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制度とお金 / 失業給付と税金

年金の課税の仕組み

年金を受け取りながら働く場合や、転職先の企業年金を確認する場合は、まず年金の種類を分けて税の仕組みを見ます。老齢年金、公的な障害・遺族年金、企業年金、個人年金保険は同じ扱いではありません。公的年金等の税の計算でも、収入金額と所得金額を区別します。

本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国内の居住者の一般的な所得税の取扱いを中心に説明します。本人の給付名と通知は年金の支払者・年金事務所・共済組合、申告は税務署、住民税は市区町村へ確認してください。

公的年金等は税の区分として確認する

所得税法第35条は、公的年金等に係る雑所得の計算を定めています。老齢基礎年金や老齢厚生年金などでは、公的年金等の収入から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を確認する仕組みが関係します。

国税庁No.1600は、国民年金法、厚生年金保険法、共済組合法等による年金のほか、過去の勤務によって会社から支払われる年金や、確定給付企業年金なども、公的年金等の区分に含む例として示しています。

したがって、民間企業の制度だから公的年金等ではない、と名前だけで判断することはできません。転職先に企業年金がある場合は、制度の正式名称、年金と一時金のどちらで受け取るか、支払者からどの資料が交付されるかを確認します。

一方、生命保険契約などによる個人年金は、公的年金等の区分とは異なります。受け取りが定期的で年金と呼ばれていても、すべてに公的年金等控除を使えるわけではありません。制度ごとの通知を分けて保管してください。

年金の収入と所得と振込額を分ける

銀行に入る年金は、税や保険料等が差し引かれた後の額である場合があります。その振込額を、そのまま税の収入金額として集計しないようにします。源泉徴収票や支払通知で、支払金額と差引額の内訳を確認します。

公的年金等控除は、収入から所得金額を計算するための控除です。基礎控除や社会保険料控除など、所得から差し引く所得控除とは段階が異なります。控除の名前だけを見て同じものと考えず、どの計算で使うかを分けてください。

公的年金等に係る雑所得の計算は、年齢、公的年金等の収入合計、公的年金等以外の所得などによって変わります。受取口座ごとに独立した控除枠があると考えず、対象となる年金を把握します。複数の支払者がある場合は、それぞれの票をそろえて確認します。

給与を受けながら年金を受け取る場合も、給与の支払金額と年金の支払金額をそのまま一つの所得欄へ足すものではありません。給与所得と公的年金等の雑所得を区分して計算し、ほかの控除や申告条件を確認します。

確認するもの見るポイント
年金の種類公的年金等、個人年金保険、非課税年金など
受取方法年金、一時金、併用のどれか
収入の資料振込額と支払金額、保険料等の差引きの違い
所得計算控除の種類、年齢、ほかの所得、複数の支払者
税の手続き源泉徴収、申告義務、還付申告、住民税申告

障害年金・遺族年金を老齢と同じにしない

国民年金法第25条は公課の禁止を定めつつ、老齢基礎年金と付加年金をその例外としています。厚生年金保険法第41条も、公課の禁止と老齢厚生年金の例外を定めています。老齢と障害・遺族を分ける根拠を確認する必要があります。

日本年金機構は、公的な障害年金・遺族年金は所得税等の非課税で、源泉徴収票は送付しないと案内しています。受給している年金が非課税だから、ほかに受け取る給与や別の年金もすべて非課税になるわけではありません。

遺族へ支払われたお金にも区分があります。国税庁No.1605は、公的な遺族年金と、亡くなった受給者に支給されるはずだった未支給年金を区別しています。受取人が遺族であることだけで、すべて同じ税の扱いとしないでください。

民間の個人年金保険や企業年金に関係する遺族の受取りも、公的な遺族年金と名前だけでまとめません。給付の根拠、受給権、保険料の負担者などを確認し、相続税等の確認が必要な場合は税務署へ照会します。

今後の働き方は、公務員経験を生かせる求人でも調べられます。給与の条件と年金の受取り・税の条件を、それぞれ確認して比較してください。

iDeCoなどは年金と一時金で確認が変わる

iDeCoの公式案内では、老齢給付金を年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金では退職所得控除の対象となると説明しています。控除の対象になるということは、受取額がすべて無条件に非課税になるという意味ではありません。

公的年金等として受け取る場合は、老齢基礎年金などほかの対象年金も含めて所得計算を確認します。iDeCoだけに別の公的年金等控除を満額使い、ほかの年金にも重ねて同じ控除を使えると考えないようにします。

一時金の受取りでは、一般の退職手当やほかの一時金と、勤続・加入期間や受給年の調整が関係することがあります。税のためだけに受取時期を決めず、制度上選べる方法と本人の受給歴を確認してください。退職所得控除の計算も参照できます。

企業型確定拠出年金や確定給付企業年金についても、正式な制度と給付方法を支払者へ確認します。会社に年金制度があるという説明だけで、将来の給付額や課税が確定するわけではありません。

個人年金保険は公的年金等控除と別に計算する

国税庁No.1610では、保険料を負担した本人が受け取る個人年金は、公的年金等以外の雑所得として説明しています。受取額から、その年金額に対応する払込保険料等を差し引く計算であり、公的年金等控除をそのまま使うものではありません。

保険料の負担者と受取人が違う場合には、税の種類や計算に別の確認が必要です。契約者名だけでは実際の保険料の負担関係が分からない場合もあるため、契約と支払記録を確認してください。

また、個人年金で源泉徴収が行われないことと、所得が非課税であることは同じではありません。支払時の徴収条件と、年間の所得を申告する必要があるかを分けて確認します。公的年金等の申告不要制度を、個人年金保険へ直接当てはめないようにします。

源泉徴収と確定申告の要否を分ける

所得税法第203条の2は、公的年金等の支払時の源泉徴収義務を定めています。支払者が税を差し引くことと、本人の一年分の税がすべて精算済みであることは同じではありません。

所得税法第121条には、公的年金等の申告不要の取扱いがあります。公的年金等の収入合計が400万円以下で、その全部が源泉徴収の対象となり、公的年金等の雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合などに確認します。給与、業務所得、個人年金等がある場合は別の所得を見落とさないようにします。

収入合計と所得金額を混ぜないことも重要です。400万円の判定は公的年金等の収入、20万円の判定は対象となるほかの所得金額です。外国の年金など、源泉徴収の対象とされない公的年金等がある場合には、申告不要制度を使えないことがあります。

申告不要の場合でも、医療費控除などを受けて還付を求める申告ができることがあります。一方、所得税の申告をしない場合の住民税申告は別に確認します。公的年金等の支払者へ扶養親族等申告書を提出したことだけで、市区町村へのすべての手続きが終わるわけではありません。

税の申告について資料をそろえつつ、仕事の方向性は相談フォームでも整理できます。個別の計算は税務署へ、受給記録や通知は年金の支払者へ確認しましょう。

2026年の源泉徴収と十二月の精算を区別する

日本年金機構の2026年6月17日の改正案内は、2026年分の所得税について、十一月の年金支払いまでは改正前の基礎的控除額で源泉徴収し、十二月の支払いで改正後の所定の基礎的控除額により年間の税額と徴収済み額を精算するとしています。

この精算で還付額が生じれば、原則として還付する案内です。ただし、すべての受給者に同じ額の還付があるという説明ではありません。また、十二月に精算されることを理由に、ほかの所得や所得控除の申告確認まで不要とは考えないでください。

同じ案内では、2026年分の改正で新たに扶養親族等の要件を満たし、扶養控除等を受ける場合は、原則として確定申告が必要としています。年金からの徴収の精算と、家族の状況に応じた控除の手続きを分けて確認します。

個人住民税の控除に関係する扶養親族等申告書の提出対象の拡大と、2027年分の申告書の送付も案内されています。2026年分の精算と、翌年分の申告書は対象時期が違います。受け取った書類の年分を確かめ、今年の通知を翌年の計算へそのまま写さないようにします。

通知と源泉徴収票を年分ごとに保管する

複数の年金や給与がある場合は、支払者ごとの票と年分をそろえます。源泉徴収票に訂正がある場合には、旧版と新版を別の収入として足さず、発行元と申告先へ扱いを確認してください。

非課税の年金については、そのことだけで健康保険の被扶養者の収入にも含まれないとは限りません。税と保険の認定は別の制度です。保険者が求める給付名、受給予定、通知等を示して確認します。

よくある質問

企業年金には公的年金等控除を使えませんか

制度によります。確定給付企業年金など公的年金等に含まれるものがあります。個人年金保険とは区別し、正式な制度と受取方法を確認してください。

年金から所得税が引かれていれば確定申告は不要ですか

徴収済みというだけでは決まりません。申告不要制度の条件、ほかの所得、受けたい控除を確認します。所得税の申告が不要でも住民税申告が必要な場合があります。

障害年金や遺族年金も老齢年金と同じ欄へ入れますか

公的な障害・遺族年金は非課税で、老齢年金等の課税計算と区別します。本人の市区町村等で必要な申告と記載欄を確認し、課税所得へ混ぜないようにしてください。

年金の税は、種類、受取方法、所得計算、徴収、申告を分けて整理します。働き方の希望はLINEの相談窓口でも相談できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。

出典

  1. 所得税法 第35条・第121条・第203条の2
  2. 国民年金法 第25条
  3. 厚生年金保険法 第41条
  4. 国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
  5. 国税庁 No.1605 遺族の方に支給される公的年金等
  6. 国税庁 No.1610 本人が支払を受ける個人年金
  7. 日本年金機構 令和8年度税制改正による公的年金等に係る主な改正事項
  8. 日本年金機構 障害年金や遺族年金と源泉徴収票
  9. iDeCo公式 iDeCoのメリット

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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