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制度とお金 / 服務と法令上の制限

職務命令と拒否

職務命令に疑問があるときは、何を、誰の権限で、いつまでに行うよう指示されたかを整理します。上司の指示なら内容を問わず従うという説明も、自分が納得できなければ自由に拒否できるという説明も適切ではありません。法令と職務上の命令の関係を確認し、疑問の内容に応じた照会・相談を行います。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国と地方の条文、国の公式解説例、相談制度を整理します。個別の命令の有効性や拒否の可否、懲戒等の適法性を判断するものではありません。具体的な事実を基に所属の担当や適切な専門相談先へ確認してください。

国の98条と地方の32条を読む

国家公務員法第98条第1項は、職務の遂行について法令に従い、上司の職務上の命令に忠実に従う義務を定めています。法令遵守と職務命令への服従の両方が、同じ規定に置かれています。

地方公務員法第32条は、法令、条例、地方公共団体の規則等に従うことと、上司の職務上の命令に忠実に従うことを定めています。条文を「上司に言われたら法令の確認は不要」という意味には読みません。

一方、本人が政策や業務の進め方に賛成できないことと、命令に法的な問題があることも同じではありません。何が疑問なのかを、好み、負担、事実の認識、権限、法令等に分けて整理します。

本人の任用、職種、勤務先の組織規程等も確認します。民間企業の業務命令についての一般的な説明を、そのまま公務員の身分や手続きへ置き換えないことが重要です。

誰のどのような指示かを具体的にする

近畿地方整備局の公式なコンプライアンス資料は、国の職務命令について、権限ある上司から発せられること、本人の職務の範囲内であること、手続きや内容に客観的に明白な違法性がないことを、有効に成立するための要件として説明しています。

これは同局の公式解説例です。相手の肩書きだけで、自分を指揮監督する権限があるかが決まるわけではありません。組織、担当業務、指示経路を確認します。別部署や外部の相手からの依頼を、確認せず本人への職務命令と同一視しないようにします。

指示の内容も、作業、判断、承認、報告のどれを求めているかを分けます。たとえば資料を整理する指示と、内容を確認せず適正と証明する指示では、本人に求められる行為が異なります。

確認する事項整理する内容
指示した者所属、立場、指揮監督の関係
命じられた行為作業、判断、署名、報告等の具体的な内容
根拠と目的担当事務、関係規定、業務上の必要性
期限と条件いつまでに、何を用い、誰と進めるか
疑問の理由事実の不足、法令、負担、安全等

「おかしい指示」とだけまとめるより、確認できる項目へ分けることが、照会の出発点になります。

違法性の言葉だけで拒否の結論を出さない

命令の権限、手続き、職務範囲、内容に問題があるかは、具体的な法令と事実で確認する必要があります。「違法だと思う」という本人の評価だけで、個別の拒否が認められるとは判断できません。

反対に、命令されたという理由だけで、法令違反が疑われる行為を無条件に正当化することもできません。文書の改変、個人情報の提供、会計処理等に疑問がある場合は、何の事実とどの規定が関係するかを具体化します。

公式解説にある「客観的に明白な違法性」等の考え方を、短い言葉だけで自分の案件へ当てはめないようにします。事実関係や法令の解釈が争われる場合の取扱いも、一般記事で一律に決めるものではありません。

疑義がある場合は、指示の趣旨、根拠、前提事実を確認し、必要に応じて人事・法務・コンプライアンス等へ照会します。従うか拒否するかという結論を記事の例だけで選ばず、実際の命令内容と時点を示して適切な確認を行います。

内容の確認と異議の表明を分ける

近畿地方整備局の資料は、職務命令に対して意見の申出や不満の表明ができることも説明しています。疑問や業務上の懸念を伝えることと、命令を履行しないことは別の行為です。

照会するときは、「この資料では要件を確認できていない」「現在の期限では別の指示と重なる」「この情報を外へ出す根拠を確認したい」など、理由を具体的にします。相手の人格や動機を断定する表現より、業務上の事実と必要な確認を示します。

指示を受けた内容を自分の理解で書き直し、相違がないか確認する方法もあります。ただし、本人がメモを作っただけで正式な命令や承認の書面になるわけではありません。所定の記録や決裁の取扱いは所属の手順で確認します。

仕事内容の比較には公務員経験に対応する求人情報を参照できます。内部の指示記録を使わず、公開できる業務経験から比較できます。

記録は経過と資料の所在を残す

確認用の記録には、日時、指示の内容、伝えた疑問、回答、関係する資料の所在、その後の変更を分けて残します。事実と推測を混ぜず、記憶が曖昧な部分は曖昧なまま示します。

業務のメールや住民記録を、証拠のためとして私用アカウントへ一括転送する方法は勧められません。正式な保存・提出経路や、相談に必要な情報の範囲を担当へ確認します。

新しい回答や追加の指示があれば、古い指示とどこが変わったかを照合します。相談の途中であることから、すべての勤務上の手続きが停止するとは判断しません。期限や緊急性も具体的に伝えます。

会話の録音や資料の取得等について疑問がある場合も、一般記事から一律の適法性を決めず、情報の種類や取得方法に応じた相談先へ確認してください。

業務量の相談と法令上の疑問を分ける

仕事が多い、期限が重なっている、経験のない作業を求められたという事情は、まず業務の条件として具体的に伝えます。何をどこまでできるか、他の作業との優先順位、必要な支援を整理します。

人事院の苦情相談案内も、業務の負担等について具体的な理由を添え、職務命令の権限を持つ上司等に業務分担や進め方を相談することを示しています。法令違反の疑義と、業務運営上の調整を分けることが大切です。

負担があるというだけで自由に拒否できるとも、職務命令だから健康上の事情を一切申し出られないとも扱いません。必要な資料や支援、期限の調整等を確認します。調整が難しい場合には、本人を対象とする職員相談等へ相談します。

健康・安全の事情は具体的に伝える

体調、療養上の制限、危険が疑われる作業等が関係する場合は、その事実を指揮命令系統や健康管理等の担当へ伝えます。記事で医学的な就業可否や緊急時の安全判断を代行しません。

事故や急な危険がある場面では、現場の安全確保と緊急連絡等の手順を確認します。一般的な服務の説明だけで、危険な行為を続けるよう本人へ求めるものではありません。

一方、診断や健康相談の結果から、すべての職務命令を自己判断で無効にできると説明するのでもありません。健康上の意見、勤務への配慮、休暇等の手続き、具体的な指示の変更をそれぞれ確認します。

相談と正式な救済の対象を確認する

国の人事院の苦情相談は、勤務条件や勤務環境等に関する制度です。対象となる職員区分や、相談で対応できる内容に範囲があります。地方では所属の人事委員会・公平委員会等の制度を確認します。

千葉県の案内も、一般職の県職員を対象としつつ、任用区分や相談事項による取扱いを示しています。地方公務員全員が、人事院の苦情相談を同じ条件で利用できるわけではありません。

行政措置要求も、勤務条件の改善を求める正式な制度であり、職務命令に関するすべての不満を同じように審査する制度とは限りません。人事院の案内は、任命権者等が裁量で行う事項等について対象の範囲を説明しています。

不利益な処分が既にある場合は、別の不服申立ての対象や期限を確認します。相談しているだけで申立期限が自動的に止まるとは扱いません。個別の命令や処分に争いがある場合は、実際の通知と経過を示して適切な専門相談先へ照会します。

ハラスメントや通報に関わる疑問は別経路も見る

指示の内容だけでなく言動や扱いに問題がある場合は、ハラスメント相談の対象となるかを確認できます。法令違反等の疑いがある場合は、公益通報等の窓口も関係します。いずれも、相談したことだけで個別の命令の効力や拒否の適否が決まるわけではありません。

窓口の使い分けはハラスメント相談窓口、通報先と要件は公益通報者保護で整理しています。内部資料を不特定多数へ公開して解決しようとせず、目的に合う相談経路と情報の範囲を確認します。

働き方の比較には無料相談の案内を利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。職務命令や個別の法律問題の判断を代行する窓口ではありません。

よくある質問

上司の指示ならすべて従う義務がありますか

法令に従う義務と職務上の命令に従う義務を併せて確認します。権限、職務範囲、内容等の具体的な事実が必要であり、一般記事から個別の結論は出しません。

納得できないので仕事を断ってよいですか

納得できないことだけで自由に拒否できるとは判断できません。疑問の理由を整理し、指示の趣旨や根拠、業務量等を照会します。法的な疑義は適切な相談先へ確認してください。

苦情相談をすれば職務命令は止まりますか

相談と命令の効力は別です。相談しただけで自動的に停止すると考えず、具体的な対応と期限を担当へ確認します。健康・安全の支援が必要な場合はその事情も伝えます。

進路の相談方法はLINEの案内でも確認できます。内部の指示書や関係者の個人情報を送らず、公開できる希望から比較してください。

出典

  1. 国家公務員法 第98条
  2. 地方公務員法 第32条
  3. 近畿地方整備局 コンプライアンス等携帯シート 港湾空港関係 令和7年3月 特に25頁
  4. 人事院 勤務条件や勤務環境等に関する相談 苦情相談
  5. 人事院 行政措置要求
  6. 千葉県 職員からの苦情相談

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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