制度とお金 / 休暇
公務員の短期介護休暇|介護休暇・介護時間との違い
介護のため短い時間だけ勤務を離れたい場合は、短期介護休暇の対象と使用単位を確認します。通院の付き添いや介護サービスの手続きも、国の制度では所定の世話に含まれます。ただし、家族の用事であればすべて取得できる、という制度ではありません。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国の一般職の短期介護休暇を起点に、対象、日数、給与、申請を整理します。本人の休暇承認は所属の人事・服務担当へ、給付は加入する共済等へ確認してください。介護の方法や医学的な状態は記事で判断しません。
短期介護休暇は特別休暇の一つとして確認する
人事院規則15-14第22条第1項第12号は、要介護者の介護その他の所定の世話をするため、勤務しないことが相当と認められる場合を定めています。国の案内では、日又は時間単位で使う有給の短期介護休暇です。
同じ介護という言葉でも、勤務時間法第20条の介護休暇、第20条の2の介護時間とは別です。窓口へ相談するときは、制度名だけでなく、何の世話のため、いつ、どれだけ勤務を離れる必要があるかを伝えます。
| 国の制度 | 確認する枠組み | 給与の基本 |
|---|---|---|
| 短期介護休暇 | 暦年5日、要介護者二人以上は10日の範囲 | 有給 |
| 介護休暇 | 所定の継続状態ごとに3回以内・通算6月以内の指定期間 | 勤務しない時間を減額 |
| 介護時間 | 所定の継続状態ごとに連続3年の期間内、一日2時間以内等 | 勤務しない時間を減額 |
この表は国の制度の比較です。地方の期間や給与、非常勤の条件を全国一律に示すものではありません。また、表にある制度を本人が希望する順序で必ず組み合わせられるという保証でもありません。
対象家族と状態は別々の要件になる
国の勤務時間法第20条は、要介護者について、配偶者、父母、子、配偶者の父母、その他人事院規則で定める者で、負傷、疾病又は老齢により所定の期間にわたって日常生活に支障があるものとしています。
規則15-14第23条は、祖父母、孫、兄弟姉妹等を定め、事実上父母又は子と同様の関係にある所定の者については同居の条件も定めています。すべての親族に同じ同居条件が付くわけでも、どの親族でも対象となるわけでもありません。
状態の期間は二週間以上です。これは二週間続けて休まなければ使えない、という意味ではありません。対象者の状態についての要件と、本人が今回使用する休暇の長さを分けて確認してください。
介護保険の認定や医療機関の説明を、本人だけで休暇の承認可否へ置き換えないようにします。所属が要介護状態を確認するために必要な事項と資料を尋ね、提出先をそろえます。認定区分や病名だけで記事から判断することはできません。
遠方の親族の場合も、別居だから一律対象外と決めず、続柄ごとの条件と必要な世話を確認します。移動が必要なら日程と経路等を整理し、その時間の扱いを担当へ尋ねてください。
通院の付き添いと手続きの代行も確認する
国の運用通知は、要介護者の介護に加え、通院等の付き添い、介護サービスを受けるために必要な手続きの代行、その他必要な世話を示しています。本人が直接身体の介助を行う場面だけに限る説明ではありません。
例えば、仮に対象家族の通院に付き添う日と、介護サービスの手続きを代行する日があるなら、それぞれの日程と行う内容を分けて申請先へ確認します。この仮例は本人の承認を保証するものではなく、質問を整理するための例です。
一方、家族のためという理由だけで、買物や旅行等の私用をすべて介護の世話として扱いません。対象の状態と必要性、本人が行う内容を説明し、どの制度の事由に該当するかを尋ねます。
家族間で担当を分ける場合も、職場が異なれば適用する制度や申請方法が違います。家族全員が同じ日数や同じ給与条件を持つと考えず、それぞれの勤務先で確認してください。
外の仕事も調べたい場合は公務員向け求人情報を確認できます。介護の事情を理由に仕事の判断を急ぐ必要はありません。
5日・10日の枠と時間換算を照合する
国の常勤職員の一の年は暦年です。要介護者一人の場合は5日、二人以上の場合は10日の範囲となります。一人につき10日を持つ仕組みではなく、その職員の対象となる人数と使用実績を確認します。
同じ家族について世話の内容が変わっても、通院用と手続き用に5日ずつ別枠が増えるわけではありません。使用した日と時間をまとめて確認し、次の請求で使える残りを人事の記録と合わせます。
規則15-14第22条第2項以後は、日又は時間を単位とし、残りをすべて使う場合の端数等も定めています。通常の勤務と短時間勤務等で日への換算が異なるため、すべての職員の5日を同じ時間数に置き換えないでください。
年の途中で勤務時間が変わる場合は、変更日と使用実績を示して再計算の要否を確認します。前年に使わなかった分を当然に繰り越せるとは考えず、本人の残数表示と規程で判断します。
非常勤は年度と2026年の有給化を確認する
国の非常勤職員は、規則15-15第4条第1項第17号等を確認します。集計は4月1日から翌年3月31日までの年度です。常勤の暦年の枠をそのまま当てはめません。
現行運用は週の勤務日が3日以上、又は週以外の期間で勤務日が定められる場合は年間121日以上の職員を示しています。任期や継続勤務に関する従前の6か月要件は2025年の見直しで削除されました。
さらに人事院は2026年4月から、非常勤の短期介護休暇を有給にする見直しを案内しています。対象要件の見直しと有給化の施行時期を分け、昔の無給の説明だけで現在の扱いを決めないことが大切です。
地方の会計年度任用職員は、国の非常勤の規則が直接適用されるわけではありません。勤務日数、任期、時間の換算、給与、必要書類を本人の規程で確認してください。
地方の例と共済の手当金を分ける
横浜市の一般職職員の例では、規則第4条に、休暇年度に5日、要介護者二人以上の場合は10日の短期介護休暇があります。条例第2条は特別休暇を有給としています。国と同じ日数でも集計期間等は異なるため、他の自治体へ一般化しません。
また、地方公務員等共済組合法第70条の4の介護休業手当金は、短期介護休暇の日数そのものとは別制度です。同法の通算66日という支給期間を、短期介護休暇の枠として使うことはできません。
東京都職員共済組合の案内は、対象の介護休暇を取得し手当金が報酬を上回る場合とし、半日・時間休暇を支給対象外と説明しています。有給の短期介護休暇に、別途同じ日数の手当金が自動的に上乗せされると考えないでください。
休暇の区分と給与は所属、給付は加入する共済等へ確認します。詳しい給付の条件は介護休業手当金でも整理しています。
申請前に必要な事項だけをそろえる
国の規則15-14第27条は原則として事前の休暇簿による請求と、やむを得ない場合の事後承認を定めています。急な通院等では、所属が指定する連絡先と、正式な申請を後で行う方法を確認します。予定の変更があれば、実際に勤務を離れた時間と当初の申請内容を照合し、修正の必要を担当へ尋ねます。業務の代理担当には、不在時間と案件の期限を必要な範囲で伝えます。
本人用の確認表には、対象家族との関係、状態の期間、行う世話、希望日・時間、使用済み分、必要資料を分けて書きます。資料の提出方法や閲覧範囲を聞き、不要な診療情報を共有欄や私的な連絡網へ流さないようにします。
介護の支援窓口と、職場の休暇承認窓口も分けて持ちます。職場の制度だけで介護方法を決めず、家族と専門の相談先で必要な支援を確認してください。
働き方の情報整理を希望する場合は相談フォームを利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。家族の診療資料を転職相談へ送る必要はありません。
よくある質問
二週間連続で休まないと使えませんか
国の二週間以上という要件は対象者の状態の期間に関するものです。本人が二週間休むという条件ではなく、今回の世話と必要な時間を確認します。
通院の付き添い以外の手続きにも使えますか
国の運用は介護サービスを受けるための必要な手続きの代行等も示しています。対象家族と世話の内容が要件に当たるか、所属へ確認してください。
共済の66日と合わせて休めますか
66日は所定の介護休業手当金の支給期間に関するもので、短期介護休暇の日数ではありません。休暇の承認と給与、給付の対象を分けて確認します。
情報収集だけの相談にはLINEも利用できます。現職を続ける判断を含め、本人が希望する範囲で仕事の選択肢を整理できます。