選考対策 / 面接
一次面接で見られていること
面接は、回ごとに見ているものが違います。
一次の面接で落ちる人と、最終で落ちる人では、理由がまったく別です。ところが、同じ準備で臨んでしまう方が多くいます。
一次で見られているのは、「候補として残すかどうか」です。
この記事では、その中身と準備を扱います。面接の全体像は公務員からの転職面接|全体の流れと準備にあります。
「候補者名簿に載せるか」と同じ構造
役所の採用試験に、似た仕組みがあります。
地方公務員法第21条です。
> 人事委員会を置く地方公共団体における採用試験による職員の採用については、人事委員会は、試験ごとに採用候補者名簿を作成するものとする。>> 2 採用候補者名簿には、採用試験において合格点以上を得た者の氏名及び得点を記載するものとする。
合格点以上を得た者を、名簿に載せる。そのうえで、名簿の中から採用が行われます。
一次の面接は、この「名簿に載せるかどうか」に近い段階です。
誰を採るかを決める場ではなく、次に進める候補として残すかを決める場。
この違いが、準備の仕方を変えます。一次では、加点を狙うより、減点を避けるほうが確実です。
一次で確認される3点
| 点 | 内容 |
|---|---|
| ① 書類の裏づけ | 書類に書いたことを、口で説明できるか |
| ② 基本の受け答え | 質問に対して、答えになっているか |
| ③ 致命的な減点の有無 | 条件の不一致、経歴の食い違い、態度 |
①が最も重要です。
一次の面接官は、書類を見ながら質問しています。数字の根拠、判断の範囲、担当した工程。書類に書いた内容のうち、説明できない部分があると、そこで止まります。
提出した書類は、必ず手元に置いて臨んでください。
①への備え
書類の各項目について、1問ずつ想定しておいてください。
| 書類の記述 | 想定される質問 |
|---|---|
| 「年間約◯件を担当」 | その件数は、何を数えた数字ですか |
| 「◯部局の査定を担当」 | 査定の案は、どなたが作られていましたか |
| 「様式を統一した」 | どういう手順で合意を取られましたか |
| 「約◯%削減」 | その効果は、何と比べた数字ですか |
| 「◯人の指導を担当」 | 具体的には、何をされていましたか |
5つとも、書類に書いてあれば聞かれる可能性がある質問です。
答えられない記述は、書類から外すか、答えられる状態にしてから臨んでください。
②——「答えになっているか」
一次で落ちる理由として多いのが、質問と答えのずれです。
| 質問 | ずれた答え |
|---|---|
| 「ご自身で決めた範囲は」 | 決裁の段数を説明する |
| 「なぜ弊社なのか」 | 業界の話で終わる |
| 「この経験をどう使えますか」 | 経歴の説明を繰り返す |
対処は1つで、「先に結論、聞かれたら補足」です。
役所では、前提から順に説明するのが正確な話し方です。ところが面接では、結論が出る前に、聞き手の関心が離れます。
「約◯億円です。内訳が必要でしたら補足します」。この形にしてください。
一次で必ず聞かれる4問
一次の質問は、ほぼ決まっています。深い話は二次以降なので、次の4つで大半が埋まります。
| 質問 | 一次での答え方 |
|---|---|
| 自己紹介 | 2〜3分。機能でまとめ、部署を列挙しない |
| 転職の理由 | 1分。事実を述べ、現職を否定しない |
| なぜ弊社か | 1分。業界の話で終わらせず、会社の話にする |
| 入社後に何ができるか | 1分。求人票の仕事内容に対応させる |
4つとも、すでに別の記事で扱った質問です。自己紹介は何分で何を話すか、転職理由を職務経歴書に書くか、志望動機欄と職務経歴書の役割分担を参照してください。
一次の準備は、この4つを声に出して1回ずつ言ってみるだけで足ります。時間を計ると、想定より長くなっていることに気づきます。
面接の前日にやること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書類の再読 | 提出した職務経歴書を読み返し、数字の根拠を確認 |
| 求人票の再読 | 応募条件と仕事内容の各行に、自分の経験を対応させる |
| 4問の確認 | 声に出して1回ずつ。時間を計る |
| 逆質問 | 3つ書き留める |
| 接続・経路 | オンラインなら接続、対面なら経路と所要時間 |
所要は1時間程度です。前日に詰め込む必要はありません。
③——避けられる減点
| 減点 | 対処 |
|---|---|
| 条件の不一致 | 勤務地、転勤、時間は応募の前に確認する |
| 経歴の食い違い | 履歴書と職務経歴書の期間・役職・資格を突き合わせる |
| 応募先の基本情報を知らない | 公式サイトの事業の説明は読んでおく |
| 現職や前職への批判 | 述べないことで回避できます |
| 遅刻・接続の不備 | 10分前に接続の確認をする |
5つとも、準備で避けられる減点です。
一次で落ちる理由の多くは、能力ではなく、この5つのどれかです。
当日は、開始の30分前から書類を読み返す程度で足ります。直前に新しい準備を始めると、用意した答えが混ざります。
回が進むと、何が変わるか
| 回 | 重心 |
|---|---|
| 一次 | 書類の裏づけと、分かりやすさ |
| 二次 | 入社後に任せる範囲の擦り合わせ。実務の深い話 |
| 最終 | 定着の見込みと条件。長く働けるか |
二次以降は、専門の話をして構いません。むしろ、現場の責任者や部門長が相手なので、詳細を話せる状態にしておく必要があります。
一次と同じ話し方で二次に臨むと、今度は浅いと受け取られます。
経験の言い換えから相談することもできます。
よくある失敗
1. 書類を手元に置かない
一次は書類を見ながらの質問です。必ず置いてください。
2. 説明が詳しすぎる
先に結論、聞かれたら補足です。
3. 専門の用語をそのまま使う
人事の担当者は、その業務の専門家ではありません。
4. 書類に、答えられない記述がある
外すか、答えられる状態にしてください。
5. 条件を確認せずに応募する
勤務地、転勤、時間は先に確認します。
6. 一次と同じ準備で二次に臨む
二次は、詳細を話す場です。
まとめ
- 一次で見られているのは、候補として残すかどうかです。加点より減点を避けるほうが確実です
- 地方公務員法第21条は、合格点以上を得た者を採用候補者名簿に記載するとしています。一次は名簿に載せる段階に近いです
- 確認されるのは、①書類の裏づけ ②答えになっているか ③致命的な減点の有無の3点です
- 書類は必ず手元に置いてください。答えられない記述は、外すか説明できる状態にします
- 一次は分かりやすさが優先。人事の担当者は、その業務の専門家ではありません
- どの回で止まっているかを見て、直す場所を決めてください
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よくある質問
一次の面接官が若い方でした。やりにくさを感じます
年齢は関係ありません。一次では、現場の担当者や、入社数年の方が同席することもあります。その場合でも、説明の仕方は変わりません。むしろ、その方が入社後の同僚になる可能性があります。相手の年齢で話し方を変えないことが、そのまま評価の材料になります。加えて、若い方のほうが、実務の詳細を知っていることがあります。現場の運用について聞ける機会でもあるので、逆質問で実務の話を聞くと、有益な情報が得られます。年齢差を意識した言い回しは、かえって不自然になります。
集団での面接に当たりました
中途採用では多くありませんが、実施する会社もあります。注意するのは、持ち時間です。1人あたりの時間が短くなるため、自己紹介は1分版を使ってください。長く話すと、他の応募者の時間を取ることになります。また、他の応募者の回答を聞いて、内容を変える必要はありません。経歴が違うので、比べる意味がありません。自分の答えを、短く正確に述べる。それで足ります。なお、他の応募者が話している間の態度も見られている場合があります。
一次の後、結果が来るまでどのくらい待ちますか
会社によりますが、1週間から2週間程度とされることが多いです。面接の場で、「結果のご連絡は、いつ頃いただけますか」と確認して構いません。この確認は、通常の質問として受け取られます。期限を過ぎても連絡がない場合、問い合わせても差し支えありません。人材会社を経由している場合は、担当者が確認します。なお、待っている間に他社の選考を止める必要はありません。並行して進めることは、中途採用では通常の進め方です。