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制度とお金 / 服務と法令上の制限

内定を職場にいつ伝えるか

公務員が転職先から内定の連絡を受けたら、上司への意向相談、再就職の約束に関する正式な届出、辞職の申出と承認を分けて進めます。職場へ伝える日は、全職員に共通する一つの時期ではありません。本人の適用制度と、応募先との合意の段階を確かめることが先です。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国には在職中の就職約束の届出があり、地方にも条例等による制度があります。内定という言葉だけで手続きの要否を決めず、実際に何を約束したか、必要な事前確認が済んでいるかを人事担当へ相談してください。

四つの連絡を混同しない

「職場に内定を伝える」といっても、伝える内容と相手は同じとは限りません。最初に、今行う連絡がどれに当たるかを整理します。

区分伝える内容確認する相手・事項
意向の相談転職の検討状況、希望時期、迷っている点直属上司や人事担当、相談の共有範囲
就職約束の届出相手先、地位、約束した日など所定事項正式な提出先、対象者、様式と時期
辞職の申出辞職する意思と希望する日任命権者、指定経路、承認手続き
業務の日程調整最終登庁、引継ぎ、年休、返却上司・服務担当・関係部署

上司に口頭で話しただけで、正式な届出や辞職申出も終わるとは考えません。逆に、制度を調べたいという相談を、退職の意思が確定した申出として扱う必要もありません。最初の相談で「制度確認の段階」「応募先と条件を調整中」など、確定状況を明確に伝えます。

応募先への返答期限と、所属で必要な手続きの期限も別です。候補となる退職日・入社日があっても、正式な確認前は希望日や調整中の日として扱いましょう。

国は就職の約束をした場合の届出を確認する

国家公務員法第106条の23は、退職手当通算予定職員を除く職員について、離職後に営利企業等の地位に就くことを約束した場合、速やかに任命権者へ所定の事項を届け出るとしています。単に「管理職になったことがないから、在職中の届出は関係ない」と考えないことが必要です。

ここで基準になるのは、内定通知という名称の書類を持っているかだけではありません。条件の通知を受けただけなのか、自分も就職を承諾して双方で約束したのかなど、具体的な経緯を人事担当に示して確認します。記事から一律に、通知受領日や署名日だけを届出の起算点と決めることはしません。

再就職等監視委員会の公式Q&A解説編の問6も、約束をしたら速やかに届け出、人事担当部局と相談することを説明しています。また、約束後に職務と相手先の間で利害関係が生じる場面について、人事担当への相談を求めています。届出後に担当業務や相手の状況が変わった場合も、そのままにせず確認します。

提出様式や必要事項は所属の現行案内によります。「落ち着いてからまとめて報告する」「退職日の直前まで待つ」という私的な予定を、法令上の速やかな届出に優先させないようにしましょう。書類の提出先と受理されたことを確認し、本人が受け取ってよい控えは安全に保管します。

地方は条例独自の求職規制と届出を調べる

地方公務員法第38条の6は、自治体の退職管理の適正確保の措置等を定めています。本人の具体的な手続きは、所属の条例・規則・人事担当の案内で確認します。国とまったく同じ対象・様式・期限だとは考えません。

例えば東京都の退職管理条例第7条は、適用除外等を設けたうえで、在職中に営利企業等の地位に就くことを約束した場合の速やかな届出を規定しています。同条例には、退職後の届出に関する規定もあります。在職中の約束の届出と、退職後の状況の報告を一つの手続きとして扱わないようにします。

東京都では同条例第3条・第5条による利害関係企業等への求職活動規制もあります。必要な事前承認と、約束後の届出は別です。内定が出たことを伝えれば、応募前に必要だった確認や承認もさかのぼって済む、という制度ではありません。

この例は東京都のもので、全自治体の制度ではありません。本人の任用区分・職位、相手先の法人と職務との関係、いつどのようなやり取りをしたかを整理して、所属へ聞きます。相談先が分からない場合は、人事・服務担当に退職管理の窓口を確認してください。

内定と辞職の承認は別の手続き

国の人事院規則8-12第51条は、書面による辞職の申出があった場合、任命権者は特に支障のない限り承認すると定めています。転職先への就職の約束を届け出ることは、この辞職の申出や承認の代わりにはなりません。

地方では、地方公務員法第6条が定める任命権者と、所属の任免・服務規程等による経路を確認します。直属上司へ話したこと、辞職願を提出したこと、正式な退職日が確定したことを区別しましょう。首長部局、教育委員会など、所属機関によって提出先が異なる場合もあります。

入社日を確約する前に、正式な退職日の確認方法を人事担当へ聞きます。退職願の書き方や宛先の詳細は退職願の出し方に整理しています。応募先には「希望する入社日」「所属と調整中の日」「正式に確定した日」を混ぜずに伝えてください。

また、辞職の申出を出した後に内定を辞退したくなったり、現職継続を希望したりする場合は、撤回の取扱いを正式に確認します。本人の判断だけで提出済みの書面が無効になる、反対に相談しただけでも撤回できない、と一律には説明できません。

上司との相談には日付と業務の一覧を用意する

相談用には、内定の条件、本人の意思、希望退職日、入社予定日、引継ぎの見通しを別々にまとめます。すべての採用資料を職場の関係者へ広く配るのではなく、制度上必要な情報を正式な窓口へ渡します。

仮の伝え方の例なら、「採用条件の提示を受け、現在は返答前です。就職約束の届出の対象と、辞職申出の経路を確認したい」「就職を約束したため、所定の届出を行います。退職希望日と引継ぎ日程は人事担当と調整したい」のように、段階を示せます。実在の職場での成功例ではなく、事実関係を伝えるための例です。

業務の一覧には、直近の締切、未決定事項、後任が未定の案件、資料の保存先を載せます。最終登庁日と正式退職日が違う場合は、説明の時間、年休の申請、返却物の提出をいつ行うかも相談します。本人だけで後任を決めたり、全業務を終えるまで無期限に退職できないと考えたりしないようにします。

職場への周知範囲も確認します。上司・人事への必要な報告、同僚への挨拶、外部関係者への担当変更の連絡は目的が異なります。未確定の退職予定を、自分の判断で住民や取引先へ発表することは避けてください。

条件変更や見送りが生じたときも窓口へ確認する

応募先の名称、就く地位、入社予定、採用の条件などに変更があった場合、既に提出した届出について追加の連絡や変更手続きが必要かを確認します。就職の約束がなくなった場合も、担当者が以前の情報のままで業務調整を続けないよう、正式な扱いを照会します。

人事への相談と応募先への返答は、双方の確定状況を合わせて行います。「職場には伝えたから退職は確定」「入社日を変更したから届出の修正も不要」と推測せず、担当窓口に確認した内容を本人用の予定表に反映します。

職務上の相手先との関係が問題になる場合は、担当案件を独断で他の職員へ回すのではなく、権限のある人に判断を求めます。応募先にも、現職の秘密情報の提供や元職場への働きかけを約束しないことが大切です。全体の服務上の確認は転職活動は服務規律に触れるかも参照できます。

他の仕事の条件も比較する場合は求人情報を情報収集に利用できます。現職継続を含め、本人の希望を整理するための材料です。

よくある質問

内定は退職希望日の何か月前に伝えるべきですか?

全国共通の一つの日程にはできません。就職約束後の法令上の届出、所属の辞職申出の取扱い、引継ぎと入社日の調整を分けて確認します。必要な届出を希望の日まで待ってよいとは限りません。

上司に口頭で伝えれば正式な届出も終わりますか?

終わるとは限りません。国や所属の条例等で定める対象、様式、提出先を確認します。直属上司への相談と、任命権者への正式な届出、辞職の承認は別です。

応募前は相談せず、内定後にまとめて確認すればよいですか?

国や自治体の制度で求職活動の事前確認・承認が必要な場合があります。内定後の届出だけでそれを代えることはできません。本人の職務と相手先に応じて、接触前から確認してください。

希望条件の整理は相談フォームをご利用ください。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。短い連絡にはLINEも利用できます。正式な届出と辞職の取扱いは所属の担当窓口へ確認してください。

出典

  1. 国家公務員法 第106条の3・第106条の23
  2. 人事院規則8-12 職員の任免 第51条
  3. 地方公務員法 第6条・第38条の6
  4. 再就職等監視委員会 再就職等規制に関するQ&A 解説編 問6
  5. 東京都職員の退職管理に関する条例 第3条・第5条・第7条

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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