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資格・スキル / 資格

簿記2級を取る意味と、効いてくる転職先

財政や会計を担当してきた方から、「どこまで取る意味があるか」というご相談を伺います。

会計帳簿の作成は、法律上の義務です。

この記事では、その前提と、効いてくる場面を扱います。

⚠ 試験の内容・級・実施の方法は、実施する団体の公表を確認してください。この記事では、個別の内容には触れません。

会計帳簿の作成は、義務として定められています

会社法第432条第1項です。

> 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

同条第2項です。

> 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。

作成と保存が、義務として定められているということです。

つまり、会社では、日々の取引が帳簿に記録されることになります。

簿記は、この記録の仕組みです。

したがって、会社の数字を扱う職種では、前提となる知識になります。

行政の会計とは、記録の考え方が異なります。

扱いは財務諸表の読み方|公会計との違いから入るに整理しています。

効いてくる転職先

領域使いどころ
① 経理・財務日々の記録、決算の補助
② 管理部門予算の管理、実績の集計
③ 事業の企画計画と実績の差異
④ 会計の事務の受託記帳、集計
⑤ 自治体が相手の事業公会計と企業会計の両方

⑤について。

自治体を顧客とする会社では、相手が公会計、自社が企業会計という状況になります。

両方を踏まえて考えられる人は、そこで必要とされます。

探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。

行政の経験との重なり

行政での経験重なる部分
① 予算の編成見積りの根拠の確認
② 執行の管理進捗と残額の把握
③ 決算の作成実績の集計
④ 契約と支払取引の流れ
⑤ 財産の管理資産の把握
⑥ 監査への対応記録と根拠

④が、簿記の理解につながります。

契約し、履行を確認し、支払う。

この流れは、会社では取引として記録されます。

行政の事務で見てきた流れが、記録の形に置き換わると考えてください。

どこまで取るか

目的必要な範囲
会社の資料を読む基礎の考え方で足ります
集計や報告を担う中位の範囲が役立ちます
経理を職務とする実務と併せて必要になります

求人によって、求められる範囲が違います。

「簿記の知識」と書かれていても、どの水準かは求人ごとに異なります。

求人票の応募条件と、仕事内容の欄を確認してください。

読み方は求人票の読み方|どこを見れば実態が分かるかに整理しています。

書き方の例

悪い例

> 簿記の資格を取得しました。

良い例

> ◯◯課において、年間約◯億円の事業予算の編成と執行の管理を担当。◯課・◯件の要求について、見積りの根拠と積算の内容を確認。執行の状況を四半期ごとに確認し、補正の要否を整理。決算にあたり、実績を集計のうえ、成果を説明する資料を作成。(資格の欄)◯年に取得

資格の欄と、職務の欄が分かれています。

基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。

取る前に考えること

確認すること内容
① 応募したい求人の条件記載があるか、どの水準か
② 実務で書ける材料予算、執行、決算
③ 目的読むためか、職務とするためか
④ 期限応募の時期に間に合うか
⑤ 次の段階続けて学ぶ予定があるか

②を先に並べてください。

書ける材料があるなら、受験より書類の作成が先です。

なお、取れば転職できる、という関係にはありません。

何を確認し、どう管理したかが、評価の対象です。

在職中にできること

項目内容
実績の整理予算の規模、担当した事業の数
確認の手順の整理何を見てきたか
学習の計画繁忙期を避けて
求人を読む週に30分

3行目です。

予算の編成や決算の時期は、学習が止まりやすいです。

年間で取れる時間を、先に見積もってください。

経験の言い換えから相談することもできます。

面接で聞かれやすいこと

質問の趣旨用意しておくこと
担当した規模予算の額、事業の数
見積りの確認何を見たか
公会計との違い理解を示す
学習の状況続けているか
できる範囲正確に、限定して

3行目です。

違いを説明できると、適応の見通しが伝わります。

なお、特定の事案が分かる説明は避けてください。

記録の考え方の違い

公会計と企業会計では、記録の考え方が異なります。

項目公会計企業会計
記録の単位歳入・歳出取引ごとの仕訳
時点現金の動きが中心発生した時点
見るもの予算との対比損益と財政状態
期間会計年度で独立継続を前提
資産・負債別に管理一覧で把握

2行目が、最も戸惑う部分です。

代金を支払った時点ではなく、取引が生じた時点で記録するという考え方です。

行政では、支出の手続が完了した時点で処理してきたはずです。

この違いを理解すると、決算の数字の読み方が変わります。

そして、面接では、この違いを説明できると適応の見通しが伝わります。

「同じです」と言わず、違いを踏まえていると示してください。

よくある失敗

1. 資格だけを書く

実務と併記してください。

2. 予算の規模を書かない

扱った数字の大きさが伝わりません。

3. 見積りの確認を書かない

原価の妥当性の確認にあたります。

4. 公会計との違いに触れない

適応の見通しが伝わりません。

5. どの水準が必要かを確認しない

求人ごとに違います。

6. 繁忙期を計算に入れない

学習が止まります。

7. できる範囲を広く書く

入社後に困ります。

8. 取れば転職できると考える

何を確認し管理したかが評価の対象です。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

よくある質問

会計の担当ではありませんでした

数字を扱った経験で書いてください。予算の要求、執行の管理、契約と支払、実績の集計。これらは、どの部署でも担っていることがあります。書き方は、「担当する事業の予算約◯千万円について、要求の資料を作成し、執行の状況を管理」という形です。規模が小さくても、工程は同じです。なお、数字の確認の習慣があれば、それも材料です。「支出の前に根拠の資料と突き合わせる手順を整備」。扱いはExcel|民間で最初に問われる水準はどこかにも整理しています。

実務の経験なしで、経理に移れますか

求人の条件によります。「経理の実務経験◯年以上」が必須の求人では、資格では代えられません。一方、「未経験可」「業界経験不問」と書かれている求人や、管理部門の一般の事務では、資格と数字を扱った経験で応募できることがあります。判断の目安は、求人票の「必須」の欄です。なお、自治体を顧客とする会社では、公会計の理解が求められる場面があり、行政の経験が直接評価されることがあります。読み方は求人票の読み方|どこを見れば実態が分かるかに整理しています。

学習の順序に決まりはありますか

基礎から進めるのが一般的です。ただし、どこまで進めるかは目的によります。会社の資料を読むためであれば、基礎の考え方で足りることがあります。一方、経理を職務とするのであれば、実務と併せて必要になります。⚠ 級の構成や出題の範囲は、実施する団体の公表を確認してください。この記事では触れません。なお、応募の時期が近い場合は、優先順位を下げてください。扱いは選考スケジュールの組み方に整理しています。

出典

  1. 会社法 第432条(会計帳簿の作成及び保存)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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