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制度とお金 / 年金

在職老齢年金|再就職後に年金はどうなるか

公務員を退職して再就職した後、給与を受け取ると年金がすべて止まるわけではありません。在職老齢年金では、働き方と年金の種類、所定の報酬・年金額を使って支給停止を確認します。受取口座の合計額や手取り給与だけでは判定できません。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。地方公務員の共済期間がある方を中心とした一般的な整理です。本人の支給停止や改定は、共済組合・年金事務所へ勤務条件と通知書を示して確認してください。

まず対象の働き方と年金名を確認する

厚生年金保険法第46条は、在職中の老齢厚生年金の停止を定めています。厚生年金に加入して働く場合のほか、70歳以後も適用事業所で所定の条件で働く場合等が対象になります。

再就職先が民間か自治体かという名称だけで決めず、厚生年金の加入資格と勤務条件を確認します。短時間勤務であっても適用対象となる場合があります。反対に、仕事をしているという事実だけで、すべての収入をこの制度へ当てはめるものではありません。

老齢厚生年金のうち報酬比例部分が中心で、老齢基礎年金はこの在職停止の対象ではありません。共済独自の職域部分や年金払い退職給付は、後述の別の確認が必要です。

手元で分ける項目確認の理由
老齢基礎年金在職老齢年金による停止とは区分
老齢厚生年金の報酬比例部分基本月額の対象を確認
加給年金・経過的加算等基本月額への含め方と停止を別確認
経過的職域加算額公務員としての再加入等で扱いを確認
年金払い退職給付共済独自の停止要件を確認

基本月額と総報酬月額相当額をそろえる

基本月額は、加給年金額等を除いた老齢厚生年金の対象部分を月額にした数字です。共済と日本年金機構の両方から老齢厚生年金を受ける場合は、両方の対象部分を合わせます。一方の振込額だけを使わないでください。

総報酬月額相当額は、その月の標準報酬月額と、その月以前一年間の標準賞与額の合計を十二で割った額を合わせます。税金や社会保険料を引いた後の給与ではありません。賞与を受け取った月だけの計算とも異なります。

給与明細の総支給額と標準報酬月額が一致するとは限りません。勤務先の給与・社会保険担当に、どの標準報酬と賞与記録を使うか確認します。転職後の給与が変わった場合も、本人が新しい月給だけへ即座に置き換えると、実際の計算とずれることがあります。

確認表には、対象月、年金の対象年額、基本月額、標準報酬月額、対象となる賞与期間を分けて書きます。年金振込には複数月分や税・保険の控除が含まれる場合があるため、入金額を十二倍して年額に戻す方法は避けます。

2026年度の基準で計算する

日本年金機構は、2026年4月からの支給停止調整額を月65万円と案内しています。これは、基本月額と総報酬月額相当額を合わせた額の基準です。給与単独や年収の上限を表す数字ではありません。

両者の合計がこの基準以下なら対象の老齢厚生年金は全額支給です。超える場合は、超過分の二分の一を基本とする停止額を確認します。停止額が対象の年金額以上となる場合は、全部停止の扱いがあります。

仮に、計算上の基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準を二万円超える例なら、停止月額の基本的な計算は一万円です。これは仕組みを示す仮例で、本人の税引後収入や加給を含むすべての入金を確定する試算ではありません。

基準額は年度により見直されます。法律に置かれた基準と年度改定後の適用額、古い共済案内の例示額を混同しないことが必要です。2026年度分の確認では、機構の当該年度の案内を使います。将来の勤務については、その時点の基準を改めて確認してください。

共済と機構の停止額は合算して按分する

厚生年金保険法第78条の29には、複数の種別の期間を持つ人の停止に関する特例があります。機構の改正案内も、すべての老齢厚生年金を合わせて停止総額を計算し、それぞれの年金額に応じて割り振ると説明しています。

共済分と民間分のそれぞれに基準を一つずつ使い、両方とも基準以下だから停止なし、と判断することはできません。逆に、同じ停止総額をそれぞれの年金から重ねて引く計算でもありません。

本人は共済と機構の年金額改定通知書等を並べ、計算の対象額、停止総額、各機関の停止額を照合します。回答を求めるときは、ほかの実施機関の年金があることを伝えます。どちらかの通知だけに相違が見える場合も、両方の基準日と対象月を確認してください。

厚生年金基金等の代行部分がある場合も、通帳に入る機構の年金額だけでは基本月額を確かめられません。加入歴を示し、担当の案内に従って対象額を確認します。

職域部分と共済の退職給付を同じ式で止めない

地方職員共済組合埼玉県支部の案内は、老齢厚生年金、経過的職域加算額、年金払い退職給付を分け、公務員として再加入する場合と民間等へ再就職する場合を区分しています。

公務員の一般組合員等として再び働く場合には、職域部分や退職給付に全額停止の扱いが関係します。民間で働く場合に、同じ共済独自の部分まで給与額に応じて一律に減ると考えるものではありません。短期組合員と、年金の長期制度の対象となる資格も区別します。

この共済案内には古い基準額の計算例も残るため、在職老齢年金の年度額は機構の2026年度案内で確認します。給付の区分を知る資料と、現行基準を計算する資料の適用時点を分けて読みます。

加給年金額は基本月額から除く一方、老齢厚生年金の対象部分が全額停止となると、加給も停止となる扱いがあります。「計算から除くから必ず全額受け取れる」という意味ではありません。配偶者側の受給権等による別の停止も含め、加給年金の記事を確認できます。

70歳以後の停止と加入期間の改定を分ける

機構は、70歳以後に適用事業所で働く場合、厚生年金の被保険者ではなくても在職停止が関係すると説明しています。計算には標準報酬に相当する額を使います。厚生年金保険料を負担していないことだけで、年金停止もないと判断しないでください。

一方、70歳までの厚生年金加入期間は年金額の計算へ追加されます。厚生年金保険法第43条には在職中や退職後の改定の規定があります。機構の現行案内では、65歳以上70歳未満の対象者について、毎年九月一日の資格等を基に十月分から見直す在職定時改定を説明しています。

支給停止額が変わることと、加入期間の追加により本来の年金額が改定されることは別です。勤務を続けた後の通知では、年金の本来額と停止額の両方を確認します。退職直後の再就職や基準日をまたぐ資格異動があるときも、日付を示して扱いを尋ねてください。

繰下げても停止相当分が全部増額されるわけではない

年金を請求せず繰下げを選ぶ場合、在職老齢年金で停止される額に相当する部分は、繰下げ加算の対象から除かれます。日本年金機構は、待機中の在職状況を含めた計算を案内しています。

「働いている間は受け取らず、後で全額に増額率を掛ける」という単純な比較は避けます。基本月額、報酬、停止相当分、加給等の不支給期間を分けて試算します。受給時期の選択そのものは、繰上げ・繰下げの考え方も参照してください。

在職による停止分は、そのまま個人の積立残高として保管され、退職後にまとめて返ってくるお金ではありません。加入期間の追加による年金額改定と、過去に停止された年金の精算は混同しないでください。通知の訂正など別の事情がある場合は、対象月と理由を担当に確認します。

再就職前後の確認を三段階に分ける

再就職前は、勤務先の加入条件と報酬・賞与、受給中の年金の種類をまとめます。採用後は、実際の標準報酬等がどう届出されるかを勤務先に確認します。停止等の通知が来たら、対象月、各年金の内訳、勤務記録との相違を照合します。

退職や賃金変更の直後に入金額が変わらなくても、反映時期や精算の可能性があります。本人が次回入金額を決めつけて使わず、確認中の金額と確定分を分けておきます。税・医療保険・介護保険等への影響は、在職停止と別の制度として担当へ照会します。

仕事の条件を本人の希望で比較する場合は、公務員経験に関係する求人も材料になります。停止額の計算から、応募や退職を直ちに決める必要はありません。

よくある質問

働いていれば老齢基礎年金も止まりますか

在職老齢年金による停止の対象は老齢厚生年金の所定部分です。老齢基礎年金はこの制度による停止の対象ではありません。別の給付や控除とは分けて確認します。

70歳で保険料を納めなくなれば停止はなくなりますか

70歳以後も適用事業所で所定の条件で働く場合、在職停止が関係します。勤務先と年金窓口で対象資格や報酬相当額を確認してください。

共済と機構から受けていれば別々に基準を使いますか

対象の老齢厚生年金を合算して停止総額を計算し、年金額に応じて按分します。一方だけの額で判定せず、両方の通知を提示します。

希望する働き方を整理する場合の相談フォームは任意です。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。LINEの案内を読むだけでも構いません。個別の年金計算は共済・年金事務所等が窓口です。

出典

  1. 厚生年金保険法 第43条・第46条・第78条の29
  2. 日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
  3. 日本年金機構 在職老齢年金制度が改正されました
  4. 日本年金機構 勤めていても年金は受けられますか
  5. 日本年金機構 年金の繰下げ受給
  6. 地方職員共済組合埼玉県支部 長期給付 第8節の給付区分

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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