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ノーコードツール|情報政策の経験を実装側へ
庁内で、申請の仕組みや集計の様式を作った経験をお持ちの方がいらっしゃいます。
その経験を、どう書けばよいかというご相談です。
この記事では、位置づけと、示し方を扱います。
オンラインでの申請には、法律上の根拠があります
情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第6条第1項です。
> 申請等のうち当該申請等に関する他の法令の規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織(略)を使用する方法により行うことができる。
同条第2項です。
> 前項の電子情報処理組織を使用する方法により行われた申請等については、当該申請等に関する他の法令の規定に規定する方法により行われたものとみなして、当該法令その他の当該申請等に関する法令の規定を適用する。
同条第3項は、到達の時点について定めています。
> 第一項の電子情報処理組織を使用する方法により行われた申請等は、当該申請等を受ける行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該行政機関等に到達したものとみなす。
書面によることが定められた手続でも、電子的な方法で行えるという構造です。
そして、到達の時点まで条文で定められています。
つまり、オンライン化は、法令の要件を満たす形で行う必要があるということです。
庁内で仕組みを作った経験には、この理解が含まれています。
何が評価されるか
ツールの名前ではありません。
| 評価される要素 | 内容 |
|---|---|
| ① 業務を分解する力 | どの工程を、どう置き換えたか |
| ② 要件を言葉にする力 | 何を満たす必要があったか |
| ③ 法令・規程との整合 | 到達、本人の確認、記録の保存 |
| ④ 使われた実績 | 実際に運用されたか |
| ⑤ 引き継いだか | 属人的に終わっていないか |
①と④が中心です。
「作った」だけでは、評価が定まりません。
実際に運用され、業務が変わったかどうかが見られます。
⑤について。
作った本人しか直せない状態で終わっていると、組織では評価されにくいものです。
手順書を残した、他の職員に操作を教えた、という事実があれば書いてください。
書き方の例
悪い例
> 庁内でノーコードツールを使って、申請のフォームを作りました。
良い例
> ◯◯に関する申請について、紙の様式で年間約◯件を処理していた業務を、オンラインでの受付に変更。受付から決裁までの工程を整理し、本人の確認の方法と記録の保存について関係課と協議。運用の手順書を作成し、職員◯名に操作を説明。運用の開始から◯か月で、年間の処理のうち約◯割がオンラインでの受付に移行。
「対象の業務」「工程」「整合の確認」「引継ぎ」「結果」が入っています。
基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。
どの転職先で効くか
| 領域 | 使いどころ |
|---|---|
| ① 自治体向けのシステム | 現場での運用が分かる |
| ② 導入の支援 | 業務の要件の整理 |
| ③ 社内の情報システム | 業務の改善、内製の支援 |
| ④ 業務の受託 | 受託した業務の効率化 |
| ⑤ 業務の改善の支援 | 工程の分析 |
①と②が、最も重なります。
自治体向けのシステムの会社では、「現場で何が起きるか」を知っている人が求められます。
窓口での運用、繁忙期の状況、職員の体制、決裁の流れ。
これらは、外から入った人には見えにくいものです。
探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。
学ぶ前に考えること
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| ① すでに作ったものがあるか | 実績が先 |
| ② 応募したい求人の条件 | ツールの指定があるか |
| ③ 目的 | 実装側に回りたいのか、業務の改善か |
| ④ 期限 | 応募の時期までに間に合うか |
| ⑤ 他に優先することはないか | 書類、条件の整理 |
①を最初に置いてください。
庁内で何かを作った経験があるなら、その整理が先です。
新しいツールを学ぶより、既にある実績を書くほうが早く進みます。
③について。
実装そのものを担いたいのか、業務の要件を整理する側に回りたいのかで、見る求人が変わります。
なお、ツールを習得すれば転職できる、という関係にはありません。
業務をどう変えたかが、評価の対象です。
実績がない場合
| やること | 内容 |
|---|---|
| 庁内の業務で試す | 小さい範囲で |
| 手順を残す | 他の人が使える形に |
| 結果を記録する | 件数、時間の変化 |
| 共有する | 係内、課内 |
1行目です。
自分の担当の業務で、集計や確認の作業を置き換えてみる。
規模が小さくても、実績になります。
⚠ ただし、庁内のシステムやデータの取扱いには規程があります。必ず、所属の情報の担当に確認してから進めてください。
経験の言い換えから相談することもできます。
よくある失敗
1. ツールの名前だけを書く
業務の変化を書いてください。
2. 使われた実績を書かない
運用されたかどうかが見られます。
3. 引き継ぎを書かない
属人的に終わっていないことが評価されます。
4. 法令・規程との整合に触れない
行政ならではの部分です。
5. 実績より先に学習を始める
既にある実績の整理が先です。
6. 数字を書かない
件数と変化で示してください。
7. 規程を確認せずに試す
情報の担当に確認してください。
8. 習得すれば転職できると考える
業務をどう変えたかが評価の対象です。
まとめ
- 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第6条は、書面によることが定められた申請等を、電子情報処理組織を使用する方法により行えるとし、到達の時点まで定めています
- オンライン化は、法令の要件を満たす形で行う必要があります。この理解が、経験に含まれています
- 評価されるのは、ツールの名前ではなく、業務の変化です
- 使われた実績と、引き継いだかどうかを書いてください
- 法令・規程との整合を確認した経験は、行政ならではの部分です
- 既にある実績の整理が、新しい学習より先です
- 規模の大小より、工程を分解して作り直した経験が評価されます
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よくある質問
特定のツールの名前を、求人票で指定されています
その求人では、要件になっている可能性があります。ただし、「必須」と「歓迎」で扱いが違います。必須であれば、そのツールの経験が要ります。歓迎であれば、類似の経験で応募できることがあります。なお、ノーコードのツールは、考え方が共通している部分があります。「別のツールで同等の仕組みを作った経験があります」と書けば、判断の材料になります。大切なのは、何を作り、どう使われたかです。読み方は求人票の読み方|どこを見れば実態が分かるかに整理しています。
情報政策の部署にいませんが、書けますか
書けます。評価されるのは、部署の名称ではなく、やったことです。窓口の業務で確認の表を作った、集計の作業を置き換えた、進捗の管理の仕組みを作った。これらは、どの部署でも起こり得ます。書き方は、「◯◯の作業について、◯◯を用いて仕組みを作成し、係◯名で運用」という形です。なお、情報政策の部署にいた場合は、調達や仕様の作成の経験も併せて書いてください。発注する側の経験は、技術職の転職|事務職と何が違うかに整理した考え方と同じく、そのまま書ける材料です。
独学で学んだツールは、どう書きますか
作ったものと併せて書いてください。「独学で習得」とだけ書くと、到達が分かりません。「◯◯を独学で習得し、係内の◯◯の作業を仕組み化。職員◯名が利用」という形にすると、習得と実績の両方が伝わります。なお、業務で使っていない場合は、個人で作ったものを示すこともできます。ただし、庁内のデータを個人の環境で扱うことには規程上の制約があります。必ず、所属の情報の担当に確認してください。判断に迷う場合は、業務では使わず、公開されているデータで試すほうが安全です。