制度とお金 / 休暇
公務員のボランティア休暇|対象活動と申請の確認
ボランティア休暇は、無報酬で自発的に行う活動であれば、すべて自由に使える制度ではありません。国の例には対象活動や年間の期間、親族のみへの支援を除く条件等があります。自治体では「社会貢献活動休暇」などの名称もあるため、本人の規程で確認します。
本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。制度と申請の一般的な整理です。本人の活動が対象か、移動や給与、必要な証明は、所属の人事・服務担当へ確認してください。活動への参加を勧めたり、転職に必要な経験として求めたりするものではありません。
国の例は自発性・無報酬・活動内容を確認する
人事院規則15-14第22条第1項第4号は、自発的に報酬を得ず行う、所定の社会に貢献する活動について休暇を定めています。勤務しないことが相当と認められる必要もあり、活動の名称だけで対象が決まるわけではありません。
| 国の要件 | 確認する内容 |
|---|---|
| 自発的な参加 | 業務命令の活動と区別する |
| 報酬を得ない | 主催者の支払内容を確認する |
| 対象活動 | 災害支援、対象施設、日常生活支援等 |
| 親族だけの支援を除く | 支援の対象と内容を確認する |
| 期間 | 一の年の5日以内という枠を確認する |
主催者が募集の名前に「ボランティア」と書いていても、本人の休暇規程の要件を満たすとは限りません。活動先、支援する相手、実施内容、日程を確認してから担当へ照会します。
謝礼や実費の取扱いがある場合も、本人の判断で全てを報酬扱い又は全てを無報酬扱いにはしません。支払う名目と内容が分かる資料を示し、制度上の取扱いを担当へ確認してください。無給の活動であることだけで、対象活動の条件も満たすわけではありません。
災害支援・施設活動・生活支援を区分する
国の条文は、相当規模の災害が発生した被災地や周辺での被災者支援、指定された福祉施設等の活動、障害や負傷・疾病等により日常生活に支障がある人の介護や生活支援を挙げています。
人事院の運用通知第14は、災害の規模、対象の施設、支援の具体的な内容等を補足しています。地域の清掃、スポーツ大会の運営、文化活動等について、社会に役立つから必ず国の同休暇の対象と決めることはできません。規程のどの活動に当たるかを確認します。
例えば、仮に被災地での生活物資配布を計画する人なら、主催団体の募集要項、活動場所、担当内容、受入れの日程をそろえます。仮に親族の住居だけの片付けをする場合は、親族のみの支援の除外との関係があるため、同じ休暇で扱うとは考えません。
対象施設での活動も、施設名だけではなく、どの事業で誰を支援するのかを示します。所属が確認した活動と、実際に行う内容が変わる場合は、変更後の対象を再確認してください。
年5日は暦年と暦日の扱いを確認する
国の第22条第1項第4号は、一の年に5日の範囲内としています。運用通知は、この年を暦年、5日の取扱いを暦日としています。会計年度の四月開始や、勤務日だけの5日と自動的に読み替えません。
複数回参加する場合は、それまでの使用期間と今回の請求を合わせて確認します。別の主催者や別の活動なら毎回新しく5日が使える、という仕組みではありません。年をまたぐ予定も、各年の対象と請求を担当に確認します。
この枠を、あらゆる移動や私的滞在へ無条件に使うことも避けます。活動前後に移動が必要なら、活動日、移動の経路と時間、現地での予定を分けて伝え、休暇の対象となる期間を照会してください。
忌引のような遠隔地往復の加算規定を、そのままボランティア休暇へ持ち込むことはできません。どの日が対象で、どの部分に年次休暇等を別に申請するかを、本人の規程で確認します。
仕事の条件を調べたい場合は、公務員向け求人情報も材料にできます。応募のために新たなボランティア歴を作る必要はありません。
災害復旧・公務の応援・職務専念義務免除とは別
災害に関係する活動でも、自分の住居の復旧、被災者を支援する私的な活動、公務としての派遣では根拠が異なります。人事院規則15-14第22条には現住居の滅失等や出勤困難等の別の事由もあります。活動先が被災地であるという一点で、同じ区分へまとめません。
上司の命令で公務として応援に行く場合、本人が私的活動のため休暇を使う場合とは別に、勤務命令や出張等を確認します。自発的な参加を、当然に職務としての派遣や公務災害補償の対象と考えることもしません。
地方公務員法第35条の職務専念義務とその免除についても、本人の条例等の根拠を確認します。職務専念義務免除という名称を、ボランティア休暇を超えて使える全国共通の追加枠と捉えないでください。
どの制度を使うか分からない場合は、活動の目的と命令の有無を先に説明し、人事・服務担当へ適用区分を聞きます。取得しやすそうな制度名へ活動内容を合わせて申告するのではなく、実際の事実に沿って確認します。
地方の社会貢献活動休暇と任用別の条件を確認する
地方公務員法第24条第5項に基づく条件は、所属の条例・規則で確認します。横浜市の一般職職員の例では、条例第4条に社会貢献活動休暇があり、規則第4条は休暇年度に5日以内としています。国の暦年の数え方と同じではありません。
同市の規則は、対象の災害支援、施設活動、生活支援等を列挙し、親族のみへの支援を除く旨や親族の範囲を示しています。同じ社会貢献活動という名称でも、本人の活動を条文と対応させて確認する必要があります。
また、横浜市では条例第2条が特別休暇を有給としていますが、これは同条例の対象者の説明です。常勤、短時間、会計年度任用等で、適用規程や日数が同じとは限りません。
国家公務員の非常勤も規則15-15等を確認し、常勤の規則15-14にある5日の枠が当然に本人へ適用されるとは考えません。本人の任用を示し、対象となる休暇や別の手段があるかを所属へ質問します。
活動申込みと休暇の承認を分けて準備する
受入先に参加申込みをしたことと、所属で休暇が承認されたことは別です。人事院規則15-14第25条・第27条には、承認と原則事前の請求等が定められています。活動の日程を把握したら、所定の手順と必要資料を確認します。
| 準備する情報 | 確認する内容 |
|---|---|
| 主催・受入先 | 団体名、正式な募集、連絡先 |
| 活動内容 | 支援対象、場所、本人の役割 |
| 期間 | 活動日と必要な移動等の区分 |
| 支払 | 謝礼、交通費等の名目と内容 |
| 書類 | 事前の計画、参加後の証明等の要否 |
全国一律の参加証明書や保険加入証が必ず必要、と決めるものではありません。休暇の承認に必要な資料と、受入先が求める参加条件を別に確認してください。安全や補償等についても、活動先の正式な案内を確認します。
活動が中止になった、受入場所や担当が変わった、報酬の取扱いが変わった場合は所属へ連絡します。もとの計画の承認を別の活動へそのまま使えると決めないでください。取得後の実績報告や証明が必要なら、提出先と期限を確認します。
仕事の引継ぎは所属の方法で行います。活動の写真や支援対象者の情報を、本人の転職資料へ自由に使えるわけではありません。本人の活動記録と、支援先の個人情報や非公開情報を分けて扱います。
制度の分類は特別休暇の種類でも確認できます。給与の取扱い、勤務実績に関係する手当、別の活動との併用についても、それぞれの担当へ確認します。
勤務条件や経歴の整理が必要な場合は相談フォームを利用できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。活動へ参加した実績がなくても相談できます。
継続して参加する活動の場合も、過去の承認を今年の活動へ無条件に当てはめないでください。対象となる年、使用済み日数、活動内容の変更を確認します。照会結果には、担当部署、回答日、申請時に必要な事項を残しておくと、主催者と所属の連絡を別々に整理できます。
よくある質問
無報酬ならどんな活動でも国の休暇を使えますか
対象活動など他の要件もあります。災害支援、指定施設、生活支援等のどの区分に当たるか、実際の活動内容を示して確認します。
親族の家の片付けにも同じ休暇を使えますか
国の同休暇は専ら親族への支援となる活動を除いています。災害等の別の制度に該当するかは、本人の事情と規程を所属へ確認してください。
国も自治体も年度ごとに5日ですか
国の運用は暦年です。横浜市の一般職の例は休暇年度の5日以内で、数える期間等が異なります。本人の任用と規程で確認します。
情報収集の相談にはLINEも利用できます。活動への参加や転職を決めず、現職を続けながら条件を整理することもできます。