審査 | 基準に照らした判断 |
| ② 是正の指導 | 改善の要求、是正の管理 |
| ③ 相談への対応 | 計画の初期の相談 |
| ④ 設計の発注と確認 | 仕様、成果の確認 |
| ⑤ 工事の監督と検査 | 工程、品質、出来形 |
| ⑥ 保全の計画 | 中長期の計画、予算 |
③が見落とされやすいです。
計画の初期の段階で、規定との関係を整理して助言した経験です。
この動作は、設計や開発の側でも必要とされます。
書き方の例
悪い例
> 建築指導課で、確認申請の審査をしていました。
良い例
> ◯◯課において、建築の確認に関する事務を担当。年間約◯件の申請について、建築基準関係規定への適合を確認し、是正が必要な事案について指導を実施。計画の初期の段階での相談に年約◯件対応し、規定との関係を整理して助言。違反の事案について、経緯を整理し、是正の状況を記録。
「件数」「確認の動作」「相談」「記録」が入っています。
基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。
資格の位置づけ
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| ① 設計又は工事監理を業とする | 免許が前提になります |
| ② 応募条件に記載がある | 満たす材料になる |
| ③ 審査・確認の業務 | 経験と併せて評価されます |
| ④ 発注者支援・管理 | 経験のほうが具体な場合も |
| ⑤ 目的が曖昧 | 優先順位を下げてください |
①について。
⚠ 設計や工事監理を業として行うことができる範囲は、法令で定められています。
要件と範囲は、所管の公表を確認してください。
なお、取れば転職できる、という関係にはありません。
何を確認し、どう判断したかが、評価の対象です。
在職中にできること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実績の整理 | 件数、用途、規模 |
| 立場の整理 | 確認する側か、発注する側か |
| 要件の確認 | 所管の公表を確認 |
| 証明の書類の準備 | 所属での手続 |
4行目を早めにしてください。
在職中のほうが、手続が簡単です。
根拠のない数は書かないでください。
経験の言い換えから相談することもできます。
面接で聞かれやすいこと
| 質問の趣旨 | 用意しておくこと |
|---|---|
| 担当した業務 | 立場、件数、用途 |
| 判断が難しかった事案 | 3件、経緯と結論 |
| 相談への対応 | 助言の進め方 |
| 是正の指導 | 手順と結果 |
| 立場 | 確認側か、発注側か |
2行目です。
規定の解釈が分かれる事案を、どう整理したかを用意しておいてください。
なお、特定の物件や申請者が分かる説明は避けてください。
守秘の義務は、退職した後も続きます。
確認の観点という材料
審査や検査で見てきた項目は、そのまま書ける材料になります。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| ① 用途・規模 | 規定の適用の区分 |
| ② 敷地の条件 | 接道、区域、制限 |
| ③ 構造 | 安全に関する基準 |
| ④ 設備 | 避難、消防に関する事項 |
| ⑤ 添付の書類 | 揃い、整合 |
⑤が、事務の比重が高い部分です。
書類の揃いと整合を確認してきた経験は、申請する側で「何を出せばよいか」を知っていることになります。
設計や開発の会社では、この理解が手戻りを減らします。
なお、⚠ 具体の基準や適用の判断は、法令と所管の公表を確認してください。
この記事では、構造の説明にとどめます。
よくある失敗
1. 立場を書かない
確認する側か発注する側かを最初に書いてください。
2. 件数と用途を書かない
規模が伝わりません。
3. 相談への対応を書かない
設計や開発の側でも必要とされます。
4. 是正の指導を書かない
改善の要求・是正の管理として読まれます。
5. 両方の経験を混ぜる
分けて書いてください。
6. 免許の範囲を確認しない
業として行える範囲が定められています。
7. 要件を人づてで判断する
所管の公表を確認してください。
8. 取れば転職できると考える
何を確認しどう判断したかが評価の対象です。
まとめ
- 建築基準法第6条は、工事に着手する前に、計画が建築基準関係規定に適合することについて確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないとしています
- 建築指導は確認する側、営繕は確認を受ける側です。立場を最初の1行に書いてください
- 効くのは、審査・確認の事業、設計事務所、発注者支援、施設の管理・保全、不動産・開発です
- 計画の初期の相談に応じた経験は、設計や開発の側でも必要とされます
- 設計又は工事監理を業とする範囲は、法令で定められています。所管の公表を確認してください
- 証明の書類の準備は、在職中に済ませてください
- 両方の立場を経験していることは、強みになります
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よくある質問
事務職として建築の部署にいました
書けます。技術職でなくても、申請の受付、手数料の収納、台帳の管理、統計の作成、工事の契約の手続に関わっていれば、材料になります。書き方は、「建築の確認に関する事務のうち、申請の受付から確認済証の交付までの手続と、台帳の管理を担当」という形です。技術的な審査を担っていない場合は、そう書いてください。「技術的な審査は担当職員が実施し、手続と記録の管理を担当」。できる範囲を正確に書くほうが、入社後に困りません。
違反の事案への対応は、どう書けばよいですか
手順で書いてください。「違反の疑いのある事案について、現地の確認、関係者からの聴取、法令との照合を行い、是正の方針を整理。是正の状況を確認し、経緯を記録」という形です。事案の詳細は書かないでください。物件、所在、関係者が分かる記述は避けてください。類型で書くほうが安全です。なお、面接でも「守秘の義務があるため、個別の事案には触れられませんが」と前置きすれば、手順の説明はできます。扱いは警察官から民間へに整理した考え方と同じです。
免許を持っていませんが、応募できますか
求人によります。設計や工事監理を業とする職では、免許が前提になります。一方、発注者支援、施設の管理、法令の確認、調査の業務では、免許が必須でない求人があります。判断の目安は、求人票の「必須」の欄です。なお、行政での確認や営繕の経験が要件として挙げられることがあります。この場合、経験が直接評価されます。読み方は求人票の読み方|どこを見れば実態が分かるかに整理しています。免許の有無で、候補を狭めないでください。