制度とお金 / 休暇
公務員の育児短時間勤務|対象・勤務形態・申請と給与の確認
育児短時間勤務を調べるときは、希望する退勤時刻に加え、週に何日働くか、いつからいつまで利用するかを考えます。常勤の職を保有したまま週の勤務時間等を短くする制度であり、育児休業や、勤務日の一部を休む育児時間・部分休業とは申請も扱いも異なります。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国の一般職の制度を具体例にし、地方公務員については法律と所属の条例・規則を照合する手順を示します。利用の可否、給与や配置の個別判断は、本人の任用と請求内容を示して人事担当へ確認してください。
対象年齢と本人の任用を最初に確認する
国家公務員育児休業法第12条と地方公務員育児休業法第10条は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する育児短時間勤務を定めています。子が未就学だから全職員が同じ制度を使える、という読み方はできません。法律上、非常勤職員、臨時的任用職員などは対象から除かれ、その他の除外範囲は規則・条例等の確認も必要です。
まず任用通知と勤務条件の通知で、常勤か非常勤か、任期と終了予定日、現在の勤務形態を確認します。非常勤職員が使える育児上の勤務時間短縮等は、常勤の育児短時間勤務とは別に調べてください。パートナーの育休取得状況だけで、本人が対象外になると自己判断することも避けます。
国・地方とも、育児短時間勤務の請求について、公務の運営に支障が生じないよう業務処理の措置を講ずることが困難な場合を除き、承認するという法律の構造です。一方、希望する部署や担当業務まで当然に保障する規定と読み替えることはできません。勤務形態の請求と業務分担の相談を、両方進めます。
国の勤務形態を例に週の予定を作る
国の同法第12条第1項には、通常の週休日を前提とした次の形態などがあります。休憩を含めた拘束時間と実際の勤務時間は分けて確認してください。
| 国の形態の例 | 勤務する日の時間 | 生活との調整で確認すること |
|---|---|---|
| 週5日勤務 | 各日3時間55分 | 毎日の送迎、始業・終業、休憩の有無 |
| 週5日勤務 | 各日4時間55分 | 保育時間と通勤を含めた帰宅時刻 |
| 週3日勤務 | 各日7時間45分 | 勤務日と保育の曜日、非勤務日の扱い |
| 週3日勤務 | 2日は7時間45分、1日は3時間55分 | 短い勤務日をどの曜日にするか |
交替制勤務等には規則で定める形態もあります。地方の法律は通常の週勤務時間に対する割合等で形態を定めているため、この国の時刻・時間数をすべての自治体の勤務にそのまま当てはめないでください。
例えば、毎日の送迎に合わせたい仮のケースと、週の特定日に家族の支援を受けられる仮のケースでは、希望する形態が変わります。どちらも制度利用の優劣ではありません。保育の利用条件、家族の勤務、通勤時間を含めて、継続できる予定を作ります。
申請期間・延長・再取得を一つの予定表にする
国の同法第12条第2項、地方の同法第10条第2項は、請求する期間を1月以上1年以下としています。子の年齢上限まで、最初の申請だけで無期限に承認される制度ではありません。開始日と終了日、勤務日、日ごとの勤務時間を特定して請求します。
国の人事院規則19-0第20条では、承認請求は開始日の1月前まで、延長請求は承認期間末日の翌日の1月前までに行います。地方では所属の規則・様式・提出経路を確認します。国の期限を自治体共通の締切として扱わず、担当への事前相談と正式提出の期限を区別しましょう。
| 準備する事項 | 人事担当への確認 |
|---|---|
| 子の生年月日・本人の任用 | 対象者と対象期間、必要な確認書類 |
| 希望する開始・終了日 | 承認可能な期間、任期や復職日との関係 |
| 週の勤務日・時間 | 勤務形態の区分、休憩と勤務割振り |
| 延長の可能性 | 延長申請の期限と必要書類 |
| 途中変更・終了の可能性 | 新たな請求、取消し等の手続き |
国・地方とも、前の育児短時間勤務が終了した日の翌日から起算して1年を経過しない再取得は、規則・条例で定める特別の事情がある場合などの例外を確認します。延長と、一度終了した後の再取得を同じ手続きだと思わないことが大切です。子の養育状況が変わった場合も、承認内容を放置せず担当へ連絡します。
働く時間や利用条件を整理してから、選択肢を調べる方法もあります。公務員向けの転職相談の案内は、現職を続ける場合との比較にも使えます。相談の利用は任意です。
給与・年休は通常勤務の数字をそのまま使わない
国の同法第16条は、育児短時間勤務中の給与について給与法の読替え等を定めています。俸給は勤務時間に応じた割合で扱われますが、すべての手当を同じ割合で機械的に減らすという説明にはできません。期末・勤勉手当、住居や通勤に関する手当等は、適用する規定と本人の状況を給与担当へ確認します。地方は給与条例等での取扱いを調べます。
確認用には、通常勤務の場合と希望する勤務形態の場合について、対象月、勤務時間、俸給・各手当の扱い、控除の見込みを並べます。残業がなくなることや一定の手取りになることを前提に、家計を固定しないでください。時間外勤務の取扱いも、育児短時間勤務に適用される規定と実際の命令手続きを確認します。
年次休暇も、常に通常勤務と同じ日数・同じ一日換算になるわけではありません。国の人事院規則15-14第18条は、短時間勤務職員の勤務日数・勤務時間に応じた日数計算を定め、第20条は時間で使った年休を日に換算する時間を勤務形態別に定めています。例えば国の毎日3時間55分の形態と毎日4時間55分の形態では、換算上の一日の時間が異なります。
変更前の年休残数がある場合は、開始時点の残数、勤務形態変更後の表示、時間単位利用の換算を確認します。制度上の勤務時間変更と、個別の日に取得する休暇申請を分けて管理すると、出勤予定との食い違いを防げます。
共済の育児時短勤務手当金は別の条件で確認する
2025年に設けられた育児時短勤務手当金と、勤務制度としての育児短時間勤務は同一ではありません。地方公務員等共済組合法第70条の5では、2歳未満の子を養育するための一定の育児時短勤務について、支給対象月等の要件を定めています。小学校就学前まで短時間勤務を続けられる場合でも、同じ期間ずっと給付されるとは限りません。
地方職員共済組合の公式案内では、支給対象月は月初から月末まで引き続き組合員であり、育児休業手当金又は介護休業手当金を受けることができる休業をしなかった月などの条件があります。報酬と標準報酬の関係に応じた支給率、支給限度額等もあり、誰でも給与の減少分が全額補われる制度ではありません。雇用保険の同一の育児時短就業給付等との調整も確認します。
請求には所属所長の証明等が必要になるため、短時間勤務の承認だけで共済の請求も終わったと思わないでください。本人が加入する共済の担当に、対象となる勤務、対象月、報酬資料、提出先を確認します。国の職員は加入する国家公務員共済組合の案内で確認します。
掛金・保険料についても別の照会が必要です。短時間勤務になったことだけで、育児休業と同様の掛金免除が当然に続くと考えず、標準報酬の取扱い、必要な届出、控除開始月等を共済・給与担当へ確認してください。
育児時間・部分休業との違いを照合する
国の育児時間、地方の部分休業には、勤務日の一部を勤務しない仕組みがあります。2025年10月からの年の時間枠を用いる仕組みも、育児短時間勤務の承認期間や週の勤務形態とは別です。「年間の枠を使えば短時間勤務の申請が不要になる」などと置き換えて考えないようにします。
希望する生活時間が定まったら、人事担当に短時間勤務、育児時間・部分休業、時差出勤等のうち本人に適用できるものを確認します。併用の可否、給与、年休、手当金まで同じとは限りません。育児休業からの切替えは復職と配置の確認も参照し、復職日と新しい勤務形態の開始日を合わせて確認してください。
条件を整理して外部の働き方も調べたい場合は、相談フォームから希望を伝えられます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。利用するかは本人の判断です。
よくある質問
子が2歳になると育児短時間勤務も終わりますか?
国・地方の法律上の育児短時間勤務は、小学校就学の始期までの子が対象です。一方、共済の育児時短勤務手当金は2歳未満の子に係る要件等で判断します。勤務の承認期間と給付の対象期間を分けて確認してください。
一度承認を受ければ就学前まで自動で延長されますか?
自動ではありません。国・地方の請求期間は1月以上1年以下で、延長にも手続きがあります。国は期間末日の翌日の1月前までの請求が必要です。地方は所属の規則で締切と必要書類を確認します。
短時間勤務なら年休は通常勤務と同じですか?
勤務日数・勤務時間や適用規定により、付与日数や一日への換算が変わります。国でも形態別の計算があります。開始前の残数と、変更後の勤務日に使う際の換算を休暇担当へ確認してください。
情報収集の窓口としてLINEでの相談も利用できます。勤務制度の正式な確認は所属へ行い、相談や転職を急ぐ必要はありません。