選考対策 / 面接
適性検査(SPI・玉手箱)の準備
書類が通ると、面接の前後に検査を課されることがあります。
実施の有無、種類、形式は、会社によって異なります。募集の案内や、選考の案内に記載があれば、そちらが確実です。
代表的なものとして、いくつかの検査の名称が知られていますが、内容や出題の範囲は実施する会社と提供する事業者によって違います。
この記事では、種類を問わず共通する準備を扱います。
筆記による試験は、制度上の一方法です
この形式は、役所の採用でも使われています。
地方公務員法第20条です。
> 採用試験は、受験者が(中略)標準職務遂行能力及び当該採用試験に係る職についての適性を有するかどうかを正確に判定することをもつてその目的とする。>> 2 採用試験は、筆記試験その他の人事委員会等が定める方法により行うものとする。
筆記試験その他の方法により行う。
公務員試験を受けて入庁した方は、この形式を経験しています。教養試験、専門試験、論文。形式は違っても、時間内に処理する試験の経験はあります。
ここが、公務員の方の有利な点です。まったく初めての形式ではありません。
3つの層に分かれる
多くの検査は、次の3つのいずれか、または組み合わせとされています。
| 層 | 内容 | 準備 |
|---|---|---|
| ① 言語 | 文章の読解、語句の意味、文の並べ替え | 短時間で要旨を取る練習 |
| ② 非言語 | 計算、割合、確率、図表の読み取り | 公務員試験の数的処理に近い |
| ③ 性格 | 行動の傾向を問う設問 | 対策より、一貫性 |
②は、公務員試験を受けた方にとって、最も取り戻しやすい部分です。
数的推理、判断推理、資料解釈。扱う範囲は違いますが、時間内に処理する感覚は残っています。
準備の優先順位
| 順 | 何をするか |
|---|---|
| 1 | 形式と時間配分を知る(1問あたり何秒か) |
| 2 | ②の計算を、手を動かして思い出す |
| 3 | ①の読解を、時間を計って解く |
| 4 | 電卓の使用の可否を確認する |
1つ目が最も重要です。
多くの検査は、時間に対して問題数が多いとされています。1問に時間をかけすぎると、最後まで到達しません。
「分からない問題は飛ばす」という判断が、点数を左右します。これは、公務員試験と同じです。
性格の検査は、取り繕わない
③について、方針は1つです。
正直に、一貫して答えてください。
| ✕ | 理由 |
|---|---|
| 望ましいと思う答えを選ぶ | 同じ趣旨の設問が繰り返し出るため、矛盾が生じます |
| 極端な答えを避ける | 判断が曖昧と受け取られることがあります |
| 時間をかけて考える | 直感で答えるほうが一貫します |
この検査の結果は、多くの場合、面接での質問の材料として使われます。
「慎重に判断する傾向が出ていますが、ご自身でもそう思われますか」といった形です。このとき、検査の結果と自己認識がずれていると、説明が難しくなります。
役所の仕事で身につく傾向(確認を重視する、手順を整える、前例を参照する)が出ても、問題ありません。その傾向は、職種によっては求められているものです。
受験の形式
会社によって、次のいずれかで実施されます。
| 形式 | 注意 |
|---|---|
| 自宅などで受験 | 通信の状態を確認。途中で切れないように |
| 指定の会場で受験 | 本人の確認の書類が必要な場合があります |
| 会社で受験 | 面接と同日に実施されることがあります |
自宅で受験する場合、受験の期限が設定されていることが多いです。在職中の方は、期限に余裕を持って取り組んでください。
期限の直前に、通信の不具合で受験できなかったという事態は避けたいところです。
非言語で出やすい範囲
種類によって出題の範囲は異なりますが、共通して扱われることが多いのは次の範囲とされています。
| 範囲 | 内容 | 公務員試験での呼び方 |
|---|---|---|
| 割合と比 | 増減率、構成比、歩合 | 数的推理の基本 |
| 損益の計算 | 原価、定価、利益 | 数的推理 |
| 速度と時間 | 距離・速さ・時間の関係 | 数的推理 |
| 集合 | 重なりのある集団の人数 | 判断推理 |
| 図表の読み取り | 表やグラフから数値を読む | 資料解釈 |
| 確率・場合の数 | 組み合わせ、順列 | 数的推理 |
6つとも、一度学習した範囲です。
1つ1つを解き直す必要はありません。それぞれ2〜3問ずつ解いて、解法を思い出せるかを確認するだけで足ります。思い出せない範囲だけ、あらためて手を動かしてください。
とくに、図表の読み取りは、実務で日常的にやっていることです。決算の資料、統計の表、事業の実績。この範囲は、ほぼ準備が要りません。
公務員試験の経験が効く場面
| 検査の要素 | 公務員試験での対応 |
|---|---|
| 図表の読み取り | 資料解釈 |
| 割合・速度・濃度の計算 | 数的推理 |
| 論理の整理 | 判断推理 |
| 文章の読解 | 文章理解 |
| 時間配分 | 全科目に共通 |
5つとも、一度は経験している範囲です。
忘れているだけで、初めてではありません。手を動かせば、数時間で感覚は戻ります。
とくに、時間配分の感覚は、経験のある人とない人で差が出ます。
経験の言い換えから相談することもできます。
言語は、実務がそのまま効く
①の言語の部分は、対策の必要が小さい領域です。理由は、役所の仕事が文章を扱う仕事だからです。
条文を読む、通知を読む、要綱を読む、答弁の資料を作る。短時間で要旨を取る作業を、日常的にしています。
準備するとすれば、時間を計って解くことだけです。内容が読めるかどうかではなく、制限時間の中で判断できるかが問われます。
普段の読み方(正確に、漏れなく)とは、求められるものが違うという点だけ、意識しておいてください。
よくある失敗
1. 形式を知らずに受験する
時間配分を先に確認してください。
2. 1問に時間をかけすぎる
飛ばす判断が点数を左右します。
3. 性格の検査で取り繕う
同じ趣旨の設問が繰り返し出ます。矛盾が生じます。
4. 期限の直前に受験する
通信の不具合で受験できない事態が起こり得ます。
5. 対策に時間をかけすぎる
書類の見直しのほうが効きます。
6. 受験せずに放置する
その時点で選考が止まります。
まとめ
- 実施の有無、種類、形式は、会社によって異なります。案内に記載があれば、そちらが確実です
- 地方公務員法第20条第2項は、採用試験を筆記試験その他の方法により行うとしています。公務員試験を受けた方は、この形式を経験しています
- 多くの検査は、①言語 ②非言語 ③性格の3層です
- ②は、公務員試験の数的処理に近く、最も取り戻しやすい部分です
- ③は取り繕わない。同じ趣旨の設問が繰り返し出るため、矛盾が生じます
- 対策は②に数時間。それ以上は、書類の見直しのほうが効きます
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
公務員試験を受けたのが20年前です
感覚を戻すのに時間はかかりますが、初めてではありません。優先するのは、②の計算の部分です。割合、速度、図表の読み取り。この3つを、手を動かして数時間やり直せば、形式に慣れます。加えて、時間を計って解くことを必ずしてください。時間を計らずに解くと、本番での配分がつかめません。なお、経験者採用の枠で入庁された方や、面接のみで採用された方は、この形式が初めての場合があります。その場合も、準備の内容は同じです。形式を知って、時間配分を体感しておく。それで足ります。
検査の結果は、面接官に見えているのですか
会社によりますが、面接の前に共有されていることがあります。そのため、検査で答えた内容と、面接で話す内容が食い違わないようにしてください。たとえば、性格の検査で「一人で進めるより相談して決める」と答えておきながら、面接で「自分の判断で進めてきました」と強調すると、確認が入ることがあります。どちらも本当であれば、「案件の性質によって使い分けています」と説明すれば足ります。検査の結果を気にして面接の答えを変える必要はありません。一貫して述べてください。
在職中で、受験の時間が取れません
受験の期限を、先に確認してください。多くの場合、数日から1週間程度の期間が設定されます。所要は1時間前後とされることが多いので、平日の夜か休日に1枠確保すれば足ります。途中で中断できる形式かどうかも、案内に記載があれば確認してください。中断できない形式の場合、まとまった時間が必要です。どうしても期限内に難しい場合は、期限の延長を相談できることがあります。黙って期限を過ぎるより、事前に相談するほうが確実です。人材会社を経由している場合は、担当者が調整します。