資格・スキル / 資格
基本情報技術者|非IT職の公務員が取る意味
情報政策の担当ではない方から、「取る意味があるか」というご相談を伺います。
意味が出る場面と、出にくい場面があります。
この記事では、その分かれ目を扱います。
⚠ 試験の内容・区分・実施の方法は、所管するところの公表を確認してください。この記事では、個別の内容には触れません。
施策は、自治体自身の責務です
デジタル社会形成基本法第14条です。
> 地方公共団体は、基本理念にのっとり、デジタル社会の形成に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
「自主的な施策を策定し、及び実施する責務」と書かれています。
委託先や国に任せる形ではなく、団体自身が担う責務とされています。
そして、施策は情報政策の担当だけで完結しません。
窓口、税、福祉、教育、施設。
実際に業務を回している部署が関わらなければ、施策は動きません。
つまり、非IT職の職員も、この構造の中にいるということです。
意味が出る場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| ① システムの更改に関わる | 要件の整理で言葉が要る |
| ② 調達に関わる | 仕様の理解 |
| ③ 業務の改善を担う | 工程と仕組みの対応 |
| ④ 技術側の求人を見る | 応募条件に記載がある場合 |
| ⑤ 用語を揃えたい | 担当者との会話 |
①と⑤が中心です。
⑤について。
「できません」と言われたとき、なぜできないのかが分かる。
代替の案を一緒に考えられる。
この差が、要件の整理の速さに出ます。
意味が出にくい場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| ① 応募条件に記載がない | 判断の中心にならない |
| ② 業務側の経験がある | 経験のほうが具体 |
| ③ 応募の時期が近い | 書類の作成が優先 |
| ④ 目的が曖昧 | 「何か取っておきたい」だけ |
| ⑤ 技術を職務としない | 範囲が広すぎることがある |
②が、公務員からの転職では多いです。
窓口でシステムを使ってきた、帳票を整理した、更改で要件を確認した。
これらの経験のほうが、具体に書けます。
扱いはノーコードツール|情報政策の経験を実装側へに整理しています。
非IT職が書ける材料
| 材料 | 書き方の例 |
|---|---|
| ① 現場での利用 | 窓口で年間約◯件の処理に使用 |
| ② 不具合の切り分け | 入力の誤りか、仕組みの問題か |
| ③ 帳票の整理 | ◯種類を◯種類に統合 |
| ④ 要件の確認 | 更改にあたり、業務側として参加 |
| ⑤ 手順書の作成 | 操作の手順を係内に共有 |
| ⑥ 問い合わせの対応 | 職員からの質問に回答 |
②が見落とされやすいです。
「動かない」と言われたときに、原因を切り分けてきた経験があるはずです。
これは、支援の職務で直接使えます。
書き方の例
悪い例
> システムを使う側でした。
良い例
> ◯◯業務において、基幹のシステムを用いて年間約◯件の処理を担当。更改にあたり、業務側の担当として現行の帳票◯種類を棚卸しし、要件の確認に参加。操作の手順書を作成し、係◯名に共有。職員からの問い合わせについて、入力の誤りと仕組みの問題を切り分けたうえで、担当課へ連絡。
「規模」「更改への関与」「手順書」「切り分け」が入っています。
基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。
取る前に考えること
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| ① 応募したい求人の条件 | 記載があるか |
| ② 実務で書ける材料 | 利用、更改、手順書 |
| ③ 目的 | 用語を揃えるためか、職務とするためか |
| ④ 期限 | 応募の時期に間に合うか |
| ⑤ 他の優先順位 | 書類、条件の整理 |
②を先に並べてください。
書ける材料があるなら、受験より書類の作成が先です。
なお、取れば転職できる、という関係にはありません。
何に使い、どう関わったかが、評価の対象です。
書くときの注意
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| ① 取得の年を書く | いつ取ったか |
| ② 区分を正確に | 段階がある場合 |
| ③ 立場を明記 | 業務側か、技術側か |
| ④ できる範囲を限定 | 設計・開発まで含めない |
| ⑤ 実務と併記 | 現場での利用と組み合わせる |
③が重要です。
資格を書いたことで、開発まで担えると受け取られることがあります。
「業務側の担当として」と、立場を明記してください。
在職中にできること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用の整理 | 扱った件数、使った機能 |
| 更改への関与の整理 | 参加した会議、確認した内容 |
| 手順書の確認 | 作成したものの控え |
| 求人を読む | 週に30分 |
1行目です。
年度の報告や統計の資料から件数を確認してください。
根拠のない数は書かないでください。
3行目について。
作った手順書は、内容を持ち出さずとも「作成した事実」は書けます。
種類と、共有した人数を控えておいてください。
経験の言い換えから相談することもできます。
面接で聞かれやすいこと
| 質問の趣旨 | 用意しておくこと |
|---|---|
| 使っていたシステム | 業務と規模 |
| 更改への関与 | どこまで関わったか |
| 不具合への対応 | 切り分けの仕方 |
| 手順書の作成 | 誰に、何を |
| 立場 | 業務側か、技術側か |
3行目です。
なお、特定の事案やシステムの詳細が分かる説明は避けてください。
守秘の義務は、退職した後も続きます。
よくある失敗
1. 「使う側でした」で止める
現場の理解が売り物になります。
2. 件数を書かない
規模が伝わりません。
3. 不具合の切り分けを書かない
支援の職務で直接使えます。
4. 更改への関与を書かない
業務側の担当として参加した事実です。
5. 立場を書かない
業務側か技術側かを明記してください。
6. できる範囲を広く書く
設計・開発まで含めないでください。
7. 実務の整理より受験を先にする
書ける材料を並べてください。
8. 取れば転職できると考える
何に使い、どう関わったかが評価の対象です。
まとめ
- デジタル社会形成基本法第14条は、地方公共団体が、区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有するとしています
- 施策は情報政策の担当だけで完結しません。非IT職の職員も構造の中にいます
- 意味が出るのは、システムの更改、調達、業務の改善、技術側の求人、用語を揃えたい場合です
- 意味が出にくいのは、記載がない、業務側の経験がある、時期が近い場合です
- 書ける材料は、現場での利用、不具合の切り分け、帳票の整理、要件の確認、手順書、問い合わせの対応です
- 「使う側にいた経験」は、売り物になります
- 学習の目的を「してきたことに名前を付けること」に置いてください
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
技術の仕事に就くつもりはありません
それでも、意味が出る場面があります。業務の改善、導入の支援、調達、業務側の担当。これらは、技術を職務としない職種です。そして、用語が分かると、技術の担当者との会話が速くなります。「できません」と言われたときに、なぜできないのかが分かり、代替の案を一緒に考えられる。この差は、実務で効きます。なお、応募条件に記載がない求人では、判断の中心にはなりません。扱いは求人票の読み方|どこを見れば実態が分かるかに整理しています。目的を決めてから、検討してください。
学習の範囲が広く、続きません
目的を絞ってください。「してきたことに名前を付ける」という目的であれば、自分が関わった範囲から始められます。データの扱い、入力の検証、権限、処理の順序。業務で見てきた部分から入ると、続きやすくなります。なお、受験を前提としない学習でも、書類に書ける材料は増えます。「業務の改善のために学習し、◯◯の手順を見直した」という形です。学習と成果がつながっていると、実務に結び付く人として読まれます。扱いはMOS|取るべき人と、取らなくてよい人にも整理しています。
現場の経験は、どう書けば伝わりますか
規模と、判断した場面で書いてください。「基幹のシステムを用いて年間約◯件の処理を担当」で規模が、「入力の誤りと仕組みの問題を切り分けたうえで担当課へ連絡」で判断が伝わります。また、繁忙期の状況を書くと、現場の理解が伝わります。「年度の変わり目に処理が集中するため、◯◯の手順を分けて運用」。作る側からは見えない部分です。なお、システムの名称や詳細が分かる記述は避けてください。業務と動作で書いてください。守秘の義務は、退職した後も続きます。