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制度とお金 / 休暇

休職期間は勤続年数に入るか|退職手当・昇給・年金の違い

休職期間が「勤続年数に入るか」という質問は、何の制度の年数かを決めてから確認します。退職手当の算定、復職時の号俸調整、年金の加入、永年勤続の表彰は同じ計算ではありません。在職している期間が、すべての制度で同じ割合で数えられるとは限りません。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国の一般職に関する規定と地方の条例例を使い、病気等による休職期間の読み方を整理します。本人の任用区分、休職理由、期間、適用条例に基づく正式な計算は、人事・給与・共済等の各担当へ確認してください。

「勤続」を四つの目的に分ける

最初に質問の目的を明確にします。「休職は在職扱い」と回答を受けても、それだけで退職手当や昇給の扱いまで確定したとは考えないことが大切です。

調べたいもの確認する期間・根拠主な窓口
退職手当引き続く在職期間、除算、端数処理、適用範囲人事・退職手当担当
復職後の号俸休職理由別の換算、調整の条件と時点給与担当
年金被保険者資格、加入月、標準報酬、実施機関共済・年金の窓口
表彰・福利厚生個別の要綱等による在職・勤続の定義表彰等の担当

休職発令の開始日と終了日、復職日、過去に同じ理由で休職した期間を一覧にします。病気休暇、育児休業、自己啓発等休業など、名称が異なる期間は別の行にしてください。「勤務しなかった期間」と一括にすると、制度ごとの例外を見落とします。

国の退職手当は在職期間から除算する場合がある

国家公務員退職手当法第7条は、職員としての引き続いた在職期間を基本とし、採用された日の属する月から退職した日の属する月までの月数で計算します。ただし、同条第4項は、その中に一定の「休職月等」がある場合の除算を定めています。

一般の対象となる休職月等は、月数の2分の1に相当する月数を在職期間から除きます。職員団体への専従許可等については全月数の除算となる規定もあり、すべての休職を同じ割合で扱うわけではありません。

ここでいう休職月等は、同法第6条の4第1項で定義されています。休職等により現実に職務をとることを要しない期間のある月でも、現実に職務をとることを要する日があった月は除くという月の判定があります。単に休職の開始日から終了日までの日数を半分にして、採用からの日数を引く計算ではありません。

また、公務上の傷病、通勤による傷病に伴う休職等には、休職月等の定義から除かれるものがあります。一定の法人業務や学術研究等に従事する休職にも条件付きの扱いがあります。本人の休職理由を「病気」とだけ書いて、公務・通勤・私傷病を区別せず計算しないでください。

例えば、国の規定で除算の対象となる私傷病の休職月等が10月あり、他の例外がないという仮の条件なら、2分の1の5月を除算する計算となります。この例は、発令期間が10月なら必ず5月を引くという意味ではありません。対象となる月の判定を済ませた後の例です。

月の判定と端数処理の段階を区別する

国の同法第7条第6項は、計算した在職期間の1年未満の端数を原則として切り捨て、一定の場合には1年として扱う例外を置いています。第7項・第8項には別の計算をする場面についての規定もあります。

そのため、まず対象期間と除算月を確定し、その後に本人の退職理由や適用条項に応じた端数処理を確認します。除算した月数だけを見て「退職手当の勤続年数も同じだけ減る」と結論づけることはできません。月単位の計算と、最後の年数の計算を別に見ます。

「1か月以下なら必ず無視」「年の途中はすべて切上げ」といった一つの端数処理を全段階へ当てはめないことが重要です。担当へは、休職月等の判定、除算する月数、除算後の在職期間、最終的な勤続年数の順で示してもらえるか尋ねます。

退職手当には基本額とは別に調整額もあり、同法第6条の4に対象月等の規定があります。勤続期間から半分を除算するという説明を、そのまま調整額の対象月の扱いとして使うことはできません。見込額を照会する場合も、基本額と調整額の内訳を分けて確認してください。

地方の条例は国と同じとは限らない

地方公務員の退職手当は本人の自治体等の条例・規則を確認します。国の計算例をそのまま自治体職員の試算に使わないでください。

横浜市退職手当条例第4条は、在職期間を月数で計算し、一定の休職月等を2分の1除算する規定等を置いています。一方、同条の年未満の端数については、6月以下を切捨て、6月を超える端数を1年とする扱いや、死亡退職の例外等が定められています。国の原則と同じ説明で済ませられない具体例です。

同条例第2条には対象職員の範囲も定められています。会計年度任用職員や短時間の再任用等について、常勤職員と同じ退職手当があることを前提にしないようにします。本人の任用通知と適用規定、支給対象となるかどうかを先に確認します。

過去に他自治体や国の職員として勤めた期間がある場合も、自動で全部つながるとは限りません。引き続く採用か、過去の退職手当を受けたか等を担当へ伝え、通算の根拠を確認してください。民間転職後の退職金制度が公務員期間をどう扱うかも、別の会社規程の問題です。

昇給調整は退職手当の除算率とは別

国の人事院規則9-8第44条は、休職していた職員の復職等に際して、部内の他の職員との均衡上必要があると認められる場合に、期間を休職期間等換算表で換算し、号俸を調整できる仕組みを定めています。

調整の時点も、復職日、その後最初の昇給日又はその次の昇給日といった規定に沿って確認します。退職手当で一定期間の半分を除算するから昇給も半分、あるいは在職していたから全期間通常どおり昇給する、という対応ではありません。

地方では本人に適用される給与条例、初任給・昇格・昇給の規則等で確認します。質問するときは「休職理由と期間」「復職予定日」「どの表や規則を使うか」「調整が可能な時点」を示します。人事評価、実勤務の扱い、調整の可否を本人の印象だけで判断しないようにします。

年金加入は休職の除算と切り離して確認する

病気休職中も被保険者資格が続く場合、退職手当で期間が除算されるから同じ期間の年金記録がなくなる、という仕組みではありません。厚生年金保険法第19条は資格取得・喪失に基づく月単位の被保険者期間の計算等を定めています。

共済の資格と掛金については、地方公務員等共済組合法第39条・第114条等に基づき確認します。給与が無給になっても掛金が必要な場合があり、年金額の計算には加入期間だけでなく標準報酬等も関係します。「勤続に入る」だけでは年金額まで説明できません。

医療の短期組合員か、共済が扱う厚生年金の加入者かによっても担当が異なる場合があります。本人の記録を共済や年金の窓口で確かめてください。掛金の具体的な準備は休職中の共済と掛金で整理しています。

照会は制度別に資料をそろえる

本人の採用・異動・休職・復職の通知を時系列に並べ、別の勤務先の期間や過去の退職手当の受給の有無も記録します。そのうえで、退職手当の担当には計算表、給与担当には復職時調整、共済には加入月と標準報酬を尋ねます。

表彰やリフレッシュ休暇等の勤続条件を調べたい場合は、その制度の要綱や規則を別に求めます。退職手当の除算規定が、そのまま表彰の在職期間へ適用されるとは限りません。証明書に記載する在職期間とも目的が異なります。

将来の選択肢を調べたい場合は、公務員経験を活かせる仕事を任意の情報収集に利用できます。復職や現職継続を選ぶ場合にも、希望条件を整理する材料になります。

よくある質問

病気休職の期間は退職手当の勤続から全部除かれますか

国では対象となる休職月等を2分の1除算する規定がありますが、理由による例外や対象月の判定もあります。地方では条例等が根拠です。本人の休職理由と月別の計算を担当へ確認してください。

退職手当で除算されると年金の加入期間も減りますか

同じ計算ではありません。年金は被保険者資格と加入月等によって確認します。休職中の加入記録と掛金、標準報酬を共済・年金の担当へ尋ねてください。

在職証明書の期間も半分にして書きますか

退職手当の算定期間と証明書に記す在職期間は別です。提出先が求める事項を発行担当へ伝え、指定様式に基づく証明を受けます。本人が退職手当の計算を流用して書き換えないようにします。

働き方の希望を整理する場合は相談フォームを利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。連絡方法等を確かめたい場合はLINEの案内をご覧ください。療養や制度確認を優先し、相談を利用しない選択もできます。

出典

  1. 国家公務員退職手当法 第6条の4・第7条
  2. 横浜市退職手当条例 第2条・第4条・第8条の2
  3. 人事院規則9-8 第44条
  4. 厚生年金保険法 第19条
  5. 地方公務員等共済組合法 第39条・第114条
  6. 地方職員共済組合長崎県支部 標準報酬制

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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