制度とお金 / 服務と法令上の制限
ハラスメント相談窓口
ハラスメントが疑われる出来事については、本人だけで法的な分類を確定してから相談する必要はありません。いつ、どのような言動があり、仕事や生活へどのような影響があるかを整理し、自分の職員区分に対応する窓口を確認します。相談、調査、正式な救済、健康面の支援は、それぞれの目的を分けて利用します。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国の制度と千葉県の具体例を示します。個別のハラスメント該当性、医学的な診断、処分や救済の結論を判断するものではありません。本人の所属と制度に応じた窓口へ確認してください。
まず所属と職員区分に合う窓口を探す
国の人事院の案内は、各府省の苦情相談員等、人事当局、人事院の相談窓口を示しています。上司へ話す経路だけではなく、指定された相談員や担当に連絡する方法があります。
地方では、所属のハラスメント相談窓口、人事担当、人事委員会・公平委員会等の制度を確認します。国の人事院が、すべての地方公務員の相談を同じ制度で受け付けるわけではありません。
教職員、公営企業、単純労務職、特別職等では、相談対象や担当が異なる場合があります。非常勤だから相談できないと決めつけず、任用区分と窓口の受付範囲を照合します。
| 確認したい目的 | 窓口を探すときの観点 |
|---|---|
| 言動や勤務環境の相談 | 所属の相談員、人事、対象となる苦情相談制度 |
| 健康や療養の相談 | 健康管理、産業保健、医療等の担当 |
| 不利益な処分への対応 | 正式な不服申立ての対象・期限を扱う窓口 |
| 法令違反等の通報 | 内部通報・公益通報等の対象と受付先 |
相談窓口が分からない場合は、所属のイントラネット、職員向け案内、相談員一覧等を確認します。相談したい相手が窓口担当と関係する場合は、別の相談員や外部窓口の有無を問い合わせます。
国には種類ごとの規則と苦情相談制度がある
国では、セクシュアル・ハラスメントに関する人事院規則10-10、妊娠・出産・育児・介護に関する10-15、パワー・ハラスメントに関する10-16等が、防止や対応、相談体制を定めています。
2026年10月1日からは、カスタマー・ハラスメントの防止等に関する規則10-17も施行されています。行政サービスの利用者等との関係による問題は、職場内の上司や同僚との問題だけを扱うものと決めつけず、対応部署を確認します。
これらの規則は、相談員の配置等の体制を整えることや、人事院への苦情相談等を定めています。また、相談や調査への協力等に起因して職員が不利益を受けないようにする責務も定めています。
一般的な苦情相談については規則13-5も関係します。制度があることから、本人の希望する措置や相手への処分が必ず実現すると保証するものではありません。自分の相談の対象と進め方を確認します。
人事院の苦情相談にも対象の範囲がある
人事院の苦情相談Q&Aは、一般職の国家公務員を対象とし、非常勤を含む一方、行政執行法人の職員や特別職、地方公務員等は対象外と説明しています。原則として現職の本人からの自分自身に関する相談で、離職者にも一定の範囲があります。
同じ人事院の案内でも、各府省の相談員への相談や、職員以外の人から国家公務員のセクシュアル・ハラスメントに関する相談を受ける制度等では対象が異なります。一つの受付条件をすべての窓口へ当てはめません。
匿名の苦情相談にも応じるとされていますが、事実確認等に限りがある場合があります。匿名で制度を聞きたい、連絡先は伝えられる、調査を希望する等、本人の希望と可能な対応を最初に確認します。
本人以外の家族や同僚が相談したい場合も、窓口ごとに受付対象を確認します。全窓口が代理人の正式な申出を受け付けるとは限らない一方、本人以外からの相談を扱う窓口もあります。
地方の例では同じ県の職員でも窓口が分かれる
千葉県人事委員会の苦情相談案内は、一般職の県職員を対象とし、条件付採用期間、会計年度任用、臨時的任用の職員も含むとしています。一方、特別職、公営企業、単純労務職等は当該窓口の対象外としています。
県費負担教職員についても、原則の窓口と、県条例で定める事項等の取扱いが示されています。「県の仕事に関わるから同じ窓口」とは判断せず、任用と相談事項を確認します。
同県は、必要に応じて相談者の了解のもと関係当局へ事実確認や照会等を行うと案内しています。これは同県の具体例であり、別の自治体へ同じ受付範囲や手順を保証するものではありません。
進路の情報を別に集めたい場合は公務員経験に対応する求人情報を参照できます。相談内容や調査資料を使わず、公開可能な経験から比較できます。
相談前のメモは事実と希望を分ける
メモには、日時、場所、相手の立場、具体的な言動、同席者の有無、仕事や体調への影響を記します。覚えている発言と自分の受け止め方、直接見た事実と伝聞を区別します。
全記録がそろわなければ相談できない、と考える必要はありません。分からない点は未確認として伝え、必要な情報を窓口へ聞きます。証拠の収集方法についても、一般記事だけで適法性を判断しません。
業務のメールや住民情報等を私用端末へ一括転送することは勧められません。記録の所在を整理し、提出や保全の方法は扱う情報に応じて確認します。守秘の考え方は守秘義務の範囲で説明しています。
希望は、相談だけ、制度の説明、事実確認、関係部署との調整、健康面の支援などに分けて伝えられます。窓口ができることと、別制度の申請が必要なことを聞いてください。
秘密保持と情報共有の了解を確認する
国の規則13-5第7条は、氏名や相談内容等の秘密保持を定めています。人事院のQ&Aも秘密を厳守し、所属府省へ内容を伝えるときは相談者の了解を取ると説明しています。
秘密が守られることと、調査のために誰とも情報を共有しないことは同じではありません。共有する相手と範囲、本人への説明や了解の手順、連絡先の扱いを確認します。所属の相談員、外部委託窓口、人事委員会等で具体的な運用が同じとは限りません。
「名前を出してほしくない」「最初は制度だけ聞きたい」等の希望を伝え、対応の限界も聞きます。関係者が少ない出来事では、事実確認の内容から本人が推測される場合も考えられるため、進め方を相談員と確認します。秘密保持があるから不安を持つ必要がない、と一方的に片付けません。
相談と正式な判断・救済は別の手続き
人事院関東事務局の案内は、苦情相談で対応できない事項として、裁量的な人事権の行使を求めること、賠償や謝罪、個別のハラスメント該当性の判断等を挙げています。制度の説明や助言ができる場合はあります。
相談したことから相手が必ず処分される、希望する異動が決まるとはいえません。事実確認と人事・懲戒等の判断は分けます。正式な不利益処分への審査請求等が関係する場合は、対象と期限を別に確認します。
公益通報も別の制度です。相談内容に法令違反等が含まれる場合は、適切な経路を確認します。公益通報者保護では通報先ごとの要件を整理しています。ハラスメント相談をしたことだけで、すべての法定通報要件が満たされるとは判断しません。
相談が続いている間も、別制度の申立期限が自動的に停止するとは扱いません。窓口へ今受けている処分や通知があるかを伝え、必要な確認先を聞きます。
健康の相談と勤務上の支援も分けて利用する
体調への影響がある場合は、相談窓口による事実確認と並行して、健康管理や医療の担当に相談できます。ハラスメントの結論が出るまで、健康の相談を待たなければならないという制度ではありません。
休暇、療養、勤務への配慮等は、医療上の意見と本人の勤務制度に応じて確認します。記事から診断や治療、就業の可否を決めず、必要な支援を担当へ伝えます。
相談後に不利益な取扱いが疑われる場合も、いつどのような行為があったかを記録し、窓口へ再相談します。国の規則には不利益防止等の定めがありますが、それだけで個別事案の結果を保証するものではありません。
働き方の比較には無料相談の案内を利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。ハラスメントの受付・認定や健康上の判断を代行する窓口ではありません。
よくある質問
ハラスメントと確信できないと相談できませんか
本人だけで分類を確定する必要はありません。具体的な言動と影響を整理し、窓口の対象に当たるかを確認します。必要な記録が分からない段階でも相談方法を聞けます。
地方職員も人事院の苦情相談を使えますか
一般の人事院の苦情相談は地方公務員を対象としていません。所属の窓口、人事委員会・公平委員会等の制度と本人の対象区分を確認してください。
匿名なら誰にも分からず調査してもらえますか
匿名での受付がある場合も、調査に限界があり得ます。秘密保持と共有範囲、了解の手順、本人が推測される可能性等を窓口へ確認します。全国一律の結果は保証できません。
進路の相談方法はLINEの案内でも確認できます。関係者の個人情報や内部の相談記録を送らず、公開できる希望から比較してください。