エージェントベストジョブ財政課転職PUBLIC → PRIVATE 無料で相談する

制度とお金 / 失業給付と税金

財形貯蓄の課税の扱い

給与から天引きする財形貯蓄は、すべて非課税になる制度ではありません。一般財形と、財形年金・財形住宅では利子等の扱いが異なります。また、非課税といっても、毎月の積立額がそのまま給与所得から控除されるという意味ではありません。

退職や転職では、積立の中断、契約の継続、払出しの目的を分けて確認します。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。一般的な制度を整理し、本人の契約と手続きは勤務先の福利厚生担当・取扱金融機関、個別の課税は税務署に確認してください。

給与の天引きと所得控除は同じではない

勤労者財産形成促進法第6条は、財形貯蓄の契約を定めています。勤務先を通じ、給与からの控除で金融機関などへ積み立てる仕組みです。給与明細では社会保険料や税と同じ控除欄などに載る場合がありますが、天引きされる項目がすべて税務上の所得控除になるわけではありません。

財形貯蓄の非課税措置は、一定の契約に係る利子や収益の分配、所定の差益などについての制度です。毎月積み立てる元金を給与収入から差し引き、残りだけを課税対象にする制度と混同しないようにします。

また、財形には預貯金型のほか保険型などの契約があります。租税特別措置法第4条の4は、財形契約に基づく生命保険等の差益の扱いと、保険料について生命保険料控除等を適用しないことを定めています。保険会社の商品だから一般の生命保険料控除も使える、とは判断できません。

本人が確認する最初の資料は、給与明細だけでなく契約の種類が分かる証書や残高通知です。共済組合の貯金、互助会の積立、財形貯蓄は別の制度なので、略称だけでまとめないようにしてください。

一般・年金・住宅の三種類を分ける

厚生労働省は、一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄を区分して案内しています。目的、積立や払出しの条件、非課税措置が異なります。給与から同じように天引きされても、その後の使い方まで共通ではありません。

種類主な目的利子等の確認
一般財形使途を限定せず積み立てる年金・住宅と同じ財形の非課税措置はない
財形年金契約に沿って老後の年金として受け取る所定の要件と限度の下で非課税措置
財形住宅持家の取得・増改築等に使う所定の要件と限度の下で非課税措置

租税特別措置法第4条の2は財形住宅、第4条の3は財形年金の利子所得等の非課税を定めています。国税庁No.1316・No.1319は、両方を有する場合は、合わせて最高550万円の枠であると説明しています。それぞれ独立して同額の枠を二つ使えるわけではありません。

財形年金の保険料・共済掛金などには別の限度もあるため、商品による数え方を確認してください。残高だけでなく、金融機関に設定した口座限度額や、他方の財形契約との合計の扱いを確かめることが大切です。

一般財形についても、非課税措置がないことと、預けた元金全体へ税がかかることは違います。利子等の課税と、本人が払い戻す元金を区別します。保険型などの場合は差益や解約時の扱いを金融機関へ確認してください。

目的に沿う払出しでも必要な条件を確認する

財形住宅では、持家の取得や増改築など、制度に沿った使い方かを確認します。「住まいに使うお金」というだけで、引越し代や家賃なども同じように対象となると考えることはできません。住宅や工事の要件、必要書類を契約先に確認します。

厚生労働省の案内には、住宅の登記事項証明書、契約書などの資料が示されています。具体的な住宅の要件は改正される場合があるため、購入や工事を予定するときの最新の説明に沿って確認してください。書類をそろえる前に自己判断で払出しを進めないようにします。

財形年金では、所定の時期から年金として受け取るための契約と申告手続きを確認します。厚生労働省は、非課税の払出しには非課税適用申告書や退職等申告書などが必要と案内しています。受取開始の予定が近い場合は、勤務先と金融機関に連絡します。

財形年金を受け取ることを、公的年金と同じ所得区分の課税と即断することも避けます。財形年金は自分の財形契約に基づく受取りであり、非課税の要件と商品に応じた扱いを確かめます。名前に年金があるという理由だけで、すべて同じ申告欄にまとめないでください。

仕事内容や福利厚生の条件を比較する入口として、掲載中の求人一覧も使えます。財形の継続可否は、応募先の担当者に具体的な制度を確認してください。

目的外の払出しは利子等の遡及課税に注意する

財形年金や財形住宅を本来の目的以外で払い出す場合、国税庁は原則として五年間さかのぼって課税されると説明しています。非課税措置を受けた利子等についての扱いであり、払出す元金全額へ一律に税を掛けるという意味ではありません。

契約の種類によって、利子、分配、差益のどの部分をどう精算するかを確認します。金融機関には目的外払出しに該当するか、税の見込み、解約の扱い、受取額と処理の日程を尋ねてください。税の確認と、商品の契約上の取扱いを分ける必要があります。

災害や疾病等の一定の事情による払出しには、非課税の特例が設けられています。ただし「生活費が必要」「退職した」という事情だけで自動的に適用されるわけではありません。特定受給資格者・特定理由離職者など、失業に関するものにも限定された条件があります。

厚生労働省は、こうした一定の理由の払出しでは税務署の確認を受ける手続きを案内しています。本人が対象と考えた場合も、払出し前に必要な確認書類や手順を金融機関と税務署へ照会してください。通常の解約をした後でも同じ扱いになる、と決めつけないようにします。

積立中断と退職時の非課税継続は分けて見る

財形年金・財形住宅では、厚生労働省は最後の給与天引きによる預入日から、次の預入等がないまま二年が経過すると非課税措置を受けられなくなると案内しています。この起点は、必ず退職日と同じになるわけではありません。最後の実際の預入日を金融機関へ確認します。

一方、一般財形の中断には法令上の特段の制限がないとされていますが、契約上の期間制限などがある場合があります。非課税制度がないから何の手続きも必要ない、と考えず、勤務先と金融機関の契約上の取扱いを確認してください。

財形年金には、積立期間の終了後などに退職した場合、一定の手続きによって非課税適用を継続できる場合があると国税庁が説明しています。年金受取りを予定している段階の人へ、退職後は全員二年で非課税を失う、と一括して説明することはできません。

また、海外転勤や育児休業等には所定の手続きによる継続特例があります。退職、積立中断、休業は同じ出来事ではないため、本人の状況を正確に伝え、どの制度で処理するかを確認します。例外の適用を受けるための提出時期にも注意が必要です。

転職先で継続する場合は解約前に照会する

厚生労働省は、転職先に財形制度が導入されていれば、勤務先異動申告書などの手続きで継続できると説明しています。入社しただけで、旧勤務先の天引きと同じ条件が自動的に始まるわけではありません。新旧の担当者と契約先へ連絡します。

新勤務先が同じ金融機関を取り扱っていない場合も、退職等の日から二年以内に別の金融機関へ預け替えて継続できる仕組みが案内されています。こちらは預け替えに関する起点であり、最終天引預入日から数える中断の説明とは区別してください。

本人は、一般・年金・住宅のどの契約を新勤務先で扱うか、対象金融機関、必要書類、最初の積立予定日を確認します。残高をいったん普通預金へ払い出してから再加入すれば同じ継続になる、とは考えず、解約や払出しをする前に正式な移管方法を尋ねます。

仕事の条件や入社時期の整理には、相談の申込みも利用できます。財形の税と契約の確定は金融機関等へ、仕事の希望は相談先へ、それぞれ確認して進めましょう。

担当者へ伝える情報を一枚にまとめる

照会の前には、契約の種類、金融機関、契約番号、残高、最終預入日、積立終了時期、退職予定日、転職先の制度を整理します。非課税枠の限度や、目的に沿う払出しの予定がある場合も記録してください。

確認したいのは、継続できるか、どの期限が本人に適用されるか、手続き中の積立をどうするか、払出す場合の課税と受取額です。旧勤務先の提出締切、金融機関の処理期間、新勤務先の給与計算の開始時期は、それぞれ異なる可能性があります。

税制上の条件と商品ごとの条件を一度に推測せず、どの回答をどの窓口で得たかを記録します。退職や契約変更の予定が変わったときは、その情報を更新して照会し直してください。確認できた受取額と時期を、生活費の予定へ反映します。

よくある質問

財形の積立額は年末調整で所得控除になりますか

給与からの天引きと所得控除は同じではありません。財形年金・住宅の非課税措置は一定の利子等に関するもので、積立元金をそのまま給与所得から差し引く制度ではありません。

退職すれば財形年金・住宅は必ず解約ですか

転職先での継続や、財形年金の積立終了後などの手続きも確認します。本人の契約と段階によるため、解約前に金融機関と勤務先へ照会してください。

二年の期限はどの日から数えますか

中断の非課税要件は最終の給与天引預入日、転職時の預け替えの案内は退職等の日を起点としています。制度ごとの違いがあるので、本人に適用される日付を担当者に確認してください。

財形の税は、契約の種類、利子等の扱い、払出しの目的、継続手続きの順に確かめます。働き方の希望はLINEの相談窓口でも整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。

出典

  1. 勤労者財産形成促進法 第6条
  2. 租税特別措置法 第4条の2・第4条の3・第4条の4
  3. 厚生労働省 財形貯蓄制度
  4. 国税庁 No.1316 財形住宅貯蓄
  5. 国税庁 No.1319 財形年金貯蓄

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

「自分の経験に、どこで値段が付くのか」から相談できます

在職中でも、情報収集だけでも構いません。応募する求人が決まっていない段階のほうが、むしろ整理する意味があります。ご利用はすべて無料です。